2008年12月09日

RofC我道會館、由利大輔さんの死亡事故について 3

明日、発売分の週刊プロレスにRofC我道會館、由利大輔さんの死亡事故に関する記事が掲載される。この記事の作成にあたっては関係選手への取材オファー等でアシストさせて頂き、当日の取材にも立ち会った。といっても現状ではこの事故があったこと自体をご存知ない方も多いと思われるので、まずはざっと事故の概要を説明させて頂く。

事故が起きたのは10月18日の深夜。この日、新木場1st RINGでグレートプロレスが音頭を取っての練習会が行われた。受け身や基礎体力鍛錬をを中心とした合同練習は2時間ほどで終了し、その後は何人かの選手がリング上で技の練習を始めた。RofC我道會館の菅原伊織、笠原寧、そして亡くなった由利さんがその場に現れたのは、ちょうどその個人練習が始まったあたりだったとのこと。

この時にRofC我道會館3人はダブルインパクトの練習を始めたのだが、器械体操用の厚手のマットを敷いていたとはいえ、3人でダブルインパクトの練習をしたのはその時が初めて。結果、肩車をされていた由利さんが脳天から落下し首を負傷。すぐさま救急車を呼んで病院に搬送された。事故直後には意識もあった由利さんだったが、6日後24日に亡くなった。

ちなみに亡くなった由利さんは今年8月にデビューしたばかりで、試合経験は僅かに2試合。さらにリングでの練習経験も乏しかった。そのような選手がダブルインパクトのような技の練習の結果亡くなったわけで、過去に起きた練習中の事故と比べても、かなり必然性の高い状況で起きた事故だったと言わざるを得ない。

プロレスはボクシングや相撲と異なり公式な資格が存在しない。だから十分な体力や技術を身に付けていない人間でも、チャンスさえあればプロレスラーとしてリングに上がることができる。現状ではそれに歯止めをかける、本当の意味で有効な手段はない。

「今こそライセンス制を」という声も出てくるだろう。しかし仮に主だった団体が集まってライセンス制度を始めたとしても、ライセンスを持たない人間に試合をさせない具体的な強制力がない限りは、間違いなくライセンスを持たない選手ばかりが集まっての興行が開催される。これはこれで非常に危険なことである。

今回の事故が起きた最大の原因は、事故に直接関わった選手たちが、明らかに自身の技量を越えたことをやってしまったことである。自身の技量を越えたことをやってしまえば、それがメジャーの一流選手であったとしても、起きてはいけない事故の必然は発生する。ましてやそれが体力、技量が不十分な選手となればなおさらだ。

受けにしても攻めにしても、自分の技量や体力の分を越えたことはしない、そしてさせない。それはとりわけ安易にリングに上がることができる、いわゆるどインディーの選手が絶対に守らねばならない、プロレスというジャンルに対する最低限のルールなのだ。

プロレスが肉体に日常生活ではあり得ないダメージを与えるジャンルである以上は、今回のような事故が起きる可能性をゼロにすることはできない。しかし、限りなくゼロに近付けていく努力をすることはできる。それは「インディーのお仕事」という番組に関わり、これからも続けていくであろう自分自身にとっての義務だと思っているし、可能な限り早急に具体的な行動に移したい。

なお自分自身が非常に情けなかったのは、12月2日の夕刊フジ紙上で今回の事故が紹介され、それを知人から聞くまで今回の事故を知らなかったこと。これは事故後にマスコミに対するリリースも会見もなかったこと、さらに同事故を早くから紹介し、夕刊フジの記事を書いた片岡亮氏のサイトも、普段はボクシングを中心に取り上げていることもあって存在自体を知らなかった。これはインディーを中心に取材してきた身としては、大いに恥じるべきことだと反省している。



hirotsugu1069 at 16:22コメント(7)トラックバック(0) 
プロレス 

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コメント一欄

1. Posted by mahyou07   2008年12月09日 20:33
 そういうあってはならない事があったとは初耳でした。>限りなくゼロに近づけること・・・。まさにその通りですし過去にもあったことですので繰り返しは残念でなりません。教訓や反省がいかされていないことに。
 ゼロにするためには様々な事がありえますが厳格な(ある程度のがんじがらめも)コミッション制度(ライセンスもそうかも知れません)は必要ではないでしょうか。
2. Posted by deathrock38   2008年12月10日 00:04
非常に残念な記事ですね
プロとしてあるまじき事ですね

ハッスルでは泰葉さんがリングに上がるようです

ハッスルはここ数年でたくさんの芸能人をリングに上げてます

中には場外へプランチャなんかもやるアイドルがいます

プロレスをもう少し考える必要があるんではないですかね?

プロレスリングであって遊びや売名の場ではないのですから……
3. Posted by dai_pro   2008年12月10日 14:41
自分はゴールドジムに通っている関係で、某メジャー団体(と呼ばれている所)の某選手と仲良くなり、良く一緒に食事に行きます。

その中での会話で、
「○○君、○○○って団体見に行った事ある?こないだ初めてサムライで見たんだけど、大技やっている割に、受身の基礎が出来てねぇやつまでリング上がってんだよ。ああいうの見ると、いい練習出来てねぇんだろうなぁって思うよ」と言っていました。

何だか、今回の悲惨な事故を聞いて、その会話を思い出し、受身の大切さを改めて実感しました。二度とこのような事が無いように、徹底した管理をして欲しいなと感じました。
4. Posted by eddieguerrero05   2008年12月10日 15:40
プロレス観戦をしていて、ボディースラムですら、怪我をするんじゃないかと感じた事があります。また、デビューしたての新人選手の試合を観れば、いかにプロレスの基本的な技ですらダメージがあるのかが分かります。
せっかくプロレス機構(名称は失念)があるのですから、たとえどの様な小さなインディー団体でも、加盟を義務づけ、ベテランレスラーや引退したレスラーに基本的な部分を監督させては。たとえ、その町の人しか知らない団体でも、プロレスを名乗る以上、事故が起きてしまえば、プロレス界に少なからず影響が出るのは必然でしょうから。
5. Posted by deartrue77   2008年12月10日 19:24
 ライセンスの件は片岡氏が、内容を誤解されていると「拳論」にコメントしています。よく読んで理解しましょう。運転免許証という意味ではないですね。
6. Posted by hirotsugu1069   2008年12月10日 21:38
>mahyou07様
>deartrue77 様
>>eddieguerrero05 様

コミッションやライセンスの件に関しては、もう少し考えをまとめて改めて書いてみたいと思います。

>deathrock38様

過去にリングに上がった芸能人と比べても、練習可能な期間が短いのが気になります。やる以上は安全には万全を期してほしいものです。

>dai_pro様

プロレスで最も危険なのは技量を越えたことをやることなんですよね。

7. Posted by deartrue77   2008年12月10日 22:38
>明らかに自身の技量を越えたことをやってしまったことである。

その技量を各自把握しろってことですか?
どうやって?

>いわゆるどインディーの選手が絶対に守らねばならない、プロレスというジャンルに対する最低限のルールなのだ。

誰がどこでそのルールを提示しているのですか?専門誌で広く伝えていましたか?

貴殿のようなインディーを取り上げる人間がいたから増長したとしか思えないのですが。無視して取り上げなければ選手は多く集まらないはずです。

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