原子力発電は事故を起こさなくとも日本人を殺戮している
 その1 北海道
 
http://tokaiama.minim.ne.jp/genpatu/genpatusaturiku.html

 人口動態統計を編集して公開しているGDFreak http://jp.gdfreak.com 
=株式会社アクシスリサーチ研究所が編纂した 2012年〜2014年の自治体別死因データから、原子力発電所、周辺数百キロ圏の市町村における死因を調べると、原発を取り囲む地域で驚くほど高いレベルで死因の偏りが起きていることが分かった。
 
 この死因は、心筋梗塞・心不全・脳血管障害など、放射能が原因と疑われるものが多く、全国平均から大きく乖離して高くなっているが、原発から遠く離れるほどに平均値に収束してゆくため、死因と原発との非常に高い相関関係が地域的偏差から証明されるものとなっている。
 
 しかし北海道など寒い地方では、寒さが原因になっている風土病として心筋梗塞の高さがあり、これを原発放射能による影響と弁別するのは困難であって、解析には慎重な姿勢が求められるだろう。
 
 弁別区分を検討した結果、異常値の基準を日本平均からの標準偏差(正規分布)である68%とし、プラス側の34%を超えた段階で異常と判定することにした。134%以上から異常で、133%以下は平常値とした。
 150%以上については赤のアンダーラインで注意を喚起することにした。
 また、133%以下の平常値を薄緑のアンダーラインで示した。
 
 もっとも大きな異常を示しているのが泊原発の泊村で、心筋梗塞死が全国平均から実に444%も大きく乖離する高い値になっていて、原発から距離が離れると心筋梗塞・心不全が減ってゆくことが一目で分かりやすく、この異常な心筋梗塞死の偏りが泊原発の放出放射能に由来するものであることが、誰の目にもはっきりと分かるのである。
 
 もちろん、厳密に証明するためには、泊原発が稼働する以前のデータとの照合を示さなければならないが、政府は、かつてはネットでも容易に入手することができた人口動態統計を、まるで国民の目から隠すようにわかりにくくし、販売価格も法外な高額に設定され、ネットでデータを確保することも容易ではない。
 ゆえに比較対象のためのデータが入手しにくく、今のところ、GDFreakが公開している2012〜2014年編集データを参照することしかできない。
 いずれ良質の比較データが入手できたなら、続編で公開してゆこうと思う。
 
 また、原発から環境に放出された放射能が、どのような量で、どのような種類のもので、どのような健康被害をもたらすのかも、政府と原子力産業によるデータの隠蔽隠避が著しくて容易に入手できず、これまで得られているチェルノブイリ事故などの知見から判断するしかない。
 
 さらに、関東東北の広い地域で、2011年に発生した東京電力福島第一原発、放射能放出巨大事故が起こした放射能汚染の被害領域と重なってしまっているため、東日本全域の詳細な放射能被害死因の分析は、原因が分散してしまっているため困難を極め、直観的に理解することしかできない。
 
 このように寒さなどが原因の風土病や、塩分過多食生活による脳血管障害などに加えて、複数の原発や核施設からの放射能放出、福島第一原発放射能巨大事故の影響など、たくさんの要因が重なり合ったデータになっているので、解析も一筋縄ではいかない難しさがある。
 
 チェルノブイリ事故のデータによれば、原発事故放射能の健康被害は5年後から発症し、7年後にピークを迎え、数十年にわたって続くと言われている。
 
 原発通常運転が放出する放射能の健康被害も、おそらく似たようなタイムラグを持っているだろうから、2012年頃に現れたデータは2005年頃の放射能放出に関係していることが推定される。
 
 トラブルを繰り返して稼働停止に追い込まれている六ヶ所村再処理施設の被害データは、まさに、2005年〜2009年の稼働時に放出された放射能による被害を示していると考える。
 他の長期稼働停止原発にあっても、5〜30年も前の放射能漏洩が、今になって健康被害として現れていると予想する必要があるだろう。
 
 福島第一原発巨大放射能事故による死因偏差データは、おそらく2016年の統計から顕在化し、明瞭に見えるのは2018年頃と予想している。
 
 それなのに2012〜2014年のデータに、すでにフクイチ事故放射能によると思われる死因偏在が現れているのであれば、やがて2017年のデータが出てきて、これを調べたとき、どれほど恐ろしい結果が現れるのか、想像するだけで恐怖に萎えてしまう。
 
 チェルノブイリ事故、放射能被害のデータから、ヨウ素131による甲状腺癌だけでなく、セシウムXなどの人体融和性(人体構成元素に近い性質)の強いガンマ線核種の内部被曝が心筋梗塞・心不全・脳梗塞・脳血管障害などを引き起こすことが証明されているが、現実に起きている心筋梗塞の異常データからは、おそらくセシウム以外の、名前さえ不明な膨大な短寿命核種、トリチウム・希ガス類・ウランとも大きな関わりがある強い疑いが示されている。
 
 これらの死因の大きすぎる地域偏差と原発との相関は、原発を稼働することで、広い範囲で日本国民が放射能で殺害されている現実を明らかにするものであり、広く日本人に知らせ、原発の稼働が日本の将来を破滅に導くものである真実を我々が共有しなけれ未来は存在しないことを明らかにしている。
 
 311以降、日本の大半の原発が稼働していないのだから、放射能が出ているはずがないと思い込んでる方は、原発は稼働しても稼働していなくとも、絶えず放射能を環境に放出している事実を知る必要がある。
 
 稼働すれば、90気圧(沸騰水型)〜180気圧(加圧水型)もの 超高圧が圧力容器内にかかり、一次冷却水が同じ高圧、320度で二次冷却水に熱交換し、そのまま発電タービンを回す仕組みになっているため、圧力容器内と一次系冷却水のなかで、安全限界を超えた圧力の水蒸気を外部に逃がさなければ安全を保てない仕組みになっている。
 いわば放射能放出ベントを小さなスケールで行っているのと同じである。
 
 外部に逃がされた水蒸気は専用タンクに保管されるが、核分裂を起こしている燃料被覆管に直接触れた一次系冷却水から発生したものであるため、被覆管から出た希ガス類など莫大な放射能を含んでいるが、タンクに退避してから、タイミングを見計らって外部に放出されることになる。
 しかも、ここには危険性の明らかにされていない多数の短寿命核種が含まれていることに注意しなければならない。
 
 このとき、化合しやすくフィルタリングの容易なセシウムXやストロンチウムX、アクチノイドなどは物理・化学的に除去される確率が高いが、トリチウム・ヘリウム・キセノン・クリプトン・ラドン、そしてヨウ素などの希ガスや希ガスに似た性質がある元素は捕集が困難、または高額の費用が必要であるため、経済効果の観点から外部にそのまま放出されることが多い。
 
 このとき、原発敷地境界において年間1ミリシーベルト以下という規制があるが、これに引っかからないよう、原発側は100mにも達する高い煙突から、気象条件を選んで放出している。
 
 私が、20年ほど前、柏崎市近郊を通過しているとき、午前3時過ぎ、突然、車載GM計が警報を響かせ毎時数マイクロに達したので、原発事故が起きたのかと騒いだ思い出があるが、これが、おそらく希ガス類ベントであったと思う。
 毎週1回くらい午前3時頃行われると聞いたことがある。
 
 原発に排ガスを出す内燃機関があるわけでもないのに不思議な高い煙突が設置されている理由は、放射能水蒸気のベント煙突であり、煙突なしでは地元に大きな健康被害が出るため、遠方に拡散させて被害を分かりにくくするために設置されているのである。
 それゆえ、今回の調査で、地元に被害が出てなくとも100Km先の市町村に大きな被害が出ているケースもたくさん確認できた。
 場合によっては、原発放射能の影響は200Km圏にも及んでいると考えられた。
 
 また、稼働してなくとも、使用済み核燃料を貯蔵しているだけで、絶え間なく希ガス類が環境に出てくる。
 使用済み核燃料の保管は、プルトニウムMOXの場合は、100度以下の安全温度に下がるまで実に300年間の崩壊熱対策が必要であり、その間、高熱に伴って高い圧力が発生し続けるため、少しずつ圧力を逃がす必要がある。
 
 通常のウラン235燃料でも、MOXほどではないが数十年の保管が必要になり、絶え間なく放射能ガスを放出することになる。
 使用済み核燃料については、稼働原発のようなフィルタリング機能はついてないので、たとえ地下300mに保管しても、わずかずつ噴き出すガスを地上に逃がさねばならない。
 
 後、死因の区分について、知っておいてもらいことは、心疾患、心筋梗塞と心不全、脳内出血、脳疾患、脳血管障害、脳梗塞などの明確な分別基準は存在していないことである。
 
 死因を確定するのは一般的な開業医が多く、心臓や脳の専門医ではないため、心臓が原因らしいが分かりにくい死亡の大半は心不全と診断される。
 脳も同じで、いわゆる脳卒中の区分は厳密に行われず、脳梗塞、脳血管障害と診断されるのが普通であって、大雑把に死因は脳か心臓と判定されるのが普通で、専門医が判定するときだけ、心筋梗塞や脳梗塞と正しく区分されるのである。
 
 そこで、市町村死因データを見る場合、大雑把に心臓と脳を分けて、一番数の多いものを代表的に書くようにした。
 
 放射線の影響による健康被害といえば、癌が代表的だが、これは潜伏期間が5〜40年と、心臓・脳の器官障害よりも、はるかに長いので、肝臓癌のように比較的早く現れるものは見えているが、肺がんやその他の癌は、放射能放出から10年以上経てから検証することが必要になるだろう。
 
 最後に、統計データが本当に信頼できるのか? という強い疑念が、各地のデータから見えてきたことも書かねばならない。
 泊原発の泊村は心筋梗塞444%、肺がん98%、肝臓癌317%という想像を絶するような凄まじい値を示しているにもかかわらず、隣村の神恵内村のデータは存在せず、共和町のデータは平常値に近いのが実に不自然だ。
 
 東通原発の東通村、玄海原発の玄海町、浜岡原発の御前崎町などの人口動態調査結果も実に不自然な少なさであり、自治体が原子力産業の意向を受けて統計を捏造したのではないかという疑いを強く感じたことを明記しておきたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 【個別の原発・核施設周辺のデータを検討する】
 それでは、国内の原発・核施設と周辺地域における死因との相関関係について、施設ごとに具体的に見てゆきたい。
 
[北海道、泊原発と周辺への影響]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 泊原発が他のたくさんの原発と異なる特徴は、放射能排気煙突が存在しないということである。
 おそらく海岸沿いの風の強い地形であり、人口密度が低いということで不要と判断したのだろうが、このため、排出放射能は、まともに地元を直撃している。
 
 泊原発の足下である泊村では、心不全が全国平均から444% 増加しているという恐怖のデータとなっている。
 
 放出された放射能気団は、海岸沿いを気流ダクトとして移動してゆくことが知られ、海沿いのデータを見てゆくと、せたな町や奥尻町で高い異常が見いだせる。
 異常値は渡島半島全域に及び、南端および、対岸の大間町でも360%増という信じられないデータが出ている。
 
 しかし、大間は、六ヶ所村再処理工場と東通原発の放出放射能の影響下にあると思われ、泊原発の影響との分離弁別はできないように思われる。
 
 先に書いたように、北海道は海浜部を中心に心不全、心筋梗塞死が驚くほど高いが、内陸部のいくつかで平常値が大きく広がっている地域もある。
 
 このデータを見る限り、泊原発・東通原発・六ヶ所村再処理施設からの影響の前に、寒気による風土病としての心筋梗塞を疑うべきかもしれないが、日高山脈の東側で平常値の地域が帯状に広がっていて、逆に西側では高い値が連なっている。
 それでは、日高山脈の東側が暖かいのかといえば、そんな事実はない。
 
 むしろ、泊原発からの放射能雲が西風によって日高山脈とぶつかり、上昇気流によって放射能を降下させ、健康被害をもたらしていると考えた方が合理的である。
 同じパターンが札幌周辺の平常値地帯でも見られ、泊村と札幌の間には余市岳・無意根山など1000メートル級山地が広がり、泊からの風が、これらの山地で上昇気流を起こして放射能をたたき落としたと考えれば、通過後の平地である札幌・江別・恵庭などで平常値地帯が広がっていることも分かりやすい。
 
なお北海道東部、北方四島との境界海岸部で、異常値が多数出ているが、これも、寒さというより、海岸であることの要素が心筋梗塞の原因になっているのかもしれない。内陸部では平常値が連なっているからである。
 
 ロシアによる北方四島占拠後、これらの地域に秘密裏に核施設が建設されているとの噂もあって、この高い異常値の連鎖は、泊原発からの影響というよりロシアによる何らかの放射能放出を疑うべきかもしれない。
 またチェルノブイリ事故から30年、まだセシウム137・ストロンチウム90が半分残っているわけだから、影響は当然疑うべきだろう。 
 
 
参考情報
 
 
 その2 [東北]に続く