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タグ: 解雇

 使用者の一方的な命令で雇用関係が終了する解雇や一方的に退職を勧める退職勧奨と、自分の意思による退職とを混同するはずはないと思うかもしれませんが、実務ではそれほど単純なことではないことが多いです。



 例えば退職勧奨を受けた場合を考えてみましょう。

 景気悪化や勤務成績の低下など理由は何でもいいのですが、ほのめかされた退職をそのまま受け入れてトラブルとなることは少なくないのです。

 退職勧奨は従業員本人の自由意思による退職の意思表示を求めるものですから、自由な意思を妨げるものであってはなりません(実務では完全に自由であることはなかなか難しいですが)。

 上司の勧めに従ったのだからと、何らかの優遇措置を期待しても、会社は平気で自己都合退職と扱うこともあります。

 本当に辞める気がなければ、安易に退職勧奨を受けたり、退職届は書かないことも必要です。

「明日までに返事」を求められることもあると思いますが、落ち着いてよく考えるようにしましょう。

 そして、退職勧奨に応じる場合も、「退職勧奨に応じて退職する」と退職届などの書面にはっきり明記することも大事です。

 「自己都合で退職する」のと「退職勧奨に応じて退職する」のでは、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給するうえでも大きな違いになることもあります。



 また、私傷病による退職の場合も実務上単純でないこともあります。

 休職期間を経た場合は、自然退職、自動退職、当然退職が現在一般的になっています(使用者側も労働者側も見解に相違が生じることは少ないです)。

 一方、休職期間を経なかった場合、若しくは経る必要がなかった場合、使用者側と労働者側に相違が生じることがあります。

 ここで詳細に触れることは避けますが、…

 少しだけ…

 労働者側は「自己都合じゃないですよ…病気なんだから仕方ないでしょ…」…

 使用者側は「私傷病は自己管理不足…自己都合…」…

 これだけでは済まず、…

 労働者側は「傷病になったのは会社のせい…」…

 使用者側は「業務に関係のない傷病です…」…
 
 なかなか難しいです…



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 今回は、「労働者名簿」について…

 使用者は各事業場ごとに(ポイント)労働者名簿を各労働者(日日雇入れられる者を除く)について調製(作ること)し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他の厚生労働省令で定める事項(性別・住所・雇入の年月日・退職の年月日及びその事由など)を記入しなければなりません(労働基準法第107条)。

 また、記入すべき事項に変更があった場合には遅滞なく訂正する必要があります。

 従業員を雇い、雇用保険に加入させるとき、また、従業員が退職して雇用保険の被保険者資格を喪失させるとき、労働基準監督署や日本年金機構の調査等などでも「労働者名簿」が必要になることがあります。

 「労働者名簿」は、労働者の死亡、退職、解雇の日から3年間保存しなければならないことにもなっております。

 「労働者名簿」、覚えておきましょう。



 ちなみに、次の肢は平成22年の本試験(問1−C)で出題されました。

 正しい肢ですか。

 誤っている肢ですか。

C 使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(2か月以内の期間を定めて使用される者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴等の事項を記入しなければならない。

 誤っている肢です。

 労働者名簿の調製義務が課せられていないのは、「2か月以内の期間を定めて使用される者」ではなく、「日日雇入れられる者」です。



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 働いている方が退社する際には、業務の引継ぎをなすだけでなく、それまで勤務していたことに伴い、会社との間にさまざまな清算事項があります。

 しかしながら、不本意な退社のケースもあり、必ずしも円滑に引継ぎ、清算が行われるとは限りません。

 そこで、円滑な引継ぎ、清算が行われるように、就業規則等において、働いている方の退職、解雇時の義務をきちんと定めておく必要があります。

 もちろん、定めるだけではなく、着実に運用することも大切です。

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 次の肢(平成22年労働基準法問1-E)は正しい肢ですか。

 誤っている肢ですか。

E使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。

 正しい肢です。

 実務で大事なのは、「履歴書」の取扱いです。

 労働基準法109条にある「雇入」に関する書類とは, 雇入通知書・労働条件通知書等, 雇い入れに関する直接的な書類をいい, 履歴書のような採用の選考資料は含まれないと一般的には考えられており、履歴書に関して法的な保存義務はないといえます。

 また, 履歴書の返却・廃棄の方法についても法的な取り決めはありません。

 ただ、本人から返却の依頼があった場合は遅滞なく返した方がベターです。

 

 詳細は触れませんが、奥深いところです。



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 前回に引き続き、今回も雇用保険の基本手当についてです。

 何度もお話していますが、誤解している方が非常に多いので、再度。



 基本手当は、原則として「離職日以前2年間(算定対象期間)に被保険者期間(賃金の支払基礎日数11日以上の月)が12か月以上」ある場合に支給されます。

 特定受給資格者・特定理由離職者については、「離職の日以前1年間に被保険者期間が6か月以上」に要件が緩和されます。

 特定受給資格者・特定理由離職者をざっくり言うと…

 特定受給資格者とは、倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた者を言います。

 一方、特定理由離職者とは、特定受給資格者以外の者であって期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した者を言います。

 実務でもとても難しい内容です。



 次に被保険者期間の計算についてです。

被保険者期間を計算する際、「最後に被保険者となった日前に、基本手当の受給資格・高年齢受給資格・特例受給資格を取得した場合には、その受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間は対象としない」というルールが設定されております。

 例えば、A社、B社、C社という順序で、入社・離職したとします。

 「最後に被保険者となった日」は、C社の入社日となります。C社の勤務期間単独では基本手当の被保険者期間が不足したまま、退職したとします。

 B社でも受給資格を取得していない場合はB社の被保険者期間も通算することが可能です。

 さらにA社の退職時点でも受給資格を得ていなければ、A社の被保険者期間も加算できます。

 それ以前の勤務期間も算定対象期間内である限りは同様です。

 離職票は3枚以上、それ以上(現在最多12枚まで)もあり得ます。

 2枚以上の離職票を保管するときは、併せて提出しなければならないことになっております

 今年の本試験(雇用保険法問7-B)にも出題されております。

B基本手当の支給を受けようとする者(未支給給付請求者を除く。)が管轄公共職業安定所に出頭する場合において、その者が2枚以上の離職票を保管するときでも、直近の離職票のみを提出すれば足りる。

 誤っている肢です。

 2枚以上の離職票を保管するときは、併せて提出しなければならないことになっておりますので、誤っている肢となります。

 複数の離職票を提出して求職の申込みを行った者については、前後の離職票が単独で受給資格を満たしているか否かにかかわらず、後の離職票の離職理由で判定します(行政手引)。



 賃金日額についても、最後に離職した日の属する被保険者期間から計算された最後の6か月間に支払われた賃金をベースとします(わかりにくいと思います)。

 受給資格が確認され、所定給付日数を決める際には、被保険者として雇用されていた期間(算定基礎期間といい、算定対象期間ではありません)の長短が決定要素の一つとなります。

 算定基礎期間については、基本手当等の受給資格を得ていても手当を実際に受給していなければ、転職前の会社の雇用期間が通算されます(以前の被保険者資格を喪失してから1年以内に再取得していない場合を除きます)。

 今日のお話のところは少しナイーブな面がありますので、慎重に対応する必要があります。



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 今回は退職時の証明書について。

 労働基準法第22条第1項では、退職した従業員から使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職事由について証明書を請求された場合、使用者は遅滞なく交付する義務を負うと定めております。

 第3項で、本人の請求しない事項を記載してはいけないと規定されています。

 従業員が解雇の事実のみについて証明書を請求した場合、使用者は解雇の理由を証明書に記載してはならず、解雇の事実のみを証明書に記載する義務があります(平成22年本試験労働基準法問2‐D)。

 労働者と使用者の間で退職の事由について見解の相違がある場合、使用者が自らの見解を記載し交付すれば労働基準法違反とはなりませんが、虚偽であった場合(離職証明書の離職理由欄と異なった場合など)には、労働基準法の義務を果たしたことにはなりません(平成22年本試験労働基準法問2‐C)。

 「離職証明書の離職理由と異なるとまずいなら、面倒だから、離職票が退職時の証明書代わりだ」という声も聞こえてきますが、それはできません。

 

 (おまけ)

 昨今、採用後に前職でのいろいろな問題が発覚し、採用した企業に多大な影響を与えることがあります。

 前職の企業にはあまり影響がなく、採用した企業に影響があることが多いです。

 例えば、前職先で女子高生にみだらな行為をし、懲戒解雇されたとします。

 その人間が他の就職先を求め、求められた企業はそのまま、採用しました。

 採用後、逮捕され、世間に発覚。

 前職先は公にせず、新しい就職先が表沙汰になることが非常に多いです(詳細は触れませんが…)。

 そのためにも、採用選考時に退職時の証明書を求めることも一つの方法かもしれません。

 実務ではとても大切な内容です。



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 使用者の一方的な命令で雇用関係が終了する解雇や一方的に退職を勧める退職勧奨と、自分の意思による退職とを混同するはずはないと思うかもしれませんが、実務ではそれほど単純なことではないことが多いです。



 例えば退職勧奨を受けた場合を考えてみましょう。

 景気悪化や勤務成績の低下など理由は何でもいいのですが、ほのめかされた退職をそのまま受け入れてトラブルとなることは少なくないのです。

 退職勧奨は従業員本人の自由意思による退職の意思表示を求めるものですから、自由な意思を妨げるものであってはなりません(実務では完全に自由であることはなかなか難しいですが)。

 上司の勧めに従ったのだからと、何らかの優遇措置を期待しても、会社は平気で自己都合退職と扱うこともあります。

 本当に辞める気がなければ、安易に退職勧奨を受けたり、退職届は書かないことも必要です。

「明日までに返事」を求められることもあると思いますが、落ち着いてよく考えるようにしましょう。

 そして、退職勧奨に応じる場合も、「退職勧奨に応じて退職する」と退職届などの書面にはっきり明記することも大事です。

 「自己都合で退職する」のと「退職勧奨に応じて退職する」のでは、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給するうえでも大きな違いになることもあります。



 また、私傷病による退職の場合も実務上単純でないこともあります。

 休職期間を経た場合は、自然退職、自動退職、当然退職が現在一般的になっています(使用者側も労働者側も見解に相違が生じることは少ないです)。

 一方、休職期間を経なかった場合、若しくは経る必要がなかった場合、使用者側と労働者側に相違が生じることがあります。

 ここで詳細に触れることは避けますが、…

 少しだけ…

 労働者側は「自己都合じゃないですよ…病気なんだから仕方ないでしょ…」…

 使用者側は「私傷病は自己管理不足…自己都合…」…

 これだけでは済まず、…

 労働者側は「傷病になったのは会社のせい…」…

 使用者側は「業務に関係のない傷病です…」…
 
 なかなか難しいです…



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 試用期間の途中に会社の一方的な意思表示で労働契約を解約すれば、当然解雇に当たります。

 また、試用期間満了後の本採用拒否も解雇に当たります。



 労働基準法第20条では、会社は解雇する場合は、少なくとも30日前の予告をするか、又は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないとしています。

 但し、労働基準法第21条では、試用期間の最初の14日以内に解雇する場合には、解雇予告の規定を適用しない、ともしています。

 つまり、この場合は解雇予告手当の支払いをすることなく即時解雇が可能ということです。


 
 結局、試用期間の最初の14日を超えたところからは、原則通り、解雇予告の規定が適用されますので、本採用を拒否する場合は、少なくとも30日前に予告をするか、又は解雇予告手当を支払わなければなりません。

 これを行わない場合は労働基準法違反となります。



 未だに、「今日で辞めて下さい。今日までのお給料は支払うから心配はないよ。」とおっしゃる社長さんがいらっしゃいますが、…

 試用期間の最初の14日を超えているにもかかわらず、今日までのお給料だけだったら、当然労働基準法第20条違反になります。



 ちなみに就業規則等に試用期間を定めていないと採用日初日であっても、その日に解雇する場合、原則解雇予告手当の支払いが必要となります(ポイント)。

 このあたりのご相談は依然として、多いです。



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 次の肢は正しい肢ですか。

 誤っている肢ですか。

Eストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならないので、ストレスチェックを受けていない労働者を把握して、当該労働者に直接、受検を勧奨してはならない。

 誤っている肢です。

 人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはなりませんが、ストレスチェックを受けていない労働者を把握して、当該労働者に直接、受検を勧奨することはできます。

 よって、誤っている肢となります。

 問10は、「誤っているものは次のうちどれか。」という問題なので、1点ゲットとなります。

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 次の肢(平成22年労働基準法問1-E)は正しい肢ですか。

 誤っている肢ですか。

E使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。

 正しい肢です。

 実務で大事なのは、「履歴書」の取扱いです。

 労働基準法109条にある「雇入」に関する書類とは, 雇入通知書・労働条件通知書等, 雇い入れに関する直接的な書類をいい, 履歴書のような採用の選考資料は含まれないと一般的には考えられており、履歴書に関して法的な保存義務はないといえます。

 また, 履歴書の返却・廃棄の方法についても法的な取り決めはありません。

 ただ、本人から返却の依頼があった場合は遅滞なく返した方がベターです。

 

 詳細は触れませんが、奥深いところです。



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