2020年04月29日

「遠隔授業」-ZOOMを使った初日授業よりー

みなさん
新型コロナウイルスによる様々な変化が生活にも侵食していますね
いかがお過ごしでしょうか。。。

私が教務主任を務める福岡にある日本語教師養成講座の授業も、
桜咲く4月1週目だけ受講生さんみんなマスクで授業を行いつつも、
2週目を休校とし、3週目から「遠隔授業」を始めました

ZOOM授業②








「ZOOM」というオンラインミーティングのアプリを使った授業です。
当校の受講生さんにとっても「初日」の授業で、
前日までに基本操作を当校事務より学んだとはいえ、
その操作なども確認しながら「こんなことができる」という点に特化して
10分の授業動画に編集しました
  ↓  ↓  ↓
『ZOOM初日授業』(クリック♪)

いつも授業における生徒さんとの距離、生徒さん同士の学び、
生徒さん同士での問題解決などを心がけている私にとって、
IT(情報技術)を使った授業例は、講習会など見てきましたが、
どれも私の理想の授業は不可能だと思い込んでいました

・教師による一方的、知識を与える授業になりがち
・生徒の顔、様子、1人1人がよくわからない
・他の非常勤の先生方を説得できる自信がない
・遠隔授業に必要な環境(PC、ネット、カメラ、マイクなど)をそろえるのに
 抵抗がある生徒さんを説得できるか
などがすぐに浮かびました。
何か変化があるときに、ただの強制だけだと、
生徒さんも教師にも不満ばかりで、退学希望がどんどん出る・・・と思いました。
なので、遠隔授業に変わることで「今までになかったメリット」を見出すために
相当研究しました。

ZOOM練習








「遠隔授業でお願いします」だけの上からの指示なら、私も猛反対するつもりでしたが、
同僚である日本語教師養成講座の事務スタッフも必死に遠隔授業でのメリットや
使い方を調べてくれて、授業中でのサポートもしてくれたおかげで、
ようやく「お金が取れる授業」ができたと思います。
遠隔授業の1週目は、私にとっても普段の授業になるべく近づけようという思いが
強すぎたために、「ZOOM」ではうまく反映されないことが多く失敗が多かったです。
「ZOOM」だからこそできる機能を少しずつ理解できて、
2週目あたりから、受講生さんからも【好印象のコメント】がどんどん来ました。
・遠隔授業で生徒同士でディスカッションができるとは驚き!
 通常授業では近くの受講生同士で話すので、ZOOMだと、
 いろんな人と3,4人だけで話せるという安心感もあっていい
・動画や画像の視聴が、クラスだと時々部屋の照明や遠い席だと見づらいこともあったが、
 ZOOMだとそれが解消
・もしかしたら、クラス授業よりも集中できて、あったという間の授業時間
・こういうPC操作そのものが苦手で、嫌いなイメージがあったが、事務さんのヘルプ、
 先生方の授業で使っているうつに操作も慣れてきて、いつか自分が教師になってからも
 こういう授業ができそう
、とも思えるようになった
・実際のホワイトボードの文字が、初日は細くて見づらかったが、次からは太字に
 なっていた
ので、何も問題がない
・全て「機械」的な授業になると思っていたが、実際に教室で先生が
 日本語の教え方の実践などもしてくださり、デジタルもアナログも両方あってよい
・クラスだと後ろに座れば、他の受講生さんの頭しか見られないが、
 ZOOM授業だとみんなの顔が見られてよい
・遠隔授業なのに、むしろクラス授業よりも距離が近く感じられて、
 スタッフ、先生方に感謝です
・目が疲れることもあるので、通常の10分休憩を15分休憩にしてくれて、
 感謝です
・日本語の発音の仕組みなど、先生が模型や自身の口で紹介してくれわかりやすいが、
 それでも広い教室だと遠くて困っていたが、ZOOMだと間近に見られるので、
 よりわかりやす
・ZOOMが一方的じゃなくて「双方向」の授業ができるアプリだったことを
 初めて知った

一方で、
・普段からチャットなどしたことがないので、質問の答など対応が難しく
 申し訳ない気持ちに
ネット環境が悪いので、動画がカクカクして見づらい
・家での授業参加はありがたいが、同じように「Stayhome」を強いられている子供から
 離れて受けるのが難しい
し、子供も学校の遠隔授業を受けている時間と重複してしまう。
・教室のホワイトボードにいろいろたくさん書かれると、見やすければいいのですが、
 カメラの性能でより見づらい場合、けっこうつらい
・正直、顔などみんなに見られるのはイヤ
などのご意見もいただきました。
これらも、「チャットも慣れてきた」「外見の補正」などで解消されたものもありますが、
ネット・PC環境などは、各受講生さんの所有物のことなので、未解決問題もあります。

ただし、当校ではどうしてもZOOMの遠隔授業に抵抗がある方にも、
別で私がエア授業をして、それを編集した動画をYoutubeにあげて、
受講生さんのペースで少しでも安心できる環境で授業を受けてもらうよう
努めています。
エア授業








日本語教師養成講座の受講中に、このような「Stayhome」になったから行った
遠隔授業ですが、こういう授業が受けられてよかった!こういう授業を
日本に来られない外国人に日本語の授業としてやってみたい!と思われるように、
「ピンチ」を「チャンス」にして、より精進したいと思います


hiroyuki7272 at 04:45|PermalinkComments(0)日本語教師養成授業 

2020年01月31日

日本語教師養成講座「音声学」の授業

今回は日本語教師養成講座での授業、「音声学」の授業の様子を少し見ていただこうと思います「発音」の知識や「発音指導」のテクニックを教えるのが「音声学」という科目です。養成講座の受講生さんには、日本語を教える現場に出て、初めのうちからしっかり発音指導ができる教師になってほしいので、私もとても力を入れている科目です
  ⇩  ⇩
音声学の授業』(☚クリックすると動画が見られます)
onsei
















音声学の授業を受ける受講生のみなさんは、どうも「難しそう」「専門用語覚えるの大変そう」「英語の授業で発音苦手だった」「母語の日本語の発音も自信ない」「過去の日本語教育能力検定試験の音声の問題を解いてみたが、全然わからない」という悲痛な感じで授業を受ける方が多いです
「わからない」「できない」から授業を受けるわけであって、それに対してわかりやすく、できるようにするのが教師の仕事です。ただそれだけを考えて授業をしています

私自身、中学から吹奏楽部で音には敏感でした日本語教師としてデビューした時から「発音指導」には力を入れてきました。しかし、初めのうちはネイティブ日本人の私の後に発音させたら、その通り発音してもらえるかと思っていたんでしょうね。あまり工夫した発音指導はできませんでした
3年前の記事に同様の内容があります。
👇  👇  👇
hiroyuki7272/archives/68464265.html

外国語を習っていて、その発音がきれいだととてもうれしいですよね。その指導ができる日本語教師はとても魅力的な仕事なんですよ。みなさんにもぜひこの仕事の魅力をお伝えしたいです


hiroyuki7272 at 02:06|PermalinkComments(0)日本語教師養成授業 

2019年12月03日

私の履歴書⑤ -カナダ編ー 2001年~

さて、海外2か国目は・・・・カナダです🍁
カナダの西部にあるバンクーバー島の南部に位置するビクトリア。カナダの最南端ですが、横に大きい国で最南端という表現はあまりしませんね

まず、どうしてカナダを希望したかというと、
🍁よく小さな島国と言われる日本で生まれ育ったので、大きな国土で生活して、その人たちの文化、考え方など体験したかった(とはいっても日本の国土の大きさは世界で約60番目。でも、なんか我々自身、日本を小さな国と思い込んでしまいますね)。
🍁植物学者の兄がイギリスを好きで、その影響か、イギリス色の強いところで生活してみたかった。
🍁それまでの大阪、韓国、群馬での日本語学習者はアジア圏が多く、白人は数名しかいなかった。
などの理由が挙げられます。

私のような「英語が話せない」者は、基本的には日本語教師としての欧米諸国での就職は難しいと言われます。そして、仮に英語が話せても欧米での就職となるとやはり「大卒」というのも必然になってきますね。アジア圏では大卒じゃなくても日本語教師としても働ける国はありますよ。
なので、私でもスムーズに仕事に就けたのが、「ボランティア」でした。渡航費から、生活費、教材コピーももちろん自腹で、授業の給与もありません。就労じゃないので、ビザはいわゆる「観光ビザ」で行って、日本語教育に携わりました。よって、私が赴任した学校、というより「日本語教室」も、安めのお月謝で通っている学生さんでした。
(左上:初級中 左下:中級 右上:ゼロ初級 右下:上級)
学生たちと
















まず日本語授業での一番の思い出は・・・
それまでの「日本語教師としてのビリーフ(信念)が崩壊」したことです。群馬編でも「学生の何ができるようになる?」という考え方を持たせてくれるエピソードがありましたが、ここでもいい意味で自分を変えることができました。以前よりさらに私の授業は「使える日本語」という授業になり、学生からも好評をいただけるようになったので、私としてはボランティアといえども、カナダでもますます学生が「日本語が使えるようになる」授業を展開しました。
しかし、事件は起こりましたある学生さんが急にこんなことを言ってきました。「ひろ先生。私はあなたの授業スタイルはいいと思う。しかし・・・・私には合わないようだ」のような内容を英語で言われました。英語が苦手な私は真意を理解するのに何度も聞き返して確認しました。すると続けて、「確かに使える日本語はいいが・・・残念ながら、私の周囲、ここビクトリアには使う相手、日本人がいないのだ」と。
愕然としました。ネイティブ日本人の日本語教師の私なので、当然、私から習う学生さんは、みんな日本語が使えるようになりたいと思っている、と私が決めつけていたんです。
そんな授業よりも、
学生A:このビデオ(どこから取り寄せたか、『ああっ女神様』『きまぐれオレンジロード』といったちょっとオタク系のアニメ)のセリフを通訳、英語でストーリーを説明してほしい。
学生B:私は料理が好きで和食のレシピの本を持っているんだが、ふりがなもなく漢字ばかりで、文法も難しく、翻訳してほしい。
学生C:私は合気道をやっているが、すぶりをするときの掛け声で「1・2・3・4・・・」を「いち・に・さん・し」と言うべきか「いち・に・さん・よん」と言うべきか、教えてほしい

合気道


というどれも直接日本人と会話するときにあまり必要とは言えない要求を言われました。
でも、このおかげで私は気づきました。学生の満足度はそれぞれ違うんだと。何より、学生のニーズなどをはじめにちゃんと聞かずに、私が勝手に「使える日本語」を身につけたら学生は喜ぶと思い込んでいたことに問題があったのです。よくJFL(外国語としての日本語)JSL(第2言語としての日本語)という表現がありますが、もちろん日本に来て日本語を学んでいる人にはJSLが必要でしょうが、日本には行かず、また日本人に使う機会がない人には、日本語を外国語として、知識教養として学ぶことが楽しいと思っている方もいることに心から気づきました。自分が外国にボランティアとして行ったからこそ、こういう学生さんに出会えたので、とても大事なことを教わりました。学生がどんな日本語を学びたいと思い、またどんな日本語が必要なのか、これらをじっくりと分析してこそ、よりいい授業ができることを学べました

ビクトリアの街並みは、それまでの私の生活環境にはまったくないものでした。家を出て買い物に行くだけで、そこは植物園をまわるような毎日でした。他に、ボランティアで音楽療法活動をやっていた私は、高齢者が住みやすいことで有名なビクトリアの老人ホームを訪れ、施設を見学しダンスパーティーに参加。滞在中にハロウィンがあったので、即席で作った仮装でパーティーに参加。学生の親戚が山一つ持っていて、1日中乗馬させてもらったり。写真はありませんが、郵便局員が歩いて郵便物を届けていたり。実に「ゆっくり」時間が過ぎていく街がとても刺激的な3ヶ月でした

ダンス老人ホーム

乗馬ハロウィン

その後、いったんまた群馬に戻り、生活費を稼ぐ必要もあるため、再び、ビジネスマン対象に日本語を教え、次の「台湾・幼稚園で保育士&日本語教師」へと続きます。乞うご期待!


hiroyuki7272 at 15:03|PermalinkComments(0)私の履歴書 

2017年01月04日

♪発音指導♪

日本語を教えるといっても、何をどのように教えるかで、
その成果はぜんぜん違ってきます

私自身、デビューしたころはそんなに力を
入れていなかったのが発音指導です

その一番の理由は、どのように発音指導すればいいか
わからなかった、
というのが恥ずかしいですが本音
です

デビューした大阪の日本語学校では、とにかくリピートさせることしか
私もテクニックがなかったので、そればかりやっていました。
それで多少は上手になる学習者もいましたが、
残念ながら、まったく上手にならない人もいました

そして韓国で教えていたとき、ネイティブ日本人と
ほとんど触れ合う機会のない韓国人日本語学習者は
それまでの学習者と比べて、さらに発音が気になりました。
これではダメだと思い、まずは私自身が大阪出身なので、
共通語アクセントを身につけようと、単語・文レベルで
高低アクセントを意識したのを思い出し、配布プリントなどに
高低アクセントを表記し、その通り読ませることにしました。
これだけでもなかなかの効果がありました。
次に、母音の音の出し方を意識させました。
よく、日本語教師になりたての人、あるいは日本語教師じゃない
日本人が「あ・い・う・え・お」を発音しようとしたら、
ほとんどの人が、「い」を横いっぱいに広げ、「う」を唇を
丸め突き出すように発音しますね。
しかし、実際日本人が日本語で普段話しているときは、
そんな口をするでしょうか?
「い」はそんなに広げませんし、「う」は「い」より少しだけ
狭くしたような形で、普段は決して丸めて突き出すような形はしませんね

さらには私自身も日本語教師養成講座に通っていたとき
習ったはずの「日本語の調音」をあまり現場で生かしていませんでした。
韓国の学習者なら、ほとんどの方が「つ」を「ちゅ」のように、
「ざ・ず・ぜ・ぞ」を「じゃ・じゅ・じぇ・じょ」のように、
語中の「か行・さ行・た行・ぱ行」などは「が行・ざ行・だ行・ば行」
のようになってしまう傾向があります。
なので、私の名前「かつかわ」は「かちゅがわ」のようになります。
では、どう指導すれば「ちゅ」を「つ」になるかなど、
それまであまり考えていませんでした。
これではだめだと思い、口腔断面図を作りました。
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これもなかなかの効果をあげました。
発音がいいと、表記の正確さにも影響すると言われています。
カナダで日本語を教えていたとき、私の帰国に合わせ、
ある学習者が私にプレゼントくれました。
そこに書かれてあるのが、「スーパースター」ではなく、「スーパスター」・・・
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実際この学習者は「スーパスター」のように発音していました。
これは私にとってもある意味、宝物で、部屋でも、
いつも目に入るところに飾ってあります
このような学習者を育てないように、しっかり発音指導しよう
と思うようになりました。

その後、
OJAD(オンライン日本語アクセント辞典)や、
中国でとても有名でカリスマ教師として大活躍の
笈川幸司先生との
出会いなどで、さまざまな発音指導テクニックを学ばせていただきました。
現在、私が日本語を教えている現場、九州産業大学での
ビジネス日本語会話での自己紹介の授業です。
発音から、姿勢などを指導し、
90分授業3回で、 クラス全員に成長が見られました。
授業の様子の動画です。
↓   ↓   ↓
『ビジネス日本語 自己紹介』



2016年11月05日

「復習の大切さ」

 私は大学の日本語教育でも、社会人対象の日本語教師養成講座でも
復習を大切している
本来、学問たるや、学生自らが予習復習当たり前、という考えもうなづける
ただ、特に社会人クラスとなると、それが難しい場合もある。

が学習ピラミッド絵付き


















有名な「学習ピラミッド」の絵にあるように、 聞いたこと、学んだこと、
身に付けたことを他人に教えるという行為が、さらに習得度を増し、
長期記憶に結びつくと言われている。
よって、授業の開始後5分でいいので、
互いに前回の内容を教え合うようなことをする。
教師はその授業に仮に命かけるくらい一生懸命準備し、
現場に臨んでも、 学習者も実は、他の授業のこと、
さっき受けた授業の内容、 休み時間しっかり脳を休める、悩み事・・・
などで頭の切り替えが うまくいかないことが多い。
1週間前に食べたご飯なんて、よっぽどのイベントじゃない限り、
忘れて当たり前。
なので、動画のように簡単に復習できるようなことをすればいい
また、そのテキスト、ハンドアウト、プリントも、イラスト化などすると、
復習にも効果的なのである。この絵を他人に説明しなさい、
という復習になる
このような授業をしていると、実に内容が濃く難しいことであっても、
習得しやすく、学習意欲もすべての学習者に沸いてくること間違いなし
・・・という信念で授業をしております*^.^*
新しく何かを学ぶことは、難しくて不安だらけで当たり前です。

私が教務主任として働いている日本語教師養成講座の授業風景です。
復習の大切さ

















動画はこちらで!  ぜひ、クリック♪
↓  ↓  ↓     
「復習の大切さ」


2016年06月04日

私の履歴書④ -群馬編- 2001年~

さて、海外、韓国での1年の仕事を終えて帰国した先は・・・
出身の大阪ではなく、群馬県でした
私にとって、海外で生活することはあっても、関東に住むということは、考えたこともなかったので自分自身でも意外な選択でした。
初の関東の暮らしで、やはり驚いたのは、同じ日本だからこそわかる、
。基本的に大阪弁の私は、日本語教師養成講座に通っているときに、NHKのアナウンサーの話しを意味がわからなくてもシャドーイングしたり、共通語(一般には標準語とも言う)を話す好きな俳優さんになりきって普段生活をしたりして、東京アクセントを身につけようとがんばりました。その結果、大阪人だとばれることはまずないんですが、いくらアクセントが共通語でも、「使用語彙」も変える必要があり、これはかなり苦労しました。たとえば、椅子を使う際、引いた状態から戻すときに「椅子をなおしてくださいね」と言うと、「あ、しまった、この表現はこっちでは使わないんだ・・・」とか。
ちなみに「なおす」の意味は、多くの辞書には
①正しいもとの状態にもどす「故障・病気をなおす」
②改める「姿勢をなおす」
③別の状態にする「英語を日本語になおす」
という意味が見られます。
たとえば、日本語学習者がかばんから机の上に書き上げた作文を置いている。
それを日本語教師が「リンさん、それなおしてください」と言うと、修正しろなのか、片付けろなのか、ということですね
よく関東の人は、西日本の意味がおかしいという人がいるかもですが、辞書には両方の意味があり、関東では「片付ける」という用法を使っていない、という解釈もできる。
私はどちらが正しいか、優位か、というのではなく、「違うんだ」だけの話だと思うようにしている。昔は、方言コンプレックスからか、日本語教師になるには「ら抜き」なども含め、話す場面でも書く場面でも「共通語」を使用しなければと思い込んでいたときもありましたが。群馬での生活は、まずこういった私自身の日本語の再考という意味でもいい経験となりました。

さて、群馬での日本語教育ですが・・・大きな変化があったのは外国人ビジネスマンへのビジネス日本語授業ですね。群馬でも初めはいわゆる日本語学校の非常勤講師として就職したのですが、自分自身のスキルアップのためにチャレンジしてみました。
どのような就職活動をしたと思いますか
だめもとで、タウンページで外国人労働者がいそうな企業を調べ、片っ端から手紙を送りアピールしました。日本語教師の派遣会社じゃないので、マージンも発生しない、大阪、韓国での経験、大学の専攻が経済・・・など。30社ほどに送りました。
すると・・・1社だけですが「ヒット」が来ました
太陽誘電という地元では有名な企業。CD-Rを開発した会社です。
太陽誘電では以前から「技能研修生(今の技能実習生)」を受け入れていて、特にフィリピンからの研修生がいたようです。そこで、太陽誘電の社員がその研修生たちに「日本人なんだから日本語話せるし、誰でも国語のような授業したら教えられるんじゃないの?」という発想で教えていたようですが、思うように効果が上がらなかったようです。
そこに、偶然にも(いえ、きっと必然!運命!)私からの日本語出張授業のちらしを手に取った担当者さんが私に興味を持ってくださり、即面接、即採用。さらに私が行う日本語授業を担当者が見たいということで、見ていただくことになり、そこで私が日本語を教えている様子を見て、大変衝撃を受けたようです。
その後、担当者にも適度に授業に入ってもらうことにしました。なぜなら、日本語教師じゃない日本人は当然、学習者が初級のうちはどのような日本語をどのように習得しているかわかりません。学習者は私との会話ならけっこうできるんですが、良くも悪くも普通の日本人と初級学習者では満足に会話ができないことが多いです。
日本語教師が書き言葉の教科書どおりに発音している一方で、普通の日本人は話し言葉、方言、易しく言おうとしてタメ口を使ったりする。すると、学習者はタメ口を習っていない状態で、よけいに難しい日本語になってしまう・・・などなど。
ですから、まだ初級の学習者と話すときは、現場の担当者も少し私のような話し方をしてくれれば、会話がある程度できるということを知ってもらうために(今「やさしい日本語」というのが少しずつ浸透しつつありますね)。
もちろん、それでは学習者の成長が遅れることもありますから、普通に話してもらうことも大切です。
太陽誘電では時給も、それまでの日本語学校の倍近くいただけるようになり、逆に言うと、必ず結果を出さなければならないというプレッシャーもより強くなりました。これが私にはよりいい道へと進むことになりました。なんとなく、学生次第で学生の伸びが決まる、そのうち上手になる・・・なんて気持ちもそれまでの私はどこかあったような気がします。
私の学生さんの部署での日本人上司があるとき、ふと私にききました。「この学生たちはいつ、電話応対とか、会議で日本語で意見、とかできるんですか?」と。私は正直、何も答えられなかったのを覚えています。デビューした大阪の日本語学校の主任からは、もちろん私がビギナー教師だったので、私のために言ってくれたと思いますが、「このテキストを1日でOページ進めてくださいね。聴解授業ではこのテキストを使って、ここでテープ(今は、CD、PCで流す音声データですね)を流して、学生に答えさせて、答え合わせをしてください」のようなことしか言われませんでした。
つまり、「どのテキストをいつまでにどうやって終わらせるか」だけでした。当時の私は、恥ずかしい限りですが、それで疑問も持ちませんでした。もちろん、いい授業を目指して、あの手この手の授業をしましたが、この何気なく言われた「この学生はいつOOができるようになる?」という発想はなかったので、これではいけない!と思うようになり、私が作るシラバスに、
1週間後 簡単なビジネス自己紹介ができるようになる
2週間後 名刺交換ができるようになる
  ・
  ・
6か月後 電話の取次ぎができるようになる
1年後 電話のクレーム対応ができるようになる
など、今では普通の考え方ですが「JFスタンダードのCan-do」のような発想を自分なりに考え、実践するようになりました。すると、学生たちの部署の日本人スタッフも少しは安心してくれましたし、何より、私自身の授業も、達成目標を設けることができて、よりいい授業になっていきました。
このあたりがいわゆる会社経験をせずに日本語教師になった私の弱点だったように思えます。お金をいただくということは必ず結果を出すことです。会社では当然のことです。よって、私が授業する限りはどんな学習者でも必ず結果を出すようになっていきました。

【技能実習生たちと群馬の名産、だるま工場に見学授業】

群馬は、郊外、自然、土地代の安さなどもあり、けっこう外資系の工場などもありました。そこでフランスのタイヤの会社、ミシュランでも日本語教師の募集が出たのを知りました。太陽誘電である程度結果を出した私は、面接もパスし即採用となりました。ここでは1日8時間授業、評判もよくオファーも増え、土日も1日4時間のプライベートレッスンなどもあり、しばらく過去最大の1週間48時間授業という日々もありました。
当然、授業には綿密な準備が必要です。学習者によって・内容によって・やる箇所によっても違いますが、初めて教える項目だとそれが1時間の授業なら、少なくとも倍の2時間、多ければ10時間以上費やすこともあります。なので当時の私の生活は・・・
さらに出張授業で、時に高速使って1時間半かけて行く工場などもありました。何度、信号待ちで「夢」を見たことか・・・。今、私は自然にサイドブレーキをかける習慣があるんですが、この群馬時代に身に付けたようです・・・。
「今働いているビジネスマンにビジネス日本語を教える」のは、スポンジのように吸収し、すぐ使えるよう会話場面シラバスも時に使ったり、土日は大人の付き合いでよくレジャーに誘われたり、時給も高め、でも普段は家での予習復習に充てる時間はない方々で、必ず結果を出さないと次の更新はないであろうプレッシャーなど、それまでにはない日本語教師生活に新鮮さもあり、スキルを上げることができました。

【ミシュランのフランス人社員と。場所は居酒屋です♪】

この群馬での経験が、のちのインドでのゼロ初級ビジネス日本語クラスでわずか5ヶ月で10名全員の学習者を日本の企業に就職させた経験につながっていくわけで、本当に財産となりました。
残念なのは、のちに4回腰の手術をすることになるので、もっと日本有数の温泉地群馬で温泉めぐりをしておくべきでした・・・ 群馬での約3年間の生活も忘れられないものになりました。
次回は、海外2カ国目のカナダ編です!



hiroyuki7272 at 19:34|PermalinkComments(4)私の履歴書 

2016年05月09日

ビジネス日本語授業-初日のオリエンテーション-

久しぶりに、私の現場での日本語授業の投稿です
火曜木曜に福岡にある大学で日本語を教えております。

以前、ゼロ初級クラスの初日の授業を公開しました。
日本語ゼロ初級授業初日 ←クリック♪(おかげさまで再生回数も約1万回

嬉しいことに多くの方から、中上級クラスの初日授業のご希望があり、
今春の新学期に授業撮影しました

初日のオリエンテーションなので、通常の授業よりも私の発話が多いです。
通常授業では、学習者が日本語を話さないと話せるようにはなりませんから、
学習者の発話を多くさせます。

学生による教師への授業アンケートで毎回ほぼ満点(1度だけ全項目満点)、
またコメントも私にとってとても励み、宝物となる内容で、毎回の授業をこちらが
楽しむ日々です。もちろん、毎回その授業教案、教具作成などは大変ですが、
苦と思ったことはありません


緑のラインが私への評価です。

学生からの誉め、叱咤激励のコメントこそが一番のモチベーションになります。

今回の内容はビジネス日本語クラスの授業ですが、日本語初級レベルを
終えたクラスなら、どのクラスでも可能です

私が使っている日本語は基本的に初級レベルの日本語なので。

初対面なので、いつも以上に緊張します。90分授業なので動画は
ダイジェストで30分弱にしました。カットしたくない箇所もありますが、
長すぎるのも・・・ なので

90分授業を14,5回で終えるコースです。いかに授業への興味を持たせ、
やる気を出させ、役に立つかを伝えようと心がけております。

初日の授業はいつも以上に緊張します。昔は初日の授業では互いに
カチコチになってしまい・・・などの失敗もありました

最終日にはいつも日本人ゲスト10人ほど呼んでのビジターセッションを行い、
普段の授業も少人数ならいつでも見学、参加可能です。
ご希望の方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。

では、こちらで動画を見ることができます
↓   ↓   ↓
ビジネス日本語授業初日 ←クリック♪



2016年03月29日

私の履歴書③ -韓国編- 1999年~

日本語教育歴に、ついに海外進出が登場です

大阪の日本語学校で、土地柄か当時韓国の学生がとても 多くて、学生から韓国のことをたくさん聞くうちに、 自らが韓国に行って、教えたくなりました。もともと、日本を飛び出して仕事をするという気持ちで 見つけたこの日本語教師という仕事なので、待ちに待った瞬間でした

大阪での日本語学校生活を約2年終え、辞める時は学生が花をくれたり、今思うと恥ずかしい授業がたくさんあったんですが、 本当にいい思い出になりました。韓国の語学学校の求人を見たのは、大阪にあった日本語教育専門書店の掲示板。当時は、まだネット社会でもなく、先方の学校とのやりとりも履歴書を送った後は、FAX、電話だけで採用決まりました。これも国内で日本語教師の経験があったおかげだと思います

さて、韓国に着いた日、大阪での日本語学校のときの卒業生が
ソウルの空港まで迎えに来てくれました はじめての外国暮らし。期待以上に不安が大きかったので、本当にうれしかったです。首都ソウルから、 確かバスで3時間ほどでした。日本と比べると交通料金が安い安い500円ほどでした。5000円と言われても払っていたと思います。勤め先は、後に流行したあの韓国ドラマ『冬のソナタ』のロケ地、春川(チュンチョン)です。真冬はマイナス20度の寒さ。着いた翌日、勤め先の周囲を案内してもらいましたが、近所の大学に韓国語で日本人日本語教師 勝川先生 ようこそ!ような垂れ幕があったんです。語学学校の学院長が大学生を学校に呼び込もうと大宣伝してくれて いました。しかし、その翌日、台風のような強風が吹き、その垂れ幕がどこかに飛んで行ったようです 不吉・・・。

さて、すぐに授業が始まりました。始めは前任者となる日本人日本語教師のクラスに見学として入りました。何よりも驚いたのは授業時間です。日本の語学スクールも朝から始まる学校もありますが、韓国では朝6時ごろから始まるのが一般的です。よって、私も毎日5時前には起きて、学校に行きました
授業は朝6時半から3時間。そして、夜も18時半~3時間
1日を2回に分けて生活していました。朝の授業後は近くの大学食堂へ行き、いつもご飯大盛りにしてもらい、200円ほどでおいしくいただけました。その後、昼寝をして、授業準備をして、また夜の授業前に学校へ行く。夜の授業後は、雨が降ると、なぜか学生から「飲みにいきましょう、カラオケに行きましょう」と誘われました晴れのときは一人で町の食堂へ。けっこう外食が多かったです。

日本での一人暮らし時代は、極力節約するため、毎日鶏の胸肉料理を使って、カレーで3日間、シチューで3日間のローテーションでしたが、やはり授業後の疲労の中、外で食べられるのは幸せ。せっかく外国にいるわけなので、いろんな料理も食べておきたいですしね!
ここでちょっとビザのお話をしておこうと思います。


海外で就労する場合は、ほとんどの国では日本語教師という職種の場合、
「大卒」という学歴が必要になっています。
いくつかの国、機関は「大卒」がなくても日本語教師はできます。また、ボランティアやインターンなら話は別です。私は恵まれた環境で大卒という資格を持っていますが、(本当に親には感謝しております)持っていない人で、幅広く海外で日本語教師として働く!という方は、通信、放送大学なども含め、大卒の資格が取れるので、チャレンジするのもいいかと思います。

韓国の住居を話すと、ぜひ触れたいのが「チョンセ」というシステム。私が韓国に赴任したころは、いわゆる銀行の預金金利(利子)が1約10%も!日本は、当時1%ほど。今は・・・0,01%ぐらいでしょうか。
よってチョンセとは、「保証金としてはじめに、仮に100万円預ければ大家は1年後10万円の利子があるので、住居人から毎月1万円もらうのと同じ金額になり、はじめに渡した100万円は退去時に丸々返ってくる。つまり、住居人は毎月無料で部屋を借りられる」ということです。こんなウハウハなことが、日本では考えられるでしょうか。というわけで、私も何も疑わずチョンセを利用しました。ただ、今はちょっとネットで調べたらいくらでもでてきますが、やはり「うまい話には注意せよ」ですね。私が入居したアパートが経営不振で競売になってしまい、私は結局退去時に預けた金額が戻ってきませんでした大阪での日本語教師時代に節約してがんばって貯めたお金が・・・。

ま、ちょっと高い授業料だと思うことにしました。それでも、私の学生が、弁護士事務所に連れて行ってくれて、通訳もしてくれて、私を助けようと何人もの学生が動いてくれました。この思い出は一生消えません。お金はなんとかしたらあとから簡単に消えますし、また増やすこともできます。外国の人にこんなに助けられたという思いのほうが、ずっと上回りました。それによって、私ももっともっと日本国内、世界中の日本語学習者の助けになりたいと思えるようになりました

授業は、ネイティブ日本語教師として呼ばれたので、ここの学校では、基本的には日本語だけで日本語の授業をしていました。しかし、日本国内に来ている学生なら第2言語習得の目的がもっぱらですが、自分の国で外国語を学ぶ学生は、知識教養として、日本語能力試験合格を目標にしている学生もいて、必要に応じて、現地の言葉も知っていると、より多くのニーズに応えられると思います


普段の生活では、多くの方にや何かと登山に誘われました。
普段から体を鍛えているんだな~と、感心しました。

【同じ学校の韓国人英語教師さんと】


日本語学習者さんに韓国国営放送KBSのカメラマンさんがいらっしゃり、放送局の見学に♪カメラは全てSONYでした。ちょっと誇りに思えました*^.^*


【テレビに映っているのは、後任のみわ先生と、仲良かった学生ミンジョンさん】


大阪の日本語学校時代の学生が、釜山から春川まで会いに来てくれました。

またいつの日か、この仕事には定年がないので、迎えていただけるのなら、ぜひまた韓国に行って、日本語教師したいです!





hiroyuki7272 at 18:01|PermalinkComments(0)私の履歴書 

2016年03月02日

私の履歴書② -日本語学校時代- 1997年~

教務主任の勝川です。
大好評で(ウソです)、私の履歴書第2弾に突入です

日本語教師養成講座時代のボランティアで日本語を教えていた学生さん
からの強い希望で、日本語学校で急遽、
面接・模擬授業をすることになり、
なんとか採用をいただき、
大阪の日本語学校にて日本語教師デビュー


スタートは、採用された人が
外国人に教える環境に適応力があるか、また、
今まで教師などをしたことない人が現場で授業を担当できるか
見るためにも、
非常勤講師で週に2~3日出勤というのが一般的だと言われています。

さて、私は日本語の初級クラスを1コマ(その学校は1コマ60分)、 中級の
クラスを2コマでスタートです

学校にもよりますが、日本語の初級クラスと中上級クラス、どちらが
ビギナー先生に向いているかというと、
仮に私のようにそれまでの生活で、
いろんなイベントをしたり、
大学でも大学際実行委員など、ちょっと
人目に触れることを
やってきたタイプなら、中上級クラスのほうが
向いていると
思われます。

初級クラスでは、日本語があまりできない人たちのクラスですし、
多国籍で
媒介語もないし、あったとしても、たくさん日本語を使わせる必要が
あるので、
日本語だけで日本語を教えるというスタイルが多い日本語学校では
教師の
語彙コントロール力がかなり求める学校が多いです。


今までの私の特性を生かし、主任先生は私を中級クラスに
入れたんだと思います。
時給は、東京大阪などでは普通ですが、
1時間1,300円ほどでしたので、
もちろん養成講座に通ってから
1人暮らしを始めた私には
苦しかったです
ちなみに、ここ福岡は日本でも時給がかなり
高いほうです。
福岡の求人サイトとして有名な大谷書店の求人などをご参考に

http://otanishoten.jp/kokunaishushoku.htm

日本語を教えるボランティアは辞めましたが、音楽療法、手話教室などの
ボランティア活動を続けていました。
ボランティア


























もともとこういう活動を好きでしたが、日本語教師としても
この活動がとても生きました。
自分とは同じだと思っていても、やはり違いもある。
むしろ違って当たり前で、その相手の立場になりきって、
はじめてわかることがあるというのを実感しました。
英語の”understand”とはよく言ったものです。
相手の下に立って初めて理解できるという気持ちを大切にしました。

ただ、週2,3日の学校収入に、ボランティア活動では、
日々のご飯すら食べられなくなるので、アルバイトも掛け持ちで。
休日の前の夜~朝は夜間でコンビニ、平日の夜は大阪の北新地で
老舗の
たこ焼き屋台、天丼屋。
よく留学生がたこ焼きを食べに来てくれて、サービスしてたなぁ
バイト

















やはり、学生生活とは違い、自分で稼いで、自炊して、
親のありがたみもですが、いろんな社会経験ができました。

しかし、私も当初は「日本語教育を舐めていた」のも事実です。
準備は怠らずやってたつもりでも、ボロが出まくり、
学生からの質問にうまく答えられないことも多く、自分でも苛立ちが増し、
バイトを減らし、もっともっと準備するようになりました
すると、学生たちも私も認めてくれたのか、教室内でも外でも
(学校によっては一切学生と学校外で遊ぶのを禁止のところもあるようです)
どんどん声をかけてくれるようになり、そんな声が主任に届いたのか、
半年後には、授業数も倍に、担任の打診も受けて快諾しました。
当時の、同期入社も含めて周りの日本語教師の先輩方には
本当によく育てていただきました。感謝です
ヒューマン0














しかし、本当に日本語の様々なスキルを的確に身につけられる教師には

程遠い教師でした。今でも、日々奮闘中ですが

写真は運動会です。だいたい1年に2回は課外活動などが行われます。
1度、ほぼすべてを私が企画、運営、準備などをしたイベントです。
普段の運動不足がたまってか、学生たちのはしゃぎようは
すごかったです。私の顔が見えません
ヒューマン
















当時から、会話の授業などはいつも学生の声をカセットテープに録音して
いたので、
今でも聞くと本当に懐かしいです。
学生への振り返りや試験として採点するため
のものですが、宝物です。
あぁ・・・発音や話し方をきちんと教えられなかった私を許してください。
と、いつも思ってしまいます。

さて、初めての日本語学校も2年の月日が経ち、いよいよ
私の当初の目的、目標である海外での日本語教育時代に突入です。
続きは・・・第3弾にて。お楽しみに!



hiroyuki7272 at 03:36|PermalinkComments(2)私の履歴書 

2016年02月29日

私の履歴書① -日本語教師養成講座編- 1996年~

日本語教師を目指す人にとってこの時期はとても大切な時期です
一番求人が多いのは、日本国内の日本語学校からの求人募集。
(日本語学校=主に大学など高等教育機関に進みたい留学生への日本語指導)
日本語学校では多くは入学が4月と10月なので、今が就活の時期なんです。
そこで、国内4県、国外4カ国で様々な日本語教育に携わってきた
19年間の経歴をここに大公開
これから日本語教師になりたい方、今日本語教師養成講座に
通っている方、すでに現場に立っている日本語教師さん、
何か少しでもお役に立てればと思っております。


第1弾は「日本語教師養成講座時代」
です
大阪出身の私は、親のすねをかじり何とか
大学までは行かせていただけました。
3年生まで特に日本語教師なんて、そんな仕事が
あることも知りませんでした。

元々、職場を地球規模で考えていたので、4年生になったころ、
色々本で見た中で、青年海外協力隊の職種で「日本語教師」というのに
出遭いました。
企業への就職活動の最中、大学卒業後また資格取得の学校に通うなど、
なんと親の期待を裏切ったものかと自己嫌悪にもなりながらも、
だからこそ本気で取り組めたのかもしれません。今から20年前の話です。
養成時代2














(↑ 日本語教師養成講座修了パーティーにて)

大手の日本語教師養成講座に通っていた頃は、初の一人暮らしなども
始まり、刺激的な日々でした。週3日通い1年で資格を取りました。
その際、2つの日本語教師ボランティアもしていました。
1つは研修生への授業にアシスタントティーチャーとして経験を
積ませていただいた関西研修センター( ↓ )。
関西研修センター2
















もう1つは養成講座と同じグループの日本語学校での会話ボランティア。
通っていた養成講座は、外国人に実際教えるなどの授業もなく、
ボランティアで力をつけようと思いました。

あと大阪人ということで、東京アクセントで早く話せるようになろうと、
毎日NHKのニュースを聞いて、後からついて読んでいくという
今でこそ「シャドーイング」といって有名なやり方なのですが、
当時、自ら発見してやっておりました。
友達と話すときも、大阪なのに東京アクセントで話し、
数多くの友人からも煙たがられました
でも、小学生時代から尊敬もする、かつ親友の同級生、翼くんから
「かっちゃん、えらいな。そこまでプロ意識持ってるんやからな」という
言葉にとても励まされました
さらに現場に出たとき「フォーマルな話し言葉、書き言葉」に慣れようと、
「ら抜き言葉」などを意識的に言わないようにしました。
今となっては、場面によって使い分けていますが、
当時は「大阪弁の日本語教師」と言われるのがいやで、
相当努力したのが懐かしいです。

そんな中、あっという間の1年間。さあ、いざ現場へ・・・と思いきや、
まだ一度もまともな就職をしていなかった私は就活におじけずき、
不安と焦りしかない日々。
そこに、ボランティアで教えていた学生さんが在籍している
日本語学校に強引に私を推薦してくれて、ボランティアの日なのに
いきなり面接と模擬授業をやっていただくことになり。服装もGパンなのに
模擬授業は「~てください」という文型の導入
よくわからないままに授業をしました。
何も教案も作らず、練習もしていないままで。
でも、私を推薦してくれた留学生を悲しませたくない一心で、授業をしました。

結果は合格。授業が下手だったのは自分でもわかりました。
その留学生が推薦してくれたというのが、唯一の合格の理由でした。
ですから、今でもその留学生さんには感謝感謝です。
あとは、2つのボランティアで外国人との交流になんとか慣れていたんでしょう。
強引に面接を開くようにかけあってくれたおかげで、
資格取得後すぐに現場に立つことができました。
同じ養成講座受講生でも、すぐに現場に出たのは、クラスでも2人ほどでした。
ちなみにこの留学生さんは、その後母国の韓国の高校で
私と同じ日本語教師となって、すばらしい授業をして、
2012年、ご主人と3人の娘さんを連れて、福岡に会いに来てくれました
チーヨン2

















このように就職までも学生の手を借りて、やっと就職できた私ですが、
その後の日本語学校でのエピソードは第2弾で!



hiroyuki7272 at 02:11|PermalinkComments(0)私の履歴書 

2016年02月24日

懐かしい学生からのラブレター

教務主任の勝川です。教師生活19年。
ど根性ガエルの町田先生にはまだ追いつかないが、それなりに長く続いている
日本語教師の仕事を生かし国内4県、国外4カ国、数々の職場、学習者、国籍
など、
全てが宝物
辞めたいとは思わないが、ダメだ、できないと思い悩むこともしばしば
そんな中、ある昔の学習者がFacebookのチャットで話しかけてきた。
涙で画面が見られなくなった そして、やっぱりこの仕事がんばろうと思えた。
私は本当に幸せ者です。
以下、そのラブレターを紹介します♪ 本人の許可済み。

原文のまま。チャットなので、多少のうっかりミスはあります。
(福岡大学での短期日本語クラスを受講後、中国に帰国)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実は私は就職活動をしていた時、二つofferをいただいた。
一つはこのアマゾンに就職するチャンス、もう一つは言語学校の先生です。
学生がほとんど日本人です。
日本語で中国語がお好きな日本人に中国語を教える仕事です。

いろいろ考えて上で、今の仕事を選びましたが、私はね、
人に授業をする経験がないので、面接のとき、超緊張していた。

でもどうしてこの仕事を選びたい?
と聞かれた時、私は先生の顔を思い出した。
「実は私は大学に入った前に、日本語が全然わからないです。
大学に入っても、日本語に全然興味を持っていないです。
なぜならば、授業が詰まらなかったし、いろいろなところがわからなかったし、
わからなかったのに、先生がわからなくても大丈夫です、
暗記してくださいと言われました。
だから、日本語の勉強が嫌いになってしました。
でも福岡に行って、ものすごくいい先生と出会いました。
実は勝川先生のことですが。
一所懸命授業の準備をしていただいて、授業中にいろいろな形で授業を
行っていただきました。なので、先生のいい影響で、私はその時日本語に
興味を生み出しました。私も先生のように自分の母語が好きな外国人に心を
込めて教えてあげたいです。

今はこの仕事をあきらめざるを得ないですが、この気持ちを捨てないです。
いつかチャンスがあれば、ボランティア でもいいです、面白くて、
わかりやすくて、心を込めて、中国語に興味を生みさせるようにいい授業を
外国人にしてあげたいです。

あのごろ、私たち最後の授業に、先生と別れるのは本とに悲しかったです。
でも先生が私にどれだけいい影響を齎していたのか全然気づかなかったです。
就職したまで、この気持ちがわかるようになりました。なので、どうしても
先生にお礼を言いたくて、この感謝の気持ちを先生に伝えたいです。
遅いですが、ありがとうございました。

生活でも、仕事でも、日本語の勉強でも、英語の勉強でも、私はぜひ
一所懸命やりたいです。
クラスのみんなと


hiroyuki7272 at 15:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)メッセージ 

2015年12月09日

超熱血教師「笈川幸司先生」講演会終了!

今回は私の授業ではなく、
中国で超熱血日本語教師として有名な
笈川幸司先生の講演会の様子です

先日、私が現場で日本語を教えている
九州産業大学にて、中国のカリスマ日本語教師
笈川幸司先生による講演会が無事終了しました。
司会進行を私が担当させていただきました
おかげさまをもちまして160人ほどの出席となり、 大盛況でした!


笈川先生の授業は、勉強の方法などでも困っている学習者、
自信を失くした学習者、 また、北京大学・清華大学の学習者にも、
つまりどんな学習者にも対応できるメソッドをお持ちで、
このメソッドを惜しげもなくご披露いただき、
だからこそ、参加者のすべての人にも満足いただける内容でした

前半は公開授業が行われました。
数ある研修会でも、結局どんな授業をすればいいの?
イメージすらわかないという方も多いのでは?



講演会の様子を動画でごらんになれます。
5つに分けました。笈川先生の一言一句大事な内容なので、
ほとんどノーカットの状態です。
それぞれクリックしてくださいね
         ↓   ↓   ↓ 
1つ目 
公開授業①
2つ目 公開授業②
3つ目 質疑応答①
4つ目 質疑応答②
5つ目 質疑応答③

笈川先生が教えてくださったテクニックは、
どんな日本語教師にもできるものばかりでした。
「いつも『い』の口で朗読する」
「語尾は弱くしていく」などなど。
これだけで、本当に日本人っぽい 発音に変わるんです。
期間限定ですが、こちらでも詳しい解説付きで、
学習者の様子もよくわかる動画を見ることができます。
チャプター2つ目です。
http://www.houdoukyoku.jp/pc/archive_play/00142015111501/1/

公開授業では、日本語学習者のみならず
参加して日本語教師、一般の方までみんな参加しての
「握手授業」もありました!
初級の文型「季節でいつがいちばん好きですか?」に対して、
日本語教師のみなさんはどのような答え方を示しますか?
ドリル練習では「春がいちばん好きです」でいいかもしれません。
しかし、この「握手授業」では違うんです。
この「握手授業」という「魔法」にかかると、
あら、不思議。みんな笑顔で、生き生きとした目で、
相手への配慮もしながら、自分らしいコメントが「話せる」
ようになるではありませんか!

さらに後半では質疑応答、授業の舞台裏、これまでの
日本語教師への道、お悩み、葛藤まで・・・たくさん
お話いただけました。とても人間味あふれる話でした。

講演会後に先生のもとにかけつけた参加者の質問にも、
その後の懇親会でも、1人1人にずっと耳を傾け、
そして1人1人の名前を覚え、相手にわかる言葉で的を射た
アドバイスをなさる先生の姿にも感銘を受けました。

懇親会では、お疲れのところ、うちの赤ん坊を抱っこしてくだり、
ありがとうございました!うちの赤ん坊も大喜びでした




2015年09月18日

♪イベント情報♪笈川幸司先生の講演会

夏も終わり、肌寒い朝夕が・・・と思いきや、
熱い先生が日本にいらっしゃいますよ!!
中国で大活躍のカリスマ日本語教師、
笈川幸司先生の講演会です。
テレビ出演、新聞掲載も多数の有名な先生です

その生き方も非常にバラエティーあり、
魅力ありすぎる先生です
日時場所のみ決定なので、
あとの詳細(予約方法など)は、また決まり次第、
こちらで告知いたします。

みなさま1人でも多くのご来場、
心よりお待ちしております!



笈川先生講演会草案



















hiroyuki7272 at 11:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)イベント 

2015年07月26日

中上級授業「アベノミクス」

私が現在、日本語を教えている、九州産業大学での
ビジネス日本語授業の様子です。

みなさんは、ファストフードの牛丼の値段の変遷を
ご存知でしょうか?

1975年創業の際は300円。
それから、1990年まで350円→370円→400円と
値上がりしました。
しかし、その後、2005年には280円に値下がり。
消費者にとっては、とてもうれしいことですね

しかし、この状態がいわゆる「不景気」なんですね。
これがなかなか理解するのが難しいようです。
このような状態が15年ほど続いた日本で、
なんとかしようと今始まったのがアベノミクス。
この是非を考えるにも、まずアベノミクスが
何なのかを知らないと、議論もできません。
さらに、勉強した以上は、自分なら
どんな政策を考えるかというレベルにもっていかないと
もったいないです。

「思考の段階」というピラミッドがあります。

し思考の段階・新のみ

      






私は、授業で何かを扱う際にいつもこのピラミッドを
意識した授業をします。
別の表現で言うと、「知っている」から「できる」に持って行く。
少し詳しく言うと、

「知っている→理解する→
クリティカルシンキングできる→
代替案出せる、実行できる」

ということを、授業内で一通りさせます。

日本語が初級レベルであっても基本的には同様です。

本来、一番楽しいはずの「創造」ですが、
それこそ「創造できる」人には楽しいわけであって、
「自分で新たに考えること、アイデア求められるの」が苦手、
面倒だと思っている人には、
このような授業もつまらないんだと思います。
ですから、学生自身がまず、アイデア力などを
身につけないと、と思います。

じゃ、どうすればいいのか。
以前、Eテレの「テストの花道」で紹介された
「マスピード」という遊び。
https://www.nhk.or.jp/hanamichi/p2012/120528.html
(私は手元に4枚でやっていますが)

これを「日本語」でさせています。
この効果は絶大です。何かアイデアを求めたときに、
すぐ出るようにはなっていなくても、全員が
考えてくれるようになっています。

他にも、デフレスパイラルとは何か?
などをいちいち教師が「教える」なんてしても、
「興味が元々ある学生」にしか通じない授業であって、
下の動画のようにパズルにすると、みんな黙って、
一人で解決し、どんどん専門用語を身につけていきますよ!

こちらで授業の様子を見ることができます。
↓  ↓  ↓
https://youtu.be/AgnBj6bKE70




 








2015年07月12日

♪イベント情報♪&発音指導授業

このたび、私が勤める日本語教師養成講座
NYAニューヨークアカデミー当校主催イベントで、
OJAD「オンライン日本語アクセント辞書」の作成者、
東京大学・峯松教授をお招きし、日本語教員のみなさまが、
峯松先生からの直接のご指導を体験できるイベントを行います。
現場の日本語教師、日本語・外国語の発音指導、発音体系に興味がある方など
広くイベントへのご参加、呼びかけたく思います。

講師:峯松 信明 教授(東京大学大学院工学系研究科)
日時:2015年7月30日(木)18:30~20:30
場所:ハミングバード会議室301 (西鉄福岡駅徒歩5分)
福岡市中央区天神3丁目4-8 天神重松ビル3階
アクセス→http://www.humming-bird.co.jp/kaigishitsu/access/
内容・申し込みの詳細はこちらです!

OJAD

デモ体験がこちらでできますよ!

OJAD_デモ体験

みなさんは 外国人日本語学習者にどのように
発音指導していますか?あるいは、していると思いますか?
もちろん様々な指導方法があります。
時には、発音指導しない、というのも1つかもしれません。

私は日本語教育の現場では、発音指導は重視するタイプです。
極端な言い方をすると、日本語が上手な人は発音が上手です。
日本語に悩んでいる学習者は、こぞって発音もダメな気がします。
それは、やはり「外国語ができる」=「話せる」というイメージが
強いからじゃないでしょうか

「書ける」「聞き取れる」「読める」などのスキルができても、
これだけでは「できる」とはなかなか言えないということですね
そこで「話せる」というスキルに欠かせない1つに「発音」があると思います。
仮に通じないことがあっても、聞き返す・言い換え・母語使用・ジェスチャーなどを
駆使して問題解決もできますが、何よりも発音がよければ、
相手にそんなに「聞き返し」をさせることもありませんね。

そこで、日本語教育の初歩のうちからの発音指導が必要だと
私は考えます。しかし、どうやって?ということですね。
その1つに、私自身、現場で利用していて、とても効果的で、
実用的なツールがあります。
それがこの「OJAD オンライン日本語アクセント辞書」です。
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/

このOJADを私が実際に使った授業を見ることができます。
↓  ↓  ↓
https://youtu.be/ieuLEPdvSJM

どうぞご覧いただき、コメントいただけるとうれしいです

どうぞ、多くの皆様方のご参加、お待ちしております。



hiroyuki7272 at 03:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)日本語授業 

2015年05月20日

中上級授業「貿易ゲーム」

みなさん 新緑の季節も過ぎ、じきに梅雨の季節ですね

新しく日本に来てくれた日本語学習者が、まさに新緑とともに育ち、
そこに栄養である雨をたくさん恵まれている季節と思っております。
ただ、はじめウキウキしすぎたばかりに、
ちょっとだれてくる季節かもしれませんね・・・。
日本語教師として、学生たちに「教えなければならないこと」と
自ら育つために「教えてはいけないこと」のメリハリを
いつも悩みながらもがんばっております

今日は中上級クラスの様子です。
といっても、内容を少し工夫すれば、初級でもできる授業です。
いわゆる「依頼表現」の習得です
初級文型でも「~てください」から「~ていただけませんか」、
あるいは「消しゴムありますか?」と言って、間接的に依頼を
することなど、様々な表現を習います。
「依頼表現」はとても大事だと思っています。
生活上、特に外国である日本に来たら、困ることだらけですね。
誰にも頼らない自己解決力も、もちろん大切ですが、上手に
依頼表現をすることで、相手とのコミュニケーション力も
ぐんとあがるきっかけにもなります
人間関係の構築の一番のきっかけだとも言えるんじゃないでしょうか

しかし、本当に困ったときに、果たして授業で習った表現を
うまく使いこなしている人はどのくらいいるんでしょうか


あるいは、日本語母語話者でも、依頼表現が上手ではない人、
ゆえに依頼そのものもあまりしなくなってる人もいるようです。

たとえば、教室の中で「ロールカード」に、
「あなたは今日本語能力試験の2級を受けるか3級を受けるか
悩んでいます。先生に相談してください。問題集も借りてください。」
先生側には
「今、授業と授業の間の休み時間です。学生が日本語能力試験を
何級を受ければいいか相談に来ます。きいてください。
今、日本語能力試験の問題集は他の学生が借りていて、
職員室にはありません。」
のように、ちょっと「交渉」が必要となるようなカードを用意して、
演じさせます

しかし、大事なことは、演じる際に「本当に今困っている」心境に
なっているか
です。学生に今まで実際に困った場面をきいて、
それでロールカードを作るなども実に効果的な手法だと言われて
いますが、未経験の場面でも、やっておく必要がある場面もあります。

実際の授業内容です。
はじめのほうは、学生に困った経験を聞いて参考にしたものや、
今後起こりうるであろう困った場面でのロールカードで、
丁寧な依頼表現を使い、交渉している様子ですが、
そのような表現を教室で練習しても、
動画後半の「貿易ゲーム」という「アサーティブコミュニケーション養成
ゲーム」をやったら、ほとんどの人が、せっかく習った丁寧な依頼表現が
ぶっ飛んでしまい、お互い笑顔でウィンウィンになるような丁寧な依頼
表現がほとんど見られません。
アンケートではみんな「楽しかった」と
書いてはくれますが、ただ楽しいだけではダメです。
でも、「楽しい」授業だからこそ、
難しいことも習得していくと思っています。
貿易ゲーム画像











こういう経験を教室でして、このフィードバックを行うことで、
少しずつ本当に困ったときに使える表現が身についていくと思います。
これが、外国語教育ではなく、第二言語習得の授業ですから。

ちなみにこの貿易ゲームでは、将来会社でやってみたいこと、
向いていること、いろんな経済用語も体験を通して学べますよ

こちらで授業を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
https://youtu.be/gk-phoPAEv8

どうぞご覧いただき、コメントいただけるとうれしいです




2015年04月14日

初級ゼロ初級「自己紹介2015」

以前、ゼロ初級日本語学習者への1時間目の授業「自己紹介」を
アップしたら、かなり好評でしたので、
今回は2015年バージョンの動画です。
学生も今回は3人います
ドイツ・韓国・フランスの学生。
韓国の学生は少し日本語を知っています。
高校のときの第二外国語で勉強したそうです。

日本語を何も知らない学習者に言葉を教えるというのは、
昔の私もまったく想像できない世界でした

ただ、自己紹介なら「初対面」という場面を提示すれば
いいわけで、その初対面での日本語を提示すれば、
すぐわかってくれます

その文型を「いつ・どこで・だれが・どのように・・・」使うのかを示すことで、
日本語だけで日本語スムーズに習得してもらうことができます


学習者が成人の場合は、考える力がありますから、
そこをうまく使うことが大切です。

2015自己紹介①









学習者の理解という素晴らしい力を借りながら、
共同作業で日本語だけで日本語を教えるという
作業を楽しんでおります

まさに双方向コミュニケーションこそが、日本語教師に
求められていると思います

他にも、簡単なひらがなの読み方、その発音指導、
学生からのサプライズもあり!

2015自己紹介②










こちらで動画を見ることができます。
↓   ↓   ↓
https://youtu.be/aW2NeXcS8Ro




2015年03月07日

自分らしく、過去の自分が生かせる仕事、それが日本語教師です!

よく日本語教師養成講座の受講生さんや他の方から、「勝川先生は
日本語教師
になる前、何をやっていたんですか?」と聞かれます。
私は、学生終わってからずっとこの日本語教師をやっておりますので、
ちょっと困る質問
それから「どうしたら勝川先生のように飽きない授業、
楽しめる授業ができるんですか?」と。

そう言っていただけるのは素直に嬉しく思えますが、私もまだまだだと

思っております。それに特別なことをしているとも思っていません。
これが当たり前だと思っていますので。


受講生さんに耳を傾けると、社会人の受講生さんが多いので

(もちろん現役の学生さんもOKですよ)
みなさんのほとんどが社会経験いろいろある方です。


それゆえでしょうか、人生の途中から「先生」と呼ばれる仕事、

それも相手は外国人。やっていけるのか・・・生活も大丈夫だろうか・・・
とよく聞きます。


例えば、私は目立ったことはしていませんが、学生のときから音
楽が好きで、
ボランティアで音楽療法活動をしておりました
そこで学んだ様々なことが本当に、日本語を教える際に役立っています。
役立てないともったいないです

幼稚園周りもしていたので、子供たちの素直な反応=こちらの教え方が
下手だと、
つまらない顔をして、寝たり、他のことをしたり・・・
学生のせいにするのではなく、本当に子供たちが喜ぶ授業を
目指すことで教授力が鍛えられました。
過去の自分の活動を、どう日本語教育の現場に生かしたか。
一部ですが、こちらでご覧になれますので、どうぞ!
ちょっと恥ずかしいですが
↓   ↓   ↓
http://youtu.be/T9_cZmk6JkI



これから日本語教師を目指す人も、何か今まで一生懸命

やったことがあるかと思います。何でもいいので。
料理好きな人は日本料理や学生の国の料理説明を授業に取り入れ、
実際に料理し、国際交流を扱えばいい。
小物つくりや折り紙、洋裁などの趣味の人も。
敬語やマナーを会社で身につけた人なら、そういう授業に。
絵が好きな人は絵を描かせる授業に。

誰か「この人みたいに!」と思える日本語教師を見つけるのも

お勧めで大事なことだと思ういっぽうで、
「自分らしさ」を授業に生かせられると、よりいいと思いますよ。
「自分らしい日本語教師」を目指してほしく、またそのような日本語教師を
育成するのも私の仕事だと思っております。
興味がある人は、その時点でもう立派な日本語教師です。
どうぞNYA日本語教師養成講座でいっしょに勉強しませんか?^^

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本語教師を目指すなら!ニューヨークアカデミー
http://www.ny-academy.com/
092-561-0844



2014年12月22日

初級「質問の種類」

言語の習得で非常に大切なスキルとして、
質問というものがあります。

質問する、答えるというのは、実に会話の基本ですね

しかしながら、「質問の仕方」といってもその種類は多種多様です。
教室活動の中で、それぞれの活動にあった「質問」をしないと、
学習者は興味なくなり、眠くなるのも仕方ありません。

教師が時計を指して「今、何時ですか」
学習者が「今、2時です」。

これはどんな意図、効果があるでしょうか?
そうです、日本語発音が正しく言えるようになるということですね
時計が読めるようになる、ではありません
母語ではすぐに答えられるはずですから。
ですから、このようなQ&Aは、ドリル練習としては
もってこいですが、運用力をあげたいときには
非常につまらないものになります

「今、2時半ですか」
「はい」「いいえ」
というQ&Aはどんな効果があるでしょうか?
学習者の答え方があまり負担がかかりませんから、
教師の日本語をやや難しく、レベルを上げた表現を
学習者が理解できているかを知るためには効果的です
でも、これでも、運用力はあがりにくいですね

「今、OOさんのお国は何時ですか」ときくと、
教師も知らない答をきくわけですから、
学習者はちょっと頭使うでしょうし、
学習者同士で互いの国の今の時間をきくと、
もっと活動的になるでしょう
他にもアイデアでますか?

子育てでも、学校から帰ってきた子供に
「学校どうだった?」「試験どうだった?」
など、質問しているつもりで、これは親の都合だけ、
親が期待していることだけをきいてしまい、
子供はつまらなくなることもあるそうです。
子供が話したいことが別にあったら、子供はショックかもしれません。
「どうだった?」ときくだけで十分だそうです。

私も日本語学習者、日本語教師を目指す受講生に
理解の確認、記憶、応用・運用など、「質問のしかた」を
上手に使い分けなければと常々思っております^^

日本人ゲストと色々な質問を交わしている
学習者の様子です。

質問の種類











こちらで授業風景を見ることができます
 ↓   ↓   ↓
 http://youtu.be/ioqatDeDdgg


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2014年10月22日

「発音指導」

「発音指導」の様子です
外国語を習得する上で、「ちゃんと話せるようになる」というのは
ほとんどすべての人が目標とし、また憧れると思います

その「ちゃんと話せる、ちゃんと伝わる」上で
大切な要素は、「発音」「文章構成」「コミュニケーション力」・・・
いずれも欠かせないでしょう。

では、日本語学習者の外国人にとって
日本語の発音習得の何が難しく、大変なのかを、
相手の立場になって知らないと、我々教師はうまく
指導ができないと思います

一つ一つの音を指導する際には、
下のような口腔断面図を使ったりできます

アクセント2










しかし、文全体が「どうしても外国人」に聞こえることが多々あります。
では、「日本人はどのような耳で日本語を聞き取っているのか
というクイズを出し、その結果「高低アクセント」や「拍言語」という
日本語の特性を明示化し、指導していきます。

指導がまずいと、学習者のプライドを傷つけることも多いです
ネイティブの発音を聞き取ることが難しいので、
真似することも当然、難しいですね。

しかし、そのままで放っておくと、その学習者の発音も
なかなか上達せず、それが原因でネイティブ日本人に
なかなか話しかけられなくなることもよく聞きます。

泳げない人が「泳げないから」という理由で
泳がないで、泳がないから当然泳げるようにもならない・・・
でも、泳ぎたい・・・水泳教室に通おう!
でも、泳げるように指導してくれない・・・やめよう。
ということと同じです。

いかに初期のレベルから、
効果的に、効率よく、合理的に教えられるかですね。

日本語の発音が簡単!難しい!
どちらに思わせるのかも、やはり教師次第です


こちらは現場での発音指導に実に有効に使える
サイト『OJAD』です。
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/
以前から、スピーチ大会などでの指導として
利用しておりましたが、先日、OJADの説明会に参加し、
より使い方がわかり、実によくできているシステムです。
使わないともったいないですよ
「使ってみようOJAD」をクリックして、ぜひ使ってみましょう!

こちらは、私の授業風景です
「ビジネス日本語クラス」と、 後半は「初級クラス」での発音指導の様子です。

こちらで授業風景を見ることができます
 ↓   ↓   ↓
 https://youtu.be/PHO7aeZNa6s


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2014年08月17日

日本語教材RPG 作成日記

今年の夏休みには完成!

と思って、3年ほどかかり作っていた日本語教材RPG。
RPGとは、ドラゴンクエストや、ファイナルファンタジーと言えば、
わかる方もいらっしゃるかも

実際、大学の留学生何人かに
途中まででもプレイしてもらったら、
声に出して読んだり、普段辞書を使わず、
かつ何でもすぐ教師に言葉の意味とか聞いてしまう学生が
黙々と辞書をひいて、ゲームに集中したり。
ぜったいに完成させて、世界中の日本語学習者に
配信したいと思っております。

RPG












ただのRPGではなく、ゲームの中にもいろんな日本語教師が出てきたり、
あいさつ・マナーも学べたり、日本の観光地紹介もあります。
さらに思考力の向上というのが私の日本語教師としての
信念でもあるので、そういうゲームにしております。
もちろん舞台は日本で、日本に来た留学生が主人公
異文化ショックなども取り入れています。

現在、海外の日本語学習者には、ゲームなどから
日本語学習を始めたきっかけとなった人も少なくありません。
そこで、私はRPGを使って日本語を学習することで、
そのモチベーションにもつながり、そして、日本語学習者の増加にも
貢献できればと思い、作っております。

しかし・・・この1年、まったくゲーム作りができなくて、
開発途中の様子だけでもと思いまして・・・
構想は10年以上前からで、
数回の入院中を使って作成しておりまして

公の日本語教育機関から補助金でもいただければなぁ・・・
完成は数年後かなぁ・・

こちらでデモ動画を見ることができます。
音量がとても小さくなっています。ご了承を。
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/ppqmStBv3Pc

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hiroyuki7272 at 15:34|PermalinkComments(4)TrackBack(0)日本語授業 

2014年08月07日

日本語教師養成講座「初級実習の授業」

福岡の大橋にある日本語教師養成講座、
NYAニューヨークアカデミーでの授業の様子です

実際に初級レベルの日本語学習者に
日本語を教えます

クラス全員が現場でのスタートラインにつけるような
レベルを本校では目指しています


楽しい授業はもちろん、知識も増やし、
どんどん使えるようにして、習った文型で
何ができるのか、というのを明確に示して、
それが伝わってる授業をしています


2014shokyu











こちらでクラス全員の実習の様子を
見ることができます。
ぜひ、ご覧ください!
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/83kNr2Vz3sc




2014年06月17日

初級「あります・います」導入→ドリル→運用

初級の授業例です。「あります・います」を扱った文型。
初級テキストでは「~です」という文型でも
「ここは教室です」「教室はここです」のように
似ている表現を習っていて、また「所有」の意味も
すでに習っています。

あります
  あ、「ツッコミ」の練習じゃ
  ありませんよ!








ある文型を教えるときには「差別化」がとても
大事だと思います
そのためにはその文型を必ず使うであろう
「場面」を再現することです。


例えば上記の「ここは教室です」「教室はここです」だと、
「ここは教室です」は、場所を説明する。
「教室はここです」は教室がどこにあるかを教える。
のような場面は連想しやすいかもしれませんね。

しかし、もっと大事なのは、
じゃ「場所を説明する場面は?」「どこにあるかを教える場面は?」を
提示することです

「場所を説明」は、初めて来た建物で、来客者に初対面の挨拶して、
案内している場面。
「場所を教える」は、例えばトイレに行きたがってる人が現れて、
「すみません、トイレ・・・トイレはどこですか
「トイレはあそこです」のように示します。

すると学習者が頭の中で「あ~、案内の場面ね。
場所を教える場面ね」と理解できます。
学習者の理解力をうまく使いながら、
「共同(協働)作業」で導入を行うようにしましょう。

こちらで授業風景を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/tZgAZ-Yyty4

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2014年06月12日

初級「インフォメーションギャップ」

インフォメーションギャップ(情報格差)の授業例です

からまで









普段の会話というのは、我々もほとんどが
インフキメーションギャップじゃないでしょうか?

自分が知らないから他人に聞いたり、
相手が知らないであろうことを自分が教えたり。
「ねぇ、そのかばんどこで買ったの?」
「あのさぁ、昨日電車で足踏まれてさぁ・・」などなど。

教室でいきなり学習者に「はい、みなさん
会話をしてください」とか、「話してください」と
言っても、言われた学習者は困惑します

「言ってください」は学習者も楽です。
真似すればいいのですから。
しかし「言う」だけでは運用力はなかなか
伸びません。
「話さないと」ですね。
ですから、「話せるような環境」を教師が
ちょっとして工夫で作ってあげましょう

こちらで授業風景を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/nV1kmz1qOak

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2014年06月09日

初級「インタビュータスク」

初級でのインタビュータスクの授業例です
インタビューはさまざまなスキルを使い、
かつ、会話がもともと苦手、恥ずかしがりやさんにも、
ある意味半強制でかつ楽しめる活動だと思います

インタビュータスク








日本人ゲストとやっているので、
予め「すみません、もう一度・・・」「あのう」
「ゆっくりお願いします」「~は~語でなんですか」などの
コミュニケーションストラテジーを導入済みです。

あるいは、このようなストラテジーの
必要性を感じてもらうのにもいい活動です。

結局、教室で習った表現
(週末、どこへ行きましたか。だれと行きましたか。
なんで行きましたか・・・おわります)
だけでは、「会話」ができないということが、
ネイティブ相手に使うとわかりますので

授業で使ったインタビューシートです。
立っていろんな人にも訊ける様に
クリップボードなど使うといいですよ。

5課ITシート








授業風景はこちらで見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/ImGnWRO05GI

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2014年06月05日

私は日本語インストラクターである

まったく更新ができていない

お伝えしたいこと、見ていただきたい授業風景などは
山ほどあるので、これからも準備でき次第、
アップしていきます・・・

ところで、最近、日本語インストラクターという言葉を
思いついた


以前から、仕事は?と尋ねられると、「日本語教師という仕事を・・・」と言っていた。
これではどうしても「日本語を教える仕事」と解釈されてしまう。

「教える」・・・つまり、多くの人が中学校、高校などで
英語訳、日本語訳の繰り返しで、日本語で英語の説明を聞くだけの授業を
イメージしてしまう。日本語教師養成講座の受講生さんも、
あるいは現場の日本語教師も、やはりこのような
授業をイメージし、実際このような授業をしてしまっている人が
まだまだいるような気がする。
「外国語教育」では、まだこれでもいいのかな、と思うことはある。
しかし、われわれの仕事は、学習者が日本語を使いこなせるのに必要な
第2言語習得の教師である。

スキーや水泳のインストラクター、というとどうでしょう?
相手が「できる」ように育てるはずです。
インストラクターはスキーの道具、滑り方の説明もするが、
それだけでは終わりません。受講生もできることを目標にします。
日本語教育で言うと、学習者が「使える」「自立できる」
「日本語で問題解決できるようになる」ことです。

新しい日本語能力試験でも「コミュニケーション能力重視」
「問題遂行力向上」をうたっていて、JFスタンダードでも
「Can-doステートメント」を掲げている。

まさに、今必要なのは、日本語インストラクターなのである。

もっと啐啄(そったく)がうまくできるようなインストラクターになりたい。

私はこの姿勢でこれからもやっていき、もっときわめ、
日本語インストラクターを養成することにも心血を注ぎたい



hiroyuki7272 at 03:09|PermalinkComments(0)メッセージ 

2014年05月06日

ビジネス「名刺交換」

大学でのビジネス日本語の授業、1日目です。
「名刺交換」はビジネスマナーのみならず、
国民性など様々なことが学べるいい活動です。

名刺はどちらから渡す? そのときの言葉は?
立ってするの? 両手で? 片手で?
上司からするの? 部下から?
相手が複数だったら? もらった名刺はどうするの?
そして、何よりこれらにすべて理由があります。
理由を教えることなく、興味を持たせ、
学生たちにどんどん意見を言ってもらう授業を
目指しています。

私はいつも言います。
「みなさんは知らないから習いに来ているんですよ。
さあ、楽しんで」と

ですから、はじめは「外国人の学生」が「日本の社会人でも
けっこうちゃんとしたことは知らない名刺交換」をやっても、
難しくてできないのが当たり前ですね。
できなかったこと、わからなかったことを自分で知って、
それを話し合い、悪い例の動画を見せて、改善案を話し合うと、
動画の後半、次の授業では、みんな上手にできるようになります

名刺交換








こちらで動画を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
 
http://youtu.be/b6ztZGkuYf0

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初級「文章構成力」

初級のうちから、文章構成力や、読解力のスキルをあげる。
これは、私自身とても大切にしている分野です

日本語レベルが上がると当然、語彙、文法など高度になり増えます。
その根底に読解力などがないと、ただ単に語彙や文法を覚えるだけになり、
結局読解力がないために、授業に全然身が入らない

母語で、読解力などがない人に、どうやって初級のうちに
このようなスキルを養成できるか。

母語で読解力に自信がない人には、「外国語学習の中で、
生まれ変われるチャンス」だと、どこかで思っていると信じています。
それに応えられる教師でありたいです

ここでは、
・段落ごとの紙を、元の文章に戻すゲーム。
・振り返り。
・桃太郎の紙芝居を自由に組み替えて話を作る。
・実際の桃太郎を見てみる。
・自分で作ったものと何が違うか、その理由を言う。
・桃太郎を50字(話すと15秒ほど)でまとめる。
・順序があるものを説明するときの接続詞養成。
・きびだんご作り体験
などです。

ちなみに、桃太郎の要約では、
見た動画をまとめるだけなら、「鬼が悪」のように
まとめてもいいのだが、
「じゃ、どうして鬼は島にいるのか?どうして鬼が
村を襲ったのか?」などを質問しても、
学生は誰も答えられないどころか、そんなこと
疑問にすら思っていませんでした。
「昔、村に住んでいたが、後から来た人間に島に流され、
食料、木々も奪われた鬼が人間に戦いを挑んだ話。」
のように考えるにもとても大事な教育だと思います。
クリティカルシンキングの養成です。
これにより、各国の歴史観なども、相手側に立って
冷静に考え、ディスカッションできるようになっていきますね。

文章構成力







こちらで動画を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
 
http://youtu.be/U2cD6sgpuQU

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hiroyuki7272 at 01:07|PermalinkComments(0)日本語授業-初級 

2014年05月05日

日本語教師養成講座「中上級指導法」

福岡市南区 ニューヨークアカデミー、
日本語教師養成講座の授業です。

中上級指導法

日本語中上級レベルの学習者対象の
いろいろな授業を学べます
こちらで動画を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/HL09T0it3go








hiroyuki7272 at 21:35|PermalinkComments(0)日本語教師養成授業 

初級「聞き返す&こそあ」

ゼロ初級、自己紹介表現のつぎに、
色々な名詞と「これ・それ・あれ」を教えて、
その運用練習です。5時間目ぐらいの授業です。
自己紹介表現と並んで「聞き返す」という
表現を大切にしています

聞き返す

どんなに日本語レベルが低くても、
ネイティブ日本人に「ゆっくりお願いします」
「もう一度お願いします」「~はOO語で何ですか」
などの表現(コミュニケーションストラテジー)を
身につけていると、外でもどんどん日本語を
使おうという姿勢が出てきますよ

活動はインフォメーションギャップというものです。
学生のものには、絵の一部しか見えてなくて、
まさに「なんだ?これは!」という気持ちで、
「これは 何ですか?」とたずねています。

目の前にあってお互いが「本」だと認識してるものを
教師と学生がわざとらしく「これは何ですか?」
「それは本です」などの練習だけでは
「第二言語習得」に結びつきにくいでしょうね。

こちらで授業動画を見ることができます。
 ↓   ↓   ↓
http://youtu.be/BFjKt3CuiGw


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hiroyuki7272 at 17:42|PermalinkComments(0)日本語授業-初級