結果: 9周 (94.5km, 2位)

僕には暑すぎた。50kmくらいで軽い熱中症を自覚した後は安全第一に流していくことにした。
ただ、今後に向けて大切な経験を2、3することができた。

練習
不本意な結果の台北マラソンの後は、友人と一緒にコース(1周10.5km)を2回走った。
これはすごく為になって、トレイルのコースの一部が階段になったり舗装されていたりした。去年と比べると大きな変化だ。

カーボローディング
木曜日: 夕食 260g ドライヌードル
金曜日: 朝食 350g ドライヌードル、昼食 チキンカレーライス、夕食: チキンライス
土曜日: 朝食 350g ドライヌードル、昼食 チキンライス、おやつ バナナ2本、夕食 麻婆豆腐、ウォーターローディングはスポーツドリンクで
日曜日: ビスケット、バナナ3本

去年を踏襲したが、一つ間違いをしていて去年は土曜が大会で木曜からカーボをスタートした。しかし、日曜が大会だったので本来は金曜日に始めるべきだったが木曜から始めてしまった。それに気付いた金曜と土曜の夜は軽めにした。最終的な体重は70.5kgで少し重い。

装備と靴
いつもの黒のランパンとランニングチームのシングレット。シューズは去年のこのレースの賞品のHOKA ONE ONE。
加えて500mlの容器が2つ付いてるウェストベルト。自分の位置を知らせるために鈴付きのキーホルダーを付けた。10個のGUエナジージェルと3個のCrampFixという痙攣対策のサプリを用意した。僕はかなり痙攣に悩まされていて、CrampFixは初めて使うのだがこれを機にどのくらい自分に効くのか見極めたい。 これらを一旦ビニール袋に入れて、それからウェストベルトに入れる。というのも、ウェストベルトのポケットに穴が小さな空いてしまっていたからだ。

計画
このレースは周回コースを走る。12時間の間に何周出来るのかを競う。
僕は11周(115.5km)を目指していたので、どんぶり勘定で5:30/kmで行けるとこまで行こうと思った。
天気予報は31度まで上がると予想していた。これは去年よりは暑いが一昨年と同じくらいだ。従ってそんなに問題ないと思った。

レース前週と当日
生活リズムは朝5時くらいに自然に目覚めるように調整しようとしたが、2日前に寝過ぎたようで逆に前日はあまり寝れなかった。
会場までの交通手段としては、極力公共交通機関を使おうとしたがどんなに乗り継ぎが上手くできても開始20分前にしか着かないので却下。そのためタクシーを使うことに。Go-Jekがプロも期間中だったのでアプリをインストールしたが生憎アンドロイドのアプリはシンガポールをカバーしてないみたいなので却下。結局Grabを使った。タクシーは6時15分くらいに来て着いたのはレース開始25分くらい前。小さなレースなのでこれで十分だ。

トイレと荷物預けに行き、チームメイトと話をしてスタートを待った。辺りを見回すと速いランナーがいる。

スタート~10.5km (55:17, 5:15/km)
彼ら速いランナーたちは早速飛び出してすぐ見えなくなってしまった。しかし、彼らが最後までペースを保てるようには思えなかったので、僕は自分のペースで走ることにした。ただ結局ちょっと引き摺られた感があって速めに入ってしまった。まだ体は目覚めていないような感じだったが、GさんとYさんんが応援してくれて力になった。
スポーツドリンクはあまり飲む必要はなかった。

10.5~21.1km (57:55, 5:30/km)
流石にちょっと意図的にペースを緩める。

21~31.5km (59:11, 5:38/km)
ただ淡々と。この周回の最後の方はAさんと一緒に走った。

31.5~42km (1:03:48, 6:04/km)
だんだんと暑くなるが想定の範囲内。冷えたスポーツドリンクを飲むととても気持ちが良い。
1周当たりの時間が遂に1時間を超えてしまうが、計画のペースである~5:30/km、1時間というのはあくまで目安なのでそんなに気にしない。42kmのタイムは4時間以内だったので去年と同じような感じだ。

42~52.5km (1:05:36, 6:14/km)
ところが、この周の最初の上り坂で石に躓いて盛大に転んでしまった。全く予想だにしてなかったことだ。そして例のように、転んだ瞬間に筋肉に異常な力が加わって踵が攣ってしまう。どこからともなく人が「大丈夫か?」と駆けつけてくれる。僕は「大丈夫だよ」と答えて踵をストレッチする。
こんなところで転んだことはなかったので、一体どうしてこんなことになったのか全く意味が分からなかった。
一応踵の攣りを完全に治すためにCrampFixを飲んでみた。確かに即効性があり効力もあるが、友達が言う通り味は酷い。例えるならレモンとオレンジと都こんぶと歯磨き粉を混ぜたような味だ。
折り返し地点で同じチームのSさんとの距離を確認する。どうやら先ほどから毎周100mくらい詰められていて今は殆ど差はないようだ。そして復路を走っているときに抜かされた。僕は余裕がなかったので着いていくことはしなかった。それと前後して、前半をすごい勢いで走っていた速いランナーたちを僕が抜かした。

52.5~63km (1:11:27, 6:48/km)
その後、転びはしなかったものの石に数回躓いた。これは本当におかしい。このシューズでこのコースでこんなに転んだことはない。そしてペースも急激に落ちている。おかしい。。。
だがすぐ理由が分かり、暑さが原因ではないかと思った。そして既に軽い熱中症にかかっていると仮定すると全ての説明がつく。ペースの下落、何回も石に躓くこと、冷えたスポーツドリンクが猛烈に気持ち良いこと、そしていつもはエイド前の息抜きの平坦な橋が、今日は暑くて非常にきつく感じること。
僕はもともと暑さにはとても弱い。今日の天候は僕には向いてないってことだ。
従って、以降は安全に注意して流し、無事にレースを終えることを優先した。ああ、これから何人のランナーに抜かされちゃうんだろう、とか思いながらモチベーション的にはどんどん弱気になっていく。取り敢えず8周くらいできればいいかな、とか思った。
脹脛に疲れを感じたので折り返し地点でスプレーを頼んでみた。しかし、スプレーが強烈過ぎて逆に軽く攣ったような感じになってしまう。(どうやらこのスプレーは攣った時のみ効果を発揮するものらしい。) とりあえず引き起こされた痙攣をどうにかするためにCrampFixをもう一つ飲んだ。

63~73.5km (1:18:53, 7:30/km)
エイド後にスタートするとき、どうも膝の関節に痛みを感じるようになってきた。ストレッチをして痛みをごまかして走り始める。
抜かしていくランナーもいるが、果たして彼らが僕と同じ周回なのか分からない。
会うチームメイトには、今日は軽い熱中症なので無理しないで行く、ということを弱音を言いながら走る。
そして驚いたことにこの時点でGPS時計のバッテリーが残り僅かになってしまった。これはおかしいことで普通の設定ならこんなに早く電池は消耗しない。実は僕が間違ってGPS+GLONASSモードにしていたのが原因だった。すぐさま今度は省エネモードのUltra trackに切り替える。
時間を確認したところ、このまま1周1時間20分くらいで行くと10周は出来るようだ。計算上は楽なことに見えるが、この熱中症の状況下でそんなことできるだろうか? 分からない。ただ、サロマ湖ウルトラの時にSさん(先ほどのSさんとは別の、日本のランナー)が熱中症にかかったが後半気温が下がる予報だったので走り続けた、と言っていたのを思い出し、とりあえず僕も走ることにした。

73.5~84km (1:20:13, 7:38/km)
スタッフが僕は2位だと伝えてくれる。僕の走りは酷い状況だったので誰にも抜かれてないのが信じられなかったが、僕だけでなく他のランナーも暑さで参っているということなのだろう。
ありがたいことに同じチームのZさんが伴走してくれた。それまではずいぶん精神的に参っていたがこれでかなり気楽になった。
再び攣りの兆候―ただし今回は左の内転筋―を感じたのでCrampFixを飲む。攣りの兆候は消えた。
そして気分もかなり上向いてきたので下り坂でスピードアップした。それによってさらに気分は上向きになった。しかし、それで無理が祟ったのか脚に疲れを感じた。やり過ぎだったかもしれない。そのため再びゆっくりとジョグするしかなかった。

84~94.5km (1:44:32, 9:57/km)
そしてありがたいことに同じチームのAさん(3周目のAさんとは違う人)も伴走してくれることになった。
しかしここまでくるともうスロージョグしかできない。また、頼みの綱のCrampFixももう残っていない。従って攣らないように最大限に保守的になって、結局ほとんど歩き倒した。もう強い日差しはなくなったが、僕の脚が終わっていた。またあたりが暗くなっていたので転倒にも注意した。
ゴール前の橋でようやくスピードアップして今日のレースを終えた。

レース後の状態
当日
非常に疲れたがダメージは去年や一昨年ほどではなかった。
去年は受け付けなかったが今年は固形食を摂ることができた。

1日後
しかし筋肉痛、特に大腿四頭筋辺りはどんどん酷くなっていく。
座る動作が非常に苦痛だ。

2日後
筋肉痛は一層酷くなった。

3日後
筋肉痛が少し良くなったので8km程ジョグしてみた。ペースは全く上がらず6:30/kmくらい。
一歩一歩踏み出すたびに衝撃が左膝の傷に響いて痛い。

4日後
ジョグの距離を12kmまで伸ばしてみた。
傷は依然痛むもののペースは回復基調。

まとめ
- CrampFixは非常に僕には効いた。ぜひフルマラソンでも試したい。
- とにかく暑さで全てやられた。今度のシンガポールでのレースでは常時暑さ対策やらいなといけないだろう。
- 結果的に9周だったが、もし8周目で無理しなければ10周行けた。。。か。。。?
- 運営、ボランティアは例年通り素晴らしい。