2008年10月

2008年10月08日 08:19

 昨日の朝のニュースで、個性的な俳優の緒形拳さん死去のニュースがありました。私の大好きな俳優でした。NHK大河ドラマ「太閤記」で豊臣秀吉役を演じたり、(もっともこの作品は私の生まれる前ですが、同じ豊臣秀吉役を演じたのは、大河ドラマでの「黄金の日々」の方を子供のときと数年前再放送で見ました。)中学時代に映画の宣伝などで見た「楢山節考」は迫力が桁違いであり本当に怖いなぁと感じたことがあります。私にとって時代劇で印象的なシーンは10年ほど前にあった大河ドラマの「毛利元就」で、尼子経久役を演じた時です。80を超えた尼子経久が大内氏の一群として自分を攻めてくる前の毛利元就に、古いお寺で水墨画を描きながら向かい合い、「戦は策だ。」といって去っていくシーンです。当時あまり知らなかった尼子経久という歴史上の人物とはこういう老獪でしたたかなたくましい人物だったのかなぁと思わせるシーンでした。
 「楢山節考」で共演した坂本スミ子さんが緒形拳さんを「武骨、寡黙、笑ったらこんなに優しい人はいない。」と振り返っていました。まさにそのとおりだと思います。舞台、映画、そしてテレビドラマを妥協なき「仕事人」として駆け抜けていった名優の死に合掌。

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