2009年07月18日

2009年07月18日

田山花袋『日本一周 後編』(大正5年初版)

86a18245.jpg 先週の古書展で、博文館刊の田山花袋『温泉めぐり』を初めて見たと思ったら、昨日の「趣味展」では、同じく博文館刊の田山花袋『日本一周 後編』を見つけた。大正5年初版。この本も、タイトルだけは以前から知っていたものの、現物を見たのは初めてだった。表紙が絵ではなく、別刷りしたカラー写真が貼り込んであるのが珍しい。前編・中編・後編の3冊に分かれているが、昨日あったのはこの後編のみ。後編は「関東、奥羽、中風、北陸、北海」となっている。

 ページを開くと、前の持ち主が赤鉛筆と青鉛筆の2色で、あちこちに線引きをしているのがわかった。おそらく、それで500円だったのだが、私の場合は文章さえ読めればいいので、線引きは気にせずに購入した。あとで消しゴムで消してみたところ、かなり薄くなることがわかった。といって、書き込みを全部消すヒマはない……。

 これも拾い読みしてみると、とても平易な言葉で書かれていて読みやすい。そして、自分の「義兄」のことが出てきたり、亡くなった親友の国木田独歩のことを回想したりしている。もちろん、その土地ごとの情報も書かれていて、地元の人たちとの会話などもごく自然に読める。この本に赤線と青線を引いた人は、実際にその土地を訪ねる前に、それぞれのページをじっくり読んだのだろう。

 昨日は朝一番には行かなかったので、それほど買いたい本はないかと思ったのだが、全15巻のシリーズもので、半分しか手元になかったものがバラで安く出ていて、欠けていた巻だけを数冊まとめて買ったり、珍しい雑誌を見つけて買ったので、結局、また9000円以上使ってしまった。そのあと神保町で打ち合わせがあり、終わったところで戦利品をお見せしてしまったが、突然、初対面で明治の雑誌などを見せられて、びっくりされたことだろう。古書展で気分が高揚しているときは、その直後に会った人に、つい見せたくなってしまう(笑)。相手はいい迷惑かもしれないが。あっ、このブログもそれと同じか……。


hisako9618 at 14:45|PermalinkComments(2)clip!1.愛しの古本たち