2007年12月24日

『別冊婦人画報 ビュウティーブック』(昭和24年11月発行、第577号)

7de0ecef.jpg 世の中は楽しいクリスマス連休らしいのだが、年内にもう1つ大きな仕事を抱えているため、ひたすらお仕事、お仕事。今年は年末までに年賀状を書くのを、早々にあきらめてしまった……。それにしても、大掃除だけはしたいのだが、いつやれるのだろう。この状態で2008年になだれ込むのは、いくらなんでもひどすぎる。ある朝目が覚めると、すべてが整然と片付いていた――なんてことが起こらないだろうか。

 そんなわけで、このところブログも戦後の『婦人画報』の表紙を並べて、お茶を濁して(?)いるのだが、もう1冊、昭和24年11月発行の『別冊婦人画報 ビュウティーブック』を。敗戦から4年余り過ぎて、ここまでに紹介したものより、ずっと紙質と印刷がよくなっている。この時期に、これほど中身が充実したものを発行していたのか、と意外に感じるほどだった。なにしろ「ビュウティーブック」であり、サブタイトルは「あなたを美しくする百科全書」である。女性にとっては今も昔も変わらず、誰でも興味を惹かれずにはいられない言葉だろう。「あなたを美しくする百科全書」!

 表紙画は高井貞二で、中のページのイラストの多くも高井が描いている。カラーページが多いのも目立つ。ページ数は本文152ページで、田中千代、マダム・マサコ、牛山喜久子、山野愛子など、美容界で有名な女性たちの名前がずらりと並んでいるのも壮観だ。眺めているたけでも楽しくなってくる。目次を見ると、洋服のことはもちろん、帽子のチャーミングなかぶり方、アクセサリーの効果的な生かし方、1950年の流行のポイント、新しい傾向のハンドバッグ、毛皮の着こなし、靴のスタイルブック等々。続いて、エチケットのページがあり、表情美、魅力をつくるポーズ集、香水の知識と使い方、声のおしゃれ、男性は女性のどういう美しさに魅惑されるか……など。さらに、美容のページがあり、代表的なヘアスタイル、5分間化粧法、美容体操、新しいパーマネントウエーブの傾向、こんなとき・あんなときの美容技術、最尖端のお化粧法、ヨーロッパの美人等々(こんなことを書いても、男性の方々には面白くもないだろうが)。最後に、住まい方のページへと続いて、住宅設計から照明やインテリアのことまで詳しく書かれている。人々が戦争で受けた心の傷は、もうすっかり癒えたのだろうか――。


hisako9618 at 11:50│Comments(0)clip!1.愛しの古本たち 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔