少数与党

少数与党だとメディアが二言目には繰り返しますから、今まで止まっていた(与党が止めていた)法案がどれだけ通っていくのかと期待することでしたが、全然通りません。先に、ガソリンの暫定税の廃止法案を協議していた衆院の委員会の議長を降ろす議案が初めて通ったと話題でした。自民党の委員長が降ろされて代わりに立憲の誰かがなって衆院を通ったまではよかったのですが、参院は与党が過半数です、議題にも挙げないという塩対応でチョンです。予算以外の議題には衆院の優越はないのでしょう。野党側はこれだけ足並みが揃って提出しているのに‥と恨み節を言い、対する与党側は代替財源の明確でない減税策に応ずるわけにはいかないという真正面。自民党の2万円ばら撒き案を難じて、こんな金があるならガソリン代金を何とかしろと言うてましたが、その昔に民主党が勢いのあった時代に一度撤廃したことがありました、当時は150円で大騒ぎしてポピュリズムそのもの政策でしたが、すごすごと元に戻した経緯でした。この税金は道路の整備等に使われていて、こちらがすぐに滞ってそれこそ代替財源が見つからなかったのでした。今は170円台で「ああ下がったな」ですからね、ゆで蛙とはこのことです。これだけではなくて選択的夫婦別姓法案も上がりません。自民党はぐずぐずしているの右勢力たちの強硬な反対が原因(公明党は賛成してますから)とされてますね、左巻きさん達の好きそうなこの議題こそ野党が一致すればすぐに通りそうですがそうも行かない。少数与党なのですが215対235ですから30程度の票の行方が勝敗を分けるのです、だから国民党、維新があれだけ態度がデカい。野田さんが強いリーダーシップをみせないのも一因ですが。別姓法案について、自民党が反対の理由と挙げる父母の姓が違うことによる子の不利益のあれこれがありますが、これについて朝日が噛みついてました(朝日 6/14 耕論「子どもがかわいそう」?)。左巻きさんたちの言いそうな内容です、それ自体は特に目新しいことではないのでしたが、彼らに共通するニコニコ笑いながら「自分が正しいのだ!(あなたは間違っている)」と言い張るテイストにはこちらが噛みつきたくなります。元最高裁判事の肩書の爺様は「子どもが差別されてかわいそうだからと夫婦別姓に反対する人はその差別を許容するのでしょうか。そのような差別は許されるものではありません」と一つひねって反論してます。屁理屈ですね、真正面の議論で負けそうになるとよく使われる裏攻めです。社会学者さんは「みんな一緒がいいとする発想や、子どものことは大人が決めてよいのだとする考えが学校や家庭にいかに強く残っているか。子どもがかわいそうという語りが幅を利かせている事実はそうしたに日本社会の現実を映している」と。みんな一緒指向が余程に嫌いなのですね。日本を日本たらしめていた根本秩序の一つの筈ですがね。みすずさんの「みんな違ってみんないい」その後は知りません、なのでしょう。もう一人の自らマイノリティーの若い衆は「むしろ現実に存在するマイノリティーの子どもを不可視化し抑圧している。そう言う人こそが子どもをかわいそうな存在にしていると気づけ」と言います。これも相手の腰を折ろうとする裏攻めです。膝カックンのように。 political incorrect に導く論法を教えてもらう感想でした。私は夫婦別姓には反対です。高市さんの言うような旧姓の使い方でカバーできるじゃないかと思うからです。子どもがかわいそうとは思いません、その環境でその子は生きるしかないのですし、そういうもんだで済むことですから。うちはこうだ、あなたの家とは違う、そういう区別で済みます。日本では無理ですかね夫婦別姓。

長嶋考

長嶋が亡くなってこれでもかのTV報道や新聞雑誌記事が続きました。私は金田小山稲尾中西には間に合いませんでしたが長嶋や村山江夏平松星野には間に合った世代です(とはいえ天覧試合は知りません、生後一年でしたので)。8時半の男はよく覚えてます、小学低学年の頃でした、三角ベースしてましたグラブに24と書いてたのを思い出します(宮田の背番号です)。V9ナインは諳んじてます、相手が野村広瀬のいた南海から阪急へと変わっていく時代です。阪急の全盛時代もよく覚えてます、まだ米田が梶本がいました、それに山田、山口高。スペンサー、長池、加藤英、森本、福本、蓑田。監督は西本さん。日本シリーズは全てデーゲームでした、今時のように寒い中ナイターなどしません。長嶋の話でした。高校3年の秋があの引退試合でした。平日のデーゲーム、後楽園で中日戦のダブルヘッダーです、最終戦。V10を逃した年です、優勝したのは中日、で相手はすっかりコマ落ちです、当時のレギュラーは出てこず消化試合の態。中日とすれば当然のことですが、長嶋に対して失礼な!と批判がありましたねさすがに。平日ですから学校行ってます、授業終わって掃除をさぼって男どもの多くはさっさと帰ってTVを見ました、私もその一人。二試合目に間に合いました。一試合目に長嶋がホームラン打ったと何度もVTR流れてましたね。ああ残念。当時長嶋は一番を打つことが多かったです、つまりもう4番は任せられないと(王ですもちろん)。打席が多く回ってくるようにとの配慮、つまり少しでも多く打席に立つようにとの川上監督の恩情だったとも聞きました。が、最終戦は「4番サード長嶋」でした、このコールにはしびれました。巨人軍は永遠に不滅です!のあのフレーズはリアルタイムで聴きました、あの場面を観てました。まざまざと思い出します、夕方のあの空気、当時住んでいた家の香り、周りの景色。17歳ですからね覚えてますわね。あの当時は野球中継は巨人戦ばかりです、ONばかりです。田舎の少年はよほどでなければ巨人ファンです。メディアに論評するのは私と同世代の者が多いのでしょう、同じトーンのものが多いのです。天性の明るさだの、太陽だの、プロ野球を白黒からカラーにしただのと聊か食傷なのですが、その一つにこんなのが在りました。長嶋のオーバーアクションを、無茶打ち悪球打ちを讃える文脈で、昨今のビデオ判定の細かさを採り上げて「土煙を立てた長嶋氏の滑り込みを、そんな風に検査したら面白くもなんともないだろう」と。うむ、言いたいことはわかりますが、アウトはアウトですから。俺がルールブックだと睨んで済んだ二出川さんたちの時代じゃないんですから。プロのカメラマンの偶々の写真(それもすぐにその場では示せません)しか確かめようのない時代を懐かしんでも詮無きことです。事実あのビデオ判定は観客も喜んでますからね、試合が中断されてしまいますけれど。長嶋は何でもありという前提の作り話・思い込み系も多いのだろうと感じることでした。思い出は作り話なのです、長嶋がどれだけ土煙を立ててスライディングしたんでしょうね。多くの人が抱く長嶋像はこういうことなのですね、勝手に作り上げてる。空振りを魅せるためにわざと大きめのヘルメットかぶってた人ですわ。彼の外連に世間が反応して、プロ野球が長い間日本人の娯楽を引っ張ったのでした。巨星堕つ。しかし、どう皮肉を言うたところでこれは間違いないことです。金田逝き、野村逝き、次は王か張本か。皆長生きをして、そして昭和が消えていきます。

計画経済

今次の米騒動、実際に米がないのか、前大臣が悪し様に言うていたように流通が滞っているのか。安い備蓄米が店頭に並ぶようになって、高値のついてたブランド米が値下げ傾向のうちに急に市場に出回ってきているんだそうです。ここ何年かの猛暑でコメは不作だったのが事実のようですが、後者も確かにあったのでしょう。流通が滞る(スタックと言うてました)とはつまり高値を予想して市場に出し渋る、少々の高値でも売れるだろうとの読み、つまり儲け話、金に鼻の利く連中の常道。トラックがどうのこうの、運賃やその他経費の高騰がどうのこうの理由ではなくて、高値で買い込んでため込んで様子見乍ら少しずつ出す。高く売る黄金則です。でもそれを主食のコメでやるか?の憤りはあります。でも売れる。高い高いとメディアが煽れば煽るほどに購買欲も煽られて。実際に値段はどんどん上がり、普段の二倍を超える。メディアはすぐに低所得者や子沢山の家庭の悲鳴を採り上げる。実は米不足は何年も前からの傾向だったそうで、TVは前の前の大臣が新米が出回るようになったら改善すると(今から思えば大嘘を)原稿見ぃ見ぃ言うてる映像、そして前の大臣のスタックしてる悪い奴らがいるというニュアンス発言を繰り返し流します。大臣がそう厳し目に言うても値段は下がらず、どころか嘲笑うように高値を更新し続ける。仲買たちは儲けようとして農家から高値で買い付けてるんですから、わざわざ損するようなバカはしません。備蓄米に手を付けたのはいいけれど競争入札にしたもんだから高値は変わらず(当然ですね、小野寺さんが言うたように国が儲けてどうする?の態ですから)、しかも古米が店頭に出てこない。高値で買ったんですからそれなりに考えますわね。で、あの失言。ここを先途とクビ挿げ替えて小泉さんを前に出して石破さんの差し金でしょう、備蓄米の大放出、廉価販売があの迅速さで。やればできるんじゃないか!と驚く速さではあります。農協を通す従来の流通経路以外を募ればこれだけ早いという実証でした。農政族を飼っている農協さんの機嫌を損ねると次の選挙が危ないわけで、黒幕よろしく農家を抑え甘い汁を吸ってきた農協でしたが、これで新たな流通経路ができそうですね。ひと儲けを狙って買いためていた米(スタックされていた米)がそろりそろりと出回ってきたそうです、売らねばただの大損ですからねぇ。減反政策という計画経済が間違っていたという歴史の繰り返しでもあって。米の増産に舵を切る、それで国内で消費しきれぬ分は輸出に回すなんて甘い見通しを言うてますが、米を安くに輸出している国が他にどれだけあるというの?安い米を多く作る?また農家を生かさず殺さずの繰り返しです。農家を守るために主食の自給率を保つために生産コストに見合った米価にするから、少々高値になっても辛抱しろとそう国民に告げる勇気のある政治家が出て来るか。小泉なら言いそうですが、姑息策ではない今後の農家を守り主食を守る大政策を打ち出せるのか。石破さんの資質が問われ、ひいては今夏の参院選の占いでもありましょうか。
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プロフィール

hirotanougeka

昭和32年 1月6日生まれ
昭和50年 山口県立柳井高校卒業
昭和58年 大阪医科大学卒業
昭和60年 梶川脳神経外科病院 勤務
平成04年 6月1日開業 現在に至る

・医学博士
・日本脳神経外科学会認定専門医 No,2746
・柳井医師会会長

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