城戸紘志の「やっとわかった」

城戸紘志オフィシャルブログです。オフィシャルサイトはこちら→http://kidrum.com/

「音楽的」とはどういうことか。

「なんて音楽的な演奏なんだろう。」

「あの人って音楽的だよね。」

みたいな言葉をたまに聞くと思うのですが、
「音楽的」ってなんでしょうね。

大きなテーマだと思うのですが、
ちゃんと答えられますか?

僕なりの答えを整理しつつ、
書いてみたいと思います。


〜〜変化する音 = 音楽的!?〜〜

例えば、冷蔵庫とかが出すノイズ。

これが24時間全く変わらずに鳴ってたとして、
音楽的だと思いますか?

なかなか音楽的だな、と感じる人は少ないんじゃないでしょうか。
(仙人の域に達すれば、そういう人も居るかも?汗)

でも、そのノイズがリズミカルになってきたらどうですか?

シンセサイザーみたいにフィルターが閉じたり開いたり(音がこもったりはっきりしたり)
音程が高くなったり低くなったりしたらどうですか?


前にブログで書いたように、「音楽とは変化を楽しむもの」だとすれば、
音楽的だと感じる部分もあるんじゃないかと思います。



〜〜曲というものにはフォーマットがある〜〜

じゃあ、変化していれば「音楽的」なのかと言われると
そうだとも言えません。

問題はその変化をどのように起こすか、
という事なんですが...

曲というものにはそれぞれフォーマットがあるんです。


例えば、わかりやすいポップスなら、

イントロが8小節
Aメロが8小節
A'メロが8小節
Bメロが7小節で7小節目がブレイク
サビが8小節 + 9小節
リイントロ4小節

みたいに曲構成があって、
それぞれの部分に作曲されたメロディー(主旋律)があり、コード、リズムが編曲されています。


この

「フォーマットを理解して、フォーマットに沿った変化を起こしていく」

これがひとまずは「音楽的」だと言えるんじゃないでしょうか。


曲のフォーマットにもよりますが、
ポップスで、Aメロの2小節目にいきなりドラムの1小節フィルインを入れるとか、
メンバーもお客さんもびっくりすると思います。

これは「音楽的」とは言えないんじゃないかと、とりあえずこの時点では言わせてもらいます。


逆に、

イントロの8小節目に、ドラムフィルインを入れる。
Aメロが来るよ、という合図の役割を果たす為に。

コードが変わるからシンバルを入れる。

ブレイクが来るから、フィルインを入れる。

Aメロではサビの広がりを活かす為に、ハイハットはクローズにする。

とかも、「音楽的」と言えると思います。



〜〜意志〜〜

でも、一見(一聴)「音楽的」に思えない演奏も、
「音楽的」に聴こえることがあると思います。

それを覆すのは【意志】です。

意志があれば、僕はそれでいいと思います。

ポップスで、Aメロの2小節目にいきなりドラムの1小節フィルインを入れる事が、
心からかっこいいと思っているならやるべきです。

最初から最後まで、ひたすらリズムパターンだけを叩いて、
フィルインを入れないのがかっこいいと思ったなら、そう演奏するべきです。

他の誰がなんと言おうが、貫くべきです。

そこから学ぶ事がたくさんあると思います。

演奏に、作詞に、作曲に、編曲に、意志を持つ事が一番大事だと思います。

意志が弱いものに人は噛み付くのです。

強い意志を持っていれば、
好きにやりなよって感じで、
向かってくる人も余り居なくなると思います。(たまに居ますけど。笑)

もし敵ができたとしても、味方も増えるはず。

ちょっと脱線してしまいましたが、
意志があれば、「音楽的」に聴こえる事がある、という話です。



〜〜もっと深く〜〜

もっと深い部分で「音楽的」な演奏をするにはどうすればいいのか。

それは、僕も常に考えていて、
まだできない事も多く修行中の身ですが、


リズムアンサンブル(他の楽器との絡み)

音楽の周波数のアンサンブル (チューニング、楽器の選択)

ダイナミクス (曲全体での。または、バンド形態、演奏する場所での。)

メロディーとのアンサンブル
(長い音符のメロディーの時は細かく刻むとか...)


こういうところを考えて音を出す、
演奏していく事で、より深く「音楽的」な演奏ができるんじゃないかと考えています。



〜〜まとめ〜〜

いろいろあると思いますが、
まずは曲のフォーマットを理解する事です。

それにはドラムだけでは限界があるんじゃないかな。

ドラムだけしかできなくても、
感覚的にできてしまう人も居るかもしれませんが...


もし本当に音楽が好きなら、いろいろやってみるべきだと思います。


ピアノやギターを弾いてみたり、
歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、
メロディーや歌詞を作ってみたり、
理論を勉強したり、映画を見たり、
恋をしたり(!?)



4月27日渋谷Duo
4月29日大阪心斎橋VARON

でMiChiさんのライブに参加します。

「音楽的」な演奏をできるように心がけます。

是非見に来てください。

よろしくお願いします! !

リズム重力論?

僕は独学で、モーラー奏法やアレキサンダーテクニークを勉強したり、
中途半端ですが、歴史や英語を勉強したり、
勉強する事が好きです。

っていうか、それによって
“新しい考えや知識に出会える事” が好きなんですね。

先月からLCC (Lydian Chromatic Concept) という
アメリカの作曲家、理論家George Russellが提唱した音楽理論を、
先日Rumba On The Cornerで共演させて頂いた藤原大輔さんに習いに行ってるんです。

藤原大輔さんのホームページ

まだ2回しかレッスン受けてないですが、めちゃくちゃ面白くて、感動してます。

やっぱり教わる喜びってありますね。

もっといろんな事を知りたいです。

ドラムだってまだまだ教わりたいと思っています。


さて、さっきはわかりやすいようにLCCを音楽理論と書きましたが、
理論とは少し違うみたいです。

バークリーメソッドという音楽理論も同時に勉強中なんですが、
メソッド(理論)はルールブックみたいなものなので、答えは一つです。

それに対して、
LCCはコンセプト(概念)なので、最終的に習得した後、
受け取り方は人それぞれ違ってていい、という事なんですね。

紀元前5世紀にピタゴラスが1オクターブの中に12の音程を取り出してから、
今に至るまで変わらない、普遍的なものを考える、音楽という学問みたいなものなんです。

これだけで、もうワクワクします。笑

学問だから、もっと進化していくのです。

勉強している時、教えている時に、
僕は自分の心がキラキラしちゃってるって事を、自覚してます。苦笑


そろそろ本題に入りますが、
LCCでは「音には重さがあって、重力を持つ」というユニークな発想をします。


ちなみにここからは、全くもって、ただ僕が僕の考えや感じた事をわかりやすく解説するだけで、
習った事ではありません。

そこんとこよろしくお願いします。


例えば、ドレミファソラシドと音を出した場合、
最後のドで落ちるべきところに落ちる感覚ってありませんか?

これをドレミファソラシ............

で、止めたらなんか浮いてる感じです。

......ド〜。

はい、今落ちましたね。

これはドに一番重力があるからです。

引っ張られてるんです。


この重力って発想を聞いた時、
すぐに僕の中で「それはリズムにも置き換えられる」と考えました。


リズムの場合、1拍目のアタマに一番強い重力があると思います。

|ドン・タン・ドンドン・タカトン|ジャン・ー・ー・ー|

だと、
「終わったー!」
って感じが強いというか、落ち着くというか、安心するというか。

|ドン・タン・ドンドン・タカトン|ー・ー・ー・ー|

だと、
「えっ!?終わり!?」
って感じというか、浮いてるような感じというか。


要するに、裏拍より表拍の方に重力があるんですよ。

Jazzはその重力に逆らう音楽と言えるでしょう。

基本的にシンコペーションとか、ポリリズムとかを駆使して重力に逆らうのです。
ボールが落ちそうになったらトス、落ちそうになったらトスの繰り返しです。

いいドラマーを褒めるときに
「あのドラマーの浮遊感すごいよね。」
なんて言うのは正に “それ” ですよね。

それから、これはあくまでわかりやすく言ってるだけですが、
Rockはあまり重力に逆らわない音楽と言えると思います。

で!!

ドラムの初心者(ドラムに限りませんが)は、
この重力に逆らえないんですよ。

ドラムソロなんてやらせたら、
ほぼ99%の確率で小節のアタマにシンバルとキックがジャーンと入ってから、
なんかやって、またアタマでシンバルとキックが入ってなんかやって...

一回落として安心させないと、次の動作やリズムに移れないんですよね。

前回の「音楽の真理を発見!?」の時に書いた、
音楽におけるカタルシスと結びつけると、

ずっと重力に逆らわないという事は、
地に足がついてる状態だから、ずっと安心できる状態であって、
ノンストレスです。

曲、アンサンブルによっては、それがいいという風に
聴かせられる場合もあるとは思いますが、
基本的に単調な音楽になるでしょうね。

好きか嫌いかは別として。

でも、
「重力に逆らえる人」が敢えて「逆らわない」のは
聴こえ方が違ってくると思います。

説得力が違うと思います。

「逆らえない」のと「逆らわない」のとでは全然違いますね。


なので、

Jazzを勉強するなり、
ひたすらシンコペーションを練習するなり、

重力に逆らって行ける力=浮遊力(とでも言う事にしましょう)
を養って行く事は、Rockをやる上でも大事だと思います。

というお話でした。

今回も長々と読んでくれた方、ありがとうございました。

最後に、重力に逆らってるバンドを紹介して終わります。




リズム的には特に重力に逆らってない!!笑

【やっとわかった】2013 January〜March

☆コーヒーの美味しさ。コーヒー飲みたくなる気持ち。

☆グルーヴとは、ワクワクする感じがどれだけ続くか、って事。

☆リズムのアンサンブル。変化のアンサンブル。周波数のアンサンブル。

☆熱量と構築のバランス。

☆変わる事は生きる事。変化する事が音楽。だから、 “音楽” は “生きる事” 。 
プロフィール

hiroshikido

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