2021年12月
2021年12月31日 18:26
ご承知のように、今年は、旧ソ連が崩壊して30年という節目の年です。30年前というと、私はちょうど大学3年生でした。ソ連の崩壊というのはとても衝撃的なニュースでした。今でも覚えていますが、確か夕方くらいに大学の近くのコンビニで、夕刊か夕刊紙に「ソ連崩壊」と大見出しが出ていて、「えっ、本当か?」と驚愕したと思います。
私の大学時代(平成元年からの数年間)は東西冷戦の終結という国際情勢の大きな転換が行われました。振り返れば、1985年にゴルバチョフ書記長が登場し、ペレストロイカなどの改革を推し進め、レイキャビクでアメリカのレーガン大統領と会談を経て、ブッシュ大統領との間のマルタ会談を行い、東西冷戦に終止符が打たれました。ソ連の動向というのが何かとニュースになり、私も興味を惹かれ、大学2年の時に社会主義国法、そして3年の時にソ連法という授業を取りました。しかし、「よくわからないという事がわかった」くらいの成果しかありませんでした。当時は、あんな大国でも崩壊するのかと本当に衝撃を受けたものでした。
東西冷戦の終結とソ連の崩壊によって、旧共産圏の国々が1990年代に資本主義の世界に入ることになったわけです。このことで、資本主義経済が隆盛を極め、グローバリゼーションという言葉が象徴するように、アメリカ型の新自由主義的な資本主義経済が世界を席巻していきます。
話は少し、横道にそれますが、2000年代の初頭に、アメリカのビザチェーン会社のコマーシャルにゴルバチョフ元書記長が出演したことがありました。その内容は、次のような概要でした。
ピザ店で多くのお客さんとともに、ゴルバチョフ元書記長がピザを食べていました。その時、誰かが気付き、「彼のおかげで生活がひどくなった」、またある者は、「彼のせいでソ連がなくなってしまった」と言っていましたが、同じ店にいた女性が、「でも彼のおかげでこのピザが食べらるのよ」というと、「そうだな」と賛同が広がり、最後に、「ゴルバチョフ万歳」と店にいたみんなが喝采を送るという内容でした。ロシアでは元国家元首がこのようなコマーシャルに出たということで批判があったようですが、私は、「資本主義経済が本当に世界に広がっているのだな」と思い、隔世の感をもってみた思い出があります。
しかし、この資本主義経済も、むき出しの欲望が強く出過ぎたのか、ライバルともいえた社会主義経済が衰退したためか、さまざまな原因があるでしょうが、ここ数年は、「富の偏在」、「格差拡大」の批判の矛先を受け、壁にぶち当たっているようにみえます。一昨年に読んだ新聞で、アメリカの若い世代で、社会主義に好感をもつ割合が半分近くいるという記事をみて衝撃を受けたものでした。
こういった背景もあり、世界的に資本主義経済のあり方を考え直していこうという流れができつつあります。日本でも、「新しい資本主義」と岸田総理が唱え、議論が始まっています。
しかし、元より完全無比な制度というものはないであろうし、よしんばその時代には完全であったとしても、時代の変化とともにミスマッチが生じたり、劣化したりするのは世の常だろうと思います。要は、よりよい制度にしていくために、たゆまず努力を積み重ねていくことが必要だろうと思います。資本主義経済もそういった時期に差し掛かっているのだろうと思います。
先人が築き上げてきた「資本主義経済」がどのようになっていくのか、そしてどのようにしてくのか、現役世代の多くの人が努力を重ねていかなくてはならないと思いますし、私も微力ではありますが、貢献をしていきたいと思っています。
皆様、よいお年をお迎えください。
私の大学時代(平成元年からの数年間)は東西冷戦の終結という国際情勢の大きな転換が行われました。振り返れば、1985年にゴルバチョフ書記長が登場し、ペレストロイカなどの改革を推し進め、レイキャビクでアメリカのレーガン大統領と会談を経て、ブッシュ大統領との間のマルタ会談を行い、東西冷戦に終止符が打たれました。ソ連の動向というのが何かとニュースになり、私も興味を惹かれ、大学2年の時に社会主義国法、そして3年の時にソ連法という授業を取りました。しかし、「よくわからないという事がわかった」くらいの成果しかありませんでした。当時は、あんな大国でも崩壊するのかと本当に衝撃を受けたものでした。
東西冷戦の終結とソ連の崩壊によって、旧共産圏の国々が1990年代に資本主義の世界に入ることになったわけです。このことで、資本主義経済が隆盛を極め、グローバリゼーションという言葉が象徴するように、アメリカ型の新自由主義的な資本主義経済が世界を席巻していきます。
話は少し、横道にそれますが、2000年代の初頭に、アメリカのビザチェーン会社のコマーシャルにゴルバチョフ元書記長が出演したことがありました。その内容は、次のような概要でした。
ピザ店で多くのお客さんとともに、ゴルバチョフ元書記長がピザを食べていました。その時、誰かが気付き、「彼のおかげで生活がひどくなった」、またある者は、「彼のせいでソ連がなくなってしまった」と言っていましたが、同じ店にいた女性が、「でも彼のおかげでこのピザが食べらるのよ」というと、「そうだな」と賛同が広がり、最後に、「ゴルバチョフ万歳」と店にいたみんなが喝采を送るという内容でした。ロシアでは元国家元首がこのようなコマーシャルに出たということで批判があったようですが、私は、「資本主義経済が本当に世界に広がっているのだな」と思い、隔世の感をもってみた思い出があります。
しかし、この資本主義経済も、むき出しの欲望が強く出過ぎたのか、ライバルともいえた社会主義経済が衰退したためか、さまざまな原因があるでしょうが、ここ数年は、「富の偏在」、「格差拡大」の批判の矛先を受け、壁にぶち当たっているようにみえます。一昨年に読んだ新聞で、アメリカの若い世代で、社会主義に好感をもつ割合が半分近くいるという記事をみて衝撃を受けたものでした。
こういった背景もあり、世界的に資本主義経済のあり方を考え直していこうという流れができつつあります。日本でも、「新しい資本主義」と岸田総理が唱え、議論が始まっています。
しかし、元より完全無比な制度というものはないであろうし、よしんばその時代には完全であったとしても、時代の変化とともにミスマッチが生じたり、劣化したりするのは世の常だろうと思います。要は、よりよい制度にしていくために、たゆまず努力を積み重ねていくことが必要だろうと思います。資本主義経済もそういった時期に差し掛かっているのだろうと思います。
先人が築き上げてきた「資本主義経済」がどのようになっていくのか、そしてどのようにしてくのか、現役世代の多くの人が努力を重ねていかなくてはならないと思いますし、私も微力ではありますが、貢献をしていきたいと思っています。
皆様、よいお年をお迎えください。