やれやれ

走行中の電車内での放火刃傷沙汰、バス停の人の列に車が突っ込む過失致死運転、同居の母親の兄による甥っ子小学生兄弟の放火焼死事件、そして中三同級生による白昼校内での刺殺事件。これに加えて実母の手にかかる、あるいは継父の暴力による複数の幼児虐待殺人事件が連日のように起きています。どうした日本?犯罪の話になるとデータによる客観性を強調する向き、藻谷さんとか環境問題の杉山さんとか、にかかると戦後昭和30年代と比べて犯罪は増えているのではない、却って減少しているのだと反論喰らいます。が、素人のこの感覚、近頃犯罪多いなぁも決して間違いではなく、それは密に起こっているからでもあります。で、そのうちにすぐに素人は慣れてしまう、幼児虐待をTVはもう報道しませんからね、私も紙面の隅のベタ記事で知るだけです。ああ、またかい。私とてここでこうやって採り上げて憤っているだけで、次に生まれてくるときには別の親の元にしなさいねなんてセンチメンタルにくるむしかしてません。慣れているわけです、バカ親はどうにもならんぞと他人事です。で、またどこかで起きる。危ない輩はどこにいるかわかりません。だから気をつけなさいね。どうやって?何を?走っている電車の中、地下鉄であれ新幹線であれ、そんな場所で火を点けられた日にはどうにもなりません。隣に座っている奴にいきなり刺されたら逃げられるはずもありません。ぶつかって初めて気づいた、なんて言うてる運転手をどうやって止めるんです?てんかん患者の事故だったとわかれば世間の目は厳しくなりますがそれなりに因果がわかってそれ以上の追及もなくなります。危ない者に運転させるなよ、で終わりです。まさか次に自分が被害者になるなんては思いもしてませんから。だから絶えないのですが、新聞は何故絶えない?と行政を批判非難するだけです。個人の問題としたがらないです、これがPCの本質です。加害者の人権か被害者の人命なのかというつまらぬ対比に安直に落ちて行くのですが、事故事件を減らすには加害者減らすしかないでしょうに。おじにも二種類あって漢字ではきちりと区別されていることを今回のTV報道はよく教えてくれました。同居の伯父という表現で通してます。焼き殺された兄弟から見た伯父です。50歳の、母親の兄だと知らされてやれやれです。叔父ではなくて伯父。情けないことです。生徒学生同士の刃傷沙汰も驚かなくなりましたね。校長はじめ大人たちの狼狽ぶりが滑稽にさえ映ります。俺は知らんぞ、お前知ってたか?教育委員会の保身ぶりが見苦しいことです。学校に包丁隠し持って行ってそのまま他人の腹を刺すなんては普通の人間にできることではありません。から、単純に個人の問題です。性質性格の問題です。親の顔が見たいですか?先週書きましたが、親のしつけや教育の影響は子の人格形成に大きくは寄与しないのです。遺伝要素と環境因。遺伝要因であるならやはり親の顔(喋り口、話す内容などなど)も見たいことですね。週刊誌が答えてくれるでしょうが。やれやれ。どう考え回してもやれやれではあります。

行動遺伝学的に

大谷、満票でMVPに選ばれたとメディアは大騒ぎです。確かに偉業です、大リーグのMVPですからね。先にイチローが同記録を持っていますが、彼の場合は数票差の僅差での受賞だったが大谷は満票だったと差を強調します。満票だろうが一票差だろうが、51対49でも勝ちは勝ちだとよく言うことですがそんなことにはお構いなしです。ダブルスタンダードの典型ですが思い出すにそうでしたね。イチローの時には重厚長大指向(マッチョな選手の大ホームラン指向)のアメリカ人にはヒット量産する小さな野球に賛否相反したことでした。日本のメディアは野球本来の面白さ(これは今次の大谷にも与えられた賛辞ですが)を再認識させた、打って走って守っての原点を示してくれたなんて負け惜しみ言うてましたけれど。で、今次大谷です。満票と言うことはこちらからあれこれ注釈言い訳を付ける要もないということです。アメリカ人が本物と認めたということです。アメ車並みのデカい体で笑顔を振りまくベビーフェイスの東洋人が、投げるわ打つわ走るわの大活躍。当初は誰もが矯めつ眇めつしながら斜に見ていたことですが、今年の大ブレイクです。その前に故障の何年かがあって、ここも彼のエネルギーを貯めた因だったのでしょうかね。と、素人の他人にええ加減を言うてほしくないことでしょう、本人の焦りや切迫感は半端じゃなかったでしょうし。で、成績もさることながら、彼への賛辞で共通するのは人柄の良さ、明るさ、好感度です。どう育てたらこんな好青年になるんだ?親御さんに聞いてみたい。そういうことになります。高校時代の監督のコメントが何紙かに載ってます。彼は勉強も全科目平均85点取ってた、寮の清掃もきちんとやってた、人として立派に育ってくれている、おめでとうではなくてありがとうだと。もちろん去年までの成績ではこんなコメントどころか誰も聞きに来てくれないことで、全ては今期のこの大活躍有らばこそです。彼の過去には何の違いも訂正もないこととはいえ、好青年だったけどなぁ、日本ではできたけどなぁで終わるのとは天地の懸隔です。さぞや特別の扱いで育てたのだろうと我が子と比べて凡人は期待することですが、きっとご両親は(普通なら)謙遜されようし、事実特別なことなどないだろうと言われましょう。最近読んだ本に面白いことが書いてありました、行動遺伝学という分野の本です。一卵性双生児を追いかけて、似ている部分をそうでない部分を育った環境の違いから分析するという手法です。家庭環境や親の影響を共有環境、それ以外を非共有環境と呼び区別して分析すると、人の行動のほとんどは遺伝と非共有環境に負うというのが事実なんだそうです。つまり親の影響、親のしつけってのはその人の人となりには大して影響しないのです。親の顔が見たい、のですが、観ても仕方ないのです。もっとも、親の顔が見たいという場面では、暴力の連鎖虐待の連鎖とよく言われるように親が若かりし頃に辿ってきたままの友人関係にあるケースが殆どですから、親を見るとこの親にしてこの子ありの図になることも少なくないということにはなりましょう。が、ケース多く調べると、親の影響は味覚(おふくろの味というやつでしょうか)と言葉遣いくらいしか明確ではないのだそうです。言葉遣いに親の影響が強いと言われると合点がいきませんか。親父の口ぶりに似てきたとか、おふくろの口癖がつい口をつくとかありますよね。そうかぁ。でも、しつけなんてはその人の性格形成には大きく影響しないと聞くとにわかには・・です。しかしこれが科学ってやつです。親の背中を見て育つ。これはどうでしょうか。親の背中、親の仕草、親の話しぶり、親の生活態度っては全くの家庭環境です、これには倣う気があろうがなかろうが真似しますよねぇ。で、大谷です。どうやれば彼のような(運動能力や体格ではなくて。これはひとえに遺伝、生得のものでしょうから)好青年になれるか。好青年に育てることができるか。親がいくら頑張ってもダメということです。遺伝要素はどうにもなりません、あなたと配偶者の持っている以上のものは出ません。要は非共有環境です、つまり友達環境、職場環境、社会環境です。彼を好青年たらしめているのは小中高時代の友達環境だということです。野球部仲間のお陰、そして上述野球部監督の薫陶の賜物だと。そして栗山さん。そう思うと結構考えてしまいますねぇ。自分が自分でいるのは何が影響してきたのか。いかがですか。参考までに引用本は安藤寿康著「日本人の9割が知らない遺伝の真実」、橘玲著「スピリチュアルズ」です。

高額薬の功罪

ノーベル賞受賞者の本庶さんが抗癌剤オブジーボの特許に関する研究者取り分が少なすぎるとの訴訟、相手は小野薬品。藤沢や第一やらが潰れて合併されて、この小野薬品や武田や塩野義等老舗はなんとか外資に抵抗して立っていますが、昔は製薬会社は強く、漫画の主題歌にスポンサー名を入れてましたし、コマーシャルにも個性があって。例えば、風の藤丸は藤沢薬品でした。小野は忍者部隊月光、アスパラでやりぬこう!。ロート製薬はアップダウンクイズ、ウルトラQは武田製薬、そしてシオノギミュージックフェア。でしたよね、ご同輩方。その小野製薬、天下のノーベル賞受賞者相手に長引かせるとイメージが悪いとしたか、和解に応じて280億円だそうです。どんだけ儲けてるの?でも社長の弁てのが載っていて、商品開発には1200億円かかってるんだと。この博打ですねぇ。どの研究を後押しするか。今まで大当たりした薬と言えば三共の高脂血症薬メバロチン、鎮痛解熱剤ロキソニン、ファイザーの降圧剤ノルバスクですか。日本中の医院病院で処方されたことでした。それでも一錠精々500円でしょう。ま、こちらは薄利でも多売が効きます。十年以上前になりますか、片頭痛の特効薬トリプタン製剤が一錠1000円で皆を驚かせたことですが、これもよく効いて、頭痛で悩む人には福音でした、値の高さには代えられないのでした。私も使い手の一人です、少々値が張ろうが頭痛のあのきつさには代えられぬのです。で、最近の抗癌剤の高値です。降圧剤ほど多売は期待できませんから、単価が高くなるのは仕方ないとはいえ、高い。未だ使わないで済んでますから、他人事だから余計にそう思うというバイアスはかかってましょうが、還暦前に胃癌で死んだ友人がそのオブジーボ使っていて、そいつは医療費や入院中の出来事を全部ネットに載せる奴だったのですが、領収書見せてました、一回点滴して30万円です、窓口負担がです。もちろん保険診療ですから高額分は後日還付されるのですが、それにしても。でも縋りつくべき一条の糸です。蜘蛛の糸です。奴は死にました。他に手段がなかったとの言い訳にしてはべらぼうです、そう思われませんか?もちろん効果がないと初めからわかってたらそんなこともしないでしょうが、がん治療とは闇の中で鉄砲撃つようなもんです。どれか当たってくれ!いえ、こんなことを同業者が言うてはならぬのでしょうが、これしか他に手がないという選択が罷り通り過ぎです。そんな糸が垂れてきたら食いつくに違いないですから。ちなみに友人は医者でした、そういう理屈を知っていても死にたくないのです。ここだけはどうにもなりません。そこに付け込む医療。批判じゃなくて中傷に聞こえましょうか。もうやめましょう、本庶さんの話でした。何だか銭ゲバ話に見えて嫌でしたね。確か青色ダイオードでノーベル賞獲ったアメリカ在住の日本人学者も、こんなことやってましたね。こっちはまさに銭ゲバの臭いがプンプンしてましたが、本庶さんもかいって。で、結果は本人に50億円、京大に230億円だそうです。本人分をこの爺さんがどうするかですが、もちろん基金化するつもりでしょう本庶記念ファンドとか財団本庶とか何とか。社長の言ではないですが小野側とすれば早く1200億円を回収せねばなりません。回収前にもっと優れた薬が出た日には大損のままですし、余計な出費が嵩みましたから。そっちはそっちでやってればいいんですが、食料品メーカーが原材料の高騰を受けて何十円の値上げに迷うのとこのスケールの違いよです。本庶さんは患者の為にとよく言われる、山中さんもそうです。が、現実問題としてこのとんでもない高値がそびえてます。高いならせめて保険収載しろ。理屈はわかりますが、すれば遠くない先に必ず国民皆保険制度が薬代支払いで破綻します。高額薬は全額自己負担としますか。それともこのまま座して、一部の人達への高額薬代支払いによる皆保険制度の崩壊を待ちますか。
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プロフィール

hirotanougeka

昭和32年 1月6日生まれ
昭和50年 山口県立柳井高校卒業
昭和58年 大阪医科大学卒業
昭和60年 梶川脳神経外科病院 勤務
平成04年 6月1日開業 現在に至る

・医学博士
・日本脳神経外科学会認定専門医 No,2746
・柳井医師会会長

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