2008年09月

2008年09月26日 00:24

 昨日(25日)夜のニュース番組で、小泉純一郎元総理が今期限りで引退するというニュースが流れました。今までの政治活動、総理在任中も独自のスタイルで颯爽としていましたが、やめ方も颯爽とかっこいいやり方だなぁと思いました。
 郵政民営化を若いころから一貫して主張し、実現したことは周知の事実です。こんなエピソードがあります。私が大学4年の時、小泉元総理が初めて郵政大臣になったときに、居並ぶ郵政省の幹部を前に郵政事業の民営化を唱えました。もちろん現職の大臣が言うわけですから翌日の新聞は大きなニュースとして報道されました。たまたま私の大学時代の先輩が郵政省に勤めていて、その話を聞いていたそうですが、その時の雰囲気はシラーとしていたそうです。誰もがそんなことできるはずないだろうと当時は思っていたでしょう。しかし、その主張を笑い話ではないですが、厚生大臣の時も言っていたわけです。そして首相になり本当に実現してしまう。稀有のことだろうと思います。
 そして、「中央から地方へ」「官から民へ」という合言葉の下に構造改革を推し進めました。その結果、政治、経済の閉塞状況を打ち破った功績は後世の歴史家が大きな評価をするであろうと思います。また、今、夏はクールビズということで、ノーネクタイが普通となりましたが、これも小泉元総理でなかったら実現できなかっただろうと思います。(夏、ネクタイを締めなくてもいい慣習ができたので、仕事が本当にやりやすくなったと思います。)
 さて、これからは、ポスト小泉の日本政治をどう構築していくかということが大いに問われているであろうと思います。


2008年09月24日 00:58

 昨日(9月22日)の日経新聞の1面のトップは、三菱UFJフィナンシャルグループが米証券大手のモルガン・スタンレーに出資をするというニュースでした。最大20パーセント、9000億円を出資するというものです。実現すれば、モルガン・スタンレーの筆頭株主になるわけです。そして、同じ1面に野村ホールディングがリーマン・ブラザーズのアジア部門を買収するというニュースでした。このニュースを見て、驚きと感慨をもって見る人が特に金融関係者には多かったのではないかと思います。
 思い返せば、1997(平成9年)に三洋証券の破綻に端を発し、都市銀行の北海道拓殖銀行が倒産し、4大証券の山一證券が倒産するという金融危機が始まりました。翌年には、日本長期信用銀行、日本債権銀行が倒産しました。(私の大学時代にはとても人気の高かった就職先でした。)その後、多くの銀行(特に地銀や第2地銀)、証券会社、生命保険会社が破綻したり、都市銀行は合併して数が少なくなりました。(私の大学の時《平成元年4月〜平成6年3月》には10数行あった都市銀行が今や3つになりました。)その後、梶山構想に始まる公的資金の注入、小泉構造改革による不良債権処理がなされていきました。その過程で多大な犠牲を払ったことも忘れてはなりません。この間、欧米の金融機関が日本に進出し、外資系ファンドなどが幅を利かせました。
 9年前、小さな勉強会で、講師の人が「日本の金融は完全に敗北をしたんだ。」という趣旨の発言をしました。私は、すがさず、「しかし、ここからまた新しいいいものが生まれてくるはずだ。」と反論をしました。この10年で、見事に復活を果たし世界に向けて次のステージに立った日本の金融機関が出てきたことは本当にうれしいことだと思います。
 金融の分野は、日本は世界に比べて「立ち遅れている」「苦手だ」というイメージがありますが、この分野を強くしていくことが、日本の成長戦略にかなうものだと確信しています。

2008年09月21日 23:45

 18日(木)夜、河野洋平衆議院議長が引退を表明しました。河野先生の政治生活はロマンに色どられていたのではないかと思います。ロッキード事件を引き金に政界の浄化と刷新を掲げ、自民党を離党し新自由クラブを立ち上げ、矢尽き刀折れるまで奮戦し、その後自民党に復党し、宮沢内閣で官房長官を務めました。93年に自民党が下野したときには自民党総裁になりましたが、総理を目前にしながらも権力闘争に敗れ、自民党で唯一総理になれなかった総裁というあまりありがたくない形容詞で語られました。その後、外務大臣を務め立法府の長である衆議院議長になりました。
 新自由クラブはミニ政党ではありましたが、一時期は中曽根内閣で自民党が過半数を割ったときに連立を組み存在感を示しました。(ちなみに、私の中学の3年生くらいの時でしたが、社会科の授業で、与党はどこかという先生の質問に、自民党と答えた生徒に続き、先生がもう1つある。といったとき、新自由クラブと答えることができたのは私だけでした。当時から政治に非常に興味を持っていたからでしょうか?)ここから中川秀直さんをはじめ多くの人材を輩出しました。人材育成という点で大きな役割を果たしたと思います。
 私は、学生時代、河野洋平さんに非常に好意と興味を持ち、早稲田大学1年の時大隈講堂で、河野先生の講演会を聞きました。非常に理想的で格調の高い話であったと記憶しています。数年前に日経新聞の「私の履歴書」を連載していましたが、その最初のくだりで、「あまり自慢できたものではないかもしれないが、私の半生を書いていこう。」という趣旨の文章に非常に好感を感じました。外交理念、政策的に「ハト派」であるので、私と考えが異なる部分も幾分かありますが、主張、哲学が一貫していることは大きな魅力なんだろうと思っています。「最後のハト派大物」と称される氏の圧巻は、今年の8月に広島で、G8下院議長会議(議長サミット)で議長役を務めたことではないかと思います。
 一人の大きな足跡を残した政治家の引退に心から敬意を表する重いです。


追伸
 前のブログで書いたリーマン・ブラザーズの件ですが、資産が約64兆とありますが、資産は約72兆円でした。訂正をいたします。 

2008年09月16日 07:46

 今日、朝、NHKのニュースのトップで、アメリカの証券会社リーマン・ブラザーズの倒産のニュースがありました。(ちなみに、ニューヨークから中継していた貴社は、私の大学時代のサークルの後輩でした。)ここ最近、日経新聞などで、リーマン・ブラザーズの経営危機、救済策のニュースは出ていましたが、まさか倒産になるとはびっくりしました。150年の歴史を誇り、アメリカ4位の第証券会社です。資産残高約67兆円、日本の野村ホールディングスの2倍はあるとのことです。日本でも、ライブドアのフジテレビへの買収提案の際に資金提供するなど存在感を高めていました。
 ここ半年で、アメリカの大手証券会社は2社(メリルリンチ、ベアースターンズ)は買収をされ、1社(リーマン・ブラザーズ)が破綻をしました。それだけ昨年から問題になっているサブプライム・ローンの問題は深刻なわけです。これで、アメリカだけでなく世界経済がどうなっていくのかわが国も注視して対策を講じていかなくてはなりません。
 折から、自民党総裁選が行われています。各候補、特に、麻生太郎氏、小池百合子氏、与謝野馨氏が経済論戦を戦わせています。ぜひ、活発な議論でこの難局をどう乗り切っていくのか提示をしてほしいと思います。

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