2014年05月05日 01:44
大河ドラマ「軍師官兵衛」と遠藤周作「反逆」

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を私は、毎週楽しみにしてみています。リアルタイムで見れない時は、録画してみています。残念ながら、視聴率はあまり高くないようで盛り上がりを期待したいところです。数年前の「功名が辻」の時もそうでしたが、戦国時代(正確言えば安土桃山時代でしょうが・・・)を物語りにした時に、ドラマの主人公とは別に「信長、秀吉、家康」の軸がどうしても必要となるので散漫になるというのがあるのかもしれません。来週、再来週と黒田官兵衛が荒木村重に裏切られて人生で最大のピンチを迎える状況となります。これを乗り越え、軍師として大きく飛躍し、秀吉を補佐して天下取りに邁進していく今後が楽しみです。
ところで、遠藤周作さんの著作で「反逆」という小説があります。この小説は、私の高校時代に読売新聞の連載小説で掲載されていて当時、興味深く読みました。(すべてではありませんが・・・)この小説の見所は、天才(暴君?)織田信長に仕える、荒木村重、明智光秀、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の苦悩と葛藤を描いています。絶対的権力者である織田信長の様々な命令、処置、人事などに対し、どのような感情を抱きどう対処していくのか読み応えがあります。「軍師官兵衛」でも出ていた場面ですが、初対面の時、刀で刺した団子を面前で食べさせられた屈辱と恐怖が忘れられず、些細な失敗からどんどんと深みに嵌り、最後は信長に反旗を翻し悲劇的な末路をたどった荒木村重、彼に同情しながらも彼の攻撃の先頭に立たされ彼と同じように信長に反旗を翻し本能寺の変にいたった明智光秀、信長に反発を抱きながらもじっとそれを隠し続け、他の二人を冷徹に見ていた秀吉とその心理描写が見事に描かれています。
数年前、ブックオフで単行本を見つけ購入しました。(残念ながら上巻だけですが・・・)今、斜め読みですが改めて読み返しています。大河ドラマとあわせて読むと見ごたえがあります。お勧めの一冊です。