以前もお話しましたが、今日は残業時間(割増賃金)の端数処理についてです(ご相談が多いところなので…)。

 日々の労働時間の算定において、30分未満の残業時間をカットし、その時間外労働手当を支払わないことは、労働基準法で定めている割増賃金をきちんと支払っていないこととなり、労働基準法違反になります。

 割増賃金も当然、労働基準法でいう賃金に該当しますので、このような端数処理をすると、その従業員の賃金を勝手に支払っていないこととなりますので、賃金の全額払いの原則違反にもなります。

 30分未満の端数を切り捨てていいのは、あくまで1か月の合計です。

 1か月の時間外労働、休日労働及び深夜労働時間数の各々の合計時間数に1時間未満の端数はある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることはできます。

 1か月における時間外労働時間数の合計が39時間20分なら、端数処理後は39時間になります。

 合計が39時間40分なら端数処理後は40時間になりますが、39時間30分と勘違いしている方もいらっしゃいます。

 39時間30分でも40時間です。

 当然ながら、端数処理をしないで、実際の時間外労働時間数(39時間20分なら39時間20分で計算する)で計算することもできます。

 就業規則等でルールを定めておくことがベターです。

 ただ、39時間20分なら端数処理をして、39時間40分なら実際の時間外労働時間数というわけにはいきません(いいとこどりはできません)。
 
 未払い分をめぐって労働紛争に発展しているケ−スも少なくありませんので気を付けましょう。



 割増賃金の端数処理については、平成19年、平成25年の本試験でも出題されております。

 いずれも誤っている肢です。

 受験生の皆さまは是非ご確認下さい。

(平成19年問3‐E)割増賃金の計算の便宜上、1日における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各時間数に1時間未満の端数がある場合は、1日ごとに、30分未満の端数を切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、法違反として取り扱わないこととされている。

(平成25年問3‐B)1日及び1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること並びに1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。

 両肢とも論点は、1か月の時間外労働、休日労働及び深夜労働時間数の各々の合計時間数に1時間未満の端数はある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることはできますが、1日については端数処理を行うことができないということです。



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