2006年11月24日
ラジオ企画での篠田市長との対談
テーマ <花のにいがた>
新潟市長 篠田昭 × 新潟市議会議員 吉田ひさみ
(www.satohken.com RADIO 10月28放送)
http://blog.livedoor.jp/satohken777/archives/cat_50027349.html
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(吉田ひさみ)花に関するお尋ねをさせていただくんですが、
新潟にこれだけの素晴らしい花があるんですけれども、思い出に残っておられる花に関するエピソード、おありになりますか?
(篠田昭)やっぱり花というと、幼稚園なのか小学校の低学年なのか分からないんですけど、
寺尾遊園ていう所にチューリップを見にいったっていう、あれが花のげん風景っていうかんじで、
やっぱりチューリップ・花畑・そして寺尾遊園でのお弁当 というあたりが私の花に関する1番最初の頃の思い出かなというかんじです。
(吉田)そうですね。新潟といえばもう、私達にとってはチューリップっていうふうに思うんですが、
合併したことによって色々な花が私たちの宝になりましたが。
(篠田)そうですね。食と花の新潟ということでおおいにアピールをしだしているわけなんですが、
食のほうは市民もかなり、そうだよ、当然だよという感じだと思うですけど、
花の新潟って当然だよなって思っていらっしゃる市民、今どのくらいの割合かなって時々考えます。
やっぱり花の産地、日本一の花産地なんだと言っても「何が日本一だね?」ということを聞かれるんで、
まずは先ほどの話に出たチューリップ、これは球根・切り花、全国の市町村の中で群を抜く日本一であるということが、まず第一です。
そしてチューリップっていうのは新潟が商業生産を始めた発祥の地であるということで、
おそらくこれも新津小合地区などが発祥の地なんだろうと。
それでチューリップの球根が入ってきたのが、どうもほとんど横浜港だったということで、今横浜との連携を色々深めてますけれども、
その中で調べてきたらやっぱり明治時代にいろんな物が入ってきて、
その中にヨーロッパからのおそらくオランダが中心だったと思うんですけど、チューリップの球根も入ってきたと。
ただ、あちらのほうではなかなか栽培が向いてないんでしょうかね、気象条件とか。
それでいろんな所でやってダメで、新潟が、まぁ当時は新津と言ったほうがいいかもしれません。
新津小合地区がそれに挑戦して、初めて成功して商業生産に踏み切った。
という話をこのあいだ聞いたばっかりで、聞いたことはすぐしゃべるということにさせて頂いております(笑)
(吉田)あははは(笑)。記憶に定着させるにはしゃべるのが1番だそうですから。
チューリップ、そして小合、新津というと、さつきやつつじも。
(篠田)えぇ。やっぱり花木類というので、小合と小須戸ですか。
これだと、アザレア、西洋つつじ、これも圧倒的な日本一ですし、そして名前は少しあれですが、ぼけですね。
ぼけは本当にきれいな花ですよね。ぼけも圧倒的な日本一。さらに雪割草も日本一と。
いうことで、本当に日本一の花産地というふうに言っていいと思います。
(吉田)それを市民がどういうふうに共有していくかっていうことですよね。
(篠田)そうですね。花産地は日本一なんだけど、じゃぁ暮らしの中にそれだけ花を市民が取り入れてるかというと、
やっぱりまだまだ、もっと花を楽しめる余地があるかなと。
それからフラワーロードとかフラワーゾーン、まぁ花畑、そういうものが花の新潟市、花の政令市というわりには、
まだまだ少ないんじゃないかなと。これから来年の4月に政令指定都市がオープンする時には、
新潟駅前に降り立ったら「あ、やっぱり花の都だね」と、「花の政令市だね」っていうふうな、
そんな仕掛けもやっていきたいと思いますし、これからはコミュニティー、いろんな地域がそれぞれの街づくりをやっていくという時に、
花を使った街づくり。これで競い合うような、コミュニティー協議会、あるいは町内会・自治会でもいいんですけれども、
それぞれが「うちの地域、こんなに花できれいにしてるよ」というのを皆に見てもらって、
で、コンクールをやって行セクごとのナンバーワンを決めて、
それから新潟政令市のナンバーワン、最も花を愛している地域はここです、というようなことも、
ちょっとお遊びの雰囲気で競い合いながらやるというのもいいんじゃないでしょうかね。
(吉田)今は緑化推進協議会が【わが家の花コンクール】ですか、していて、随分たくさんの応募があるようですが。
(篠田)表彰式も4回出させていただいて、こんなにきれいにしているの?というかんじで、家を花で飾っている、
あるいはオフィス・事業所を飾っていると。これをもう少し広めにして町内会・自治会、
それからフラワーロードみたいなものも競い合っていくということになると、大変いいのかなと。
まぁ点から線、線から面というような形で新潟が花の政令指定都市なんだということを、
花産地じゃなくて花の政令市というあたりをもう少し強く打ち出していきたいなというふうに考えています。
(吉田)そうですね。私、新潟に来まして散歩をしてますと、本当に花が春に一斉に咲くんですね。
よその土地ですと梅が咲いて、水仙が咲いてっていうふうに順番に咲いていくんですが、新潟は一斉に咲きますよね。
(篠田)それがまたすごい、こうね、やっぱり雪国の春・北国の春という、そういうものが、新潟市は雪はほとんど積もりませんけども、
そういう面では雪国の春なんだなというかんじがして。特に素晴らしいのは、やすらぎ提の所で雪柳が咲いて、また桜がすぐ咲いてと。
ちょっと郊外へ行くと菜の花畑がまた一面にあり、そしてチューリップの畑が広がって、それからチューリップの花絵ですよね。
この新潟の4月っていうのは本当に最高なんじゃないかなって。
(吉田)そうですよね、それを本当に売りたいなっていうか、その季節にぜひ外から人に入っていただきたいと思うんですが。
(篠田)そうですよね。これから新潟を訪れていただく方に、花のカレンダーみたいなものをご用意させてもらって、
1月2月はちょっと厳しいかもしれませんが、これは新潟の新津にある県立植物園とか、そういう施設で楽しんでいただいて、3月以降になったら花のカレンダーがずっと続いて11月近くまでいけるんじゃないかな。特に首都圏で人気なのは角田山、この山野草がもう大変な人気で。
(吉田)そうですね、観光バスが随分入っていると聞きますが。
(篠田)その観光バスがどこから来てどういうふうに周遊しているのかっていうのを巻支所に聞いてもしっかり把握がまだできてないと。
だから今度はそれを調査をして、我々やっぱりどうせなら例えば岩室温泉に泊まっていただくとか、角田を楽しんだあと、
じょんのび温泉にまた行っていただくとか、ビール園の地ビールを楽しんでいただくとか、
そういうものをもう少しこちらがセールスをしてですね、せっかく来ていただいた人に新潟の魅力をもっともっと楽しんでいただいてお帰りいただくと。
そういうふうにしないと、角田山も勝手に登山道を作っちゃったりして、花がきれいな所を勝手に人が入り込んでいくと。
そういうことでは素晴らしい山野草の角田山も荒れてくる、まぁ今もかなり心配な状況が一部ではあるわけですし、
そしてまた、ゴミだけ残して帰ってくんだというようなことを言われたんでは困りますんで、
やっぱり新潟地域にしっかりお金をおとしていただいて、
それがまた、「あ、この角田山はやっぱり宝の山だから、もっともっときれいにして大切にしていこう」と、
そういう気持ちに跳ね返すような、そんなことも大事かなと。これは行政がやらなきゃだめだな、と思います。
(吉田)そうですね。宝を発見し、そして宝を守っていくっていうのも大事なことですよね。
(篠田)そうですね。やっぱりせっかく宝があっても地域の人が認識をしてないと、これはあまり意味がなく、
よその人が角田の山野草をどんどん楽しんでいる、新潟の人はあまりそのことに関心が向かないということじゃ淋しいですもんね。
(吉田)そうですね、ところで、食と花のフォーラム、プレということで去年今年、そして来年が本番になるわけですが。
(篠田)はい、来年と言っても来年の5月には今度、花を分離して花の世界フォーラム、新津・小須戸などでやっていくと。
そうすると準備もあと半年ということで、関係者が今、非常に一生懸命やってくれているんですけども、
今度はプレがとれて本当の食と花の世界フォーラムですんで、新潟がやっぱりこのレベルまですごい研究者が集る、
あるいは本当にもう、日本一は商売として成り立つ、やっぱり花栽培農家が喜んでいただける、花業者さんが喜んでいただける、
そしてビジネスチャンスがここから生まれるという日本一じゃないと、本当の日本一にならないということですよね。
(吉田)そうですね。本当に期待しているんです。食・花っていうふうに言われても、実感が無い、
それが何に繋がっていくのかっていうところがありますので、やっぱりビジネスチャンスにして、
そしてそれを利益っていうか喜びを市民が手に入れることができるっていうのが。
(篠田)そうですね。やっぱりこれは経済の世界になって、経済で繋がっていけば、
これはもう行政が少しずつ手を離しても勝手に動いていくわけで、商売にならなくて行政がいくら一生懸命やってても、
これは行政の自己満足ということに終わりかねませんので、なんとかあと2、3年で軌道にのせて、
これからやっぱり「新潟の食・花 世界フォーラム日本一に行かないと、大きなビジネスチャンスを失うんだ」と、
「ここはぜひ行かないと」というふうに言っていただけるように。
その為には呼び水として、いい業者に来てもらうための方策を立てたり、新潟の食・花をさらにアピールしたりする、
そういう作業が必要だと思います。
(吉田)なるほどね。楽しみにしています。ぜひこれが新潟の力、市民の力になるように発展させていってください。
(篠田)はい、やっぱり花開く政令市ということで、頑張りたいですね。
新潟市長 篠田昭 × 新潟市議会議員 吉田ひさみ
(www.satohken.com RADIO 10月28放送)
http://blog.livedoor.jp/satohken777/archives/cat_50027349.html
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(吉田ひさみ)花に関するお尋ねをさせていただくんですが、
新潟にこれだけの素晴らしい花があるんですけれども、思い出に残っておられる花に関するエピソード、おありになりますか?
(篠田昭)やっぱり花というと、幼稚園なのか小学校の低学年なのか分からないんですけど、
寺尾遊園ていう所にチューリップを見にいったっていう、あれが花のげん風景っていうかんじで、
やっぱりチューリップ・花畑・そして寺尾遊園でのお弁当 というあたりが私の花に関する1番最初の頃の思い出かなというかんじです。
(吉田)そうですね。新潟といえばもう、私達にとってはチューリップっていうふうに思うんですが、
合併したことによって色々な花が私たちの宝になりましたが。
(篠田)そうですね。食と花の新潟ということでおおいにアピールをしだしているわけなんですが、
食のほうは市民もかなり、そうだよ、当然だよという感じだと思うですけど、
花の新潟って当然だよなって思っていらっしゃる市民、今どのくらいの割合かなって時々考えます。
やっぱり花の産地、日本一の花産地なんだと言っても「何が日本一だね?」ということを聞かれるんで、
まずは先ほどの話に出たチューリップ、これは球根・切り花、全国の市町村の中で群を抜く日本一であるということが、まず第一です。
そしてチューリップっていうのは新潟が商業生産を始めた発祥の地であるということで、
おそらくこれも新津小合地区などが発祥の地なんだろうと。
それでチューリップの球根が入ってきたのが、どうもほとんど横浜港だったということで、今横浜との連携を色々深めてますけれども、
その中で調べてきたらやっぱり明治時代にいろんな物が入ってきて、
その中にヨーロッパからのおそらくオランダが中心だったと思うんですけど、チューリップの球根も入ってきたと。
ただ、あちらのほうではなかなか栽培が向いてないんでしょうかね、気象条件とか。
それでいろんな所でやってダメで、新潟が、まぁ当時は新津と言ったほうがいいかもしれません。
新津小合地区がそれに挑戦して、初めて成功して商業生産に踏み切った。
という話をこのあいだ聞いたばっかりで、聞いたことはすぐしゃべるということにさせて頂いております(笑)
(吉田)あははは(笑)。記憶に定着させるにはしゃべるのが1番だそうですから。
チューリップ、そして小合、新津というと、さつきやつつじも。
(篠田)えぇ。やっぱり花木類というので、小合と小須戸ですか。
これだと、アザレア、西洋つつじ、これも圧倒的な日本一ですし、そして名前は少しあれですが、ぼけですね。
ぼけは本当にきれいな花ですよね。ぼけも圧倒的な日本一。さらに雪割草も日本一と。
いうことで、本当に日本一の花産地というふうに言っていいと思います。
(吉田)それを市民がどういうふうに共有していくかっていうことですよね。
(篠田)そうですね。花産地は日本一なんだけど、じゃぁ暮らしの中にそれだけ花を市民が取り入れてるかというと、
やっぱりまだまだ、もっと花を楽しめる余地があるかなと。
それからフラワーロードとかフラワーゾーン、まぁ花畑、そういうものが花の新潟市、花の政令市というわりには、
まだまだ少ないんじゃないかなと。これから来年の4月に政令指定都市がオープンする時には、
新潟駅前に降り立ったら「あ、やっぱり花の都だね」と、「花の政令市だね」っていうふうな、
そんな仕掛けもやっていきたいと思いますし、これからはコミュニティー、いろんな地域がそれぞれの街づくりをやっていくという時に、
花を使った街づくり。これで競い合うような、コミュニティー協議会、あるいは町内会・自治会でもいいんですけれども、
それぞれが「うちの地域、こんなに花できれいにしてるよ」というのを皆に見てもらって、
で、コンクールをやって行セクごとのナンバーワンを決めて、
それから新潟政令市のナンバーワン、最も花を愛している地域はここです、というようなことも、
ちょっとお遊びの雰囲気で競い合いながらやるというのもいいんじゃないでしょうかね。
(吉田)今は緑化推進協議会が【わが家の花コンクール】ですか、していて、随分たくさんの応募があるようですが。
(篠田)表彰式も4回出させていただいて、こんなにきれいにしているの?というかんじで、家を花で飾っている、
あるいはオフィス・事業所を飾っていると。これをもう少し広めにして町内会・自治会、
それからフラワーロードみたいなものも競い合っていくということになると、大変いいのかなと。
まぁ点から線、線から面というような形で新潟が花の政令指定都市なんだということを、
花産地じゃなくて花の政令市というあたりをもう少し強く打ち出していきたいなというふうに考えています。
(吉田)そうですね。私、新潟に来まして散歩をしてますと、本当に花が春に一斉に咲くんですね。
よその土地ですと梅が咲いて、水仙が咲いてっていうふうに順番に咲いていくんですが、新潟は一斉に咲きますよね。
(篠田)それがまたすごい、こうね、やっぱり雪国の春・北国の春という、そういうものが、新潟市は雪はほとんど積もりませんけども、
そういう面では雪国の春なんだなというかんじがして。特に素晴らしいのは、やすらぎ提の所で雪柳が咲いて、また桜がすぐ咲いてと。
ちょっと郊外へ行くと菜の花畑がまた一面にあり、そしてチューリップの畑が広がって、それからチューリップの花絵ですよね。
この新潟の4月っていうのは本当に最高なんじゃないかなって。
(吉田)そうですよね、それを本当に売りたいなっていうか、その季節にぜひ外から人に入っていただきたいと思うんですが。
(篠田)そうですよね。これから新潟を訪れていただく方に、花のカレンダーみたいなものをご用意させてもらって、
1月2月はちょっと厳しいかもしれませんが、これは新潟の新津にある県立植物園とか、そういう施設で楽しんでいただいて、3月以降になったら花のカレンダーがずっと続いて11月近くまでいけるんじゃないかな。特に首都圏で人気なのは角田山、この山野草がもう大変な人気で。
(吉田)そうですね、観光バスが随分入っていると聞きますが。
(篠田)その観光バスがどこから来てどういうふうに周遊しているのかっていうのを巻支所に聞いてもしっかり把握がまだできてないと。
だから今度はそれを調査をして、我々やっぱりどうせなら例えば岩室温泉に泊まっていただくとか、角田を楽しんだあと、
じょんのび温泉にまた行っていただくとか、ビール園の地ビールを楽しんでいただくとか、
そういうものをもう少しこちらがセールスをしてですね、せっかく来ていただいた人に新潟の魅力をもっともっと楽しんでいただいてお帰りいただくと。
そういうふうにしないと、角田山も勝手に登山道を作っちゃったりして、花がきれいな所を勝手に人が入り込んでいくと。
そういうことでは素晴らしい山野草の角田山も荒れてくる、まぁ今もかなり心配な状況が一部ではあるわけですし、
そしてまた、ゴミだけ残して帰ってくんだというようなことを言われたんでは困りますんで、
やっぱり新潟地域にしっかりお金をおとしていただいて、
それがまた、「あ、この角田山はやっぱり宝の山だから、もっともっときれいにして大切にしていこう」と、
そういう気持ちに跳ね返すような、そんなことも大事かなと。これは行政がやらなきゃだめだな、と思います。
(吉田)そうですね。宝を発見し、そして宝を守っていくっていうのも大事なことですよね。
(篠田)そうですね。やっぱりせっかく宝があっても地域の人が認識をしてないと、これはあまり意味がなく、
よその人が角田の山野草をどんどん楽しんでいる、新潟の人はあまりそのことに関心が向かないということじゃ淋しいですもんね。
(吉田)そうですね、ところで、食と花のフォーラム、プレということで去年今年、そして来年が本番になるわけですが。
(篠田)はい、来年と言っても来年の5月には今度、花を分離して花の世界フォーラム、新津・小須戸などでやっていくと。
そうすると準備もあと半年ということで、関係者が今、非常に一生懸命やってくれているんですけども、
今度はプレがとれて本当の食と花の世界フォーラムですんで、新潟がやっぱりこのレベルまですごい研究者が集る、
あるいは本当にもう、日本一は商売として成り立つ、やっぱり花栽培農家が喜んでいただける、花業者さんが喜んでいただける、
そしてビジネスチャンスがここから生まれるという日本一じゃないと、本当の日本一にならないということですよね。
(吉田)そうですね。本当に期待しているんです。食・花っていうふうに言われても、実感が無い、
それが何に繋がっていくのかっていうところがありますので、やっぱりビジネスチャンスにして、
そしてそれを利益っていうか喜びを市民が手に入れることができるっていうのが。
(篠田)そうですね。やっぱりこれは経済の世界になって、経済で繋がっていけば、
これはもう行政が少しずつ手を離しても勝手に動いていくわけで、商売にならなくて行政がいくら一生懸命やってても、
これは行政の自己満足ということに終わりかねませんので、なんとかあと2、3年で軌道にのせて、
これからやっぱり「新潟の食・花 世界フォーラム日本一に行かないと、大きなビジネスチャンスを失うんだ」と、
「ここはぜひ行かないと」というふうに言っていただけるように。
その為には呼び水として、いい業者に来てもらうための方策を立てたり、新潟の食・花をさらにアピールしたりする、
そういう作業が必要だと思います。
(吉田)なるほどね。楽しみにしています。ぜひこれが新潟の力、市民の力になるように発展させていってください。
(篠田)はい、やっぱり花開く政令市ということで、頑張りたいですね。
2006年11月22日
平成18年9月定例会質問
にいがたつゆ草の吉田です。質問をいたします。
先月24日付の新聞に,全国首長調査の結果が公表されました。自治体の将来の存続を問う設問に,新潟県では唯一刈羽村村長だけが不安を感じていないと回答し,他の34市町村の首長は,篠田市長も含めて不安を感じると回答したとのことです。これから船出する政令指定都市のかじ取りに名乗りを上げた市長が,その新潟市の将来の存続に不安を感じているということは,市民をも不安にさせる十分な力を持っています。不安の理由が回答の最も多かった交付税削減による厳しい財政運営なのか,最も少なかった合併したが,思うような効果が出ないなのか興味のあるところですが,いずれにしても,これまでどおり市民の不安を払拭する獅子奮迅のお働きを期待して質問いたします。市民の安心を導き出す御答弁をお願いいたします。
初めに,新潟市の防災についてお尋ねいたします。
ことしもまた長雨や集中豪雨による被害が日本各地でありました。先日は,ニンジン雲と呼ばれる雨雲が和歌山県上空に停滞して大雨をもたらし,水路に転落した男性1人が亡くなりました。夏の初めから次々と台風が来襲し,沖縄,熊本,大分など九州地方や島根,鳥取など中国地方でも土砂災害などで多くの命が犠牲になりました。連日テレビ報道された沖縄のがけ崩れの様子,今にも崩れ落ちそうなマンションの映像は目に焼きついています。あの建物はどうなったのかとその後が気にかかります。
化石燃料の使用により,大気中の二酸化炭素濃度がふえると,地球が温暖化するという仮設が最初に唱えられたのは1896年のことだったそうです。それから既に110年が経過し,事態は悪化の一途をたどっています。1994年に地球温暖化防止京都議定書が採択され,国際社会は地球規模でこの問題に取り組むことを約束し合ったにもかかわらず,いまだ各国の足並みはそろわず,国連環境計画は,環境問題について最も権威あると言われているその報告書「地球環境概況2000」で,温室効果ガスの排出増による地球温暖化防止は恐らく手おくれ,京都議定書の目標も達成が難しいとし,さらに2050年には20億人が極度の水不足に悩むことになり,世界の二酸化炭素排出量は2.4倍になる。有害物質の排出は,地球全体では現在の3倍,途上国では5倍近くになると予測されるとしています。
都市部における短時間の集中豪雨は,ヒートアイランド現象が原因であると言われています。また,地球温暖化による海水温の異変がエルニーニョ,ラニーニョ現象を引き起こしている。さらには,台風やハリケーンもまた異常気象の影響を受けているとも言われています。
8月3日,本市の西潟危機管理監もパネリストとして参加された「防災・減災フォーラム2006in新潟」が開かれました。席上,阿賀野川河川事務所長の野田さんは,「河川防災は洪水防止から被害の最小化へと重点が変わってきた。防災から減災への転換である」と発言されています。防災の概念が,防ぎようもなく起きてしまう災害の被害を最小限にとどめるための減災へと転換されるのであれば,究極の防災は災害を引き起こさない暮らしを営むこと,地球への環境負荷のかからない活動を目指すことではないでしょうか。
今新潟市では,ごみ処分の有料化と分別方法の変更が議論を呼んでいます。「分ければ資源,まぜればごみ」は,日本のごみ減量化のキャッチコピーですが,環境先進国スウェーデンでは,「きょうの製品はあすの廃棄物」というのだそうです。一人ひとりが,そして社会全体が環境問題を意識し,行動すること,これがひいては災害の軽減につながる。防災への取り組みは,環境問題への取り組みと不可分であると考えますが,市長の見解をお尋ねします。
次に,ハザードマップの活用と課題について伺います。
1点目は,避難所の適格性についてです。
昨年7月に改正された水防法によって,洪水の危険性が高い浸水想定区域を抱える市町村に洪水ハザードマップの作成が義務づけられました。本市も合併前に作成されていた新津,亀田,横越,白根に加え,各地区ごとのマップを作成しました。西,坂井輪,中,東,岩室の各地域では,既に各戸配布を終えているとのことです。
危機管理・防災課からいただいた地域ごとの洪水ひなん地図を目にして,一番気になったのが避難所の一覧です。一覧表の備考欄に,「おおむね150年に1回ほど起こる洪水を想定しています」とただし書きがあります。その上で,味方地区には12ある避難所がすべて体育館は浸水,校舎は2階以上利用可能と記されています。浸水せずの表記はゼロです。同様に南地区では,19ある避難所のうち,浸水せずは割野小学校の1カ所だけ。坂井輪地区版のひなん地図では,17ある避難所のうち,五十嵐小学校,真砂小学校など8カ所が浸水を免れるものの,他の9カ所は体育館が浸水,校舎は3階以上が利用可能と記されています。校舎の2階も使えないほどの洪水など想像もつかず,不安になります。また,黒埼地区には9カ所の避難所があるのですが,浸水せずはゼロであるばかりか,貝柄地区集会所の備考欄には浸水とあるだけ。貝柄地区住民は,どこへ避難すればいいのでしょう。浸水する施設では,避難所の用をなさないのではないでしょうか。これではいたずらに不安をあおるばかりで,確かに危機意識は高まるでしょうが,災害に強い安心なまちとは言いがたいのではありませんか。そもそも150年に1回の洪水とは,どれほどの雨で引き起こされるのか。自分が生きている間には起こり得るのかそうではないのか。だから,安心なのか心配なのか,素人には見当もつきません。
あるいはまた,避難所の災害備蓄が心配です。水や毛布などの物資は,校舎わきや体育館わきの小屋に備蓄されている場合が多いと聞いていますが,その小屋は特段高床式になっているようでもありません。浸水してしまっては何もなりません。ハザードマップに示されている避難所は,避難所として適格なのでしょうか。もし適格であり,私の感じた不安感は表記の問題なのだとしたら,何らかの工夫や改善が必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。
2点目に,使い手の求める情報なのかお尋ねします。
国交省河川局は,水防法の改正に先立って洪水ハザードマップ作成の手引きを出してガイドラインを定めています。マップの記載事項としては,浸水想定区域,洪水予報,避難情報の伝達方法,気象情報のありか,避難場所,避難時の心得,水害に備えた心構えなど18項目が挙げられており,盛りだくさんです。全部載せたらマップではなく,冊子になりそうです。
新潟市のひなん地図は,その大部分を正確な縮尺地図による浸水想定区域が占めていますが,地図を見なれない者や子供,高齢者には,自分の家がどのあたりなのか見きわめるのが困難ではないかと思われます。公共施設や病院などの目標物が示されるとか,どのみち正確にわからないとしたら,いっそデフォルメして見やすい地図にしてみたらどうでしょうか。ハザードマップを利用する使い手の立場で載せるべき情報の取捨選択,優先順位を見直すお考えはないでしょうか。
3点目に,洪水以外の情報の掲載についてお尋ねします。
市内にある危険箇所について,あちこちの所管課にお尋ねしました。建築指導課では,旧市内のがけ地危険箇所19カ所,県が指定する急傾斜地崩壊危険区域を巻,新津,小須戸,岩室で11カ所把握。また,危機管理・防災課では,がけ地危険箇所,急傾斜地崩壊危険区域,土砂災害区域を合わせて豊栄1,新津99,巻49,小須戸1,岩室50,旧市内36カ所を把握しているとのことでした。災害時の道路の危険箇所も気になるところですが,お尋ねした二つの課では把握されておらず,恐らくどこでもわからないのではないかというお答えでした。こうした災害時の危険箇所などは,ハザードマップに盛り込まれないのでしょうか,伺います。
4点目に,学校や自主防災組織などの防災訓練に生かされているのかお尋ねします。
自主防災組織が年に1度行う防災訓練の機会などをとらえて説明会を設けたり,学校での防災授業に生かすなど,積極的活用に取り組んではいかがでしょうか。
5点目に,高齢者関連施設や保育園などへの普及啓発についてお尋ねします。
一昨年の7.13水害では,中之島の保育園が孤立して,園児たちがヘリコプターで救助される様子が繰り返しテレビで報道されました。保護者の皆さんがどれほど心配したか,保育士さんたちがどれほど大変であったか想像されます。新潟市内には,デイサービスセンターを初め,多くの介護関連・高齢者関連施設があります。災害時の最優先配慮者である高齢者の利用施設や保育園,幼稚園などにマップが確実に配布されることはもちろん,災害時の対応を協議し,確認し合っておくことが必要ではないでしょうか,お答えください。
6点目に,今後の取り組みについてお尋ねします。
新潟市役所のホームページには,亀田・横越地域の避難地図だけが掲載されています。今後その他地域のマップがホームページにアップされるのはいつごろか,また先ほどもお尋ねした洪水以外のマップの作成や来年からの行政区単位ではどうなるのかなど,今後の取り組みをお示しください。
次に,まるごとまちごとハザードマップへの取り組みを伺います。
国交省は,先般7月に居住地域をまるごとハザードマップと見立て,町中に水防にかかわる各種情報を標示するまるごとまちごとハザードマップを整備するためのガイドラインを策定しました。洪水ハザードマップのさらなる普及浸透と危機意識の醸成,洪水時避難所などの認知度の向上を図り,洪水による被害を最小限にとどめることを目的としています。
洪水,避難,堤防の全国統一標識を定めて設置し,そこに居住する人たちはもちろんのこと,初めて訪れた人でも速やかな避難ができるようにと整備されるものです。洪水の標識は,その地域が洪水の影響を受ける可能性があることを示すとともに,その下に数値を表記することによって想定される浸水の深さをあらわすことができます。避難所の標識は,距離と建物の名前を同時に表記することによって,最寄りの避難所がどこで,現在の地点からどちらの方向にどのくらいの距離にあるのか示すことができます。
設置場所や景観に十分な配慮が必要であることは当然ですが,実施されれば市民の安心への効果は非常に大きいと思われ,早期の取り組みを提案いたします。来年度,関連機関との協議,調整,そして現地調査に着手されることを要望してお考えをお尋ねします。
次の質問は,新潟市の次世代育成と男女共同参画についてです。
先日行った男女共同参画推進議員連盟の研修会で講師をしていただいた県立新潟女子短期大学の石川先生が,「新潟市は保育園の待機児童もないし,これほど育児サービスが充実しているのに,特殊出生率が平均を下回るほど低いのは不思議だ」とおっしゃっていました。私も他都市から転勤してこられた若いお母さんが新潟は子育てがしづらいと言うのを何度も耳にしています。これほどのサービスがありながら,なぜ子育てしづらいと言われるのか,以下4点についてお尋ねします。
1点目は,子育て応援パンフレット「スキップ」の配布状況について伺います。
子ども企画課が発行している子育て応援パンフレット「スキップ」は,情報満載で,しかも見やすいという大変なすぐれものです。開くと,新潟市にはこれほどのサービスがあったのかと驚くほどの各種事業が並んでいます。私は,自分の活動の中で子育て中の女性に会うことが多いのですが,意外なほどこの「スキップ」をお持ちでない方がいらっしゃいます。出産する前から新潟市にあるサービスを知っていただいて,安心して子供を産み育てていただけるよう,市内の産科や婦人科で配布してもらうとか,もらったけれど,どこかに紛れ込んでしまったという方のために小児科で希望者にお渡しできるといった工夫と協力していただける医院へのお願いが必要ではないでしょうか。また,乳幼児健診の際にも同様にしてはいかがでしょう。とにかくサービスがあるというだけでは,子育てがしづらい,合計特殊出生率が極めて低いという汚名は返上できず,周知のための積極的な取り組みが求められています。子供を産むなら新潟市,子育てするなら新潟市と市民に感じていただけるよう,せっかくの情報誌を最大限に生かす配布の工夫を求め,質問いたします。
2点目は,利用できない一時保育についてです。
新潟市の子育て支援の中でも目玉事業であったのが一時保育の制度です。拠点保育園で行われている緊急保育,非定型的保育,育児リフレッシュのための保育のほか,全園で緊急一時保育を実施しています。緊急保育,緊急一時保育は,保育する者の傷病,災害,事故,出産,介護,冠婚葬祭など社会的にやむを得ない場合や急に単発的な就労が生じた場合に利用できるとされているものです。非定型的保育は,断続的に家庭での保育が困難となった場合に拠点保育園で利用でき,また育児による心理的,肉体的な負担の軽減を図るために育児リフレッシュのための保育が制度化されております。この制度ができたときには,こんなことまでしてくれるのかと驚いたものでした。
ところが,このすぐれもののはずの制度がほとんど使えないと聞いてがっかりしています。子育て中の女性たちと何度か懇談する中で,五,六人から七,八人の会で必ずと言っていいほど1人,2人の方から一時保育を断られて使えなかったというお話を伺います。先日お会いした方は,「最初に相談した園で「介護での使用はだめ」と言われ,次の園では「人手がないから」と断られた」と情けなさそうに話しておられました。別の女性は,「南地区はマンションや住宅がふえて若い人たちがどんどん入っているのに,地域事情が少しも配慮されていない」と憤慨していました。人手がないからとサービスが受けられない事業など制度がないのと同じです。使えない制度などあってはならないことです。市長の御見解と拠点園の拡充など,その対策を求めます。
3点目は,保育者養成講座の受講生のその後についてお尋ねします。
2000年3月議会の局部長質疑で,困ったときに相談する人がすぐ近くにいるような,地域全体で子育てを応援する空気をつくるための制度に取り組んでくださいと要望し,その後各地区公民館で保育者養成講座が開始されました。ところが,受講を終了した方々からせっかく受講したのになかなかお召しがないのよねとの声が聞こえてきます。どうしたことなのでしょう。養成講座は開いたけれど,その後の人材活用までは制度設計されていなかったということなのでしょうか。積極的な人材活用がなされるよう制度の見直しを求め,市長のお考えを伺います。
4点目は,期待される市民委員会の活動をお尋ねします。
昨年,新潟市の次世代育成アクションプランが策定され,今年度初めに公募委員による市民委員会が設置されました。大勢の子育て中の方々が参加され,自分たちの問題を出し合い,解決策を議論し,みずから行動していくような委員会であってほしいと思っています。その活動が活発になればなるほど子育てしづらいと言われる新潟の空気を変えていけるからです。また市民委員会には,アクションプランの進捗状況をチェックし,その見直しや新しい事業提案をするといった役割も期待されていると考えますが,現在の活動の状況と今後の見通しをお聞かせください。
次に,次世代育成のための住宅供給の現状と今後を質問いたします。
ことし4月に供用を開始した関屋大川前住宅は,子育て中の家族が優先的に入居できるよう配慮された初めての市営住宅で大変な人気,高倍率の抽せんだったと聞いています。事業開始前には,この住宅の応募状況を見ながら,藤見町の市営住宅にも制度の適用を拡大していくとの説明があったと記憶しています。その後どうなっていますでしょうか。
また,国土交通省は少子化対策として地域優良賃貸住宅制度を創設し,中堅所得家族層向けの公的賃貸住宅で,小学校就学前の児童がいる世帯に行っている家賃助成を,来年度から小学校6年生までの児童がいる世帯へ拡大するとの方針を明らかにしました。こうした国の施策に迅速に対応するとともに,さらに本市独自の住宅政策に力を注いでいただきたいと考えます。例えば経済産業省の職員が「経産省の山田課長補佐,ただいま育休中」という著書の中で提案しているのですが,子供をふやしやすいように子供の数の増加によるマンションや住宅の買いかえ資金の利子補給などを制度化するのはどうでしょうか。検討に値すると思うのですが。
次に,市役所内に特別休暇制度の新設を求めて市長の御見解を伺います。
政府は,今や全省庁を挙げて懸命に少子化対策に取り組み始めています。厚生労働省は,来年の予算の少子化対策に31%増の概算要求をし,長時間労働の是正や従業員の育児休業取得を支援した事業者への助成などを新設するとしています。厚労省は,これまでも男性の育児参加を求めて,企業に対して積極的な啓発,指導を行ってきており,いよいよ財政措置されるのかと喜ばしい限りです。驚いたのは,人事院までが育児支援のための国家公務員育児休業法や勤務時間法の改正を求める意見書を政府,国会に提出する予定であるとのこと。出生率の低下に対し,国としても育児と仕事を両立できる環境づくりが必要と判断したと新聞報道されています。
こうした動きに先駆けて広島県三次市では,ことし6月から子育て特別休暇を新設しています。本年4月1日以降に出生した子供を養育する職員にその取得を義務づけています。制度の目的を休暇の取得を義務づけることで,男性も女性も一緒に子育てするために休むことが当たり前の職場風土をつくるとし,1歳6カ月に達するまでの最長2カ月の取得が可能です。平成18年度は代替職員の人件費,19人分,520万円が財政措置されています。
三次市役所のホームページには,取得第1号の職員の育児日記が掲載されており,ほほ笑ましい限りです。NHKの朝のニュースでも報道され,「短い期間でも一緒に子育てすることで,その後の会話や相談がスムーズにできるようになり,理解も得やすく,2人目,3人目をもうけることが不安ではなくなった」と話すお母さんの姿が印象的でした。新潟市役所にもぜひ欲しい制度です。可及的速やかに検討し,実施してください。
次は,県事業であるハッピー・パートナー企業に登録されていないのは余りにも残念ですので,質問といたしました。
9月6日付の新潟日報に,県の男女平等社会推進課が募集しているハッピー・パートナー企業に県内10団体が登録をしたとの記事が掲載されました。職場での男女共同参画推進に積極的に取り組む企業,法人,団体などを登録し支援する県の事業で,今回は県職員生活協同組合外七つの企業,団体と,自治体としては糸魚川市,妙高市の名前が紹介されました。新潟市は,これまで行動計画の策定や女性センターの設置などで多くの他都市や団体の視察を受け入れ,男女共同参画の先進都市として全国にその名を知られていました。その新潟市が県内の最初の登録10団体に入っていないとは余りにも残念です。ありていに言えば,なぜ登録されなかったのか,言いわけがあったらしてみてくださいという気持ちです。この一つをとって市長の熱意がないと断ずることはできないかもしれませんが,PRのための絶好の機会を失った,男女共同参画を公約している市長にとってイメージダウンであることは否めません。このようなモチベーションだから,政令都市の新組織で男女共同参画を市民生活部に位置づけするのではないかと言われても返す言葉がないのではありませんか。市長の御所見を伺います。
最後に,政策の実現にバックキャスト手法の導入を検討されたく,市長のお考えをお聞きします。
バックキャストとは,将来のあるべき姿を想定し,それに基づいて今何をしたらよいのかを判断するという意味で,現在から将来を見るフォアキャストとは対をなす考え方です。政策の実現や行政課題の解決を何年後か何十年後かに設定し,そこからさかのぼって現在なすべき施策や事業を遂行するのがバックキャストの手法です。今ある行動計画やマニフェストは,短期に見直しがかけられるという点やその数値目標が現状から出発していて,その上乗せ数値であるという点でフォアキャストの手法です。国レベルでは長期ビジョンを明示し,法整備やその実現のための財政措置を行って達成されるのですが,外的要因の多い地方自治体では,この手法がなかなか困難であることは承知しています。
しかしながら,例えば従来の総合計画がだれが見てもオーケーな玉虫色の,どういう状態が田園型なのかそうでないのか,安心型なのかそうでないのか,わかるような,わからないような都市像を掲げる計画であったところから,妥協ではなく,合意形成に最大限の努力が払われ,市長のリーダーシップが発揮される。そうしてでき上がった長期ビジョンと政策が明示され,バックキャスト手法によって実施設計が立てられ,実現される。こうした力強い総合計画が策定されることが希望ですが,少なくとも男女共同参画や少子化対策など,1本1本の政策の実現には十分に有効な手法であると考えます。市長の御見解を伺います。
先月24日付の新聞に,全国首長調査の結果が公表されました。自治体の将来の存続を問う設問に,新潟県では唯一刈羽村村長だけが不安を感じていないと回答し,他の34市町村の首長は,篠田市長も含めて不安を感じると回答したとのことです。これから船出する政令指定都市のかじ取りに名乗りを上げた市長が,その新潟市の将来の存続に不安を感じているということは,市民をも不安にさせる十分な力を持っています。不安の理由が回答の最も多かった交付税削減による厳しい財政運営なのか,最も少なかった合併したが,思うような効果が出ないなのか興味のあるところですが,いずれにしても,これまでどおり市民の不安を払拭する獅子奮迅のお働きを期待して質問いたします。市民の安心を導き出す御答弁をお願いいたします。
初めに,新潟市の防災についてお尋ねいたします。
ことしもまた長雨や集中豪雨による被害が日本各地でありました。先日は,ニンジン雲と呼ばれる雨雲が和歌山県上空に停滞して大雨をもたらし,水路に転落した男性1人が亡くなりました。夏の初めから次々と台風が来襲し,沖縄,熊本,大分など九州地方や島根,鳥取など中国地方でも土砂災害などで多くの命が犠牲になりました。連日テレビ報道された沖縄のがけ崩れの様子,今にも崩れ落ちそうなマンションの映像は目に焼きついています。あの建物はどうなったのかとその後が気にかかります。
化石燃料の使用により,大気中の二酸化炭素濃度がふえると,地球が温暖化するという仮設が最初に唱えられたのは1896年のことだったそうです。それから既に110年が経過し,事態は悪化の一途をたどっています。1994年に地球温暖化防止京都議定書が採択され,国際社会は地球規模でこの問題に取り組むことを約束し合ったにもかかわらず,いまだ各国の足並みはそろわず,国連環境計画は,環境問題について最も権威あると言われているその報告書「地球環境概況2000」で,温室効果ガスの排出増による地球温暖化防止は恐らく手おくれ,京都議定書の目標も達成が難しいとし,さらに2050年には20億人が極度の水不足に悩むことになり,世界の二酸化炭素排出量は2.4倍になる。有害物質の排出は,地球全体では現在の3倍,途上国では5倍近くになると予測されるとしています。
都市部における短時間の集中豪雨は,ヒートアイランド現象が原因であると言われています。また,地球温暖化による海水温の異変がエルニーニョ,ラニーニョ現象を引き起こしている。さらには,台風やハリケーンもまた異常気象の影響を受けているとも言われています。
8月3日,本市の西潟危機管理監もパネリストとして参加された「防災・減災フォーラム2006in新潟」が開かれました。席上,阿賀野川河川事務所長の野田さんは,「河川防災は洪水防止から被害の最小化へと重点が変わってきた。防災から減災への転換である」と発言されています。防災の概念が,防ぎようもなく起きてしまう災害の被害を最小限にとどめるための減災へと転換されるのであれば,究極の防災は災害を引き起こさない暮らしを営むこと,地球への環境負荷のかからない活動を目指すことではないでしょうか。
今新潟市では,ごみ処分の有料化と分別方法の変更が議論を呼んでいます。「分ければ資源,まぜればごみ」は,日本のごみ減量化のキャッチコピーですが,環境先進国スウェーデンでは,「きょうの製品はあすの廃棄物」というのだそうです。一人ひとりが,そして社会全体が環境問題を意識し,行動すること,これがひいては災害の軽減につながる。防災への取り組みは,環境問題への取り組みと不可分であると考えますが,市長の見解をお尋ねします。
次に,ハザードマップの活用と課題について伺います。
1点目は,避難所の適格性についてです。
昨年7月に改正された水防法によって,洪水の危険性が高い浸水想定区域を抱える市町村に洪水ハザードマップの作成が義務づけられました。本市も合併前に作成されていた新津,亀田,横越,白根に加え,各地区ごとのマップを作成しました。西,坂井輪,中,東,岩室の各地域では,既に各戸配布を終えているとのことです。
危機管理・防災課からいただいた地域ごとの洪水ひなん地図を目にして,一番気になったのが避難所の一覧です。一覧表の備考欄に,「おおむね150年に1回ほど起こる洪水を想定しています」とただし書きがあります。その上で,味方地区には12ある避難所がすべて体育館は浸水,校舎は2階以上利用可能と記されています。浸水せずの表記はゼロです。同様に南地区では,19ある避難所のうち,浸水せずは割野小学校の1カ所だけ。坂井輪地区版のひなん地図では,17ある避難所のうち,五十嵐小学校,真砂小学校など8カ所が浸水を免れるものの,他の9カ所は体育館が浸水,校舎は3階以上が利用可能と記されています。校舎の2階も使えないほどの洪水など想像もつかず,不安になります。また,黒埼地区には9カ所の避難所があるのですが,浸水せずはゼロであるばかりか,貝柄地区集会所の備考欄には浸水とあるだけ。貝柄地区住民は,どこへ避難すればいいのでしょう。浸水する施設では,避難所の用をなさないのではないでしょうか。これではいたずらに不安をあおるばかりで,確かに危機意識は高まるでしょうが,災害に強い安心なまちとは言いがたいのではありませんか。そもそも150年に1回の洪水とは,どれほどの雨で引き起こされるのか。自分が生きている間には起こり得るのかそうではないのか。だから,安心なのか心配なのか,素人には見当もつきません。
あるいはまた,避難所の災害備蓄が心配です。水や毛布などの物資は,校舎わきや体育館わきの小屋に備蓄されている場合が多いと聞いていますが,その小屋は特段高床式になっているようでもありません。浸水してしまっては何もなりません。ハザードマップに示されている避難所は,避難所として適格なのでしょうか。もし適格であり,私の感じた不安感は表記の問題なのだとしたら,何らかの工夫や改善が必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。
2点目に,使い手の求める情報なのかお尋ねします。
国交省河川局は,水防法の改正に先立って洪水ハザードマップ作成の手引きを出してガイドラインを定めています。マップの記載事項としては,浸水想定区域,洪水予報,避難情報の伝達方法,気象情報のありか,避難場所,避難時の心得,水害に備えた心構えなど18項目が挙げられており,盛りだくさんです。全部載せたらマップではなく,冊子になりそうです。
新潟市のひなん地図は,その大部分を正確な縮尺地図による浸水想定区域が占めていますが,地図を見なれない者や子供,高齢者には,自分の家がどのあたりなのか見きわめるのが困難ではないかと思われます。公共施設や病院などの目標物が示されるとか,どのみち正確にわからないとしたら,いっそデフォルメして見やすい地図にしてみたらどうでしょうか。ハザードマップを利用する使い手の立場で載せるべき情報の取捨選択,優先順位を見直すお考えはないでしょうか。
3点目に,洪水以外の情報の掲載についてお尋ねします。
市内にある危険箇所について,あちこちの所管課にお尋ねしました。建築指導課では,旧市内のがけ地危険箇所19カ所,県が指定する急傾斜地崩壊危険区域を巻,新津,小須戸,岩室で11カ所把握。また,危機管理・防災課では,がけ地危険箇所,急傾斜地崩壊危険区域,土砂災害区域を合わせて豊栄1,新津99,巻49,小須戸1,岩室50,旧市内36カ所を把握しているとのことでした。災害時の道路の危険箇所も気になるところですが,お尋ねした二つの課では把握されておらず,恐らくどこでもわからないのではないかというお答えでした。こうした災害時の危険箇所などは,ハザードマップに盛り込まれないのでしょうか,伺います。
4点目に,学校や自主防災組織などの防災訓練に生かされているのかお尋ねします。
自主防災組織が年に1度行う防災訓練の機会などをとらえて説明会を設けたり,学校での防災授業に生かすなど,積極的活用に取り組んではいかがでしょうか。
5点目に,高齢者関連施設や保育園などへの普及啓発についてお尋ねします。
一昨年の7.13水害では,中之島の保育園が孤立して,園児たちがヘリコプターで救助される様子が繰り返しテレビで報道されました。保護者の皆さんがどれほど心配したか,保育士さんたちがどれほど大変であったか想像されます。新潟市内には,デイサービスセンターを初め,多くの介護関連・高齢者関連施設があります。災害時の最優先配慮者である高齢者の利用施設や保育園,幼稚園などにマップが確実に配布されることはもちろん,災害時の対応を協議し,確認し合っておくことが必要ではないでしょうか,お答えください。
6点目に,今後の取り組みについてお尋ねします。
新潟市役所のホームページには,亀田・横越地域の避難地図だけが掲載されています。今後その他地域のマップがホームページにアップされるのはいつごろか,また先ほどもお尋ねした洪水以外のマップの作成や来年からの行政区単位ではどうなるのかなど,今後の取り組みをお示しください。
次に,まるごとまちごとハザードマップへの取り組みを伺います。
国交省は,先般7月に居住地域をまるごとハザードマップと見立て,町中に水防にかかわる各種情報を標示するまるごとまちごとハザードマップを整備するためのガイドラインを策定しました。洪水ハザードマップのさらなる普及浸透と危機意識の醸成,洪水時避難所などの認知度の向上を図り,洪水による被害を最小限にとどめることを目的としています。
洪水,避難,堤防の全国統一標識を定めて設置し,そこに居住する人たちはもちろんのこと,初めて訪れた人でも速やかな避難ができるようにと整備されるものです。洪水の標識は,その地域が洪水の影響を受ける可能性があることを示すとともに,その下に数値を表記することによって想定される浸水の深さをあらわすことができます。避難所の標識は,距離と建物の名前を同時に表記することによって,最寄りの避難所がどこで,現在の地点からどちらの方向にどのくらいの距離にあるのか示すことができます。
設置場所や景観に十分な配慮が必要であることは当然ですが,実施されれば市民の安心への効果は非常に大きいと思われ,早期の取り組みを提案いたします。来年度,関連機関との協議,調整,そして現地調査に着手されることを要望してお考えをお尋ねします。
次の質問は,新潟市の次世代育成と男女共同参画についてです。
先日行った男女共同参画推進議員連盟の研修会で講師をしていただいた県立新潟女子短期大学の石川先生が,「新潟市は保育園の待機児童もないし,これほど育児サービスが充実しているのに,特殊出生率が平均を下回るほど低いのは不思議だ」とおっしゃっていました。私も他都市から転勤してこられた若いお母さんが新潟は子育てがしづらいと言うのを何度も耳にしています。これほどのサービスがありながら,なぜ子育てしづらいと言われるのか,以下4点についてお尋ねします。
1点目は,子育て応援パンフレット「スキップ」の配布状況について伺います。
子ども企画課が発行している子育て応援パンフレット「スキップ」は,情報満載で,しかも見やすいという大変なすぐれものです。開くと,新潟市にはこれほどのサービスがあったのかと驚くほどの各種事業が並んでいます。私は,自分の活動の中で子育て中の女性に会うことが多いのですが,意外なほどこの「スキップ」をお持ちでない方がいらっしゃいます。出産する前から新潟市にあるサービスを知っていただいて,安心して子供を産み育てていただけるよう,市内の産科や婦人科で配布してもらうとか,もらったけれど,どこかに紛れ込んでしまったという方のために小児科で希望者にお渡しできるといった工夫と協力していただける医院へのお願いが必要ではないでしょうか。また,乳幼児健診の際にも同様にしてはいかがでしょう。とにかくサービスがあるというだけでは,子育てがしづらい,合計特殊出生率が極めて低いという汚名は返上できず,周知のための積極的な取り組みが求められています。子供を産むなら新潟市,子育てするなら新潟市と市民に感じていただけるよう,せっかくの情報誌を最大限に生かす配布の工夫を求め,質問いたします。
2点目は,利用できない一時保育についてです。
新潟市の子育て支援の中でも目玉事業であったのが一時保育の制度です。拠点保育園で行われている緊急保育,非定型的保育,育児リフレッシュのための保育のほか,全園で緊急一時保育を実施しています。緊急保育,緊急一時保育は,保育する者の傷病,災害,事故,出産,介護,冠婚葬祭など社会的にやむを得ない場合や急に単発的な就労が生じた場合に利用できるとされているものです。非定型的保育は,断続的に家庭での保育が困難となった場合に拠点保育園で利用でき,また育児による心理的,肉体的な負担の軽減を図るために育児リフレッシュのための保育が制度化されております。この制度ができたときには,こんなことまでしてくれるのかと驚いたものでした。
ところが,このすぐれもののはずの制度がほとんど使えないと聞いてがっかりしています。子育て中の女性たちと何度か懇談する中で,五,六人から七,八人の会で必ずと言っていいほど1人,2人の方から一時保育を断られて使えなかったというお話を伺います。先日お会いした方は,「最初に相談した園で「介護での使用はだめ」と言われ,次の園では「人手がないから」と断られた」と情けなさそうに話しておられました。別の女性は,「南地区はマンションや住宅がふえて若い人たちがどんどん入っているのに,地域事情が少しも配慮されていない」と憤慨していました。人手がないからとサービスが受けられない事業など制度がないのと同じです。使えない制度などあってはならないことです。市長の御見解と拠点園の拡充など,その対策を求めます。
3点目は,保育者養成講座の受講生のその後についてお尋ねします。
2000年3月議会の局部長質疑で,困ったときに相談する人がすぐ近くにいるような,地域全体で子育てを応援する空気をつくるための制度に取り組んでくださいと要望し,その後各地区公民館で保育者養成講座が開始されました。ところが,受講を終了した方々からせっかく受講したのになかなかお召しがないのよねとの声が聞こえてきます。どうしたことなのでしょう。養成講座は開いたけれど,その後の人材活用までは制度設計されていなかったということなのでしょうか。積極的な人材活用がなされるよう制度の見直しを求め,市長のお考えを伺います。
4点目は,期待される市民委員会の活動をお尋ねします。
昨年,新潟市の次世代育成アクションプランが策定され,今年度初めに公募委員による市民委員会が設置されました。大勢の子育て中の方々が参加され,自分たちの問題を出し合い,解決策を議論し,みずから行動していくような委員会であってほしいと思っています。その活動が活発になればなるほど子育てしづらいと言われる新潟の空気を変えていけるからです。また市民委員会には,アクションプランの進捗状況をチェックし,その見直しや新しい事業提案をするといった役割も期待されていると考えますが,現在の活動の状況と今後の見通しをお聞かせください。
次に,次世代育成のための住宅供給の現状と今後を質問いたします。
ことし4月に供用を開始した関屋大川前住宅は,子育て中の家族が優先的に入居できるよう配慮された初めての市営住宅で大変な人気,高倍率の抽せんだったと聞いています。事業開始前には,この住宅の応募状況を見ながら,藤見町の市営住宅にも制度の適用を拡大していくとの説明があったと記憶しています。その後どうなっていますでしょうか。
また,国土交通省は少子化対策として地域優良賃貸住宅制度を創設し,中堅所得家族層向けの公的賃貸住宅で,小学校就学前の児童がいる世帯に行っている家賃助成を,来年度から小学校6年生までの児童がいる世帯へ拡大するとの方針を明らかにしました。こうした国の施策に迅速に対応するとともに,さらに本市独自の住宅政策に力を注いでいただきたいと考えます。例えば経済産業省の職員が「経産省の山田課長補佐,ただいま育休中」という著書の中で提案しているのですが,子供をふやしやすいように子供の数の増加によるマンションや住宅の買いかえ資金の利子補給などを制度化するのはどうでしょうか。検討に値すると思うのですが。
次に,市役所内に特別休暇制度の新設を求めて市長の御見解を伺います。
政府は,今や全省庁を挙げて懸命に少子化対策に取り組み始めています。厚生労働省は,来年の予算の少子化対策に31%増の概算要求をし,長時間労働の是正や従業員の育児休業取得を支援した事業者への助成などを新設するとしています。厚労省は,これまでも男性の育児参加を求めて,企業に対して積極的な啓発,指導を行ってきており,いよいよ財政措置されるのかと喜ばしい限りです。驚いたのは,人事院までが育児支援のための国家公務員育児休業法や勤務時間法の改正を求める意見書を政府,国会に提出する予定であるとのこと。出生率の低下に対し,国としても育児と仕事を両立できる環境づくりが必要と判断したと新聞報道されています。
こうした動きに先駆けて広島県三次市では,ことし6月から子育て特別休暇を新設しています。本年4月1日以降に出生した子供を養育する職員にその取得を義務づけています。制度の目的を休暇の取得を義務づけることで,男性も女性も一緒に子育てするために休むことが当たり前の職場風土をつくるとし,1歳6カ月に達するまでの最長2カ月の取得が可能です。平成18年度は代替職員の人件費,19人分,520万円が財政措置されています。
三次市役所のホームページには,取得第1号の職員の育児日記が掲載されており,ほほ笑ましい限りです。NHKの朝のニュースでも報道され,「短い期間でも一緒に子育てすることで,その後の会話や相談がスムーズにできるようになり,理解も得やすく,2人目,3人目をもうけることが不安ではなくなった」と話すお母さんの姿が印象的でした。新潟市役所にもぜひ欲しい制度です。可及的速やかに検討し,実施してください。
次は,県事業であるハッピー・パートナー企業に登録されていないのは余りにも残念ですので,質問といたしました。
9月6日付の新潟日報に,県の男女平等社会推進課が募集しているハッピー・パートナー企業に県内10団体が登録をしたとの記事が掲載されました。職場での男女共同参画推進に積極的に取り組む企業,法人,団体などを登録し支援する県の事業で,今回は県職員生活協同組合外七つの企業,団体と,自治体としては糸魚川市,妙高市の名前が紹介されました。新潟市は,これまで行動計画の策定や女性センターの設置などで多くの他都市や団体の視察を受け入れ,男女共同参画の先進都市として全国にその名を知られていました。その新潟市が県内の最初の登録10団体に入っていないとは余りにも残念です。ありていに言えば,なぜ登録されなかったのか,言いわけがあったらしてみてくださいという気持ちです。この一つをとって市長の熱意がないと断ずることはできないかもしれませんが,PRのための絶好の機会を失った,男女共同参画を公約している市長にとってイメージダウンであることは否めません。このようなモチベーションだから,政令都市の新組織で男女共同参画を市民生活部に位置づけするのではないかと言われても返す言葉がないのではありませんか。市長の御所見を伺います。
最後に,政策の実現にバックキャスト手法の導入を検討されたく,市長のお考えをお聞きします。
バックキャストとは,将来のあるべき姿を想定し,それに基づいて今何をしたらよいのかを判断するという意味で,現在から将来を見るフォアキャストとは対をなす考え方です。政策の実現や行政課題の解決を何年後か何十年後かに設定し,そこからさかのぼって現在なすべき施策や事業を遂行するのがバックキャストの手法です。今ある行動計画やマニフェストは,短期に見直しがかけられるという点やその数値目標が現状から出発していて,その上乗せ数値であるという点でフォアキャストの手法です。国レベルでは長期ビジョンを明示し,法整備やその実現のための財政措置を行って達成されるのですが,外的要因の多い地方自治体では,この手法がなかなか困難であることは承知しています。
しかしながら,例えば従来の総合計画がだれが見てもオーケーな玉虫色の,どういう状態が田園型なのかそうでないのか,安心型なのかそうでないのか,わかるような,わからないような都市像を掲げる計画であったところから,妥協ではなく,合意形成に最大限の努力が払われ,市長のリーダーシップが発揮される。そうしてでき上がった長期ビジョンと政策が明示され,バックキャスト手法によって実施設計が立てられ,実現される。こうした力強い総合計画が策定されることが希望ですが,少なくとも男女共同参画や少子化対策など,1本1本の政策の実現には十分に有効な手法であると考えます。市長の御見解を伺います。
平成17年9月定例会質問
にいがたつゆ草の吉田です。質問の通告に従い,順次質問してまいります。
初めに,シティプロモーションの戦略的取り組みについて質問いたします。
首都圏あるいは大都市の一部では景気の回復,雇用の改善が言われていますが,地方での暮らしにはその実感は乏しく,地域経済の活性化や交流人口の拡大などを目的としたシティプロモーションへの取り組みは,多くの地方都市で熱心に行われています。
新潟市におきましても,13市町村の合併,政令指定都市への移行をまたとないチャンスとしてとらえ,本年度から「新潟市サポーターズ倶楽部」や「食と花の国際見本市プレ'05」などを初めとする幾つかの事業に取り組んでいます。全国への文化発信を目指している「にいがた安吾賞」の創設も,国際経済交流を活発化させる海外への企業誘致の働きかけも,あるいは非核平和都市宣言を行って国際平和都市としての新潟市を世界にアピールしていくことも,シティプロモーション,シティーセールスの一環と位置づけることができます。
シティプロモーションの推進は,観光誘客や企業誘致などの対外的や経済的効果ばかりではなく,そこに暮らす市民にとって我がまちへの愛情と誇りを高め,市民満足度を高めるためにも有効な取り組みと言えます。新潟市民であることがステータスと感じられるような成功を導き出すためには,できることからやっていこうではなく,それぞれの事業や取り組みがお互いに相乗効果を上げるような総合的な戦略が必要です。
ことし4月に政令指定都市移行を果たした静岡市では,これが全くいいとは言いませんが,各課のさまざまな取り組みをフローチャートにしてあらわし,目的,戦略,事業が一目瞭然です。「へえ,こんなことまで」と思われるような事業や目的がシティプロモーションの中に位置づけられています。総合的戦略を立てていくお考えはありませんでしょうか,お尋ねいたします。
さて,言うまでもなくマーケティングにおいてイメージ戦略は極めて重要です。高級感,親しみやすさ,清潔感,多様性,さまざまな商品イメージがテレビコマーシャルから繰り出されていますし,私たち消費者はそのイメージに引かれて商品を買います。新潟市を全国発信していくとき,どのような都市イメージを持って戦略的に取り組むのかは,シティプロモーションの成功に大きく寄与すると言えるでしょう。
「米」「酒」「雪」「日本海」,新潟市の都市イメージは希薄で単語的です。逆に見れば,これからどんなイメージでもつくっていくことが可能であるとも言えます。またさらには,今後行われる一つ一つの事業が,あるいは発信される一つ一つの情報が,図らずも新潟のイメージをつくってしまうという怖さもあります。田園型政令指定都市といっても何のイメージもわかないけれど,開催される「食と花のフォーラム」では「豊かさ」や「いやし」「華やかさ」のイメージをつくることができます。幅広いジャンルで挑戦,実践した人や頑張った人を顕彰するという安吾賞は,「若々しさ」や「チャレンジの精神」「躍動感」を感じさせることが可能でしょう。合併と同時に明らかにされたマニフェストのコンセプトは,ともに育つ「共育」です。今回新潟市をアピールするさまざまな場面に,イメージや評価のまだ確立していない発展途上の人材を起用していくことで,ともに育つこの「共育」のイメージを具現化していくことができます。新潟市のどんなイメージをどのように具現化していくのかを事業全体で共有して取り組んでいくことが必要ではないでしょうか。本市の都市イメージをどうつくっていくのかお尋ねいたします。
さて,昨年12月に国内唯一の国際創業特区の認定を受けた本市は,海外企業の誘致活動をする上において他都市と差別化できてかなり有利と思っていましたのに,今月特区が外されて日本じゅうのどの都市でも在留資格が与えられるようになったとお聞きして,ちょっと残念です。企業の進出を促すには,新潟市の市場規模もさることながら,その後背地にどれほどのマーケットが見込めるのか,そうした後背地との交通アクセスは十分か,事業展開していく上でのハード,ソフトのインフラ整備はどうかなど,複数の条件において優位性をアピールする必要がありますし,実際そうしたセールス展開をされているものと思います。仙台市が青森,秋田,岩手あるいは山形を後背地としているように隣県の富山,長野,山形を後背地と呼べず,マーケットが小さいのが本市の弱点です。けれども,他都市に比して圧倒的に優位にある空港,港湾を初めとする交通インフラが新潟の強みであり,ポートセールスと一体的に取り組むことでより一層セールスの効果が期待できます。関東圏からの空港利用を高め,群馬,埼玉を新潟市市場の後背地とする取り組みにチャレンジしてみてはどうでしょうか。海外企業の誘致への取り組みについて,現況と今後の展開についてお聞かせください。
二つ目の質問,本市におけるキャッシュマネジメントの効率性について伺います。
8月26日,財務省は国庫金の効率的な管理に関する発表を行いました。報道によると「国庫金はその受け払いの時期がさまざまであるため,国庫収支は時期によって資金不足や資金余剰が生じる。財務省としては,このような国庫収支の過不足の調整を行い,国庫金の効率的な管理に努めてきたが,さらにその取り組みを強化する」として,普通交付税の交付日を租税,年金保険料の受け入れ日と同日にし,個人国債と2年物国債の発行日を年金支払日として出金と入金のタイミングをそろえるというものです。
東短リサーチ取締役の加藤氏によれば,主要各国の財務当局も政府のキャッシュマネジメントの効率化を推し進めてきており,米国,英国,フランスなどの当局者は,納税者利益につながるとしてその改善を議会や国民に積極的にアピールしているとのことです。一方,従来の財務省は,債務管理についてはさまざまな対応を練ってきたものの,キャッシュマネジメントの効率性については関心が非常に薄かったけれども,これをファーストステップとして改善に取り組むことは重要なことであるとして,金融市場では高く評価する声もあります。
本市においては,出金と入金のタイミングにどのような配慮がされているのか,現状をお尋ねします。また,資金調達の多様化が求められている中で,どのような取り組みを考えておられますでしょうか。さらに,長期的に見たとき,合併建設計画を推進する上で資金繰りの見通しについてのお考えをあわせて伺います。
三つ目です。まちづくりの基本方針について伺います。
過日全員協議会で御報告申しましたとおり,7月にカナダとアメリカに行政視察に行かせていただきました。ありがとうございました。どの都市もそれぞれに特徴的な顔を持っており,移動のための車中からではありましたが,大変興味深く眺めてまいりました。とりわけカナダ,バンクーバー市には,ダウンタウンに隣接したとてつもなく広大なスタンレー・パークがあり,北アメリカはもとより,世界じゅうからの観光客やリゾート客を魅了していました。
このバンクーバー市では,環境行政を視察テーマとしていました。市内に展開されている3カ所の巨大再開発地区の開発コンセプトが環境であり,コンペで決定された開発業者に課せられた最大のテーマが水質や地質などの環境浄化,環境保全のスキルを持っているかどうかであるとのことでした。現地を視察しましたが,重機が入っての開発工事をしている様子もなく,集合住宅がちらほら建っているただの広い空き地にしか見えませんでした。開発期間をお尋ねしたところ,50年とのことでした。50年もの間には,社会状況も経済状況も環境スキルも大きく変わってしまうだろうし,その開発業者が存続しているかどうかさえ危ぶまれるのに,何とも悠長なことだと思いましたが,開発地内に水質浄化のための実験場を設け,これがまた何ともささやかだったんですが,その効果を検証しながら進めていくという手法を目の当たりにして,まちづくりというのはこのように時間と手間を惜しまないものだという思いを新たにいたしました。
さて,本市においても新しいまちづくりの基本方針,都市計画マスタープランの策定作業が始まりました。わずか5年前に計画期間を20年と定めて策定された現在のマスタープランでは,将来都市構造の形成方針を内陸部への進展方向で新たな市街地の形成を図ると定めていましたし,また合併された12市町村の方々も旧新潟市とは機能的にはもちろん,面的にも一体的な発展を期待されていたのではないかと思われますが,今後の新潟市の施策の方向は市街地拡大のコントロールです。基本的な考え方の大転換を市民と共有していかなければなりません。策定に先立ち,市民1万人と小・中学生にアンケートを行ったとのことですが,そのアンケートから市民の望むどのような都市像や土地利用のあり方が見えてきたのでしょうか,お尋ねします。
合併マニフェストの中では,都市計画マスタープランの策定と同時進行で「市街地拡大のコントロール制度」「地区コミュニティ主体のまちづくり制度」「田園集落づくり制度」の創設が条例などの制定として約束されています。これらが総合的に働いて新しいまちづくりの枠組み,計画となっていくのだと思われますが,これらとの関連でマスタープラン策定の手順はどのように進められていくのかお尋ねします。また,現在のプランが地区ごとの構想となっているように,新マスタープランは政令指定都市の全体構想と行政区ごとの構想,指針として明らかにされるのでしょうか,伺います。
ところで,新潟市のこれまでのまちづくりは,農地の転用による市街地の拡大と農村集落との共生とともにありました。今後は,一層農業政策と都市政策の調和や農業の基盤整備と都市整備の整合性が図られていかなければなりません。農業の基盤整備や都市区画整理事業などに取り組んでこられた亀田郷土地改良区や西蒲原土地改良区,あるいは農業委員会とは新しい土地利用やまちづくりについてどのような協議が行われ,どのような合意がなされてきているのでしょうか。また,今後の協働の枠組みはつくられているのかお尋ねします。
大きな方向転換を果たそうとしている今,一つ一つ丁寧な協議と合意を積み重ねていくことは重要であると考えます。取り組みをお示しください。
初めに,シティプロモーションの戦略的取り組みについて質問いたします。
首都圏あるいは大都市の一部では景気の回復,雇用の改善が言われていますが,地方での暮らしにはその実感は乏しく,地域経済の活性化や交流人口の拡大などを目的としたシティプロモーションへの取り組みは,多くの地方都市で熱心に行われています。
新潟市におきましても,13市町村の合併,政令指定都市への移行をまたとないチャンスとしてとらえ,本年度から「新潟市サポーターズ倶楽部」や「食と花の国際見本市プレ'05」などを初めとする幾つかの事業に取り組んでいます。全国への文化発信を目指している「にいがた安吾賞」の創設も,国際経済交流を活発化させる海外への企業誘致の働きかけも,あるいは非核平和都市宣言を行って国際平和都市としての新潟市を世界にアピールしていくことも,シティプロモーション,シティーセールスの一環と位置づけることができます。
シティプロモーションの推進は,観光誘客や企業誘致などの対外的や経済的効果ばかりではなく,そこに暮らす市民にとって我がまちへの愛情と誇りを高め,市民満足度を高めるためにも有効な取り組みと言えます。新潟市民であることがステータスと感じられるような成功を導き出すためには,できることからやっていこうではなく,それぞれの事業や取り組みがお互いに相乗効果を上げるような総合的な戦略が必要です。
ことし4月に政令指定都市移行を果たした静岡市では,これが全くいいとは言いませんが,各課のさまざまな取り組みをフローチャートにしてあらわし,目的,戦略,事業が一目瞭然です。「へえ,こんなことまで」と思われるような事業や目的がシティプロモーションの中に位置づけられています。総合的戦略を立てていくお考えはありませんでしょうか,お尋ねいたします。
さて,言うまでもなくマーケティングにおいてイメージ戦略は極めて重要です。高級感,親しみやすさ,清潔感,多様性,さまざまな商品イメージがテレビコマーシャルから繰り出されていますし,私たち消費者はそのイメージに引かれて商品を買います。新潟市を全国発信していくとき,どのような都市イメージを持って戦略的に取り組むのかは,シティプロモーションの成功に大きく寄与すると言えるでしょう。
「米」「酒」「雪」「日本海」,新潟市の都市イメージは希薄で単語的です。逆に見れば,これからどんなイメージでもつくっていくことが可能であるとも言えます。またさらには,今後行われる一つ一つの事業が,あるいは発信される一つ一つの情報が,図らずも新潟のイメージをつくってしまうという怖さもあります。田園型政令指定都市といっても何のイメージもわかないけれど,開催される「食と花のフォーラム」では「豊かさ」や「いやし」「華やかさ」のイメージをつくることができます。幅広いジャンルで挑戦,実践した人や頑張った人を顕彰するという安吾賞は,「若々しさ」や「チャレンジの精神」「躍動感」を感じさせることが可能でしょう。合併と同時に明らかにされたマニフェストのコンセプトは,ともに育つ「共育」です。今回新潟市をアピールするさまざまな場面に,イメージや評価のまだ確立していない発展途上の人材を起用していくことで,ともに育つこの「共育」のイメージを具現化していくことができます。新潟市のどんなイメージをどのように具現化していくのかを事業全体で共有して取り組んでいくことが必要ではないでしょうか。本市の都市イメージをどうつくっていくのかお尋ねいたします。
さて,昨年12月に国内唯一の国際創業特区の認定を受けた本市は,海外企業の誘致活動をする上において他都市と差別化できてかなり有利と思っていましたのに,今月特区が外されて日本じゅうのどの都市でも在留資格が与えられるようになったとお聞きして,ちょっと残念です。企業の進出を促すには,新潟市の市場規模もさることながら,その後背地にどれほどのマーケットが見込めるのか,そうした後背地との交通アクセスは十分か,事業展開していく上でのハード,ソフトのインフラ整備はどうかなど,複数の条件において優位性をアピールする必要がありますし,実際そうしたセールス展開をされているものと思います。仙台市が青森,秋田,岩手あるいは山形を後背地としているように隣県の富山,長野,山形を後背地と呼べず,マーケットが小さいのが本市の弱点です。けれども,他都市に比して圧倒的に優位にある空港,港湾を初めとする交通インフラが新潟の強みであり,ポートセールスと一体的に取り組むことでより一層セールスの効果が期待できます。関東圏からの空港利用を高め,群馬,埼玉を新潟市市場の後背地とする取り組みにチャレンジしてみてはどうでしょうか。海外企業の誘致への取り組みについて,現況と今後の展開についてお聞かせください。
二つ目の質問,本市におけるキャッシュマネジメントの効率性について伺います。
8月26日,財務省は国庫金の効率的な管理に関する発表を行いました。報道によると「国庫金はその受け払いの時期がさまざまであるため,国庫収支は時期によって資金不足や資金余剰が生じる。財務省としては,このような国庫収支の過不足の調整を行い,国庫金の効率的な管理に努めてきたが,さらにその取り組みを強化する」として,普通交付税の交付日を租税,年金保険料の受け入れ日と同日にし,個人国債と2年物国債の発行日を年金支払日として出金と入金のタイミングをそろえるというものです。
東短リサーチ取締役の加藤氏によれば,主要各国の財務当局も政府のキャッシュマネジメントの効率化を推し進めてきており,米国,英国,フランスなどの当局者は,納税者利益につながるとしてその改善を議会や国民に積極的にアピールしているとのことです。一方,従来の財務省は,債務管理についてはさまざまな対応を練ってきたものの,キャッシュマネジメントの効率性については関心が非常に薄かったけれども,これをファーストステップとして改善に取り組むことは重要なことであるとして,金融市場では高く評価する声もあります。
本市においては,出金と入金のタイミングにどのような配慮がされているのか,現状をお尋ねします。また,資金調達の多様化が求められている中で,どのような取り組みを考えておられますでしょうか。さらに,長期的に見たとき,合併建設計画を推進する上で資金繰りの見通しについてのお考えをあわせて伺います。
三つ目です。まちづくりの基本方針について伺います。
過日全員協議会で御報告申しましたとおり,7月にカナダとアメリカに行政視察に行かせていただきました。ありがとうございました。どの都市もそれぞれに特徴的な顔を持っており,移動のための車中からではありましたが,大変興味深く眺めてまいりました。とりわけカナダ,バンクーバー市には,ダウンタウンに隣接したとてつもなく広大なスタンレー・パークがあり,北アメリカはもとより,世界じゅうからの観光客やリゾート客を魅了していました。
このバンクーバー市では,環境行政を視察テーマとしていました。市内に展開されている3カ所の巨大再開発地区の開発コンセプトが環境であり,コンペで決定された開発業者に課せられた最大のテーマが水質や地質などの環境浄化,環境保全のスキルを持っているかどうかであるとのことでした。現地を視察しましたが,重機が入っての開発工事をしている様子もなく,集合住宅がちらほら建っているただの広い空き地にしか見えませんでした。開発期間をお尋ねしたところ,50年とのことでした。50年もの間には,社会状況も経済状況も環境スキルも大きく変わってしまうだろうし,その開発業者が存続しているかどうかさえ危ぶまれるのに,何とも悠長なことだと思いましたが,開発地内に水質浄化のための実験場を設け,これがまた何ともささやかだったんですが,その効果を検証しながら進めていくという手法を目の当たりにして,まちづくりというのはこのように時間と手間を惜しまないものだという思いを新たにいたしました。
さて,本市においても新しいまちづくりの基本方針,都市計画マスタープランの策定作業が始まりました。わずか5年前に計画期間を20年と定めて策定された現在のマスタープランでは,将来都市構造の形成方針を内陸部への進展方向で新たな市街地の形成を図ると定めていましたし,また合併された12市町村の方々も旧新潟市とは機能的にはもちろん,面的にも一体的な発展を期待されていたのではないかと思われますが,今後の新潟市の施策の方向は市街地拡大のコントロールです。基本的な考え方の大転換を市民と共有していかなければなりません。策定に先立ち,市民1万人と小・中学生にアンケートを行ったとのことですが,そのアンケートから市民の望むどのような都市像や土地利用のあり方が見えてきたのでしょうか,お尋ねします。
合併マニフェストの中では,都市計画マスタープランの策定と同時進行で「市街地拡大のコントロール制度」「地区コミュニティ主体のまちづくり制度」「田園集落づくり制度」の創設が条例などの制定として約束されています。これらが総合的に働いて新しいまちづくりの枠組み,計画となっていくのだと思われますが,これらとの関連でマスタープラン策定の手順はどのように進められていくのかお尋ねします。また,現在のプランが地区ごとの構想となっているように,新マスタープランは政令指定都市の全体構想と行政区ごとの構想,指針として明らかにされるのでしょうか,伺います。
ところで,新潟市のこれまでのまちづくりは,農地の転用による市街地の拡大と農村集落との共生とともにありました。今後は,一層農業政策と都市政策の調和や農業の基盤整備と都市整備の整合性が図られていかなければなりません。農業の基盤整備や都市区画整理事業などに取り組んでこられた亀田郷土地改良区や西蒲原土地改良区,あるいは農業委員会とは新しい土地利用やまちづくりについてどのような協議が行われ,どのような合意がなされてきているのでしょうか。また,今後の協働の枠組みはつくられているのかお尋ねします。
大きな方向転換を果たそうとしている今,一つ一つ丁寧な協議と合意を積み重ねていくことは重要であると考えます。取り組みをお示しください。
平成17年2月定例会質問
新潟無所属の吉田ひさみです。通告に従い,質問いたします。
昨年11月20日,私たち新潟市子育て支援議員連盟は,平成16年度事業として「子育て BE HAPPYBOX」と題したシンポジウムを開催いたしました。「閉じられた議会の中で自分たちだけで勉強会をするのではなく,広く市民に呼びかけた事業をしましょう」という松原会長,今井副会長の心意気で,子育て中の方や子育て支援の活動をしている方々とネットワークし,広報には市民局の各部,各課や公民館を初め多くの応援をいただき,意義深い事業をさせていただきました。「一緒にやりましょう」という呼びかけにこたえてくださった子育てほっとほっとフォーラム応援隊の皆さんや参加された皆さんは,子育て支援の催し会場に年代もバラエティーに富んだ男女二十数名もの市議会議員が参加して,自分たちの意見や要望に耳を傾けていることに大きな驚きと手ごたえを感じてくださったということです。
子育て支援や少子化対策に関しては,過日佐藤豊美議員,関口松柏議員が代表質問されております。きのうは今井議員が,そして先ほどは鷲尾令子議員もそれぞれ問題意識から提案,議論されておりますが,私も「子育て BE HAPPY BOX」で直接市民の声を聞いた者の一人として,新潟市次世代育成支援行動計画,(仮称)すこやか未来アクションプランについて何点かの質問をさせていただきます。
聞くところによりますと,この行動計画を策定するに当たっては,かなり大がかりなアンケート調査がなされ,また市内数カ所で意見交換会が持たれたということですが,こうした事前調査によってどのようなニーズが把握され,計画にはどのように盛り込まれたのか,お尋ねいたします。当事者でなければわからない,目からうろこのような提案はなかったでしょうか。また,突出して多かった要望は何だったのでしょうか。事前調査の結果がどう反映されたのか,お聞かせください。
ところで,この(仮称)すこやか未来アクションプラン案は,パブリックコメントを求めて2月1日に明らかにされ,14日に意見募集は締め切られました。昨年は,清掃課が2月に実施した一般廃棄物処理基本計画に対する意見募集や今議会に提案されている男女共同参画推進条例に関する意見募集など,幾つかのパブリックコメントが実施されましたが,残念なことにいずれも寄せられた意見は期待したほどには多くなかったようです。社会的な関心の高い次世代育成の行動計画ですから,期待にかなう応募があったことと思いますが,寄せられた意見はどのように生かされるのでしょう。現在提示されているプランに直接反映されるのでしょうか。あるいは,5年後からの後期計画策定まで待たなければならないのでしょうか。可能な限り具体的にお聞かせください。
3点目に,母子家庭就労対策事業についてお尋ねします。
その前に,きのうも話題になりました合併記念歌「越後絶唱」は,母子家庭を支える母親が主人公のようですが,性別役割分業ばりばりのこの歌は,男女共同参画推進条例が施行されたその暁には,条例に基づく苦情処理申し立ての第1号となることは間違いないと思っております。御準備ください。
ところで,昨年の2月定例議会における代表質問で母子家庭の自立支援についてお尋ねしたところ,「来年度から新たに母子家庭等の自立を促進するため,生活支援や就業支援を初めとする総合的な事業を実施したい」とお答えいただきました。さらに,「母子家庭の自立促進計画につきましては,次世代育成支援対策に係る行動計画の中にその内容を盛り込むこととし」との御答弁もいただいております。この問題にこだわって質問を繰り返している私としては大いに期待し,もうこの話はしなくても済むのかと喜んでいたところでしたが,御答弁にあった「より実効性のある母子家庭の自立促進の推進」はなかなか困難であるようですので,再度質問いたします。
アクションプランに盛り込まれた自立促進計画は,ページ数にして2ページ半,ページ数が多ければいいというものではありませんが,「総合的」とおっしゃった事業はすべて児童福祉課所管の公衆浴場無料入浴事業など11事業,この中で「新たに」という御答弁に該当する事業が幾つあるのでしょう。間違っていたらごめんなさい。この母子家庭就労対策事業だけではないかと思うのですが,いかがでしょうか。
その宝石のような大切な就労対策事業ですが,平成16年実績としてあらわされている数字がまた悲しい。自立支援教育訓練給付金制度の利用者が58人,まずまずの数のように聞こえますが,3,000世帯以上はあろうかと推計される母子家庭の数と就業困難な現状から推察するとまだまだです。高等技能訓練促進費を利用されたのは3人。常用雇用転換奨励金の利用者も3人にすぎません。新規事業ですから,制度の広報,周知が行き届いていなかったのかもしれません。ですが,もしかしたらハードルが高くて使いづらい制度なのかもしれません。事業の点検を多角的に行い,多くの方から利用される制度にしていっていただきたい。そして,計画では平成21年まで継続とされていますが,利用実態に合わせて拡充もしていく必要があると考えます。いかがでしょうか,お答えください。
次に,推進体制についてお尋ねします。
アクションプランでは市民との協働による推進が明記され,市民委員会設置の検討が事業として挙げられています。ぜひ実現していただきたい。市民委員会なのですから,各界の代表や長ではなく,この行動計画の推進によって仕事や生活や活動が変わる,子育て環境の変化を自分のこととして感じる当事者たちによって構成される委員会にしていっていただきたい。そして,当事者といえば,まさに子供たちこそが当事者です。子供たちの声を聞き,施策や事業に反映されるよう子供委員会の設置も強く要望いたしますが,いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
ところで,昨年12月3日,児童福祉法が一部改正され,児童相談が市町村に義務づけられました。そして,児童相談所はより専門性の高い困難な事例への対応や市町村における相談業務の後方支援を担う役割へと重点化されました。本市は,今やすべての施策,事業のベクトルが政令市の方向を向いていると言っても過言ではなく,県から移譲される事業が最終的に何がどれほどになるのか大きな課題ですが,専門職の配置が必要なこの児童相談所も政令市に向けた大きな課題の一つです。来年度の予算に開設準備事業費120万円が計上されていますが,アクションプランの中には児童相談所の記載は見受けられません。どのような絵を描いていらっしゃるのか,どのようなものとして取り組んでいかれるおつもりなのか,伺います。
次に,コミュニティーについてお尋ねします。
市長がしばしば口にされるコミュニティーという言葉が耳についてなりません。コミュニティーと言うから聞こえはいいけれど,漢字で表記すれば地域社会。だとしたら,地域コミュニティーという言い方は変です。「地域地域社会」になってしまいます。それに,地域社会というものは育成するものなのでしょうか。そこにあるものなのではないでしょうか。疑問になります。何か別な意味づけがあるらしいのですが,どうもコミュニティーという言葉は連帯感とか連帯する力,助け合う気持ちとその力そのものをも指すらしいと想像しますが,それは連想ゲームのように,私の中では家父長制を基盤とした村社会へと想像がつながっていきます。ああ,だから性差別反対を訴える私には抵抗感があるんだと納得できます。もちろん市長がそういった意味で使っていらっしゃるということではありません。私の中の言葉の位置づけという意味です。
そこで,新・新潟市合併マニフェストの3本柱の一つ,地域とともに育つ分権型政令市の記載に,「新潟には,大都会で失われたコミュニティーの力や地域のまとまりがまだまだあります」とありますが,そうでしょうか。そうだとしたら,それは排他的な村社会の残滓なのではないかと恐れます。今求められているコミュニティーは,過去の慣習や制度でそこに暮らす人を縛るようなものではないはずです。一人ひとりの考え方や生活が大切にされ,それが丸ごと受け入れられ,それでもなお手をつなぎ合える,そうした社会だと思うのです。そして,それは外から枠をはめられてつくられるものではあり得ません。毎日の暮らしの中にある課題や問題の解決を核として,みずから芽生え,育ち広がるものだと思うのです。市長の言われる「コミュニティーの力」とはどういった力なのかお聞かせください。
2点目の質問,地域コミュニティ協議会については,当会派の高橋議員も代表質問したテーマです。御答弁もお聞きしました。「地域の課題・問題点把握,解決策,解決策の優先順位性を地域みずから考えるための会であり,自治会,町内会を中心に,民生・児童委員,社会福祉協議会,PTA,NPO,ボランティア団体などさまざまな分野で活動している多くの方々で構成される会になる」とのことでした。そして「あくまでも地域の自主的な取り組みのもとで推し進められる」。現実にはあり得ない話のようにさえ思えます。
こうした会が地域で自主的に設立されるとき,メンバーになるのは活動時間が自由になる経済的にも困ることのないさまざまな分野の長であり,重鎮ではありませんか。その地域を将来的に担っていく,いえ,現に担っているはずの小学生や中学生を持つ年代の方々が参画することは可能なのでしょうか。こうした方々を欠いて,本当の意味での地域の課題や問題を把握することができるのですか。コミュニティーは,外からの力や思惑によって枠をはめられたとき,あるいは組織化されたとき,権限とか権力とか何がしかの力を持つ質的変化を起こしたものになってしまうと思うのです。地域コミュニティ協議会は,現在ある自治会,町内会,自治連合会が果たしている役割とどう違えることができるのでしょう。結局屋上屋を重ねることになるのではありませんか,お伺いします。
昨年10月,市民協働政策室が行った「元気コミュニティ〜「まちづくり」から「まち育て」へ〜」と題したイベントは,大変刺激的でおもしろく有意義なものでした。そこで紹介された京都市のユーコートの取り組みは,私にとってはコミュニティー形成の理想形となりました。人も住まいも環境も地域も,そしてその関係性も時とともに育っていくものというまち育ての考え方は,対象としての環境を人がつくり直すまちづくりにかわる考え方です。コミュニティーの育成には,時間と種,仕掛けが必要だとこの日学びました。参加し,そして壇上に出演もされていた市長はどう受けとめられましたでしょうか。小学校単位だの協議会だのと枠をはめたり組織したりせず,種をまき,時間をかけてコミュニティーをはぐくんではいかがですか。お考えをお尋ねします。
3番目の質問,新幹線側道と市道との交差点における交通安全対策についてお尋ねします。
2週間ほど前になりますが,犬の散歩中に二晩続けて同じ場所で警察が処理中の交通事故の現場に行き会いました。1日目は若い女性が,2日目は学生のような若い男性が,寒空の下で警察官の問いに答えていましたが,事故のショックがそうさせるのか,震えるように緊張した様子でした。場所は,女池北1丁目地内の新幹線高架下の側道が市道と交わる交差点です。ここは,設置されているカーブミラーがいつ見ても破損していると言っても決してオーバーではないほど交通事故が非常に多いところです。東警察署の交通捜査課にお尋ねしたところ,この地点ではことしに入って1月から2月末までに人身にかかわる事故だけで既に3件起きているとのことでした。先日私が目撃した事故はけが人がなかったようですので,この数字には含まれていません。とすれば,2カ月の間に少なくとも5件以上の事故が発生しているということです。また,こことこの地点から数百メートル新潟駅寄りの同じように新幹線側道と市道が交差する地点,この2地点では人身事故だけで平成15年では15件,16年では19件が発生しています。財団法人新潟南地区交通安全協会の事業資料でも「交差点における交通事故が全交通事故の53%以上を占めて,県下平均の構成比を大きく上回っており,交差点事故の防止対策が大変重要であることを示しています」とこの地域の現状を分析しています。
新幹線の側道は,どこも交差する市道とは直角には交わっておらず,見通しが悪いことに加えて,新幹線に沿って左右数メートルの距離で2本の道が走っていること,さらにこのポイントには網川原1号が交差しているため,大変複雑な構造になっています。一方,交わる市道の方も平行して走る表通り,新潟亀田内野線,これは女池インターチェンジと県庁を結ぶ県道ですが,朝夕大変な混雑,渋滞となるため,その抜け道となっていて,結構な交通量です。この道は,上山小学校と上山中学校に通う子供たちの通学路でもあり,これまでこの子供たちや地域の高齢者が事故に巻き込まれていないのは,地元では奇跡とまで言われています。しかし,いつかそうした事態が起こるのではないかと,地域の住人はいつも不安を抱えて生活しており,地区自治連合会からは「道路整備と歩道の設置について」「カーブミラーの設置について」「信号機の設置について」などなど,毎年新潟市と東警察署に対して新幹線側道における交通安全対策に関する予算陳情が続いております。このような不安を解消し,地域の住人が安心して暮らしていくために,以下質問いたします。
まず,こうした多発する事故の原因をどのようにとらえているのか,これまでどのような改善策がとられて,その改善策はどのような成果を上げたのか,お尋ねします。
私たちは,「見通しが悪いのだから角を切ればいいんじゃないか」とか,「側道を左右一方通行にすればいいんじゃないか」とか,「いや,とにかく信号機をつけるのが先決だ」などと,額を集めては素人考えでああでもない,こうでもないと頭を悩ませていますが,道や交通のプロとしては,原因は道の構造上の問題なのか,あるいはドライバーの問題なのか,どのように考えておられるのでしょうか,お聞かせください。
3点目に,今後の対策をお尋ねします。
高架下の空間は駐車場として使われたり,一部店舗になっているところもありますが,空き地も多く,雑草が丈高く伸びて視界を遮り,場所によっては側道にまで伸び出してきて通行の妨げになっています。さらに,不心得者がこの空き地にごみを投棄して,瓶,缶,ビニール袋は言うに及ばず,テレビや古タイヤの果てまで散乱し,私たち地元の者や子供たちがクリーン作戦などで拾い集めても際限がありません。こうした高架下の荒涼とした景色もまた実際の事故の多さと相まって私たち住民の不安を倍加させているのではないかと,これもまた素人考えですが,思います。そして,これほど事故が起きているのに,こんなに陳情しているのに,なぜ信号がつかないのか,なぜ放置されているのかといった不満が不安を増幅させているとも言えます。いたずらに不安を募らせないために,どういう手法が可能で何が不可能なのか,そしてそれはなぜなのかを地域の方々と話し合う勉強会を開いて協力を仰ぎ,交通安全をきっかけとしたトータルなまちづくり,道づくりとして取り組んでいかれることを提案いたします。そして,お考えをお聞かせください。
交通事故への不安の解消が道の問題ということだけではなく,景観を含めた地域の生活環境全体の改善として取り組まれるならば,高架下の地権者,管理者であるJRの協力は欠かせません。そもそもJRは,このように自分たちの新幹線高架のその側道が問題視されていることを知っておられるのでしょうか。協力していただけるよう対策の協議に加わっていただきたいと思いますが,いかがでしょう。お尋ねします。
最後になりますが,長い目で見た取り組みと同時に,まず求められているのは事故軽減のための道路改良です。対策事業の予定があるのかないのか,あるとすればどのような対策が予定されているのかお示しください。
昨年11月20日,私たち新潟市子育て支援議員連盟は,平成16年度事業として「子育て BE HAPPYBOX」と題したシンポジウムを開催いたしました。「閉じられた議会の中で自分たちだけで勉強会をするのではなく,広く市民に呼びかけた事業をしましょう」という松原会長,今井副会長の心意気で,子育て中の方や子育て支援の活動をしている方々とネットワークし,広報には市民局の各部,各課や公民館を初め多くの応援をいただき,意義深い事業をさせていただきました。「一緒にやりましょう」という呼びかけにこたえてくださった子育てほっとほっとフォーラム応援隊の皆さんや参加された皆さんは,子育て支援の催し会場に年代もバラエティーに富んだ男女二十数名もの市議会議員が参加して,自分たちの意見や要望に耳を傾けていることに大きな驚きと手ごたえを感じてくださったということです。
子育て支援や少子化対策に関しては,過日佐藤豊美議員,関口松柏議員が代表質問されております。きのうは今井議員が,そして先ほどは鷲尾令子議員もそれぞれ問題意識から提案,議論されておりますが,私も「子育て BE HAPPY BOX」で直接市民の声を聞いた者の一人として,新潟市次世代育成支援行動計画,(仮称)すこやか未来アクションプランについて何点かの質問をさせていただきます。
聞くところによりますと,この行動計画を策定するに当たっては,かなり大がかりなアンケート調査がなされ,また市内数カ所で意見交換会が持たれたということですが,こうした事前調査によってどのようなニーズが把握され,計画にはどのように盛り込まれたのか,お尋ねいたします。当事者でなければわからない,目からうろこのような提案はなかったでしょうか。また,突出して多かった要望は何だったのでしょうか。事前調査の結果がどう反映されたのか,お聞かせください。
ところで,この(仮称)すこやか未来アクションプラン案は,パブリックコメントを求めて2月1日に明らかにされ,14日に意見募集は締め切られました。昨年は,清掃課が2月に実施した一般廃棄物処理基本計画に対する意見募集や今議会に提案されている男女共同参画推進条例に関する意見募集など,幾つかのパブリックコメントが実施されましたが,残念なことにいずれも寄せられた意見は期待したほどには多くなかったようです。社会的な関心の高い次世代育成の行動計画ですから,期待にかなう応募があったことと思いますが,寄せられた意見はどのように生かされるのでしょう。現在提示されているプランに直接反映されるのでしょうか。あるいは,5年後からの後期計画策定まで待たなければならないのでしょうか。可能な限り具体的にお聞かせください。
3点目に,母子家庭就労対策事業についてお尋ねします。
その前に,きのうも話題になりました合併記念歌「越後絶唱」は,母子家庭を支える母親が主人公のようですが,性別役割分業ばりばりのこの歌は,男女共同参画推進条例が施行されたその暁には,条例に基づく苦情処理申し立ての第1号となることは間違いないと思っております。御準備ください。
ところで,昨年の2月定例議会における代表質問で母子家庭の自立支援についてお尋ねしたところ,「来年度から新たに母子家庭等の自立を促進するため,生活支援や就業支援を初めとする総合的な事業を実施したい」とお答えいただきました。さらに,「母子家庭の自立促進計画につきましては,次世代育成支援対策に係る行動計画の中にその内容を盛り込むこととし」との御答弁もいただいております。この問題にこだわって質問を繰り返している私としては大いに期待し,もうこの話はしなくても済むのかと喜んでいたところでしたが,御答弁にあった「より実効性のある母子家庭の自立促進の推進」はなかなか困難であるようですので,再度質問いたします。
アクションプランに盛り込まれた自立促進計画は,ページ数にして2ページ半,ページ数が多ければいいというものではありませんが,「総合的」とおっしゃった事業はすべて児童福祉課所管の公衆浴場無料入浴事業など11事業,この中で「新たに」という御答弁に該当する事業が幾つあるのでしょう。間違っていたらごめんなさい。この母子家庭就労対策事業だけではないかと思うのですが,いかがでしょうか。
その宝石のような大切な就労対策事業ですが,平成16年実績としてあらわされている数字がまた悲しい。自立支援教育訓練給付金制度の利用者が58人,まずまずの数のように聞こえますが,3,000世帯以上はあろうかと推計される母子家庭の数と就業困難な現状から推察するとまだまだです。高等技能訓練促進費を利用されたのは3人。常用雇用転換奨励金の利用者も3人にすぎません。新規事業ですから,制度の広報,周知が行き届いていなかったのかもしれません。ですが,もしかしたらハードルが高くて使いづらい制度なのかもしれません。事業の点検を多角的に行い,多くの方から利用される制度にしていっていただきたい。そして,計画では平成21年まで継続とされていますが,利用実態に合わせて拡充もしていく必要があると考えます。いかがでしょうか,お答えください。
次に,推進体制についてお尋ねします。
アクションプランでは市民との協働による推進が明記され,市民委員会設置の検討が事業として挙げられています。ぜひ実現していただきたい。市民委員会なのですから,各界の代表や長ではなく,この行動計画の推進によって仕事や生活や活動が変わる,子育て環境の変化を自分のこととして感じる当事者たちによって構成される委員会にしていっていただきたい。そして,当事者といえば,まさに子供たちこそが当事者です。子供たちの声を聞き,施策や事業に反映されるよう子供委員会の設置も強く要望いたしますが,いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
ところで,昨年12月3日,児童福祉法が一部改正され,児童相談が市町村に義務づけられました。そして,児童相談所はより専門性の高い困難な事例への対応や市町村における相談業務の後方支援を担う役割へと重点化されました。本市は,今やすべての施策,事業のベクトルが政令市の方向を向いていると言っても過言ではなく,県から移譲される事業が最終的に何がどれほどになるのか大きな課題ですが,専門職の配置が必要なこの児童相談所も政令市に向けた大きな課題の一つです。来年度の予算に開設準備事業費120万円が計上されていますが,アクションプランの中には児童相談所の記載は見受けられません。どのような絵を描いていらっしゃるのか,どのようなものとして取り組んでいかれるおつもりなのか,伺います。
次に,コミュニティーについてお尋ねします。
市長がしばしば口にされるコミュニティーという言葉が耳についてなりません。コミュニティーと言うから聞こえはいいけれど,漢字で表記すれば地域社会。だとしたら,地域コミュニティーという言い方は変です。「地域地域社会」になってしまいます。それに,地域社会というものは育成するものなのでしょうか。そこにあるものなのではないでしょうか。疑問になります。何か別な意味づけがあるらしいのですが,どうもコミュニティーという言葉は連帯感とか連帯する力,助け合う気持ちとその力そのものをも指すらしいと想像しますが,それは連想ゲームのように,私の中では家父長制を基盤とした村社会へと想像がつながっていきます。ああ,だから性差別反対を訴える私には抵抗感があるんだと納得できます。もちろん市長がそういった意味で使っていらっしゃるということではありません。私の中の言葉の位置づけという意味です。
そこで,新・新潟市合併マニフェストの3本柱の一つ,地域とともに育つ分権型政令市の記載に,「新潟には,大都会で失われたコミュニティーの力や地域のまとまりがまだまだあります」とありますが,そうでしょうか。そうだとしたら,それは排他的な村社会の残滓なのではないかと恐れます。今求められているコミュニティーは,過去の慣習や制度でそこに暮らす人を縛るようなものではないはずです。一人ひとりの考え方や生活が大切にされ,それが丸ごと受け入れられ,それでもなお手をつなぎ合える,そうした社会だと思うのです。そして,それは外から枠をはめられてつくられるものではあり得ません。毎日の暮らしの中にある課題や問題の解決を核として,みずから芽生え,育ち広がるものだと思うのです。市長の言われる「コミュニティーの力」とはどういった力なのかお聞かせください。
2点目の質問,地域コミュニティ協議会については,当会派の高橋議員も代表質問したテーマです。御答弁もお聞きしました。「地域の課題・問題点把握,解決策,解決策の優先順位性を地域みずから考えるための会であり,自治会,町内会を中心に,民生・児童委員,社会福祉協議会,PTA,NPO,ボランティア団体などさまざまな分野で活動している多くの方々で構成される会になる」とのことでした。そして「あくまでも地域の自主的な取り組みのもとで推し進められる」。現実にはあり得ない話のようにさえ思えます。
こうした会が地域で自主的に設立されるとき,メンバーになるのは活動時間が自由になる経済的にも困ることのないさまざまな分野の長であり,重鎮ではありませんか。その地域を将来的に担っていく,いえ,現に担っているはずの小学生や中学生を持つ年代の方々が参画することは可能なのでしょうか。こうした方々を欠いて,本当の意味での地域の課題や問題を把握することができるのですか。コミュニティーは,外からの力や思惑によって枠をはめられたとき,あるいは組織化されたとき,権限とか権力とか何がしかの力を持つ質的変化を起こしたものになってしまうと思うのです。地域コミュニティ協議会は,現在ある自治会,町内会,自治連合会が果たしている役割とどう違えることができるのでしょう。結局屋上屋を重ねることになるのではありませんか,お伺いします。
昨年10月,市民協働政策室が行った「元気コミュニティ〜「まちづくり」から「まち育て」へ〜」と題したイベントは,大変刺激的でおもしろく有意義なものでした。そこで紹介された京都市のユーコートの取り組みは,私にとってはコミュニティー形成の理想形となりました。人も住まいも環境も地域も,そしてその関係性も時とともに育っていくものというまち育ての考え方は,対象としての環境を人がつくり直すまちづくりにかわる考え方です。コミュニティーの育成には,時間と種,仕掛けが必要だとこの日学びました。参加し,そして壇上に出演もされていた市長はどう受けとめられましたでしょうか。小学校単位だの協議会だのと枠をはめたり組織したりせず,種をまき,時間をかけてコミュニティーをはぐくんではいかがですか。お考えをお尋ねします。
3番目の質問,新幹線側道と市道との交差点における交通安全対策についてお尋ねします。
2週間ほど前になりますが,犬の散歩中に二晩続けて同じ場所で警察が処理中の交通事故の現場に行き会いました。1日目は若い女性が,2日目は学生のような若い男性が,寒空の下で警察官の問いに答えていましたが,事故のショックがそうさせるのか,震えるように緊張した様子でした。場所は,女池北1丁目地内の新幹線高架下の側道が市道と交わる交差点です。ここは,設置されているカーブミラーがいつ見ても破損していると言っても決してオーバーではないほど交通事故が非常に多いところです。東警察署の交通捜査課にお尋ねしたところ,この地点ではことしに入って1月から2月末までに人身にかかわる事故だけで既に3件起きているとのことでした。先日私が目撃した事故はけが人がなかったようですので,この数字には含まれていません。とすれば,2カ月の間に少なくとも5件以上の事故が発生しているということです。また,こことこの地点から数百メートル新潟駅寄りの同じように新幹線側道と市道が交差する地点,この2地点では人身事故だけで平成15年では15件,16年では19件が発生しています。財団法人新潟南地区交通安全協会の事業資料でも「交差点における交通事故が全交通事故の53%以上を占めて,県下平均の構成比を大きく上回っており,交差点事故の防止対策が大変重要であることを示しています」とこの地域の現状を分析しています。
新幹線の側道は,どこも交差する市道とは直角には交わっておらず,見通しが悪いことに加えて,新幹線に沿って左右数メートルの距離で2本の道が走っていること,さらにこのポイントには網川原1号が交差しているため,大変複雑な構造になっています。一方,交わる市道の方も平行して走る表通り,新潟亀田内野線,これは女池インターチェンジと県庁を結ぶ県道ですが,朝夕大変な混雑,渋滞となるため,その抜け道となっていて,結構な交通量です。この道は,上山小学校と上山中学校に通う子供たちの通学路でもあり,これまでこの子供たちや地域の高齢者が事故に巻き込まれていないのは,地元では奇跡とまで言われています。しかし,いつかそうした事態が起こるのではないかと,地域の住人はいつも不安を抱えて生活しており,地区自治連合会からは「道路整備と歩道の設置について」「カーブミラーの設置について」「信号機の設置について」などなど,毎年新潟市と東警察署に対して新幹線側道における交通安全対策に関する予算陳情が続いております。このような不安を解消し,地域の住人が安心して暮らしていくために,以下質問いたします。
まず,こうした多発する事故の原因をどのようにとらえているのか,これまでどのような改善策がとられて,その改善策はどのような成果を上げたのか,お尋ねします。
私たちは,「見通しが悪いのだから角を切ればいいんじゃないか」とか,「側道を左右一方通行にすればいいんじゃないか」とか,「いや,とにかく信号機をつけるのが先決だ」などと,額を集めては素人考えでああでもない,こうでもないと頭を悩ませていますが,道や交通のプロとしては,原因は道の構造上の問題なのか,あるいはドライバーの問題なのか,どのように考えておられるのでしょうか,お聞かせください。
3点目に,今後の対策をお尋ねします。
高架下の空間は駐車場として使われたり,一部店舗になっているところもありますが,空き地も多く,雑草が丈高く伸びて視界を遮り,場所によっては側道にまで伸び出してきて通行の妨げになっています。さらに,不心得者がこの空き地にごみを投棄して,瓶,缶,ビニール袋は言うに及ばず,テレビや古タイヤの果てまで散乱し,私たち地元の者や子供たちがクリーン作戦などで拾い集めても際限がありません。こうした高架下の荒涼とした景色もまた実際の事故の多さと相まって私たち住民の不安を倍加させているのではないかと,これもまた素人考えですが,思います。そして,これほど事故が起きているのに,こんなに陳情しているのに,なぜ信号がつかないのか,なぜ放置されているのかといった不満が不安を増幅させているとも言えます。いたずらに不安を募らせないために,どういう手法が可能で何が不可能なのか,そしてそれはなぜなのかを地域の方々と話し合う勉強会を開いて協力を仰ぎ,交通安全をきっかけとしたトータルなまちづくり,道づくりとして取り組んでいかれることを提案いたします。そして,お考えをお聞かせください。
交通事故への不安の解消が道の問題ということだけではなく,景観を含めた地域の生活環境全体の改善として取り組まれるならば,高架下の地権者,管理者であるJRの協力は欠かせません。そもそもJRは,このように自分たちの新幹線高架のその側道が問題視されていることを知っておられるのでしょうか。協力していただけるよう対策の協議に加わっていただきたいと思いますが,いかがでしょう。お尋ねします。
最後になりますが,長い目で見た取り組みと同時に,まず求められているのは事故軽減のための道路改良です。対策事業の予定があるのかないのか,あるとすればどのような対策が予定されているのかお示しください。
平成16年2月定例会質問
新潟無所属の吉田ひさみです。通告に従い,代表質問をいたします。
初めに,合併・政令指定都市を目指したまちづくりについて,お考えをお聞きします。
新潟地域合併協議会も2回を終え,大きな山を越えたと言っても過言ではないでしょう。任意協議会から先日の第2回法定協議会までを傍聴してまいりましたが,市長がこの難関を楽しそうにさえ見えるほど伸びやかに乗り切っておられる様子を拝見し,ほとほと感心しております。市長を支えてこられた専門部会を初めとする事務局の方々の御労苦に称賛を惜しみません。百里の道と言うまでもなく,合併に向けて準備が本格化するこれからが各部局,各課,各担当の忙しさの本番でしょう。心身の健康に留意され,良好なチームワークのもとに乗り切っていただきたいと切に願っております。
ところで,近ごろは周りの方々から合併や政令指定都市についてお尋ねをいただくようになりました。こちらから持ち出さなければ話題にならなかった数カ月前から比べれば,市民の間で合併や政令指定都市を目指すということが随分現実のものになってきているのかなという実感です。
皆さんのお尋ねの趣旨は大抵こうです。「政令指定都市になるために合併するのでしょう。政令指定都市になって権限が移譲されると言うけれど,それは市役所の人たちが仕事がしやすくなるということであって,私たち市民にとっては何が変わるの」。「今さら何を」とおっしゃらないでください。現実のものになってきたればこそ,自分の問題としてどこがどう変わるのか,期待と不安が膨らんでいるのですから。
先般の所信表明の中で,市長は「合併と政令市をばねにすれば,厳しい経済環境の中でも雇用の拡大と活性化を大きく前進させることができる」と述べておられます。合併説明会やさまざまな場面で「政令市になれば多くのビジネスチャンスが生まれる」とも発言しておられますし,昨日の鈴木議員の代表質問に答えてもおられます。
また,先日の新潟都市圏の将来像を考えるシンポジウムでは,基調講演をされた講師の方々も,シンポジストとして登壇された小川豊栄市長,篠田市長もこぞって,金沢市との比較の中で「都市間競争に勝利しなければならない。そのためには,政令指定都市になって新潟をブランド化しなければならない」と力説しておられました。キーワードは「北東アジア経済」と「交流人口」でした。政令指定都市になると,すばらしい未来がすぐそこに待っているような,わくわくさせられるお話でした。
がしかし,どこかに違和感のようなものも感じました。どうして政令指定都市になって都市間競争に勝利すると市民の福祉が向上するのでしょうか。私を含めて大多数の新潟市民は,ビジネスチャンスなど思いもよらない,日々の暮らしに精いっぱいの市民です。北東アジア経済戦略になどどうかかわっていったらいいのか思いも及ばない,きょう,あすの営みに汗を流している零細の事業主や商店主と,そこに雇われ,失業と背中合わせに働く市民です。政令指定都市というブランドで交流人口がふえても,それが何ほど自分たちの暮らしを助けてくれるのかと思います。
雇用創出・産業活性化総合戦略会議の御提言に,基本戦略と基本施策の一つとして「チャレンジと競争をたたえる社会風土の創造」があります。市民サービスの向上を旨としてコスト意識を高め,その手段に競争原理を働かせるというお考えには賛成です。しかし,公益を代表する行政がその基本の施策に競争をたたえると据えるのは,勝者の論理にくみするものではないかと,率直に申し上げて危険な気がいたします。
私ごとき若輩がわかったげに申し上げるのは僣越ですが,世の中はほんの一握りの勝ち組と,それと同数の負け組と,そして勝ち負けへの参加など思いも及ばない大多数の人々から成っているのではありませんか。そして,勝ち組への支援もさることながら,負け組と多くの勝ち負けになど不参加の市民への配慮と援助こそが市政運営に求められているのではありませんか。
今後の市政運営の方向性として,さまざまな事業が民間委託され,スリム化され,行政の仕事として行うのは主に事業の配置とコーディネートへと変わっていくと考えられます。そこに競争原理や勝者の論理が働いたとき,公益性や福祉がどの程度守られていくのでしょうか。グローバルな視点で新潟市の発展を見通しつつも,足元の市民生活にこそ重心を置いていただきたいと思います。
お尋ねします。都市間競争の勝利を目指した政令指定都市づくりは市民の福祉を向上させるのでしょうか。
次に,産業の活性化に向けた取り組みについて伺います。
先般,今ほども触れましたが,新潟市雇用創出・産業活性化総合戦略会議の中間取りまとめ案が出されました。これに先立って,この戦略会議や公募した市民からの提案を既に事業化してもいます。対応の素早さに感服いたします。新潟における経済,経営のトッププロたちによって,まちの産業活性や雇用が危機感を持って議論され,しかもただ議論,提言するにとどまらず,事業化に向けて推進役としての働きかけまで担っていただけるというのは,これまでのいわゆる諮問機関としての会議とは一味も二味も違うすばらしいことだと思いますし,その実効性が期待されます。最終報告のまとめに向けて具体的な議論が積み重ねられていくものと大きな期待を抱くところですが,この中間報告の段階で気になる点が2点ありますので,提案して質問といたします。
まず,御提言のあった四つの基本戦略と基本施策のどこをだれがどう担うのかということが見えないという点です。例えば食の魅力をアジアの巨大なマーケットに売り込んでいくのはだれで,そのための道筋をだれがどうやってつけるのか,食品,環境,健康,デジタルコンテンツ等で世界的な視野に立った人材をどこでだれがどうやって育成するのか,これを明らかにしてこそ,実効性ある戦略となるのではないでしょうか。
気になる2点目は,メンバーに農業関係者がおられないということです。私たちが目指しているのは,田園型の政令指定都市です。食と農を戦略の第一に掲げて取り組もうというその中に関係者が入っていらっしゃらないというのは,いかにも弱いのではないでしょうか。そういえば,ものづくり・技づくり職場体験事業の職種の中に農業はありませんでした。後継者不足が言われ,これからさまざまな営農を模索していこうという農業の分野にこそ,若い人たちにチャレンジしていただきたいと思うのですが,残念です。取り組みの任務分担を明らかにし,新しいネットワークを構築するためにも,戦略会議の御提言をアクションプランとして構成し,実効性を高めていくことを提案し,市長のお考えを伺います。
さて,くどいようですが,私たちが目指しているのは田園型政令指定都市です。農業ばかりが田園型を象徴するわけではありませんが,それでも日本一の農地面積を有することになる新・新潟市にとって,産業としての農業の活性化は欠かすことのできない大命題であります。合併建設計画には白根のアグリパークが予定されていますし,昨年度当初予算では植物園整備事業費であった463万円が本年度は755万円へと増額され,整備計画も農業支援センターとしての機能を充実させる方向であるとお聞きしています。
昨年は,旭川の農業センターを文教経済常任委員会で視察してまいりましたが,4年前私たち会派で視察した愛媛県内子町の農業センターも学ぶことの多い取り組みをなさっていました。ぜひ研究していただきたいと思います。
都市と農村の均衡ある発展のためには,生産者と消費者の交流は重要な事業であり,市長も地産地消を積極的に推奨されていますが,交流は地元でとれた農産物の売買にとどまらず,農業者の営農の困難さや消費者の安心,安全を求める声が交換され,お互いに理解され,新しい農業に結びつくような事業の展開が望まれます。また,農村休暇法によるグリーンツーリズムへの取り組みも期待されるところです。さきにも述べましたように,雇用創出・産業活性化総合戦略会議とも積極的にネットワークしていくことも有効でしょう。田園型政令指定都市づくりの具体的施策についてお聞かせください。
さて,先ごろ21世紀新潟県都市政策ビジョンが発表されました。目標期間を21世紀中ごろとする新たな都市づくりの指針であり,県の都市計画マスタープランの上位計画として位置づけられています。このビジョンでは,これからの都市づくりの目標像をコンパクトな都市として設定し,その実現のためのプログラムがふんだんな各地の実践事例の紹介とともに盛り込まれています。新潟市,長岡市,上越市を初めとする県内20市とその周辺を想定しているとのことですが,田園型政令指定都市,分権型政令指定都市として,これまでにない全く新しいまちづくりを目指す新潟市の現在と未来を重ね合わせたとき,大変興味深い示唆に富んだ提言であります。
そして,このビジョンを現実のものとする新潟都市計画マスタープラン案が示され,先月27日まで縦覧されていました。こちらは,目標年次を平成32年,2020年とする都市計画区域の整備,開発及び保全の方針です。本市を含む新潟都市計画区域では,市街化区域内において未利用地,低利用となっている区域については,必要な規制誘導策を講じて有効な利用を図り,低・未利用地を多く残したままでの市街化区域の拡大は行わないとして,平成17年次の市街化区域面積を1万3,933ヘクタールと想定するなど,方針とは言いながら,かなり具体的です。
一方,本市は2015年を目標年次とした新潟市都市計画区域マスタープランを平成12年に策定し,この方針に沿ったまちづくりを既に展開中であります。将来都市構造の形成方針を「内陸部への進展方向で,新たな市街地の形成を図る」と定め,土地区画整理事業地については,松崎,小新白鳥を初めとする6地区をこの平成12年に市街化区域決定し,既に開発が進められています。
先行する本市マスタープランと新たな県のプランとの間に不整合は生じていないのでしょうか。また,合併が実現し,政令指定都市を目指すとならば,新たな都市計画が求められてきますが,今後の見直しはどのようにされていくのでしょうか。
県のマスタープランは市のプランの上位計画であり,これまではともすると上位計画に沿った形で,あるいは上位計画の範囲内で下位の計画が立てられてきましたが,本市の都市計画が新たに策定される際には,県に計画の見直しを求めるような主体的なまちづくりをしていただくことを強く要望して,質問といたします。
ところで,進む高齢社会を見据えた歩いて用の足りるまちづくりは,これまでも多くの市民が望んできた方向性でした。日常の買い物をする地元商店,かかりつけの医院,交流の場としての公園や公民館が徒歩で,あるいは自転車で行ける距離にあってほしいという声は,いつもそこここで耳にします。しかし,現実には郊外の大型商業施設や総合病院に人は集まり,まちなかの商店や医院は廃業し,いわゆる空洞化と言われる現象は著しく進んでしまいました。
県のビジョンが目標とする都市像,コンパクトな都市,コンパクトシティーは,いわば歩いて用の足りるまちの未来形とでもいうようなイメージであり,市長がしばしば言われるまちなか中心主義もイメージの重なるところがありますが,こうしたまちなかの再生は,今となっては大変難しいのではないかと想像されます。コンパクトシティーに対する市長のお考えをお聞かせください。
次に,土地利用のコントロールについてお尋ねいたします。
田園型政令指定都市を目指す本市ではありますが,産業としての農業は大変厳しい状況にありますことは,今ほどの岡本議員のお話でも明らかであります。後継者不足も重なって,農業を継続していくことが困難になり,農地の転用,開発を望んでおられる方も少なくないとお聞きします。合併が実現し,市域が拡大すれば,一層市街化調整区域から市街化区域への変更を求められる場面や,土地区画整理事業の実施を求められることも多くなるのではないでしょうか。
がしかし,一方,人口の減少や長期的な経済の低成長,あるいはこれまでの拡大一方の都市計画への反省から,今後は開発を抑制し,人口集積を高め,求心性の高いまちづくりが求められており,こうしたはざまで,まちづくりの方向性への本市の確固たる意思と,市民の理解と同意が不可欠となります。土地利用のコントロールをどのようにされていくおつもりか,市長のお考えを伺います。
質問の二つ目,消費者政策の推進についてお尋ねします。
打ち続く景気の低迷の中で,苦しい生活を少しでも改善したいという市民感情につけ込んだ悪質商法や詐欺商法の被害報道が後を絶ちません。NPO(特定非営利活動団体)を名乗ったサラ金回収業者や,子育て中の働きに出ることが困難な女性をターゲットにした内職詐欺業者などが,よくもまあなさそうでありそうなからくりを思いつくものだと驚くような手口で弱い立場の者をねらい撃ちにしています。そして,これもまた驚かざるを得ないのですが,これだけ報道され,警鐘が鳴らされていても,自分だけは違うと思われるのか,多少の違いはあれ,客観的に見れば似たような手口にはまってしまう被害者がなくなりません。わらをもつかむ思いといいますが,それだけ市民生活が困窮をきわめているということなのでしょうか。
こうした社会状況の中「消費者保護基本法の改正が現在開かれている第159回国会に提案される」との新聞報道がありました。報道では改正案の骨子の発表にとどまり,詳しい内容はインターネット上を初めどこを見ても明らかにされていませんが,この骨子を見る限りでは,改正案は,内閣府国民生活局に置かれた国民生活審議会消費者生活部会が昨年5月にまとめた「21世紀型の消費者生活の在り方について」の報告書第5章で求めている「消費者保護法見直しの必要性」に基づいていると思われます。
この中に示された法見直しの方向性は,消費者の位置づけを保護される者から自立した主体へと転換すること,消費者の権利を明確にすること,消費者の権利実現のため,各主体の責務,役割や消費者政策の方向性を位置づけることとしています。また,消費者政策の理念を明らかにすることや,行政,事業者の責務と消費者の役割を明確にすること,苦情処理,紛争解決の規定や行政の推進体制の充実,強化も求めています。諸外国との比較の中で,権利意識や契約者意識が希薄だと言われる日本の国民性を考えると,さらには今ほど述べたような社会状況をあわせて考えると,消費者の自己責任の負担は増大し,混乱が予想されます。
本市におきましては,消費生活センターが消費生活の苦情相談から解決及び消費者教育と啓発の事業など消費者保護に取り組んでおられ,消費生活相談ではその相談件数が年々増加し,昨年度1年間の相談件数が3,373件であったのに対し,本年度は12月末現在で既に4,524件と大きく上回るという状況にあります。消費者保護基本法が消費者基本法へと抜本改正され,保護される者であった消費者の位置づけが自立した主体へと大きく転換された際には,消費者教育や啓発の必要性が格段に高まり,消費生活センターの担う責務が飛躍的に増大することは現況から見ても明らかです。
そこで,以下2点についてお尋ねいたします。
1点目は,相談体制の充実,強化を図る必要があると考えますが,いかがでしょうか。
2点目は,権利意識,契約意識を醸成する消費者教育と啓発を積極的に推進する必要があると考えますが,いかがでしょうか。
さて,御承知のように,一昨年発生して,日本の酪農業や農業に大きなダメージを与え,終息したかに思われたBSEの問題が再びアメリカで発生し,我が国の流通産業や外食産業に打撃を与えています。さらに追い打ちをかけるように,鳥インフルエンザと呼ばれる感染症が発生し,食の安全を脅かしています。また,家電リサイクル法によって消費者から手数料を取って回収された電化製品がリサイクルされず,業者によって外国にいわゆる横流しされるという事件も記憶に新しいところです。契約の問題にとどまらず,こうした安全性の問題や,さらには環境の問題も消費者生活全般の課題であると考えたとき,消費者政策を一体的に,強力に推進する体制が必要であると考えます。
3点目に,消費者生活センターを核とした推進体制の整備を求めて,市長のお考えを伺います。
次に,女性の経済的自立への支援について質問いたします。
以前にもこの本会議場で,夫からの暴力の被害を受けている女性たちが,別れたら食べていけないからと離婚をためらい,屈辱的で危険にさらされる毎日を送らざるを得ないという話をさせていただきました。その後,配偶者からの暴力防止法,DV法が一定の効果を上げ,多くの被害女性たちが暴力の支配を逃れ,自立を目指していますが,経済的な困難は言うまでもありません。
寄せられるさまざまな相談ケースから見えてくるのは,暴力が自分より弱い者を力によって自分の思いどおりにコントロールしたいという支配欲のあらわれであるということです。力による人権侵害です。加害者は,妻が自分より弱い,劣っている,価値が低い,逆に言えば,自分は妻より強い,すぐれている,価値が高い,だから妻は自分の思うとおりになるべきだし,自分は思いどおりにしてもいいのだと潜在的に,あるいはともすると意識的に認定しているのです。この強い弱いは,言うまでもなく筋力ではありません。社会的な強さ,弱さであり,さらに言えば経済的な強さ,弱さです。
こうした加害者の愚かな思い込みを容易にしているのが,社会的な女性の地位の低さ,労働の分野における不平等です。平成15年度の男女共同参画白書によれば,日本の男女間賃金格差は,男性を100とした場合,女性は65.3にしかすぎません。こうした格差を生んでいるのは,出産・育児期に退職する女性が多いため,勤続年数が短くなること,さらにこの勤続年数の差が昇給,昇格の格差を生んで,ますます大きな賃金の格差を生じさせることになっていると白書は分析しています。
ですが,勤続年数ばかりが昇給,昇格の差を生んでいるわけではないことは言うまでもありません。私が以前勤務していた職場でも,勤続年数が13年も長い女性よりも先に後輩の男性が係長になりました。大変お世話になり,今でも大好きな職場ですが,この不平等な取り扱いに対してだけは憤りを感じています。
賃金格差だけではありません。職場におけるセクシュアルハラスメントがこれだけ周知され,理解されたように思われても,労働局雇用均等室に寄せられる相談の件数は増加する一方であるとのことですし,私がこの二,三年の間に扱った複数の相談はすべて,セクシュアルハラスメントの加害者ではなく,被害者である女性が解雇されるという,不平等を超えて理不尽なケースでした。
このように女性は労働の片隅に追いやられ,社会的評価から締め出され,そして社会は世の中のこうした状況を勘違いした一部の暴力夫たちの犯罪行為の理由づけをさせてしまっているのです。男女共同参画社会の形成が促進され,殊に労働の分野での平等が実現され,女性が経済的に自立すれば,男女間の暴力を生まない社会をつくることができるとも言えるのです。
市長は,男女共同参画社会形成の推進における女性の経済的自立の重要性をどのようにお考えでしょうか,お尋ねいたします。
今国会に「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の一部改正が提案されています。子供の看護休暇の新設,1歳から1歳半までの間の子に対しても,申し出により育児休業を取得できることなどが盛り込まれ,わずかずつではありますが,女性が働き続けるための条件整備が進んできています。しかし,決して十分と言えるものでないことは言うまでもありません。
先日,男女共同参画推進議員連盟の研修会で,東京都は東京都男女共同参画基本条例の13条で「事業者は,雇用の分野において,男女共同参画を促進する責任を有する」とし「知事は事業者に対して参画状況の報告を求めることができ,その報告を公表し,報告に基づき助言することができる」と規定していると学びました。我が新潟市も政令指定都市になれば,県と同等の権限を持つことができるわけです。市長には,その権限をこうした男女共同参画や労働の分野でも発揮していただきたいと思います。
2点目に,いまだ不平等の著しい労働分野での平等に向けた環境整備への取り組みをお尋ねいたします。
最後に,母子家庭の自立支援について伺います。
一昨年の12月定例議会一般質問で,年々増加を続けている母子家庭のこの不況下での生活困窮の深刻化を訴え,その自立支援が急務であるとの質問をさせていただきました。その際には「生活の場の確保や就労支援などについて検討を進め,より実効性のある対策を講じるよう国に働きかけていく」との御答弁をいただいております。その後の御検討の進捗をお示しください。
初めに,国へはどのような働きかけがなされたのでしょうか。二つ目に,自立促進計画の策定のお考えはないでしょうか。さらに,今後の取り組みをお聞かせください。
とにかく,就労に関しては着実に実効の上がる支援策が必要です。強く要望して,私の質問を終わります
初めに,合併・政令指定都市を目指したまちづくりについて,お考えをお聞きします。
新潟地域合併協議会も2回を終え,大きな山を越えたと言っても過言ではないでしょう。任意協議会から先日の第2回法定協議会までを傍聴してまいりましたが,市長がこの難関を楽しそうにさえ見えるほど伸びやかに乗り切っておられる様子を拝見し,ほとほと感心しております。市長を支えてこられた専門部会を初めとする事務局の方々の御労苦に称賛を惜しみません。百里の道と言うまでもなく,合併に向けて準備が本格化するこれからが各部局,各課,各担当の忙しさの本番でしょう。心身の健康に留意され,良好なチームワークのもとに乗り切っていただきたいと切に願っております。
ところで,近ごろは周りの方々から合併や政令指定都市についてお尋ねをいただくようになりました。こちらから持ち出さなければ話題にならなかった数カ月前から比べれば,市民の間で合併や政令指定都市を目指すということが随分現実のものになってきているのかなという実感です。
皆さんのお尋ねの趣旨は大抵こうです。「政令指定都市になるために合併するのでしょう。政令指定都市になって権限が移譲されると言うけれど,それは市役所の人たちが仕事がしやすくなるということであって,私たち市民にとっては何が変わるの」。「今さら何を」とおっしゃらないでください。現実のものになってきたればこそ,自分の問題としてどこがどう変わるのか,期待と不安が膨らんでいるのですから。
先般の所信表明の中で,市長は「合併と政令市をばねにすれば,厳しい経済環境の中でも雇用の拡大と活性化を大きく前進させることができる」と述べておられます。合併説明会やさまざまな場面で「政令市になれば多くのビジネスチャンスが生まれる」とも発言しておられますし,昨日の鈴木議員の代表質問に答えてもおられます。
また,先日の新潟都市圏の将来像を考えるシンポジウムでは,基調講演をされた講師の方々も,シンポジストとして登壇された小川豊栄市長,篠田市長もこぞって,金沢市との比較の中で「都市間競争に勝利しなければならない。そのためには,政令指定都市になって新潟をブランド化しなければならない」と力説しておられました。キーワードは「北東アジア経済」と「交流人口」でした。政令指定都市になると,すばらしい未来がすぐそこに待っているような,わくわくさせられるお話でした。
がしかし,どこかに違和感のようなものも感じました。どうして政令指定都市になって都市間競争に勝利すると市民の福祉が向上するのでしょうか。私を含めて大多数の新潟市民は,ビジネスチャンスなど思いもよらない,日々の暮らしに精いっぱいの市民です。北東アジア経済戦略になどどうかかわっていったらいいのか思いも及ばない,きょう,あすの営みに汗を流している零細の事業主や商店主と,そこに雇われ,失業と背中合わせに働く市民です。政令指定都市というブランドで交流人口がふえても,それが何ほど自分たちの暮らしを助けてくれるのかと思います。
雇用創出・産業活性化総合戦略会議の御提言に,基本戦略と基本施策の一つとして「チャレンジと競争をたたえる社会風土の創造」があります。市民サービスの向上を旨としてコスト意識を高め,その手段に競争原理を働かせるというお考えには賛成です。しかし,公益を代表する行政がその基本の施策に競争をたたえると据えるのは,勝者の論理にくみするものではないかと,率直に申し上げて危険な気がいたします。
私ごとき若輩がわかったげに申し上げるのは僣越ですが,世の中はほんの一握りの勝ち組と,それと同数の負け組と,そして勝ち負けへの参加など思いも及ばない大多数の人々から成っているのではありませんか。そして,勝ち組への支援もさることながら,負け組と多くの勝ち負けになど不参加の市民への配慮と援助こそが市政運営に求められているのではありませんか。
今後の市政運営の方向性として,さまざまな事業が民間委託され,スリム化され,行政の仕事として行うのは主に事業の配置とコーディネートへと変わっていくと考えられます。そこに競争原理や勝者の論理が働いたとき,公益性や福祉がどの程度守られていくのでしょうか。グローバルな視点で新潟市の発展を見通しつつも,足元の市民生活にこそ重心を置いていただきたいと思います。
お尋ねします。都市間競争の勝利を目指した政令指定都市づくりは市民の福祉を向上させるのでしょうか。
次に,産業の活性化に向けた取り組みについて伺います。
先般,今ほども触れましたが,新潟市雇用創出・産業活性化総合戦略会議の中間取りまとめ案が出されました。これに先立って,この戦略会議や公募した市民からの提案を既に事業化してもいます。対応の素早さに感服いたします。新潟における経済,経営のトッププロたちによって,まちの産業活性や雇用が危機感を持って議論され,しかもただ議論,提言するにとどまらず,事業化に向けて推進役としての働きかけまで担っていただけるというのは,これまでのいわゆる諮問機関としての会議とは一味も二味も違うすばらしいことだと思いますし,その実効性が期待されます。最終報告のまとめに向けて具体的な議論が積み重ねられていくものと大きな期待を抱くところですが,この中間報告の段階で気になる点が2点ありますので,提案して質問といたします。
まず,御提言のあった四つの基本戦略と基本施策のどこをだれがどう担うのかということが見えないという点です。例えば食の魅力をアジアの巨大なマーケットに売り込んでいくのはだれで,そのための道筋をだれがどうやってつけるのか,食品,環境,健康,デジタルコンテンツ等で世界的な視野に立った人材をどこでだれがどうやって育成するのか,これを明らかにしてこそ,実効性ある戦略となるのではないでしょうか。
気になる2点目は,メンバーに農業関係者がおられないということです。私たちが目指しているのは,田園型の政令指定都市です。食と農を戦略の第一に掲げて取り組もうというその中に関係者が入っていらっしゃらないというのは,いかにも弱いのではないでしょうか。そういえば,ものづくり・技づくり職場体験事業の職種の中に農業はありませんでした。後継者不足が言われ,これからさまざまな営農を模索していこうという農業の分野にこそ,若い人たちにチャレンジしていただきたいと思うのですが,残念です。取り組みの任務分担を明らかにし,新しいネットワークを構築するためにも,戦略会議の御提言をアクションプランとして構成し,実効性を高めていくことを提案し,市長のお考えを伺います。
さて,くどいようですが,私たちが目指しているのは田園型政令指定都市です。農業ばかりが田園型を象徴するわけではありませんが,それでも日本一の農地面積を有することになる新・新潟市にとって,産業としての農業の活性化は欠かすことのできない大命題であります。合併建設計画には白根のアグリパークが予定されていますし,昨年度当初予算では植物園整備事業費であった463万円が本年度は755万円へと増額され,整備計画も農業支援センターとしての機能を充実させる方向であるとお聞きしています。
昨年は,旭川の農業センターを文教経済常任委員会で視察してまいりましたが,4年前私たち会派で視察した愛媛県内子町の農業センターも学ぶことの多い取り組みをなさっていました。ぜひ研究していただきたいと思います。
都市と農村の均衡ある発展のためには,生産者と消費者の交流は重要な事業であり,市長も地産地消を積極的に推奨されていますが,交流は地元でとれた農産物の売買にとどまらず,農業者の営農の困難さや消費者の安心,安全を求める声が交換され,お互いに理解され,新しい農業に結びつくような事業の展開が望まれます。また,農村休暇法によるグリーンツーリズムへの取り組みも期待されるところです。さきにも述べましたように,雇用創出・産業活性化総合戦略会議とも積極的にネットワークしていくことも有効でしょう。田園型政令指定都市づくりの具体的施策についてお聞かせください。
さて,先ごろ21世紀新潟県都市政策ビジョンが発表されました。目標期間を21世紀中ごろとする新たな都市づくりの指針であり,県の都市計画マスタープランの上位計画として位置づけられています。このビジョンでは,これからの都市づくりの目標像をコンパクトな都市として設定し,その実現のためのプログラムがふんだんな各地の実践事例の紹介とともに盛り込まれています。新潟市,長岡市,上越市を初めとする県内20市とその周辺を想定しているとのことですが,田園型政令指定都市,分権型政令指定都市として,これまでにない全く新しいまちづくりを目指す新潟市の現在と未来を重ね合わせたとき,大変興味深い示唆に富んだ提言であります。
そして,このビジョンを現実のものとする新潟都市計画マスタープラン案が示され,先月27日まで縦覧されていました。こちらは,目標年次を平成32年,2020年とする都市計画区域の整備,開発及び保全の方針です。本市を含む新潟都市計画区域では,市街化区域内において未利用地,低利用となっている区域については,必要な規制誘導策を講じて有効な利用を図り,低・未利用地を多く残したままでの市街化区域の拡大は行わないとして,平成17年次の市街化区域面積を1万3,933ヘクタールと想定するなど,方針とは言いながら,かなり具体的です。
一方,本市は2015年を目標年次とした新潟市都市計画区域マスタープランを平成12年に策定し,この方針に沿ったまちづくりを既に展開中であります。将来都市構造の形成方針を「内陸部への進展方向で,新たな市街地の形成を図る」と定め,土地区画整理事業地については,松崎,小新白鳥を初めとする6地区をこの平成12年に市街化区域決定し,既に開発が進められています。
先行する本市マスタープランと新たな県のプランとの間に不整合は生じていないのでしょうか。また,合併が実現し,政令指定都市を目指すとならば,新たな都市計画が求められてきますが,今後の見直しはどのようにされていくのでしょうか。
県のマスタープランは市のプランの上位計画であり,これまではともすると上位計画に沿った形で,あるいは上位計画の範囲内で下位の計画が立てられてきましたが,本市の都市計画が新たに策定される際には,県に計画の見直しを求めるような主体的なまちづくりをしていただくことを強く要望して,質問といたします。
ところで,進む高齢社会を見据えた歩いて用の足りるまちづくりは,これまでも多くの市民が望んできた方向性でした。日常の買い物をする地元商店,かかりつけの医院,交流の場としての公園や公民館が徒歩で,あるいは自転車で行ける距離にあってほしいという声は,いつもそこここで耳にします。しかし,現実には郊外の大型商業施設や総合病院に人は集まり,まちなかの商店や医院は廃業し,いわゆる空洞化と言われる現象は著しく進んでしまいました。
県のビジョンが目標とする都市像,コンパクトな都市,コンパクトシティーは,いわば歩いて用の足りるまちの未来形とでもいうようなイメージであり,市長がしばしば言われるまちなか中心主義もイメージの重なるところがありますが,こうしたまちなかの再生は,今となっては大変難しいのではないかと想像されます。コンパクトシティーに対する市長のお考えをお聞かせください。
次に,土地利用のコントロールについてお尋ねいたします。
田園型政令指定都市を目指す本市ではありますが,産業としての農業は大変厳しい状況にありますことは,今ほどの岡本議員のお話でも明らかであります。後継者不足も重なって,農業を継続していくことが困難になり,農地の転用,開発を望んでおられる方も少なくないとお聞きします。合併が実現し,市域が拡大すれば,一層市街化調整区域から市街化区域への変更を求められる場面や,土地区画整理事業の実施を求められることも多くなるのではないでしょうか。
がしかし,一方,人口の減少や長期的な経済の低成長,あるいはこれまでの拡大一方の都市計画への反省から,今後は開発を抑制し,人口集積を高め,求心性の高いまちづくりが求められており,こうしたはざまで,まちづくりの方向性への本市の確固たる意思と,市民の理解と同意が不可欠となります。土地利用のコントロールをどのようにされていくおつもりか,市長のお考えを伺います。
質問の二つ目,消費者政策の推進についてお尋ねします。
打ち続く景気の低迷の中で,苦しい生活を少しでも改善したいという市民感情につけ込んだ悪質商法や詐欺商法の被害報道が後を絶ちません。NPO(特定非営利活動団体)を名乗ったサラ金回収業者や,子育て中の働きに出ることが困難な女性をターゲットにした内職詐欺業者などが,よくもまあなさそうでありそうなからくりを思いつくものだと驚くような手口で弱い立場の者をねらい撃ちにしています。そして,これもまた驚かざるを得ないのですが,これだけ報道され,警鐘が鳴らされていても,自分だけは違うと思われるのか,多少の違いはあれ,客観的に見れば似たような手口にはまってしまう被害者がなくなりません。わらをもつかむ思いといいますが,それだけ市民生活が困窮をきわめているということなのでしょうか。
こうした社会状況の中「消費者保護基本法の改正が現在開かれている第159回国会に提案される」との新聞報道がありました。報道では改正案の骨子の発表にとどまり,詳しい内容はインターネット上を初めどこを見ても明らかにされていませんが,この骨子を見る限りでは,改正案は,内閣府国民生活局に置かれた国民生活審議会消費者生活部会が昨年5月にまとめた「21世紀型の消費者生活の在り方について」の報告書第5章で求めている「消費者保護法見直しの必要性」に基づいていると思われます。
この中に示された法見直しの方向性は,消費者の位置づけを保護される者から自立した主体へと転換すること,消費者の権利を明確にすること,消費者の権利実現のため,各主体の責務,役割や消費者政策の方向性を位置づけることとしています。また,消費者政策の理念を明らかにすることや,行政,事業者の責務と消費者の役割を明確にすること,苦情処理,紛争解決の規定や行政の推進体制の充実,強化も求めています。諸外国との比較の中で,権利意識や契約者意識が希薄だと言われる日本の国民性を考えると,さらには今ほど述べたような社会状況をあわせて考えると,消費者の自己責任の負担は増大し,混乱が予想されます。
本市におきましては,消費生活センターが消費生活の苦情相談から解決及び消費者教育と啓発の事業など消費者保護に取り組んでおられ,消費生活相談ではその相談件数が年々増加し,昨年度1年間の相談件数が3,373件であったのに対し,本年度は12月末現在で既に4,524件と大きく上回るという状況にあります。消費者保護基本法が消費者基本法へと抜本改正され,保護される者であった消費者の位置づけが自立した主体へと大きく転換された際には,消費者教育や啓発の必要性が格段に高まり,消費生活センターの担う責務が飛躍的に増大することは現況から見ても明らかです。
そこで,以下2点についてお尋ねいたします。
1点目は,相談体制の充実,強化を図る必要があると考えますが,いかがでしょうか。
2点目は,権利意識,契約意識を醸成する消費者教育と啓発を積極的に推進する必要があると考えますが,いかがでしょうか。
さて,御承知のように,一昨年発生して,日本の酪農業や農業に大きなダメージを与え,終息したかに思われたBSEの問題が再びアメリカで発生し,我が国の流通産業や外食産業に打撃を与えています。さらに追い打ちをかけるように,鳥インフルエンザと呼ばれる感染症が発生し,食の安全を脅かしています。また,家電リサイクル法によって消費者から手数料を取って回収された電化製品がリサイクルされず,業者によって外国にいわゆる横流しされるという事件も記憶に新しいところです。契約の問題にとどまらず,こうした安全性の問題や,さらには環境の問題も消費者生活全般の課題であると考えたとき,消費者政策を一体的に,強力に推進する体制が必要であると考えます。
3点目に,消費者生活センターを核とした推進体制の整備を求めて,市長のお考えを伺います。
次に,女性の経済的自立への支援について質問いたします。
以前にもこの本会議場で,夫からの暴力の被害を受けている女性たちが,別れたら食べていけないからと離婚をためらい,屈辱的で危険にさらされる毎日を送らざるを得ないという話をさせていただきました。その後,配偶者からの暴力防止法,DV法が一定の効果を上げ,多くの被害女性たちが暴力の支配を逃れ,自立を目指していますが,経済的な困難は言うまでもありません。
寄せられるさまざまな相談ケースから見えてくるのは,暴力が自分より弱い者を力によって自分の思いどおりにコントロールしたいという支配欲のあらわれであるということです。力による人権侵害です。加害者は,妻が自分より弱い,劣っている,価値が低い,逆に言えば,自分は妻より強い,すぐれている,価値が高い,だから妻は自分の思うとおりになるべきだし,自分は思いどおりにしてもいいのだと潜在的に,あるいはともすると意識的に認定しているのです。この強い弱いは,言うまでもなく筋力ではありません。社会的な強さ,弱さであり,さらに言えば経済的な強さ,弱さです。
こうした加害者の愚かな思い込みを容易にしているのが,社会的な女性の地位の低さ,労働の分野における不平等です。平成15年度の男女共同参画白書によれば,日本の男女間賃金格差は,男性を100とした場合,女性は65.3にしかすぎません。こうした格差を生んでいるのは,出産・育児期に退職する女性が多いため,勤続年数が短くなること,さらにこの勤続年数の差が昇給,昇格の格差を生んで,ますます大きな賃金の格差を生じさせることになっていると白書は分析しています。
ですが,勤続年数ばかりが昇給,昇格の差を生んでいるわけではないことは言うまでもありません。私が以前勤務していた職場でも,勤続年数が13年も長い女性よりも先に後輩の男性が係長になりました。大変お世話になり,今でも大好きな職場ですが,この不平等な取り扱いに対してだけは憤りを感じています。
賃金格差だけではありません。職場におけるセクシュアルハラスメントがこれだけ周知され,理解されたように思われても,労働局雇用均等室に寄せられる相談の件数は増加する一方であるとのことですし,私がこの二,三年の間に扱った複数の相談はすべて,セクシュアルハラスメントの加害者ではなく,被害者である女性が解雇されるという,不平等を超えて理不尽なケースでした。
このように女性は労働の片隅に追いやられ,社会的評価から締め出され,そして社会は世の中のこうした状況を勘違いした一部の暴力夫たちの犯罪行為の理由づけをさせてしまっているのです。男女共同参画社会の形成が促進され,殊に労働の分野での平等が実現され,女性が経済的に自立すれば,男女間の暴力を生まない社会をつくることができるとも言えるのです。
市長は,男女共同参画社会形成の推進における女性の経済的自立の重要性をどのようにお考えでしょうか,お尋ねいたします。
今国会に「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の一部改正が提案されています。子供の看護休暇の新設,1歳から1歳半までの間の子に対しても,申し出により育児休業を取得できることなどが盛り込まれ,わずかずつではありますが,女性が働き続けるための条件整備が進んできています。しかし,決して十分と言えるものでないことは言うまでもありません。
先日,男女共同参画推進議員連盟の研修会で,東京都は東京都男女共同参画基本条例の13条で「事業者は,雇用の分野において,男女共同参画を促進する責任を有する」とし「知事は事業者に対して参画状況の報告を求めることができ,その報告を公表し,報告に基づき助言することができる」と規定していると学びました。我が新潟市も政令指定都市になれば,県と同等の権限を持つことができるわけです。市長には,その権限をこうした男女共同参画や労働の分野でも発揮していただきたいと思います。
2点目に,いまだ不平等の著しい労働分野での平等に向けた環境整備への取り組みをお尋ねいたします。
最後に,母子家庭の自立支援について伺います。
一昨年の12月定例議会一般質問で,年々増加を続けている母子家庭のこの不況下での生活困窮の深刻化を訴え,その自立支援が急務であるとの質問をさせていただきました。その際には「生活の場の確保や就労支援などについて検討を進め,より実効性のある対策を講じるよう国に働きかけていく」との御答弁をいただいております。その後の御検討の進捗をお示しください。
初めに,国へはどのような働きかけがなされたのでしょうか。二つ目に,自立促進計画の策定のお考えはないでしょうか。さらに,今後の取り組みをお聞かせください。
とにかく,就労に関しては着実に実効の上がる支援策が必要です。強く要望して,私の質問を終わります
平成15年12月定例会質問
吉田です。通告に従い質問いたします。
初めに,合併に残された課題のうち,ガス事業の取り扱いについてお尋ねいたします。
かつての黒埼町との合併議論の中で私が一番戸惑いを感じたのは,ガス事業に関するものでした。新潟市にはないガス事業を引き継ぐ。そのガス事業は,20年もの長きにわたって,なされるべき安全のための設備投資がなされず,全国的に見ても極めて低料金で提供されてきたが,しかし大変危険であるため,合併後は老朽管の取りかえ工事などに15億円もの支出が見込まれるとのことでした。これまで事故もなく,よく御無事でと思うと同時に,それはないんじゃないのと釈然としない思いも残りました。平成15年度中をめどに老朽管を解消するとの安全対策つきで北陸ガスへの譲渡が決まったときには,正直申し上げてほっとしました。
現在,白根市と小須戸町,西川町でガス事業が行われていて,任意協議会で合意された調整方針では,現行のまま地区ガス事業として引き継ぐ。あわせて,関係市町村の現状に応じ,事業の民間譲渡を視野に入れた検討もしくは対応を行うとされています。白根市のガス事業に関しては,11月28日付の新潟日報に「白根瓦斯への譲渡が議会議決された」と報じられていましたが,小須戸町,西川町のガス事業に関してはどのようにされるのか。新潟市のガス事業は,事業も企業会計も既に閉じられています。今後の取り扱いをお聞かせください。
次に,ITシステムの統一について伺います。
ガス事業同様に黒埼町合併の経験から大変気になっているのがITシステムの統一です。前回合併時には,戸籍システム,国民健康保険システム,財務会計システムなど約19システムのほか,ハードその他を含めて9億2,500万円余りもの経費が支出されています。まして,今回は12市町村とのシステム統一です。しかも,個人市町村民税均等割,法人市町村民税法人割,事業所税,都市計画税の4税は段階的に引き上げられる不均一課税であり,介護保険料に関しても経過措置がとられ,平成19年度までは税率や税額,保険料がおのおの違います。システム統一された後も入力の手間と経費は続きます。そして,これらのシステム統一は合併前に行われるため,建設計画には含まれず,合併経費との認識が希薄になってしまいますし,作業スケジュールも大変厳しいと想像されます。
そこで,市長に以下3点についてお尋ねいたします。
ア,13市町村中,どこのシステムに統一するのですか。
イ,システム統一のための経費は総額でどのくらい,新潟市の負担分はどのくらいと試算されていますか。また,どの時点で予算要求されるのでしょう。
ウ,システム統一に要する時間と,その後サービス提供にタイムラグが起きるなどの問題はないのでしょうか。
先般の平成14年度決算特別委員会で,あるシステム開発の際,県外の大手3社にしかお声がけしなかったとの報告がありました。サービスの安定提供は第一義的な大命題ですが,何しろ大きな額の事業です。より多くの企業に見積もりを出してもらって検討するくらいのことはしてもよかったのではないかと今でも思っています。このたびのシステム統一には莫大な経費が予想されます。サービスの安定提供とともに,ぜひともコストダウンにも最大限努めてくださるよう要望して,質問といたします。
ところで,通告の表題に「合併に残された課題」と表記しましたが,正確には「私の中に残された課題」であり,特にこの受益負担の公平感については私の中にこだわりとなっており,単なる感情論であろうことは承知の上でお尋ねいたします。
9月29日に終了した9回を数える任意協議会では,合併後も存続する各地域独自の19事務事業を含め226事業の調整方針と,地方税の取り扱い,使用料,手数料の取り扱いが合意されました。御承知のとおり,13市町村中,最も税負担の大きいのは新潟市であり,他の12市町村は,平成19年度いっぱいまでは段階的に上げていく不均一課税となることはさきに述べたとおりであります。一方,行政サービスはといえば,新潟市に比較して不足しているサービスは,合併と同時に新潟市に統一されます。その上,各地域独自のサービスで経過措置を設けられるものが63事業,また19事業が現状のまま存続します。ここに受益と負担の不公平を感じるのは私だけでしょうか。
新潟市内には,助成を受けているとはいえ,通学するのに定期代を払って新潟交通のバスを利用している中学生が複数います。一方で,合併後も公費によるスクールバスの通学制度が存続する地域があります。また,新潟市民は介護保険を初め一定水準以上の福祉サービスを獲得していますが,その負担も当然のことながら負ってきました。そのサービスを享受しながら,四,五年とはいえ,負担の軽い市民が生まれることに納得しかねる思いを抱くのは私だけでしょうか。こうした措置が法定上の激変緩和の措置であることは,頭では理解しております。
豊栄市,白根市,新津市,亀田町,小須戸町で住民アンケートが実施され,新津市を除く2市2町で五,六割の方々が賛成という結果が出ました。よかったと思っています。しかしながら,新潟市民はアンケートといった形で合併に対する個々の気持ちを十分表現する機会がありません。この機会に市長にぜひこの市民感情にお答えいただたきたいと思います。御答弁ください。
合併に関する質問の最後に,さきの6月定例議会においても質問いたしました地域自治組織の考え方について,地方制度調査会の最終答申が出ましたこの機会に再度お尋ねいたします。
最終答申の中では,中間報告同様「地域自治組織を活用することにより,地域自治組織に旧市町村の名前を冠することによって,合併前の名前を残すことが可能になる」とし「市町村合併に際しては,合併後の一定期間,特別地方団体である法人格を有する地域自治組織を設置できることが適当」であり,設置に関しては「合併協議により規約を定め,合併後の一定期間,合併前の市町村単位で設けることができる」と述べています。さらに,財源は基礎自治体からの移転財源とし「指定都市については,行政区その他の一定の区域をもって」「地域内分権化を図るため,各市の実情に応じ,地域自治組織の活用を図ることが期待される」と,指定都市への適用にも言及しています。
第9回の任意協議会では,行政区の区割りや,支所や政令市になった後の区長の権能,これは財源の問題と一体ですが,区長の身分の問題などが盛んに意見交換されていました。地域ごとの自治を最大限尊重するという立場からすると,今般の任意協議会で合意された支所組織と地域審議会という考え方よりも,むしろ答申で出された地域自治組織制度の方が任意協議会最終回での空気に沿っているのではないかと思われます。
今後,法定協議会の中で,あるいはいずれ政令指定都市への移行の議論の中で,地域自治組織の設置を求める声が出てくるのではないでしょうか。第27次地方制度調査会の答申をどのように受けとめておられるのか,市長のお考えを伺います。
さて,先ごろ市政改革・創造推進プランが策定,発表されました。市政改革と市民参画を公約に篠田市政が誕生して1年,改革への志はトップダウンであったけれど,個々の改革項目や実施プログラムはボトムアップ,現場から上がってきた声を集約,体系化して策定されたとお聞きしました。1年という短い期間にこれだけの作業をされた担当者の労をまずはねぎらいたいと思います。
しかしながら,率直に申し上げて,ここにプラン策定の隘路があったのではないかと感じざるを得ません。志が実態に反映し切れていないように思われます。これまでの取り組みに対する検証なしに次のことを始める,このやり方こそが改革を求められているということに気づいておられるはずです。このプラン策定を,改革を求められている,みずからを見直す出発点にすべきではなかったでしょうか。そして,この策定のプロセスから,市民参加ではない,市民参画をスタートさせていただきたかったと思います。改革,創造という言葉に期待し過ぎたでしょうか。
今後に期待して,以下5点についてお尋ねいたします。
初めに,プランに対する市長の感想と今後の課題を。
2点目に,これまで新潟市が改革のバイブルとしてきた行政改革大綱との相違を伺います。
3点目に,これら改革プランの進行管理とその成果報告を市民に向けてどのように行うのかお聞きします。
さらに,このプラン自体が改革,創造のメルクマークであるべきとの思いから,このプランに市民意見はどのように反映されているのかお尋ねします。
5点目に,コアプランの改革項目に審議会等の運営指針の策定が挙げられていますが,これと同時に,審議会における柔軟な提案や提言が可能となるよう新潟市附属機関設置条例の見直しを提言して,お考えを伺います。
現在の附属機関設置条例には,その所掌事務として「市長の諮問に応じ審議すること」そして「諮問に関連する事項に関して必要に応じ市長に建議すること」と定められています。この「諮問に関連する」というところが非常にタイトに取り扱われていて,意見や提案をしても「それは今回の諮問事項にありませんからと,質問を抑えられる場面がある」との声を審議委員の方々からお聞きします。ぜひ御検討ください。
次に,補助金制度改革について伺います。
さきの推進プランより4カ月先行して提言の出された補助金制度改革は,推進プランの改革工程では平成16年度完全実施とされています。私から見て極めて質の高い,であるがゆえに困難も多いと想像される検討会議の提言をどれほどクリアしたら完全実施ということになるのか,現在の進捗状況と今後のスケジュールをお尋ねします。
私は,改革を進めていく上で最も重要となるのは,補助事業者に改革の意義が理解され,みずから積極的に事業の見直しなどを初めとする公益性の確保に取り組んでいただけるかどうかであると考えています。6月定例議会において,栃倉議員の質問に対し「協議の時間を設けた上で改革に取り組む」と答弁されていますが,平成16年度完全実施に向けてどのくらいの事業者との協議が進んでいるのでしょう。また,協議の過程でどういった課題があるのか,さらにその対策をお聞かせください。
2点目の質問は,庁内における改革への意識醸成です。
検討会議での議論に先駆けて,平成14年3月に新潟大学の斉藤先生と寺尾先生から出された補助金制度の調査報告には,担当者による制度把握の不十分さが指摘されています。補助金の意義,改革の意義を担当者がどれほど自分のものにしているかは,改革のかぎとなるものです。理解は進んでいるのでしょうか,伺います。
さらに,現在進行中の平成16年度予算編成の中でこの提言がどのくらい生かされるのでしょうか。既存の補助金に関する見直しと,交付基準が提案されている新設補助金の採択はどれほどになるのかお答えください。
4点目に,今後のスケジュールをお尋ねします。
制度の改革には,それが依拠する条例や規則,要綱の見直しが必要なものもあるでしょう。また,それらを新たに整備する必要も出るものと思われます。情報公開のための環境整備や提案されている第三者機関の設置も必要です。タイムテーブルが明らかになっているのであればお示しください。
ところで,推進プランを項目ごとに比較検討しますと,関連し合う改革項目の工程が前後しているのではないかと思われるところが散見されます。申すまでもなく,改革は個々ばらばらになされては,かみ合わない歯車のように前に進むことができません。一体的,有機的な取り組みを強く要望して,御所見を伺います。
最後に,子供たちの健やかな育ちを支援する施策について3点質問いたします。
数カ月前になりますが,子育て支援センターでスタッフの皆さんのお話をお聞きする機会がありました。子育て支援センターが,乳幼児虐待の防止と早期発見の最前線であるというセンター長初めスタッフ全員の共通認識のもとに,小児科医とも連携しながら積極的に,そしてきめ細やかな目を持って活動している様子を目の当たりにして,大変心強く感じるとともに,こうした子育て支援センターが一日も早く全市8地区に展開されるようにと強く願いました。
ところで,この折,私は不明にして初めて病棟保育という活動があることを知りました。子供は,遊びを通して自己表現し,成長していく存在です。それは,重い疾患で入院している子供であっても変わらないばかりか,むしろ家族や地域と切り離され,苦痛を伴う治療に長期間耐えなければならない子供たちにこそ,専門の保育士による心と体のケアが必要です。病院が生活の場そのものになっている長期入院の子供たちが入院中であっても保育を通した楽しい時間を過ごすことによって,子供たちの生活の質を向上させ,心の安定やいやしを目指し,希望を持って治療を受けることを促す,これが病棟保育です。仄聞するところによると,アメリカなどでは,子供の治療意欲が増し,その効果が格段に上がるとの報告もあるそうです。
御承知のとおり,病院に長期入院している学齢の子供たちは,院内学級において学ぶことも,小さいとはいえ,集団で活動することも保障されています。新潟市内では,新潟市民病院と新潟大学附属病院,県立がんセンター新潟病院に院内学級が開設されています。ところが,最も友達を欲しがり,また成長著しく,社会性やさまざまな事象への関心を会得する未就学児に関しては,何の法的保障も手当てもされてこなかったのが現状です。
こうした中で,県立がんセンター新潟病院では,週1回,保育士ボランティアによる病棟保育「たんぽぽ」が開設されています。ことし8月24日に開催された日本医療保育学会のワークショップでは,この「たんぽぽ」で保育を受けている子供の母親に対するアンケート調査に基づく研究が発表されました。アンケートでは,病棟保育士の導入に95%が賛成しており「入院中でも遊びを通して成長,発達の援助が受けられ,また母親の保育に関する相談相手として,保育士は大変重要な存在である」との報告がされています。
市内では,ほかに市民病院で週2回学生ボランティアが,大学病院では週1回,こちらも学生ボランティアが子供たちの遊び相手をしているとのことですが,多くの母親が「入院中の子供の発達や生活習慣,社会性に不安を感じている」と,このアンケートに答えていることを考慮いたしますと,専門の保育士によるケアが,子供にとってはもちろんのこと,母親を初めとする家族にとっても必要であることは明らかです。院内学級に小・中学校の先生方が派遣されているように,病院に保育士を派遣する,あるいは現在も新潟市が行っている病後児保育のように,病院に保育事業を委託するなど,ぜひとも病棟保育が実現されますよう強く要望して,市長のお考えを伺います。
ところで,相変わらず乳幼児の虐待死の報道が後を絶ちません。表面化した乳幼児虐待の陰に,ネグレクトを含め,どれほどの隠された虐待が潜んでいるのかと,子供たちの置かれた状況は逼迫していると言っても過言ではないと思っています。乳幼児虐待,児童虐待と聞くと,閉じられた空間で育児と生活に疲れた引きこもりがちな母親が陰々滅々と子供をいじめるといったイメージに縛られがちですが,先ほど述べました子育て支援センターへ通ってくる母子の様子や,保育ボランティアをする機会の多い友人から保育室やそこでの母子の様子を聞くにつけ,どこにでも,だれにでも可能性は否定できないと思った方が実態に近いのではないかと思うのです。
かく言う私も,夜泣きばかりして一向に体重のふえない息子を窓から雪の中に投げてしまいたいと思ったことが一度ならずありました。健診時に「大丈夫,大きくなる,大きくなる」と言ってくださった小児科の先生のおおらかな様子にどれほど励まされたかわかりません。
江戸川区にあるまつしま産婦人科小児科病院では「子育てしていてこんなことはありませんか」と尋ねる17項目の問診票の記入を求めて,虐待の早期発見に努めています。「夫に子供のことを話そうとすると無視される,関心がない」「育児書やほかの子供との成長を比較して,普通に成長しているか心配になる」「眠れない」など,記入が極めて簡単な設問です。そして,その一方で,医師や看護師などスタッフがひどく気になった受診者がいた場合につけるチェックシートがあって,こちらは子供の状態と保護者の状態が素早くチェックできるようになっています。双方を突き合わせてカンファレンスするとお聞きしました。
児童虐待防止法では,専門職の人たちに対する発見通報義務が明記され,通報ケースが飛躍的に伸びているとのことですが,明らかに虐待を疑われる状態になってからでは,子供に残る精神的・身体的ダメージは大き過ぎて回復が困難であり,また長い時間が必要になります。一刻も早く気づくこと,あるいは未然に防ぐことが求められています。
このまつしま病院では,産婦人科外来でも同様の取り組みをしていて,DVの早期発見にも成果を上げているとのことですし,さらに暴力の連鎖という言葉が示すように,乳幼児や児童への虐待とDVの相関性には無視できないものがあり,産婦人科と小児科双方が連携して取り組んでいるとのことです。
本市におきましては,市民病院でこうした取り組みを実践する,あるいは医師会に取り組みを働きかけるなどして,子供や女性への暴力のないまちづくりがなされますよう求めて,市長の御所見を伺います。
最後に,教育長にお尋ねします。
子供たちの生きる力,居場所,開かれた学校,家庭の教育力と地域の教育力など,子供や教育にまつわる耳なれない言葉が使われ出して数年を経ました。どの言葉も今や使い古されたような感さえありますが,子供たちの生きる力は本当に大きく豊かになり,居場所は確保されたのでしょうか。学校は開かれたのでしょうか。
二月ほど前になりますが,朝,犬を連れて散歩をしていると,始業時刻になろうとしている時間にもかかわらず,スニーカーの底が減るかと思われるほど足を引きずりながら,うつむきかげんにゆっくりゆっくり登校する小学生に出会いました。しきりとこちらを気にしています。「学校へ行くの大変なの」と尋ねると,答えづらそうに身をよじりながらこっくりとうなずきます。「一緒に行こうか」と誘ったところ,またこっくりとうなずいて,私のあいている右手をそっとつないできました。校門に入ったところで「教室まで一緒に行く」と尋ねると,首をかしげてちゅうちょしている様子でしたが,「ここまででいい」と再び尋ねると,手を離して歩き出しました。彼がげた箱に靴を入れるのを確認してから私は引き返してきましたが,いとしげで痛ましくて忘れることができません。何が彼をそんなに大変にさせているのでしょう。
四,五年前までは,登校時に数人で肩を組み,決して褒められたことではありませんが,道いっぱいに広がって,何がそんなに楽しいのか,わいわいけらけらと歩く中学生を見かけたものです。このごろは,だれもが一様にかたい顔で,友人同士と思われる数人で歩いていても,うつむいて黙りこくっている様子が目につきます。下校時の疲れた様子とあわせて,一体学校で何が起こっているのだろうと胸が痛みます。
ゆとり教育,生きる力と言われ出して久しいのに,一向にゆとりある生活を送っているようにも,生きる力にあふれているようにも見えません。子供たちにゆとりある生活を取り戻させるためにと,週5日制が完全実施されて1年半,青少年課や生涯学習課,各地区の青少年育成協議会やスポーツ振興会が多くの事業を組み,イベントを行い,たくさんの保護者やボランティアが子供たちのために汗をかいている一方で,耳に入ってくるのは「いまだに居場所がない」「行くところがない」「まだ足りない」という声です。そんなに子供たちを追い立てて,どこへ追いやろうとしているのでしょう。
「昔は町内に口うるさいおじいさんやおばあさんがいて,悪いことをするとしかってくれたものだ」「地域のみんなが子供たちに関心を持って,悪い方へいかないよう導いていかなければならない」とは,しばしば耳にすることです。そして,それが地域の教育力であると錯覚されているようにも思われます。本当でしょうか。地域の口うるさいおじいさん1人当たり子供が5人も10人もいた時代を回顧して美化し,今や町内の子供1人当たり,口うるさい人もうるさくない人も含めて,おじいさんやおばさんが5人も10人もいる中で,みんなが子供に関心を持って御指導,御鞭撻したのでは,子供たちは身動きとれない,居場所がないということにはならないでしょうか。監視したり管理することや次々にイベントを打つことは,決して教育力ではないと思うのです。
子供たちの多様性を認め,見守りながら待つこと,もし地域に教育力というものがあるとしたら,こうした包容力を指して言うのではないでしょうか。子供たちに十分な学びの機会を準備することは,教育行政の重要な責務ではありますが,それと同時に,あるいはその根っこにこうした包容力の豊かなコミュニティーを形成していくことも求められているのではないでしょうか。教育長はどのようにお考えかお聞かせください。
初めに,合併に残された課題のうち,ガス事業の取り扱いについてお尋ねいたします。
かつての黒埼町との合併議論の中で私が一番戸惑いを感じたのは,ガス事業に関するものでした。新潟市にはないガス事業を引き継ぐ。そのガス事業は,20年もの長きにわたって,なされるべき安全のための設備投資がなされず,全国的に見ても極めて低料金で提供されてきたが,しかし大変危険であるため,合併後は老朽管の取りかえ工事などに15億円もの支出が見込まれるとのことでした。これまで事故もなく,よく御無事でと思うと同時に,それはないんじゃないのと釈然としない思いも残りました。平成15年度中をめどに老朽管を解消するとの安全対策つきで北陸ガスへの譲渡が決まったときには,正直申し上げてほっとしました。
現在,白根市と小須戸町,西川町でガス事業が行われていて,任意協議会で合意された調整方針では,現行のまま地区ガス事業として引き継ぐ。あわせて,関係市町村の現状に応じ,事業の民間譲渡を視野に入れた検討もしくは対応を行うとされています。白根市のガス事業に関しては,11月28日付の新潟日報に「白根瓦斯への譲渡が議会議決された」と報じられていましたが,小須戸町,西川町のガス事業に関してはどのようにされるのか。新潟市のガス事業は,事業も企業会計も既に閉じられています。今後の取り扱いをお聞かせください。
次に,ITシステムの統一について伺います。
ガス事業同様に黒埼町合併の経験から大変気になっているのがITシステムの統一です。前回合併時には,戸籍システム,国民健康保険システム,財務会計システムなど約19システムのほか,ハードその他を含めて9億2,500万円余りもの経費が支出されています。まして,今回は12市町村とのシステム統一です。しかも,個人市町村民税均等割,法人市町村民税法人割,事業所税,都市計画税の4税は段階的に引き上げられる不均一課税であり,介護保険料に関しても経過措置がとられ,平成19年度までは税率や税額,保険料がおのおの違います。システム統一された後も入力の手間と経費は続きます。そして,これらのシステム統一は合併前に行われるため,建設計画には含まれず,合併経費との認識が希薄になってしまいますし,作業スケジュールも大変厳しいと想像されます。
そこで,市長に以下3点についてお尋ねいたします。
ア,13市町村中,どこのシステムに統一するのですか。
イ,システム統一のための経費は総額でどのくらい,新潟市の負担分はどのくらいと試算されていますか。また,どの時点で予算要求されるのでしょう。
ウ,システム統一に要する時間と,その後サービス提供にタイムラグが起きるなどの問題はないのでしょうか。
先般の平成14年度決算特別委員会で,あるシステム開発の際,県外の大手3社にしかお声がけしなかったとの報告がありました。サービスの安定提供は第一義的な大命題ですが,何しろ大きな額の事業です。より多くの企業に見積もりを出してもらって検討するくらいのことはしてもよかったのではないかと今でも思っています。このたびのシステム統一には莫大な経費が予想されます。サービスの安定提供とともに,ぜひともコストダウンにも最大限努めてくださるよう要望して,質問といたします。
ところで,通告の表題に「合併に残された課題」と表記しましたが,正確には「私の中に残された課題」であり,特にこの受益負担の公平感については私の中にこだわりとなっており,単なる感情論であろうことは承知の上でお尋ねいたします。
9月29日に終了した9回を数える任意協議会では,合併後も存続する各地域独自の19事務事業を含め226事業の調整方針と,地方税の取り扱い,使用料,手数料の取り扱いが合意されました。御承知のとおり,13市町村中,最も税負担の大きいのは新潟市であり,他の12市町村は,平成19年度いっぱいまでは段階的に上げていく不均一課税となることはさきに述べたとおりであります。一方,行政サービスはといえば,新潟市に比較して不足しているサービスは,合併と同時に新潟市に統一されます。その上,各地域独自のサービスで経過措置を設けられるものが63事業,また19事業が現状のまま存続します。ここに受益と負担の不公平を感じるのは私だけでしょうか。
新潟市内には,助成を受けているとはいえ,通学するのに定期代を払って新潟交通のバスを利用している中学生が複数います。一方で,合併後も公費によるスクールバスの通学制度が存続する地域があります。また,新潟市民は介護保険を初め一定水準以上の福祉サービスを獲得していますが,その負担も当然のことながら負ってきました。そのサービスを享受しながら,四,五年とはいえ,負担の軽い市民が生まれることに納得しかねる思いを抱くのは私だけでしょうか。こうした措置が法定上の激変緩和の措置であることは,頭では理解しております。
豊栄市,白根市,新津市,亀田町,小須戸町で住民アンケートが実施され,新津市を除く2市2町で五,六割の方々が賛成という結果が出ました。よかったと思っています。しかしながら,新潟市民はアンケートといった形で合併に対する個々の気持ちを十分表現する機会がありません。この機会に市長にぜひこの市民感情にお答えいただたきたいと思います。御答弁ください。
合併に関する質問の最後に,さきの6月定例議会においても質問いたしました地域自治組織の考え方について,地方制度調査会の最終答申が出ましたこの機会に再度お尋ねいたします。
最終答申の中では,中間報告同様「地域自治組織を活用することにより,地域自治組織に旧市町村の名前を冠することによって,合併前の名前を残すことが可能になる」とし「市町村合併に際しては,合併後の一定期間,特別地方団体である法人格を有する地域自治組織を設置できることが適当」であり,設置に関しては「合併協議により規約を定め,合併後の一定期間,合併前の市町村単位で設けることができる」と述べています。さらに,財源は基礎自治体からの移転財源とし「指定都市については,行政区その他の一定の区域をもって」「地域内分権化を図るため,各市の実情に応じ,地域自治組織の活用を図ることが期待される」と,指定都市への適用にも言及しています。
第9回の任意協議会では,行政区の区割りや,支所や政令市になった後の区長の権能,これは財源の問題と一体ですが,区長の身分の問題などが盛んに意見交換されていました。地域ごとの自治を最大限尊重するという立場からすると,今般の任意協議会で合意された支所組織と地域審議会という考え方よりも,むしろ答申で出された地域自治組織制度の方が任意協議会最終回での空気に沿っているのではないかと思われます。
今後,法定協議会の中で,あるいはいずれ政令指定都市への移行の議論の中で,地域自治組織の設置を求める声が出てくるのではないでしょうか。第27次地方制度調査会の答申をどのように受けとめておられるのか,市長のお考えを伺います。
さて,先ごろ市政改革・創造推進プランが策定,発表されました。市政改革と市民参画を公約に篠田市政が誕生して1年,改革への志はトップダウンであったけれど,個々の改革項目や実施プログラムはボトムアップ,現場から上がってきた声を集約,体系化して策定されたとお聞きしました。1年という短い期間にこれだけの作業をされた担当者の労をまずはねぎらいたいと思います。
しかしながら,率直に申し上げて,ここにプラン策定の隘路があったのではないかと感じざるを得ません。志が実態に反映し切れていないように思われます。これまでの取り組みに対する検証なしに次のことを始める,このやり方こそが改革を求められているということに気づいておられるはずです。このプラン策定を,改革を求められている,みずからを見直す出発点にすべきではなかったでしょうか。そして,この策定のプロセスから,市民参加ではない,市民参画をスタートさせていただきたかったと思います。改革,創造という言葉に期待し過ぎたでしょうか。
今後に期待して,以下5点についてお尋ねいたします。
初めに,プランに対する市長の感想と今後の課題を。
2点目に,これまで新潟市が改革のバイブルとしてきた行政改革大綱との相違を伺います。
3点目に,これら改革プランの進行管理とその成果報告を市民に向けてどのように行うのかお聞きします。
さらに,このプラン自体が改革,創造のメルクマークであるべきとの思いから,このプランに市民意見はどのように反映されているのかお尋ねします。
5点目に,コアプランの改革項目に審議会等の運営指針の策定が挙げられていますが,これと同時に,審議会における柔軟な提案や提言が可能となるよう新潟市附属機関設置条例の見直しを提言して,お考えを伺います。
現在の附属機関設置条例には,その所掌事務として「市長の諮問に応じ審議すること」そして「諮問に関連する事項に関して必要に応じ市長に建議すること」と定められています。この「諮問に関連する」というところが非常にタイトに取り扱われていて,意見や提案をしても「それは今回の諮問事項にありませんからと,質問を抑えられる場面がある」との声を審議委員の方々からお聞きします。ぜひ御検討ください。
次に,補助金制度改革について伺います。
さきの推進プランより4カ月先行して提言の出された補助金制度改革は,推進プランの改革工程では平成16年度完全実施とされています。私から見て極めて質の高い,であるがゆえに困難も多いと想像される検討会議の提言をどれほどクリアしたら完全実施ということになるのか,現在の進捗状況と今後のスケジュールをお尋ねします。
私は,改革を進めていく上で最も重要となるのは,補助事業者に改革の意義が理解され,みずから積極的に事業の見直しなどを初めとする公益性の確保に取り組んでいただけるかどうかであると考えています。6月定例議会において,栃倉議員の質問に対し「協議の時間を設けた上で改革に取り組む」と答弁されていますが,平成16年度完全実施に向けてどのくらいの事業者との協議が進んでいるのでしょう。また,協議の過程でどういった課題があるのか,さらにその対策をお聞かせください。
2点目の質問は,庁内における改革への意識醸成です。
検討会議での議論に先駆けて,平成14年3月に新潟大学の斉藤先生と寺尾先生から出された補助金制度の調査報告には,担当者による制度把握の不十分さが指摘されています。補助金の意義,改革の意義を担当者がどれほど自分のものにしているかは,改革のかぎとなるものです。理解は進んでいるのでしょうか,伺います。
さらに,現在進行中の平成16年度予算編成の中でこの提言がどのくらい生かされるのでしょうか。既存の補助金に関する見直しと,交付基準が提案されている新設補助金の採択はどれほどになるのかお答えください。
4点目に,今後のスケジュールをお尋ねします。
制度の改革には,それが依拠する条例や規則,要綱の見直しが必要なものもあるでしょう。また,それらを新たに整備する必要も出るものと思われます。情報公開のための環境整備や提案されている第三者機関の設置も必要です。タイムテーブルが明らかになっているのであればお示しください。
ところで,推進プランを項目ごとに比較検討しますと,関連し合う改革項目の工程が前後しているのではないかと思われるところが散見されます。申すまでもなく,改革は個々ばらばらになされては,かみ合わない歯車のように前に進むことができません。一体的,有機的な取り組みを強く要望して,御所見を伺います。
最後に,子供たちの健やかな育ちを支援する施策について3点質問いたします。
数カ月前になりますが,子育て支援センターでスタッフの皆さんのお話をお聞きする機会がありました。子育て支援センターが,乳幼児虐待の防止と早期発見の最前線であるというセンター長初めスタッフ全員の共通認識のもとに,小児科医とも連携しながら積極的に,そしてきめ細やかな目を持って活動している様子を目の当たりにして,大変心強く感じるとともに,こうした子育て支援センターが一日も早く全市8地区に展開されるようにと強く願いました。
ところで,この折,私は不明にして初めて病棟保育という活動があることを知りました。子供は,遊びを通して自己表現し,成長していく存在です。それは,重い疾患で入院している子供であっても変わらないばかりか,むしろ家族や地域と切り離され,苦痛を伴う治療に長期間耐えなければならない子供たちにこそ,専門の保育士による心と体のケアが必要です。病院が生活の場そのものになっている長期入院の子供たちが入院中であっても保育を通した楽しい時間を過ごすことによって,子供たちの生活の質を向上させ,心の安定やいやしを目指し,希望を持って治療を受けることを促す,これが病棟保育です。仄聞するところによると,アメリカなどでは,子供の治療意欲が増し,その効果が格段に上がるとの報告もあるそうです。
御承知のとおり,病院に長期入院している学齢の子供たちは,院内学級において学ぶことも,小さいとはいえ,集団で活動することも保障されています。新潟市内では,新潟市民病院と新潟大学附属病院,県立がんセンター新潟病院に院内学級が開設されています。ところが,最も友達を欲しがり,また成長著しく,社会性やさまざまな事象への関心を会得する未就学児に関しては,何の法的保障も手当てもされてこなかったのが現状です。
こうした中で,県立がんセンター新潟病院では,週1回,保育士ボランティアによる病棟保育「たんぽぽ」が開設されています。ことし8月24日に開催された日本医療保育学会のワークショップでは,この「たんぽぽ」で保育を受けている子供の母親に対するアンケート調査に基づく研究が発表されました。アンケートでは,病棟保育士の導入に95%が賛成しており「入院中でも遊びを通して成長,発達の援助が受けられ,また母親の保育に関する相談相手として,保育士は大変重要な存在である」との報告がされています。
市内では,ほかに市民病院で週2回学生ボランティアが,大学病院では週1回,こちらも学生ボランティアが子供たちの遊び相手をしているとのことですが,多くの母親が「入院中の子供の発達や生活習慣,社会性に不安を感じている」と,このアンケートに答えていることを考慮いたしますと,専門の保育士によるケアが,子供にとってはもちろんのこと,母親を初めとする家族にとっても必要であることは明らかです。院内学級に小・中学校の先生方が派遣されているように,病院に保育士を派遣する,あるいは現在も新潟市が行っている病後児保育のように,病院に保育事業を委託するなど,ぜひとも病棟保育が実現されますよう強く要望して,市長のお考えを伺います。
ところで,相変わらず乳幼児の虐待死の報道が後を絶ちません。表面化した乳幼児虐待の陰に,ネグレクトを含め,どれほどの隠された虐待が潜んでいるのかと,子供たちの置かれた状況は逼迫していると言っても過言ではないと思っています。乳幼児虐待,児童虐待と聞くと,閉じられた空間で育児と生活に疲れた引きこもりがちな母親が陰々滅々と子供をいじめるといったイメージに縛られがちですが,先ほど述べました子育て支援センターへ通ってくる母子の様子や,保育ボランティアをする機会の多い友人から保育室やそこでの母子の様子を聞くにつけ,どこにでも,だれにでも可能性は否定できないと思った方が実態に近いのではないかと思うのです。
かく言う私も,夜泣きばかりして一向に体重のふえない息子を窓から雪の中に投げてしまいたいと思ったことが一度ならずありました。健診時に「大丈夫,大きくなる,大きくなる」と言ってくださった小児科の先生のおおらかな様子にどれほど励まされたかわかりません。
江戸川区にあるまつしま産婦人科小児科病院では「子育てしていてこんなことはありませんか」と尋ねる17項目の問診票の記入を求めて,虐待の早期発見に努めています。「夫に子供のことを話そうとすると無視される,関心がない」「育児書やほかの子供との成長を比較して,普通に成長しているか心配になる」「眠れない」など,記入が極めて簡単な設問です。そして,その一方で,医師や看護師などスタッフがひどく気になった受診者がいた場合につけるチェックシートがあって,こちらは子供の状態と保護者の状態が素早くチェックできるようになっています。双方を突き合わせてカンファレンスするとお聞きしました。
児童虐待防止法では,専門職の人たちに対する発見通報義務が明記され,通報ケースが飛躍的に伸びているとのことですが,明らかに虐待を疑われる状態になってからでは,子供に残る精神的・身体的ダメージは大き過ぎて回復が困難であり,また長い時間が必要になります。一刻も早く気づくこと,あるいは未然に防ぐことが求められています。
このまつしま病院では,産婦人科外来でも同様の取り組みをしていて,DVの早期発見にも成果を上げているとのことですし,さらに暴力の連鎖という言葉が示すように,乳幼児や児童への虐待とDVの相関性には無視できないものがあり,産婦人科と小児科双方が連携して取り組んでいるとのことです。
本市におきましては,市民病院でこうした取り組みを実践する,あるいは医師会に取り組みを働きかけるなどして,子供や女性への暴力のないまちづくりがなされますよう求めて,市長の御所見を伺います。
最後に,教育長にお尋ねします。
子供たちの生きる力,居場所,開かれた学校,家庭の教育力と地域の教育力など,子供や教育にまつわる耳なれない言葉が使われ出して数年を経ました。どの言葉も今や使い古されたような感さえありますが,子供たちの生きる力は本当に大きく豊かになり,居場所は確保されたのでしょうか。学校は開かれたのでしょうか。
二月ほど前になりますが,朝,犬を連れて散歩をしていると,始業時刻になろうとしている時間にもかかわらず,スニーカーの底が減るかと思われるほど足を引きずりながら,うつむきかげんにゆっくりゆっくり登校する小学生に出会いました。しきりとこちらを気にしています。「学校へ行くの大変なの」と尋ねると,答えづらそうに身をよじりながらこっくりとうなずきます。「一緒に行こうか」と誘ったところ,またこっくりとうなずいて,私のあいている右手をそっとつないできました。校門に入ったところで「教室まで一緒に行く」と尋ねると,首をかしげてちゅうちょしている様子でしたが,「ここまででいい」と再び尋ねると,手を離して歩き出しました。彼がげた箱に靴を入れるのを確認してから私は引き返してきましたが,いとしげで痛ましくて忘れることができません。何が彼をそんなに大変にさせているのでしょう。
四,五年前までは,登校時に数人で肩を組み,決して褒められたことではありませんが,道いっぱいに広がって,何がそんなに楽しいのか,わいわいけらけらと歩く中学生を見かけたものです。このごろは,だれもが一様にかたい顔で,友人同士と思われる数人で歩いていても,うつむいて黙りこくっている様子が目につきます。下校時の疲れた様子とあわせて,一体学校で何が起こっているのだろうと胸が痛みます。
ゆとり教育,生きる力と言われ出して久しいのに,一向にゆとりある生活を送っているようにも,生きる力にあふれているようにも見えません。子供たちにゆとりある生活を取り戻させるためにと,週5日制が完全実施されて1年半,青少年課や生涯学習課,各地区の青少年育成協議会やスポーツ振興会が多くの事業を組み,イベントを行い,たくさんの保護者やボランティアが子供たちのために汗をかいている一方で,耳に入ってくるのは「いまだに居場所がない」「行くところがない」「まだ足りない」という声です。そんなに子供たちを追い立てて,どこへ追いやろうとしているのでしょう。
「昔は町内に口うるさいおじいさんやおばあさんがいて,悪いことをするとしかってくれたものだ」「地域のみんなが子供たちに関心を持って,悪い方へいかないよう導いていかなければならない」とは,しばしば耳にすることです。そして,それが地域の教育力であると錯覚されているようにも思われます。本当でしょうか。地域の口うるさいおじいさん1人当たり子供が5人も10人もいた時代を回顧して美化し,今や町内の子供1人当たり,口うるさい人もうるさくない人も含めて,おじいさんやおばさんが5人も10人もいる中で,みんなが子供に関心を持って御指導,御鞭撻したのでは,子供たちは身動きとれない,居場所がないということにはならないでしょうか。監視したり管理することや次々にイベントを打つことは,決して教育力ではないと思うのです。
子供たちの多様性を認め,見守りながら待つこと,もし地域に教育力というものがあるとしたら,こうした包容力を指して言うのではないでしょうか。子供たちに十分な学びの機会を準備することは,教育行政の重要な責務ではありますが,それと同時に,あるいはその根っこにこうした包容力の豊かなコミュニティーを形成していくことも求められているのではないでしょうか。教育長はどのようにお考えかお聞かせください。
平成15年6月定例会質問
新潟無所属の吉田です。通告に従い質問いたします。
初めに,合併・政令指定都市を目指す本市のまちづくりについてお尋ねいたします。
財政・分権改革の行方をめぐるニュースが連日のように新聞紙面をにぎわせ,週末のニュース番組では,骨太の方針第3弾や三位一体改革の進め方をめぐる財務大臣と各省庁大臣の攻防,そして小泉首相の発言に多くの時間が割かれています。
地方制度調査会が4月30日に出した今後の自治制度のあり方についての中間報告には,これから合併を実現して政令指定都市を目指そうとする本市にとって,以下のような見過ごしにできない制度の創設が盛り込まれています。
一つ「地域において自己決定と自己責任の原則が実現されるためには,住民自治が重視されなければならず,より一層の住民自治が実現されるよう,地域自治組織を設置することができる制度を創設する」一つ「地域自治組織は,合併した基礎的自治体内───これは合併後の市のことですが───この基礎的自治体内においては,合併前の旧市町村の単位を基本とする」一つ「この地域自治組織に旧市町村の名称を冠することによって,合併前の名前を残すことも可能になる」といったものです。
さらに,この自治組織について二つのタイプを示して「行政区的なタイプの自治組織においては,自治体の長が選任する地域自治組織の長と諮問機関である地域審議会を置くこと」「地域審議会の委員は,公選または住民総会による選出とすること」また「特別地方公共団体とするタイプでは,地域自治組織の議決機関の構成員は公選とし,執行機関はこの議決機関の互選または自治体の長の選任とする」といった,かなり具体的な提案までなされています。
これは,自立した自治体としてのアイデンティティーにこだわり,合併を渋る市町村に対して,合併特例債というあめだけでは足りずに「名前も残るよ,一定の自治権も確保されるよ」と,二つ目のあめを差し出さんばかりの提案です。これこそ自己決定と自己責任の侵害です。
ですが,一方で,名前と自立性を失ってでも地域の財政課題と行政課題の解決を合併に求めようという苦渋の決断を下しつつあった自治体にとっては天の配剤,失うものはほとんどありません。合併とは名ばかり,連合自治体になるだけのようなものですから。
しかし,これではすべての事務事業に広域事務組合を設置したのと幾らも変わりがなく,行政機構の改革にもスリム化にもならないばかりでなく,屋上屋を重ねて,かえって住民負担がふえるばかりです。
最終報告までにこの中間報告のどこがどれだけ変わるのか,何が決定を見るのかは定かではありませんが,編入合併と地域審議会の設置を前回の任意協議会で合意した本市が,合併後,法令に基づく政令市としての行政区の定まるまでの2年間,地域の自治をどのような形で実現し,地域審議会をどのような位置づけにしていこうと考えるのか,大きな課題となったことは間違いありません。
いずれもこれからの協議を待つべき問題ではありますが,本市としての柱をしっかり立てて臨むべき問題と考えます。市長はどのようにお考えでしょう,お聞かせください。
2点目の一体感の醸成とこだわりのまちづくりについて伺います。
それぞれの地域と地域住民がみずからの独自性と文化に愛着を持って高いアイデンティティーを保持していくことは大切なことです。なぜなら,その地域の振興や活性化はこうした強い思いなしにはあり得ないからです。
しかし,その一方で,一つの都市としての一体感の醸成もまた合併後重要な課題です。それは,感情や情緒的な意味ばかりでなく,ある行政課題が発生したとき,「そっちはそっちでやればいいねっけ,おれらはこれでいいっけ」と言うわけにはいかないからです。一つの問題を共通の問題として解決していかなければならず,そのためには都市としての一体感は不可欠です。それも,「長い時間をかければ,いつの間にか自然に新潟市民になっているさ」といった悠長なものではなく,できるだけ早く意図的に醸成する必要があるのです。それは,合併と同時に合併前以上の分権・財政改革,行政改革という試練がやってくるからです。
では,どうやってその一体感を醸成するか。先行政令指定都市が合併を行っていたころは,経済も右肩上がりで,合併による豊かさを実感することは難しくなかったでしょう。そのことによって,合併してよかった,政令市になってよかったという思いが一体感の醸成にも大きく寄与したものと思われますが,現在のような状況ではかなり難しい。
私は,何かに徹底してこだわったまちづくりが新潟市民であることの誇りを生み,一体感を生み出していくのではないかと思っています。全国で「ああ,それなら新潟市だわ」と言われるような政策が必要ではないでしょうか。私としては,それはぜひ「女性が暮らしやすいまちなら新潟市だわ」と言われるように女性政策であってほしいのですが,市長は一体感の醸成についてどのようにお考えでしょうか,お聞かせください。
二つ目に,住みなれたまちで暮らし続けるための取り組みについてお尋ねいたします。
一月ほど前になりますが,朝家の前で近所の方と立ち話をしていると,年配の女性がパジャマ姿のまま,登校する小学生たちにまじって歩いているのが目に入りました。私と話をしていた方は,「あら,お見かけしないおばあちゃんだわ」とすぐに駆け寄られて,校門近くの花壇に座り込んだその女性に声をかけ,自分も腰をおろして熱心に話しかけておられました。後に,「どちらからおいでになったのかなかなか話してくださらなかったけれど,あれこれ話しているうちに名字をおっしゃったので,きっとそうだろうと,隣の町内の心当たりの家にお連れしたら,やっぱりその家の方だった」とお聞きして,ほっと胸をなでおろすとともに,コミュニティの力の大きさを,大切さを痛感しました。
衛星通信を使った徘回老人の探知システムや,警察を初めとする関係行政機関の連絡ネットワークなど,ふらっと家を出てしまわれる高齢者の方へのさまざまなサポートが試行されていますし,今後ますます重要になっていくものと考えますが,一方,こうした地域の方々の温かいまなざしと声かけが安心して暮らせるまちづくりの基本であろうと思われます。
御存じのように,平成12年4月に開始された介護保険サービスは,3年の期間を経て,ことし4月に事業計画の見直しが図られました。本市では,ニーズの高い施設整備に関しては,早期入所必要者を再調査して,この解消を中心にサービス目標量が検討されるなど,実情への配慮が読み取れます。
実際,施設への申し込み状況をホームページで見てみますと,4月末現在で70人の定員に対して7倍以上の515人の申し込みのある施設や,80人定員に対して6.5倍の520人が申し込んでいる施設があり,施設入所を希望する市民のいつになったら入れるかわからないという焦りの気持ちも当然。また,こうしたニーズにこたえるべく,施設整備が急がれるのもむべなるかなと思われます。
ですが,こうした施設志向が介護の保険料を引き上げていることもまた周知されているところです。サービスに要する費用を居宅サービスと施設サービスとで比較すると,平成15年度で2.2倍,年度ごとに下がっていきますが,それでも平成19年度で1.8倍と見込まれています。大きな負担を背に,本当に高齢者の皆さん自身は施設に入所したいと思っておられるのでしょうか。
施設そのものは,入所者のプライバシーや居住性などサービスの質に目が向けられるようになり,個室型の施設やユニットケアという手法によるサービスへと転換されつつありますが,家族や友人,住みなれた家,それまでの生活と切り離された集団生活を余儀なくされる施設入所を望んでおられる方がかくも多いとは思えません。私の周囲の方々も,「そりゃああなた,ぎりぎりまで家にいたいわよ」とだれもが言われます。在宅介護を支えるサービスは多々あるのですが,高齢者の問題を学習しているグループが家族に頼らなくても不安のないケアプランを試しにつくってみると,サービスの限度額を大きく上回ってしまうとのことでした。介護は365日,24時間です。介護する家族の生活スタイルや負担への配慮,あるいはいざというときの不安がとにかくとりあえず施設へと向かわせている場合も多いのです。
施設ではなく,住みなれたまちで家族とともに暮らしたい,こうした願いを実現していこうというのが地域分散型在宅ケアの考え方です。大きな施設においてセットで提供されている24時間体制の看護や介護,リハビリテーション,入浴や給食などのサービスを解体して,コンパクトにして組み合わせ,地域に分散させて小さなエリアで提供していこうというものです。
長岡市では,今年度から24時間体制の介護サービスと定員20人以下のバリアフリー住宅を組み合わせた在宅支援型住宅の整備に着手し,1カ所当たり3,000万円の補助事業を開始したところ,既に2件の建設が審査会において採択されたとのことです。
本市におきましても,在宅で介護される不安や配慮を払拭する地域分散型在宅ケアへの取り組みなど,最期のときまで地域で,住みなれたまちで暮らし続けられる高齢者福祉政策が推進されますよう要望して,市長のお考えを伺い,1点目の質問といたします。
次に,住みなれたまちで暮らし続けるための福祉,保健,医療及び生活関連分野の一体的整備についてお尋ねいたします。
高齢者が地域で暮らし続けるためには,介護サービスや保健・医療サービスなどのほか,バリアフリーの住宅や道路,まちづくり全体がその方向へ向けて一体的に整備されることが必要です。さらに,介護や看護休暇の取得や労働時間の短縮など,家族体制の整備も必要でしょう。そして,何よりも地域住民や市民の政策推進に向けた意識づけが重要であると考えます。平成12年の改正社会福祉法では,市町村地域福祉計画の策定と市民の意見の反映,内容の公表を定め,本年4月に施行されています。
さかのぼって,平成14年1月28日,厚生労働省社会保障審議会福祉部会が「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について」の報告を出していますが,ここには「一人ひとりの地域住民への訴え」という副題がついており,地域福祉を限られた社会的弱者に対するサービスとしてではなく,身近な日々の暮らしの場である地域社会で,多様な人々の多様な生活課題に地域全体で取り組む仕組みであるととらえ直し,自発的,積極的に取り組むよう訴えています。そして,地域住民の参加がなければ策定できないことがこの計画の特徴であるとして,策定手順を細かく示してプロセスの重要性を明らかにした上で,地域住民の主体的参加による地域福祉計画の策定,実行,評価の過程が,それ自体地域福祉推進の実践そのものであると述べています。
また,地域福祉推進の基本目標として,多様なサービスの十分な連携による総合的な展開が不可欠であるとして,サービスの総合化の確立と,福祉,保健,医療と教育,就労,住宅,交通,環境,まちづくりなどの生活関連分野との連携が掲げられています。まさにこうした取り組みこそが,高齢者が,そしてだれもが住みなれたまちで暮らし続けるための必要条件にほかなりません。
本市には,平成13年6月に策定された新潟市保健医療福祉計画がありますが,ぜひともこの住民参加のプロセスに重点を置き,サービスの目標量の明記を義務づけた地域福祉推進計画の策定に着手され,高齢者が,そしてだれもが自分の愛するまちで暮らし続けることのできる新潟市が実現することを強く要望して,市長の御所見を伺います。
最後に,質の高い生涯学習への取り組みについてお尋ねいたします。
合併協議の進んでいる新潟市を含めた13市町村は,申すまでもなく,それぞれの地域性に根差した文化と伝統を有しています。市長が常々おっしゃっておられるように,これらに光を当てることは地域振興に大きく寄与することでありますし,これを大切に保存,継承するとともに,お互いに学び,理解し合い,これを共有し,新しい文化の創造を図っていくことは,生涯学習の任務であります。生涯学習が合併後の市民の豊かさの実感や一体感の醸成に果たす役割には大きなものがあると考えます。
ところが,各市町村ごとの行政制度が異なる以上に取り組みの温度差があると思われるのがこの生涯学習の分野でもあります。
以前,ある町に講師として招かれた友人が「ねえねえ,知ってた。あの町では,女性や子供の学習は保健所でやってるんだよ。公民館は趣味の会をやるんだって」と,驚きとともに報告をしてくれたことがありました。温度差ばかりでなく,考え方も違うようです。
新潟市はこれまで,市民の高い学習熱に支えられ,多少の皮肉を込めて申し上げれば,少ない事業予算の中で大変熱心に取り組み,質の高い学習機会を市民に提供してこられたと思っています。市民大学のテーマの設定やカリキュラムは大変魅力的ですし,各地区公民館でも地域的な特性や住民のニーズに配慮した特徴ある事業を展開しています。また,公民館を利用して自主的に学習する市民も多く,昨年度は11地区館と10の分館の定期利用団体は1,519,不定期に利用されているのは1,362団体にも上っています。本当に新潟市民は勉強好きです。図書館の利用者も,担当の御努力もあって,大きく伸びているとお聞きしています。
こうした新潟市民の旺盛な好奇心や向学心が他の地域の文化や学びと出会うことによって触発され,より高次の学習へと発展し,先ほども述べましたように,新しい文化や価値を創出していくことを強く願い,また新潟市の生涯学習政策がこの文化や価値の創出を財政的措置も含めて積極的に推進するものであるよう要望して,教育長に質問いたします。
1点目は,合併が協議されている12市町村の社会教育施設の設置状況とそこで行われている事業についてです。事務事業のすり合わせや担当者会議,管理職レベルでの話し合いも進んでいるやに聞いております。現在の時点での状況を御答弁ください。
新聞報道によれば「文部科学省は6日,公民館などの設置・運営基準を全面改定し,面積,設備,開館時間といった要件を撤廃して,大幅に緩和した新基準を告示した」とのことですが,社会教育法では,設置,運営に関するばかりでなく,公民館で行われる事業に関しても「2,定期講座を開催すること」「3,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催すること」といったように,その第22条で定めています。ですが,公民館とは名ばかりの集会場のような器も全国的にはないわけではないのです。その施設がどのような位置づけにあるのか,そこでどんな事業が行われているのか,どのような教育や研修を受けた職員が働いているのかは,提供される生涯学習の質と量にかかわる問題です。社会教育法に基づく社会教育施設の設置状況と事業についてお聞かせください。
2点目は,生涯学習に関する理念や基本方針,基本計画などの共有についてです。
もし他市町村との間で,生涯学習に取り組む姿勢や熱意ばかりではなく,その概念もが違っていたら,これは制度や事業を整えてよしと済むことではありません。生涯学習に課せられている命題は,個人の教養の向上や文化振興ばかりではなく,自立した市民の育成でもあります。高い理念と明確な基本方針を持って臨み,その共有を図り,その上で制度や事業の取捨選択をすべきと考えますが,教育長の御所見を伺います。
ところで,我が国の子供たちや青少年が大変生きづらい状況にあることは御承知のとおりです。さまざまな事件,事故の被害者となるばかりでなく,社会の中で自分の居場所や心の行く先を見失って,あるいは自分の持っている豊かな力を発揮する場面に出会うことができずに,加害者となってしまう場合も少なくないのは不幸なことです。多様な心と力を持つ子供たちや青少年にその力を伸ばすための支援や機会を提供し,また自分や他者,そして社会を見詰める作業を共有していくことは,生涯学習の極めて重要な役割だと考えています。
子供たちや青少年が抱える,あるいは彼らを取り巻く現状と課題を明らかにし,その解決に向けた施策の方針と方向を見据え,どのような事業をだれがどのようにいつまで実行していくのかを計画的に組み立てていくこと,つまりはアクションプランが必要ではないでしょうか。
加えて,学校の週5日制に対応した事業が,市行政ばかりではなく,地域のスポーツ振興会や育成協議会などによっても多数行われ,それでもまだ子供たちのニーズにこたえ切れていないとの指摘がされ,今後もますますふえていくであろうこうした事業を組み合わせ,より豊かな機会を提供していく必要にも迫られています。事業の有機的ネットワークがその効果や成果を飛躍的に増大させることは言うまでもありません。
生涯学習における青少年を対象とした行動計画の策定に取り組み,事業の有機的ネットワークを構築し,新潟市の子供たちや青少年の豊かな学びと育ちをサポートするお考えはないか伺います。
さて,平成17年の完成が待たれる生涯学習センターは,公民館の運営審議会や利用者団体の皆さんを中心とした多くの市民が数年をかけてその機能と使命を議論してきた,文字どおり新潟の学びの核となる施設です。順調にいけば,数年後には政令指定都市新潟市の生涯学習拠点ということになるわけです。
そこで,合併とセンターの完成を機に,新潟市の生涯学習政策の理念やあり方,それを実現するセンターの機能,センターと公民館を初めとする他の生涯学習施設との関係と連携,あるいは施策の方向性などをまとめたグランドデザインを描き,総合的な計画を策定することを提案し,教育長のお考えをお尋ねいたします。
今回の質問の中で幾つかの計画策定を提案いたしましたが,これは法令や政令,省令などでなすべきことが決まっていたこれまでとは違い,解決すべき地域課題を明らかにし,この課題を市民と共有し,日々行っている事業が何を目的としているのか,どのような成果が期待されているのかを認識し,市民とのパートナーシップのもとで施策や事業が展開,あるいは確実に執行されていく必要があるからです。立派な表紙のついた美しい計画冊子が必要なわけではありません。積極的な取り組みを期待して,質問を終わります。
初めに,合併・政令指定都市を目指す本市のまちづくりについてお尋ねいたします。
財政・分権改革の行方をめぐるニュースが連日のように新聞紙面をにぎわせ,週末のニュース番組では,骨太の方針第3弾や三位一体改革の進め方をめぐる財務大臣と各省庁大臣の攻防,そして小泉首相の発言に多くの時間が割かれています。
地方制度調査会が4月30日に出した今後の自治制度のあり方についての中間報告には,これから合併を実現して政令指定都市を目指そうとする本市にとって,以下のような見過ごしにできない制度の創設が盛り込まれています。
一つ「地域において自己決定と自己責任の原則が実現されるためには,住民自治が重視されなければならず,より一層の住民自治が実現されるよう,地域自治組織を設置することができる制度を創設する」一つ「地域自治組織は,合併した基礎的自治体内───これは合併後の市のことですが───この基礎的自治体内においては,合併前の旧市町村の単位を基本とする」一つ「この地域自治組織に旧市町村の名称を冠することによって,合併前の名前を残すことも可能になる」といったものです。
さらに,この自治組織について二つのタイプを示して「行政区的なタイプの自治組織においては,自治体の長が選任する地域自治組織の長と諮問機関である地域審議会を置くこと」「地域審議会の委員は,公選または住民総会による選出とすること」また「特別地方公共団体とするタイプでは,地域自治組織の議決機関の構成員は公選とし,執行機関はこの議決機関の互選または自治体の長の選任とする」といった,かなり具体的な提案までなされています。
これは,自立した自治体としてのアイデンティティーにこだわり,合併を渋る市町村に対して,合併特例債というあめだけでは足りずに「名前も残るよ,一定の自治権も確保されるよ」と,二つ目のあめを差し出さんばかりの提案です。これこそ自己決定と自己責任の侵害です。
ですが,一方で,名前と自立性を失ってでも地域の財政課題と行政課題の解決を合併に求めようという苦渋の決断を下しつつあった自治体にとっては天の配剤,失うものはほとんどありません。合併とは名ばかり,連合自治体になるだけのようなものですから。
しかし,これではすべての事務事業に広域事務組合を設置したのと幾らも変わりがなく,行政機構の改革にもスリム化にもならないばかりでなく,屋上屋を重ねて,かえって住民負担がふえるばかりです。
最終報告までにこの中間報告のどこがどれだけ変わるのか,何が決定を見るのかは定かではありませんが,編入合併と地域審議会の設置を前回の任意協議会で合意した本市が,合併後,法令に基づく政令市としての行政区の定まるまでの2年間,地域の自治をどのような形で実現し,地域審議会をどのような位置づけにしていこうと考えるのか,大きな課題となったことは間違いありません。
いずれもこれからの協議を待つべき問題ではありますが,本市としての柱をしっかり立てて臨むべき問題と考えます。市長はどのようにお考えでしょう,お聞かせください。
2点目の一体感の醸成とこだわりのまちづくりについて伺います。
それぞれの地域と地域住民がみずからの独自性と文化に愛着を持って高いアイデンティティーを保持していくことは大切なことです。なぜなら,その地域の振興や活性化はこうした強い思いなしにはあり得ないからです。
しかし,その一方で,一つの都市としての一体感の醸成もまた合併後重要な課題です。それは,感情や情緒的な意味ばかりでなく,ある行政課題が発生したとき,「そっちはそっちでやればいいねっけ,おれらはこれでいいっけ」と言うわけにはいかないからです。一つの問題を共通の問題として解決していかなければならず,そのためには都市としての一体感は不可欠です。それも,「長い時間をかければ,いつの間にか自然に新潟市民になっているさ」といった悠長なものではなく,できるだけ早く意図的に醸成する必要があるのです。それは,合併と同時に合併前以上の分権・財政改革,行政改革という試練がやってくるからです。
では,どうやってその一体感を醸成するか。先行政令指定都市が合併を行っていたころは,経済も右肩上がりで,合併による豊かさを実感することは難しくなかったでしょう。そのことによって,合併してよかった,政令市になってよかったという思いが一体感の醸成にも大きく寄与したものと思われますが,現在のような状況ではかなり難しい。
私は,何かに徹底してこだわったまちづくりが新潟市民であることの誇りを生み,一体感を生み出していくのではないかと思っています。全国で「ああ,それなら新潟市だわ」と言われるような政策が必要ではないでしょうか。私としては,それはぜひ「女性が暮らしやすいまちなら新潟市だわ」と言われるように女性政策であってほしいのですが,市長は一体感の醸成についてどのようにお考えでしょうか,お聞かせください。
二つ目に,住みなれたまちで暮らし続けるための取り組みについてお尋ねいたします。
一月ほど前になりますが,朝家の前で近所の方と立ち話をしていると,年配の女性がパジャマ姿のまま,登校する小学生たちにまじって歩いているのが目に入りました。私と話をしていた方は,「あら,お見かけしないおばあちゃんだわ」とすぐに駆け寄られて,校門近くの花壇に座り込んだその女性に声をかけ,自分も腰をおろして熱心に話しかけておられました。後に,「どちらからおいでになったのかなかなか話してくださらなかったけれど,あれこれ話しているうちに名字をおっしゃったので,きっとそうだろうと,隣の町内の心当たりの家にお連れしたら,やっぱりその家の方だった」とお聞きして,ほっと胸をなでおろすとともに,コミュニティの力の大きさを,大切さを痛感しました。
衛星通信を使った徘回老人の探知システムや,警察を初めとする関係行政機関の連絡ネットワークなど,ふらっと家を出てしまわれる高齢者の方へのさまざまなサポートが試行されていますし,今後ますます重要になっていくものと考えますが,一方,こうした地域の方々の温かいまなざしと声かけが安心して暮らせるまちづくりの基本であろうと思われます。
御存じのように,平成12年4月に開始された介護保険サービスは,3年の期間を経て,ことし4月に事業計画の見直しが図られました。本市では,ニーズの高い施設整備に関しては,早期入所必要者を再調査して,この解消を中心にサービス目標量が検討されるなど,実情への配慮が読み取れます。
実際,施設への申し込み状況をホームページで見てみますと,4月末現在で70人の定員に対して7倍以上の515人の申し込みのある施設や,80人定員に対して6.5倍の520人が申し込んでいる施設があり,施設入所を希望する市民のいつになったら入れるかわからないという焦りの気持ちも当然。また,こうしたニーズにこたえるべく,施設整備が急がれるのもむべなるかなと思われます。
ですが,こうした施設志向が介護の保険料を引き上げていることもまた周知されているところです。サービスに要する費用を居宅サービスと施設サービスとで比較すると,平成15年度で2.2倍,年度ごとに下がっていきますが,それでも平成19年度で1.8倍と見込まれています。大きな負担を背に,本当に高齢者の皆さん自身は施設に入所したいと思っておられるのでしょうか。
施設そのものは,入所者のプライバシーや居住性などサービスの質に目が向けられるようになり,個室型の施設やユニットケアという手法によるサービスへと転換されつつありますが,家族や友人,住みなれた家,それまでの生活と切り離された集団生活を余儀なくされる施設入所を望んでおられる方がかくも多いとは思えません。私の周囲の方々も,「そりゃああなた,ぎりぎりまで家にいたいわよ」とだれもが言われます。在宅介護を支えるサービスは多々あるのですが,高齢者の問題を学習しているグループが家族に頼らなくても不安のないケアプランを試しにつくってみると,サービスの限度額を大きく上回ってしまうとのことでした。介護は365日,24時間です。介護する家族の生活スタイルや負担への配慮,あるいはいざというときの不安がとにかくとりあえず施設へと向かわせている場合も多いのです。
施設ではなく,住みなれたまちで家族とともに暮らしたい,こうした願いを実現していこうというのが地域分散型在宅ケアの考え方です。大きな施設においてセットで提供されている24時間体制の看護や介護,リハビリテーション,入浴や給食などのサービスを解体して,コンパクトにして組み合わせ,地域に分散させて小さなエリアで提供していこうというものです。
長岡市では,今年度から24時間体制の介護サービスと定員20人以下のバリアフリー住宅を組み合わせた在宅支援型住宅の整備に着手し,1カ所当たり3,000万円の補助事業を開始したところ,既に2件の建設が審査会において採択されたとのことです。
本市におきましても,在宅で介護される不安や配慮を払拭する地域分散型在宅ケアへの取り組みなど,最期のときまで地域で,住みなれたまちで暮らし続けられる高齢者福祉政策が推進されますよう要望して,市長のお考えを伺い,1点目の質問といたします。
次に,住みなれたまちで暮らし続けるための福祉,保健,医療及び生活関連分野の一体的整備についてお尋ねいたします。
高齢者が地域で暮らし続けるためには,介護サービスや保健・医療サービスなどのほか,バリアフリーの住宅や道路,まちづくり全体がその方向へ向けて一体的に整備されることが必要です。さらに,介護や看護休暇の取得や労働時間の短縮など,家族体制の整備も必要でしょう。そして,何よりも地域住民や市民の政策推進に向けた意識づけが重要であると考えます。平成12年の改正社会福祉法では,市町村地域福祉計画の策定と市民の意見の反映,内容の公表を定め,本年4月に施行されています。
さかのぼって,平成14年1月28日,厚生労働省社会保障審議会福祉部会が「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について」の報告を出していますが,ここには「一人ひとりの地域住民への訴え」という副題がついており,地域福祉を限られた社会的弱者に対するサービスとしてではなく,身近な日々の暮らしの場である地域社会で,多様な人々の多様な生活課題に地域全体で取り組む仕組みであるととらえ直し,自発的,積極的に取り組むよう訴えています。そして,地域住民の参加がなければ策定できないことがこの計画の特徴であるとして,策定手順を細かく示してプロセスの重要性を明らかにした上で,地域住民の主体的参加による地域福祉計画の策定,実行,評価の過程が,それ自体地域福祉推進の実践そのものであると述べています。
また,地域福祉推進の基本目標として,多様なサービスの十分な連携による総合的な展開が不可欠であるとして,サービスの総合化の確立と,福祉,保健,医療と教育,就労,住宅,交通,環境,まちづくりなどの生活関連分野との連携が掲げられています。まさにこうした取り組みこそが,高齢者が,そしてだれもが住みなれたまちで暮らし続けるための必要条件にほかなりません。
本市には,平成13年6月に策定された新潟市保健医療福祉計画がありますが,ぜひともこの住民参加のプロセスに重点を置き,サービスの目標量の明記を義務づけた地域福祉推進計画の策定に着手され,高齢者が,そしてだれもが自分の愛するまちで暮らし続けることのできる新潟市が実現することを強く要望して,市長の御所見を伺います。
最後に,質の高い生涯学習への取り組みについてお尋ねいたします。
合併協議の進んでいる新潟市を含めた13市町村は,申すまでもなく,それぞれの地域性に根差した文化と伝統を有しています。市長が常々おっしゃっておられるように,これらに光を当てることは地域振興に大きく寄与することでありますし,これを大切に保存,継承するとともに,お互いに学び,理解し合い,これを共有し,新しい文化の創造を図っていくことは,生涯学習の任務であります。生涯学習が合併後の市民の豊かさの実感や一体感の醸成に果たす役割には大きなものがあると考えます。
ところが,各市町村ごとの行政制度が異なる以上に取り組みの温度差があると思われるのがこの生涯学習の分野でもあります。
以前,ある町に講師として招かれた友人が「ねえねえ,知ってた。あの町では,女性や子供の学習は保健所でやってるんだよ。公民館は趣味の会をやるんだって」と,驚きとともに報告をしてくれたことがありました。温度差ばかりでなく,考え方も違うようです。
新潟市はこれまで,市民の高い学習熱に支えられ,多少の皮肉を込めて申し上げれば,少ない事業予算の中で大変熱心に取り組み,質の高い学習機会を市民に提供してこられたと思っています。市民大学のテーマの設定やカリキュラムは大変魅力的ですし,各地区公民館でも地域的な特性や住民のニーズに配慮した特徴ある事業を展開しています。また,公民館を利用して自主的に学習する市民も多く,昨年度は11地区館と10の分館の定期利用団体は1,519,不定期に利用されているのは1,362団体にも上っています。本当に新潟市民は勉強好きです。図書館の利用者も,担当の御努力もあって,大きく伸びているとお聞きしています。
こうした新潟市民の旺盛な好奇心や向学心が他の地域の文化や学びと出会うことによって触発され,より高次の学習へと発展し,先ほども述べましたように,新しい文化や価値を創出していくことを強く願い,また新潟市の生涯学習政策がこの文化や価値の創出を財政的措置も含めて積極的に推進するものであるよう要望して,教育長に質問いたします。
1点目は,合併が協議されている12市町村の社会教育施設の設置状況とそこで行われている事業についてです。事務事業のすり合わせや担当者会議,管理職レベルでの話し合いも進んでいるやに聞いております。現在の時点での状況を御答弁ください。
新聞報道によれば「文部科学省は6日,公民館などの設置・運営基準を全面改定し,面積,設備,開館時間といった要件を撤廃して,大幅に緩和した新基準を告示した」とのことですが,社会教育法では,設置,運営に関するばかりでなく,公民館で行われる事業に関しても「2,定期講座を開催すること」「3,討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催すること」といったように,その第22条で定めています。ですが,公民館とは名ばかりの集会場のような器も全国的にはないわけではないのです。その施設がどのような位置づけにあるのか,そこでどんな事業が行われているのか,どのような教育や研修を受けた職員が働いているのかは,提供される生涯学習の質と量にかかわる問題です。社会教育法に基づく社会教育施設の設置状況と事業についてお聞かせください。
2点目は,生涯学習に関する理念や基本方針,基本計画などの共有についてです。
もし他市町村との間で,生涯学習に取り組む姿勢や熱意ばかりではなく,その概念もが違っていたら,これは制度や事業を整えてよしと済むことではありません。生涯学習に課せられている命題は,個人の教養の向上や文化振興ばかりではなく,自立した市民の育成でもあります。高い理念と明確な基本方針を持って臨み,その共有を図り,その上で制度や事業の取捨選択をすべきと考えますが,教育長の御所見を伺います。
ところで,我が国の子供たちや青少年が大変生きづらい状況にあることは御承知のとおりです。さまざまな事件,事故の被害者となるばかりでなく,社会の中で自分の居場所や心の行く先を見失って,あるいは自分の持っている豊かな力を発揮する場面に出会うことができずに,加害者となってしまう場合も少なくないのは不幸なことです。多様な心と力を持つ子供たちや青少年にその力を伸ばすための支援や機会を提供し,また自分や他者,そして社会を見詰める作業を共有していくことは,生涯学習の極めて重要な役割だと考えています。
子供たちや青少年が抱える,あるいは彼らを取り巻く現状と課題を明らかにし,その解決に向けた施策の方針と方向を見据え,どのような事業をだれがどのようにいつまで実行していくのかを計画的に組み立てていくこと,つまりはアクションプランが必要ではないでしょうか。
加えて,学校の週5日制に対応した事業が,市行政ばかりではなく,地域のスポーツ振興会や育成協議会などによっても多数行われ,それでもまだ子供たちのニーズにこたえ切れていないとの指摘がされ,今後もますますふえていくであろうこうした事業を組み合わせ,より豊かな機会を提供していく必要にも迫られています。事業の有機的ネットワークがその効果や成果を飛躍的に増大させることは言うまでもありません。
生涯学習における青少年を対象とした行動計画の策定に取り組み,事業の有機的ネットワークを構築し,新潟市の子供たちや青少年の豊かな学びと育ちをサポートするお考えはないか伺います。
さて,平成17年の完成が待たれる生涯学習センターは,公民館の運営審議会や利用者団体の皆さんを中心とした多くの市民が数年をかけてその機能と使命を議論してきた,文字どおり新潟の学びの核となる施設です。順調にいけば,数年後には政令指定都市新潟市の生涯学習拠点ということになるわけです。
そこで,合併とセンターの完成を機に,新潟市の生涯学習政策の理念やあり方,それを実現するセンターの機能,センターと公民館を初めとする他の生涯学習施設との関係と連携,あるいは施策の方向性などをまとめたグランドデザインを描き,総合的な計画を策定することを提案し,教育長のお考えをお尋ねいたします。
今回の質問の中で幾つかの計画策定を提案いたしましたが,これは法令や政令,省令などでなすべきことが決まっていたこれまでとは違い,解決すべき地域課題を明らかにし,この課題を市民と共有し,日々行っている事業が何を目的としているのか,どのような成果が期待されているのかを認識し,市民とのパートナーシップのもとで施策や事業が展開,あるいは確実に執行されていく必要があるからです。立派な表紙のついた美しい計画冊子が必要なわけではありません。積極的な取り組みを期待して,質問を終わります。
平成14年12月定例会質問
くじ運の悪い吉田ひさみです。通告に従い,以下質問いたします。
初めに,新潟市の分権,自治の確立について伺います。
4市4町4村で構成される新潟地域合併問題協議会は,既に2回の協議を終え,前回会議において政令指定都市を目指すことを全会一致で決議しました。次回,12月25日の第3回協議会では,「合併の時期は合併特例法期限の2005年3月31日までに行うことを新潟市の方針として議論することが執行部と議員との間で確認された」と新聞報道もされ,きのうの議論の中でも明らかにされています。(「全会一致じゃないでしょう」と呼ぶ者あり) 失礼しました。賛成多数でと言い直させていただきます。
こうした議論の流れの中でさお差すようなことを申し上げるのは,今さらと言われそうで,いささか気が引けるのですが,この広域合併が市民の理解を置いてきぼりにして加速度的に進んでいくのではないかと懸念されますので,ここで私見を述べさせていただき,市長の御所見を伺います。
私は,政令指定都市を目指すことも合併も,いたし方なしという思いも含めて,やみくもに反対するものではありませんが,市長の言われる合併と政令指定都市構想はセットであるという考え方と,合併は合併特例法期限の2005年3月31日までに行うという期限を切った考え方には納得できないところがあります。
11市町村からの合併協議申し入れは,当然のことながら,各自治体が個々別々に申し入れてきていますが,その申入書の中で一様に述べられているのは,財政状況の悪化と多様化する住民ニーズへの対応の困難です。そして,これらを克服する手段が合併であり,新潟市の田園型政令指定都市の構想の一員となることであると述べられています。
政府の交付税,交付金の配分見直しや削減で,地方のいわば中小零細自治体の行財政運営が極めて困難になることや,各種の福祉・保険・社会保障制度の改正,改悪,変更によって,分権の名のもとに地方自治体の負担が増大することなどを容易に予想することができる現在の状況下で,周辺11市町村がみずからの自治体としての名も,自立性をも失ってでも,財政や行政サービスなどそれぞれが抱える課題の解決を合併に求めるのは,残念ながらいたし方ない現実であろうと思われます。よしんば政令指定都市が難しかったとしても,合併によって少なくとも今以上の行政サービスが提供されることは,行政制度の比較調査を見れば明らかです。
一方,では新潟市民にとっての合併メリットは何なのか,私には政令指定都市になる以外には考えられません。昨日,市長は小石議員の質問に答えて,「合併のデメリットはない」とおっしゃいました。そうでしょうか。サービスや社会資本の整備を新潟市並みのレベルに整え,合併建設計画を履行する,そのための財政負担を想像すると,市長の言われるように,「新潟の見どころが勢ぞろいするからすばらしい」とはとても思えません。合併特例債が幾ら有利であろうと,借金は借金です。このデメリットを超えるメリットをお示しください。政令指定都市になる以外に,合併によって解決される新潟市の行政課題は何かお尋ねいたします。
ところで,市長は所信表明で,「地域のことは地域が決め,地域が責任を持つ」分権時代の行政のありようを述べられました。分権と自治の関係で言うならば,まずは自治ありきではないのでしょうか。地域のことは地域が決め,地域が責任を持つ,つまりは自主,自立の地域社会の形成を目指し,そのための権限移譲であり,事務事業の移管,つまりは分権なのだと考えます。求められているのは,住民ニーズに密着した地域課題の解決能力,ローカルオプティマムを実現する力,高い自治の力です。
自治能力とは,当然のことながら財政の自立性に依拠します。私たち議員に資料として配付された平成12年度地方財政状況の数字を見れば,財政力指数が一番高い市で0.568,最も低い村では0.261という周辺11市町村との合併で,財政の自立性が高まるはずもないことは明らかです。「だから政令指定都市を目指すんでしょう」ということになるのでしょうが,ただ人口が77万になったからといって,新潟の拠点性が飛躍的に高まって,商業,サービス産業を初めとする多くの都市型産業が生まれると考えるのは余りにも楽観的過ぎるのではないでしょうか。
中心市街地の空洞化は全国的な傾向と言うけれど,新潟ほど,これほどまちなかに人のいない,駐車場ばかりで活気のない県庁所在地を私は知りません。新潟島に定住人口を呼び戻し,中心市街地の活気を取り戻すという新潟市のマスタープランを一昨年策定し,丁寧な地域説明会で市民の理解と合意を取りつけたばかりではありませんか。市内の空き室率が全国主要都市18市でトップ,つまりはワーストワンという現状や,「おーい」と呼べばこだまが返ってきそうな古町などの中心市街地の空洞化にくさびを打ち,人口集積を図り,都市機能を高次化してこそ,産業の芽生えも雇用の創出も可能になるのではないでしょうか。そして,結果,新潟市の拠点性が高まるというものではないでしょうか。
いたずらに人口や財政支出を拡散させるような合併を急ぐのではなく,新潟市街地の求心力を高めることこそが喫緊の課題であり,分権,自治の礎であり,政令指定都市への一歩であると考えます。市長はどのようにお考えですか,お聞かせください。
さて,新潟市民の合併,政令都市への理解と合意が不十分であることは,新聞発表された調査から明らかです。にもかかわらず,なぜ合併議論が2005年3月31日までの期限を切ってなされているのでしょうか。政策決定への市民参画は市長の公約です。十分な合意形成が先ではないのですか。
「だって,合併特例法の期限までにやらないと,合併特例債なんかの優遇措置が受けられないんだもの」ということでしょうか。だとしたら,こうした「いいよ。やることはやるけど,でもお金の方はよろしくね」という発想こそが,国,県のくびきを離れ,自主,自立の地域社会の形成を目指すという分権の精神から大きく逸脱し,その本旨に反するのではありませんか。これを3点目の質問といたします。お考えをお聞かせください。
バブル経済が崩壊した直後,いっとき上杉鷹山がもてはやされたことを御記憶の方も多いと思います。清貧の勧めとまでは言わないまでも,こうも経済が落ち込み続けている中で,身の丈の暮らしをしなければならないのは庶民ばかりではないはずです。自主,自立とはそこから始まると思います。
平成の大合併は新潟市百年の計であり,目先のメリット,デメリットにかかずらわっていては将来を危うくするとの御批判があろうことは重々承知していますが,しかし以上申し上げてきた疑問を放置したまま,新潟市民の理解と合意,さらには協力を求めることはできないのではあるまいかと考えます。市長の言われた「役所が市民から遠くなってしまう」「周辺となる地域が寂れてしまう」といった懸念は,周辺11市町村の方々の懸念です。新潟市民の疑問と懸念にお答えください。
次に,行政評価システム導入についてお尋ねいたします。
「この季節になると,やたらと道路を掘り返しているけど,3月までに予算消化するために,必要もない道路工事をしているんじゃないの」とか,「市政懇談会に市の職員さんがわらわらと大勢来なさるけど,机で仕事をしていた方がいいのにむだじゃないの」とかいった御批判を市民の方からちょうだいすることがあります。「側溝をL字型に改良してくれるよう何年も前から申し入れているのに,いつまで待ってもしてくれない。どういう順番なんだ」というおしかりをいただくこともあります。最も厳しい御批判は,議会や議員のありように対してちょうだいしているのですが,それは別な機会に譲ることとして,行政の行う事業に対する市民の目は確実に厳しくなっており,こうした批判や疑問に適切かつ公正にこたえることは,市民の信頼を得るためには欠かせません。
同時に,厳しい財政状況の中で効率のよい行政運営がなされるために,何を目的としてどれだけのコストを投入して何をするのか,結果,どんな効果があったのかを明確にしていく必要も生じています。これは,単に事務事業の見直し,削減のためだけではなく,事業自体の有効性を高めるためにも大切なプロセスです。
行政評価は,市民への説明責任と行財政改革のための有効なツールとして,さらには取り組む職員の意識改革のツールとしても,今や全国の多くの自治体で積極的に取り組まれています。指標を設定して達成度を評価するもの,経済の波及効果や税収効果と投入コストを測定して有効性を評価するもの,あるいは執行された事業に対する市民の満足度を評価するものなど,地域の特性や目的,対象に沿ってさまざまなシステムが検討されています。
新潟市においても,ことし6月に基本方針が出され,現在は試行段階であると聞いておりますが,まず初めに新潟市が取り組もうとしている行政評価の目的と期待される成果について,次に現在の進捗状況をお聞かせください。
基本方針にも述べられているように,新潟市においてはこれまでも,行政改革大綱に基づく事務事業見直しや,財政改革推進基本計画に基づく事務事業別評価,総合計画や分野別計画の策定とその進行管理などを行ってきています。こうした従前の評価や進行管理をそのままに,さらに行政評価システムを導入することは,屋上屋を重ねることとなってむだであるばかりでなく,評価の信頼性をも危うくするものです。一本化を図るのか,あるいは従前の評価はそのままに何らかの整合性を図るのかお尋ねいたします。
ところで,さきにも述べましたように,行政評価もその対象や目的によって評価の指標が異なります。いずれをとっても,だれにとってもわかりやすく,しかも信頼性の高い指標が求められるわけですが,新潟市においてはどのように設定されるのかお尋ねして,4点目の質問といたします。
さて,えてして身内の評価は甘いというのは何に関しても言われることです。市民からの信頼性の高い客観的な行政評価とするためには,庁内での評価にとどまらず,第三者による外部評価が必要と考えます。
いつも名古屋市の例を引き合いに出して恐縮なのですが,先般公表された名古屋市の行政評価結果は,学識経験者など6名で構成される名古屋市行政評価委員会が行った外部評価で,評価を行った956事業のうち,事業規模・内容の見直しの検討が146事業,事業の抜本的見直し,休廃止の検討が40事業という厳しいものでした。
第三者機関による外部評価はどのように検討されているのか,さらにもう一点,今後のシステム導入の実施スケジュールについてお尋ねします。
ところで,市長の所信表明演説の中に男女共同参画の推進が盛り込まれていなかったことは極めて残念です。
新潟市は,女性センターの設置や女性行動計画の策定など,女性への差別や人権侵害の解決に向けた取り組みでは全国の先駆けとなってきた都市です。条例設置された審議会委員の皆さんの熱心な議論と御苦労,そして担当課を初めとする全庁の協力によって,昨年は男女共同参画行動計画と実施計画が策定されました。条例の制定と苦情処理機関の設置も検討段階に入っています。また,女性への重大な人権侵害であるドメスティック・バイオレンスからの緊急一時保護事業として,母子生活支援センター内にシェルターを設け,民間シェルターへの運営補助もしてきています。市町村レベルでのこうした取り組みは他に類を見ません。
私としては,女性の暮らしやすさ全国ナンバーワンと言われる新潟になるよう,より一層の施策の充実を願うものですが,その一端として,年々増加を続けている母子家庭のこの不況下での生活困窮の深刻化を訴え,その自立支援策についてお尋ねいたします。
私の知人に,いわゆる女手一つで息子2人を育てている女性がいます。彼女の毎日は過酷です。午前2時・3時から7時ころまでの早朝パートをした後,家事をこなして仮眠をとり,11時ごろから飲食業のパートに出ます。そして,その後さらに夕方から深夜までのパートをかけ持ちするのです。病気をしている暇もないとはこのことで,体を壊したという話を耳にしたことはありませんが,いつ倒れても不思議ではない生活を私が知ってからでも既に8年続けています。正規雇用の場から締め出されてしまっている中高年の女性がだれの助けもかりずに生活していこうとすると,こうした働き方を余儀なくされているのが現実です。
数年前,新潟市母子福祉連合会の役員の方々と懇談させていただいたことがありました。その中のお一人が,「朝起きて子供が熱を出していたりすると,急には仕事を休めなくて,3人いる子供のうちの年齢の高い子に学校を休ませて看病させることがある」と話しておられたのが忘れられません。これほどまでに不況が深刻化していなかった当時でさえ,子供を抱えた女性が自立した生活を送るために働く,その困難に対して社会は厳しかったのに,男性こそが生計維持者であると信じて疑わず,まずは男性の仕事確保が優先とばかりに,女性を正規の労働の場から契約労働やパート労働へと追いやり,人員整理の対象として真っ先に首にする。このような不況下で,彼女たちがどれほどの辛酸をなめているのかと胸が痛みます。
こうした母子家庭を支える命綱ともいうべき児童扶養手当が,「母子家庭の自立の意欲を高め,またこれから母子家庭がさらにふえても制度維持ができるように」との説明のもとに制度改正され,8月から所得の限度額が引き下げられました。これと同時に,制度の改正が生活に与える影響を緩和する観点から,手当が減額となった方を対象としてというもとに特例児童扶養資金の制度が創設されたことを見ても,この制度変更で生活資金に困る母子家庭が生じることは織り込み済みであることは明らかです。このような変更は,対象者にとっては決して改正ではなく,生活の困窮をさらに深める改悪であると言わざるを得ません。
児童扶養手当は,何よりも対象となる子供たちのための社会保障ではありませんか。子供たちの健やかな成長の糧を奪う理屈に自立意欲とは腹立たしい限りです。少子化に危機感を募らせ,不妊治療に国としての助成金を検討する一方で,今生きて育とうとしている子供たちに対してこのような仕打ちがなされることをどう理解すればいいのでしょう。
と,腹を立ててばかりいても始まりません。それならば,自立意欲を高めるどのような施策が用意されているのかお尋ねしなければなりませんが,まず初めにこの制度変更による影響を,8月以降の交付の現況と新設された特例児童扶養資金の利用状況の2点に絞ってお聞かせください。
ところで,この児童扶養手当の交付を受けるには,市町村の相談窓口に認定請求書を提出し,毎年現況届を提出しなければなりません。また,未婚の母子は,母子家庭である確認調書の提出も求められます。これらは郵送不可で,必ず窓口に赴かなければなりません。制度変更された8月からはさらに,父親から受け取る金品が所得として扱われるようになったため,養育費等に関する申告書も必要となりました。
母子家庭に対する偏見がいまだ根強い状況で,当人たちは周囲が想像する以上に自分の置かれた立場に対して神経質になっています。窓口での手続のときに,特に地区事務所の窓口などでは,周りに見知った人がいるのではないか,近所の人が話を聞いているのではないかと,より一層神経をとがらせます。こうした当事者の気持ちやプライバシー,人権への配慮を強く望みますが,現在どのような対応がなされているのでしょうか,お尋ねします。
これまで述べてきた児童扶養手当制度の変更は,本年3月に発表された母子家庭等自立支援対策大綱に基づくものです。この大綱には,現行18歳まで支給の児童扶養手当は,受給期間が5年を超える場合,一定率をもって一部を支給しない,保育園への優先的入所,就業支援講習会の大幅な拡充,母子家庭高等職業訓練促進費の創設,母子家庭等就業支援センターの創設,父親の養育費支払い義務を法律に明記するなどが盛り込まれています。来年度からの実施を目指して,既に母子及び寡婦福祉法,児童扶養手当法,児童福祉法,社会福祉法などの一部を改正する法律案が先月衆参両院を通過して,29日に公布されてしまっています。この大綱の中で,国は都道府県と市に対して福祉施策と就労支援策の連携に配慮した自立支援計画の策定を促しており,新潟市においても母子家庭の置かれている現状を十分に反映した計画の策定を強く望みます。
厚生労働省は,平成15年度予算の概算要求で,さきに述べた就業自立支援センターの創設費17億6,800万円,そのセンター経費2,000万円,就業支援事業184億300万円を含む関係予算2,836億円を提出していますが,こうした予算を受けて,本市においてはどのような支援策が講じられるのか伺います。
自立に向けた実効ある施策を強く要望いたして,私の質問といたします。ありがとうございました。
初めに,新潟市の分権,自治の確立について伺います。
4市4町4村で構成される新潟地域合併問題協議会は,既に2回の協議を終え,前回会議において政令指定都市を目指すことを全会一致で決議しました。次回,12月25日の第3回協議会では,「合併の時期は合併特例法期限の2005年3月31日までに行うことを新潟市の方針として議論することが執行部と議員との間で確認された」と新聞報道もされ,きのうの議論の中でも明らかにされています。(「全会一致じゃないでしょう」と呼ぶ者あり) 失礼しました。賛成多数でと言い直させていただきます。
こうした議論の流れの中でさお差すようなことを申し上げるのは,今さらと言われそうで,いささか気が引けるのですが,この広域合併が市民の理解を置いてきぼりにして加速度的に進んでいくのではないかと懸念されますので,ここで私見を述べさせていただき,市長の御所見を伺います。
私は,政令指定都市を目指すことも合併も,いたし方なしという思いも含めて,やみくもに反対するものではありませんが,市長の言われる合併と政令指定都市構想はセットであるという考え方と,合併は合併特例法期限の2005年3月31日までに行うという期限を切った考え方には納得できないところがあります。
11市町村からの合併協議申し入れは,当然のことながら,各自治体が個々別々に申し入れてきていますが,その申入書の中で一様に述べられているのは,財政状況の悪化と多様化する住民ニーズへの対応の困難です。そして,これらを克服する手段が合併であり,新潟市の田園型政令指定都市の構想の一員となることであると述べられています。
政府の交付税,交付金の配分見直しや削減で,地方のいわば中小零細自治体の行財政運営が極めて困難になることや,各種の福祉・保険・社会保障制度の改正,改悪,変更によって,分権の名のもとに地方自治体の負担が増大することなどを容易に予想することができる現在の状況下で,周辺11市町村がみずからの自治体としての名も,自立性をも失ってでも,財政や行政サービスなどそれぞれが抱える課題の解決を合併に求めるのは,残念ながらいたし方ない現実であろうと思われます。よしんば政令指定都市が難しかったとしても,合併によって少なくとも今以上の行政サービスが提供されることは,行政制度の比較調査を見れば明らかです。
一方,では新潟市民にとっての合併メリットは何なのか,私には政令指定都市になる以外には考えられません。昨日,市長は小石議員の質問に答えて,「合併のデメリットはない」とおっしゃいました。そうでしょうか。サービスや社会資本の整備を新潟市並みのレベルに整え,合併建設計画を履行する,そのための財政負担を想像すると,市長の言われるように,「新潟の見どころが勢ぞろいするからすばらしい」とはとても思えません。合併特例債が幾ら有利であろうと,借金は借金です。このデメリットを超えるメリットをお示しください。政令指定都市になる以外に,合併によって解決される新潟市の行政課題は何かお尋ねいたします。
ところで,市長は所信表明で,「地域のことは地域が決め,地域が責任を持つ」分権時代の行政のありようを述べられました。分権と自治の関係で言うならば,まずは自治ありきではないのでしょうか。地域のことは地域が決め,地域が責任を持つ,つまりは自主,自立の地域社会の形成を目指し,そのための権限移譲であり,事務事業の移管,つまりは分権なのだと考えます。求められているのは,住民ニーズに密着した地域課題の解決能力,ローカルオプティマムを実現する力,高い自治の力です。
自治能力とは,当然のことながら財政の自立性に依拠します。私たち議員に資料として配付された平成12年度地方財政状況の数字を見れば,財政力指数が一番高い市で0.568,最も低い村では0.261という周辺11市町村との合併で,財政の自立性が高まるはずもないことは明らかです。「だから政令指定都市を目指すんでしょう」ということになるのでしょうが,ただ人口が77万になったからといって,新潟の拠点性が飛躍的に高まって,商業,サービス産業を初めとする多くの都市型産業が生まれると考えるのは余りにも楽観的過ぎるのではないでしょうか。
中心市街地の空洞化は全国的な傾向と言うけれど,新潟ほど,これほどまちなかに人のいない,駐車場ばかりで活気のない県庁所在地を私は知りません。新潟島に定住人口を呼び戻し,中心市街地の活気を取り戻すという新潟市のマスタープランを一昨年策定し,丁寧な地域説明会で市民の理解と合意を取りつけたばかりではありませんか。市内の空き室率が全国主要都市18市でトップ,つまりはワーストワンという現状や,「おーい」と呼べばこだまが返ってきそうな古町などの中心市街地の空洞化にくさびを打ち,人口集積を図り,都市機能を高次化してこそ,産業の芽生えも雇用の創出も可能になるのではないでしょうか。そして,結果,新潟市の拠点性が高まるというものではないでしょうか。
いたずらに人口や財政支出を拡散させるような合併を急ぐのではなく,新潟市街地の求心力を高めることこそが喫緊の課題であり,分権,自治の礎であり,政令指定都市への一歩であると考えます。市長はどのようにお考えですか,お聞かせください。
さて,新潟市民の合併,政令都市への理解と合意が不十分であることは,新聞発表された調査から明らかです。にもかかわらず,なぜ合併議論が2005年3月31日までの期限を切ってなされているのでしょうか。政策決定への市民参画は市長の公約です。十分な合意形成が先ではないのですか。
「だって,合併特例法の期限までにやらないと,合併特例債なんかの優遇措置が受けられないんだもの」ということでしょうか。だとしたら,こうした「いいよ。やることはやるけど,でもお金の方はよろしくね」という発想こそが,国,県のくびきを離れ,自主,自立の地域社会の形成を目指すという分権の精神から大きく逸脱し,その本旨に反するのではありませんか。これを3点目の質問といたします。お考えをお聞かせください。
バブル経済が崩壊した直後,いっとき上杉鷹山がもてはやされたことを御記憶の方も多いと思います。清貧の勧めとまでは言わないまでも,こうも経済が落ち込み続けている中で,身の丈の暮らしをしなければならないのは庶民ばかりではないはずです。自主,自立とはそこから始まると思います。
平成の大合併は新潟市百年の計であり,目先のメリット,デメリットにかかずらわっていては将来を危うくするとの御批判があろうことは重々承知していますが,しかし以上申し上げてきた疑問を放置したまま,新潟市民の理解と合意,さらには協力を求めることはできないのではあるまいかと考えます。市長の言われた「役所が市民から遠くなってしまう」「周辺となる地域が寂れてしまう」といった懸念は,周辺11市町村の方々の懸念です。新潟市民の疑問と懸念にお答えください。
次に,行政評価システム導入についてお尋ねいたします。
「この季節になると,やたらと道路を掘り返しているけど,3月までに予算消化するために,必要もない道路工事をしているんじゃないの」とか,「市政懇談会に市の職員さんがわらわらと大勢来なさるけど,机で仕事をしていた方がいいのにむだじゃないの」とかいった御批判を市民の方からちょうだいすることがあります。「側溝をL字型に改良してくれるよう何年も前から申し入れているのに,いつまで待ってもしてくれない。どういう順番なんだ」というおしかりをいただくこともあります。最も厳しい御批判は,議会や議員のありように対してちょうだいしているのですが,それは別な機会に譲ることとして,行政の行う事業に対する市民の目は確実に厳しくなっており,こうした批判や疑問に適切かつ公正にこたえることは,市民の信頼を得るためには欠かせません。
同時に,厳しい財政状況の中で効率のよい行政運営がなされるために,何を目的としてどれだけのコストを投入して何をするのか,結果,どんな効果があったのかを明確にしていく必要も生じています。これは,単に事務事業の見直し,削減のためだけではなく,事業自体の有効性を高めるためにも大切なプロセスです。
行政評価は,市民への説明責任と行財政改革のための有効なツールとして,さらには取り組む職員の意識改革のツールとしても,今や全国の多くの自治体で積極的に取り組まれています。指標を設定して達成度を評価するもの,経済の波及効果や税収効果と投入コストを測定して有効性を評価するもの,あるいは執行された事業に対する市民の満足度を評価するものなど,地域の特性や目的,対象に沿ってさまざまなシステムが検討されています。
新潟市においても,ことし6月に基本方針が出され,現在は試行段階であると聞いておりますが,まず初めに新潟市が取り組もうとしている行政評価の目的と期待される成果について,次に現在の進捗状況をお聞かせください。
基本方針にも述べられているように,新潟市においてはこれまでも,行政改革大綱に基づく事務事業見直しや,財政改革推進基本計画に基づく事務事業別評価,総合計画や分野別計画の策定とその進行管理などを行ってきています。こうした従前の評価や進行管理をそのままに,さらに行政評価システムを導入することは,屋上屋を重ねることとなってむだであるばかりでなく,評価の信頼性をも危うくするものです。一本化を図るのか,あるいは従前の評価はそのままに何らかの整合性を図るのかお尋ねいたします。
ところで,さきにも述べましたように,行政評価もその対象や目的によって評価の指標が異なります。いずれをとっても,だれにとってもわかりやすく,しかも信頼性の高い指標が求められるわけですが,新潟市においてはどのように設定されるのかお尋ねして,4点目の質問といたします。
さて,えてして身内の評価は甘いというのは何に関しても言われることです。市民からの信頼性の高い客観的な行政評価とするためには,庁内での評価にとどまらず,第三者による外部評価が必要と考えます。
いつも名古屋市の例を引き合いに出して恐縮なのですが,先般公表された名古屋市の行政評価結果は,学識経験者など6名で構成される名古屋市行政評価委員会が行った外部評価で,評価を行った956事業のうち,事業規模・内容の見直しの検討が146事業,事業の抜本的見直し,休廃止の検討が40事業という厳しいものでした。
第三者機関による外部評価はどのように検討されているのか,さらにもう一点,今後のシステム導入の実施スケジュールについてお尋ねします。
ところで,市長の所信表明演説の中に男女共同参画の推進が盛り込まれていなかったことは極めて残念です。
新潟市は,女性センターの設置や女性行動計画の策定など,女性への差別や人権侵害の解決に向けた取り組みでは全国の先駆けとなってきた都市です。条例設置された審議会委員の皆さんの熱心な議論と御苦労,そして担当課を初めとする全庁の協力によって,昨年は男女共同参画行動計画と実施計画が策定されました。条例の制定と苦情処理機関の設置も検討段階に入っています。また,女性への重大な人権侵害であるドメスティック・バイオレンスからの緊急一時保護事業として,母子生活支援センター内にシェルターを設け,民間シェルターへの運営補助もしてきています。市町村レベルでのこうした取り組みは他に類を見ません。
私としては,女性の暮らしやすさ全国ナンバーワンと言われる新潟になるよう,より一層の施策の充実を願うものですが,その一端として,年々増加を続けている母子家庭のこの不況下での生活困窮の深刻化を訴え,その自立支援策についてお尋ねいたします。
私の知人に,いわゆる女手一つで息子2人を育てている女性がいます。彼女の毎日は過酷です。午前2時・3時から7時ころまでの早朝パートをした後,家事をこなして仮眠をとり,11時ごろから飲食業のパートに出ます。そして,その後さらに夕方から深夜までのパートをかけ持ちするのです。病気をしている暇もないとはこのことで,体を壊したという話を耳にしたことはありませんが,いつ倒れても不思議ではない生活を私が知ってからでも既に8年続けています。正規雇用の場から締め出されてしまっている中高年の女性がだれの助けもかりずに生活していこうとすると,こうした働き方を余儀なくされているのが現実です。
数年前,新潟市母子福祉連合会の役員の方々と懇談させていただいたことがありました。その中のお一人が,「朝起きて子供が熱を出していたりすると,急には仕事を休めなくて,3人いる子供のうちの年齢の高い子に学校を休ませて看病させることがある」と話しておられたのが忘れられません。これほどまでに不況が深刻化していなかった当時でさえ,子供を抱えた女性が自立した生活を送るために働く,その困難に対して社会は厳しかったのに,男性こそが生計維持者であると信じて疑わず,まずは男性の仕事確保が優先とばかりに,女性を正規の労働の場から契約労働やパート労働へと追いやり,人員整理の対象として真っ先に首にする。このような不況下で,彼女たちがどれほどの辛酸をなめているのかと胸が痛みます。
こうした母子家庭を支える命綱ともいうべき児童扶養手当が,「母子家庭の自立の意欲を高め,またこれから母子家庭がさらにふえても制度維持ができるように」との説明のもとに制度改正され,8月から所得の限度額が引き下げられました。これと同時に,制度の改正が生活に与える影響を緩和する観点から,手当が減額となった方を対象としてというもとに特例児童扶養資金の制度が創設されたことを見ても,この制度変更で生活資金に困る母子家庭が生じることは織り込み済みであることは明らかです。このような変更は,対象者にとっては決して改正ではなく,生活の困窮をさらに深める改悪であると言わざるを得ません。
児童扶養手当は,何よりも対象となる子供たちのための社会保障ではありませんか。子供たちの健やかな成長の糧を奪う理屈に自立意欲とは腹立たしい限りです。少子化に危機感を募らせ,不妊治療に国としての助成金を検討する一方で,今生きて育とうとしている子供たちに対してこのような仕打ちがなされることをどう理解すればいいのでしょう。
と,腹を立ててばかりいても始まりません。それならば,自立意欲を高めるどのような施策が用意されているのかお尋ねしなければなりませんが,まず初めにこの制度変更による影響を,8月以降の交付の現況と新設された特例児童扶養資金の利用状況の2点に絞ってお聞かせください。
ところで,この児童扶養手当の交付を受けるには,市町村の相談窓口に認定請求書を提出し,毎年現況届を提出しなければなりません。また,未婚の母子は,母子家庭である確認調書の提出も求められます。これらは郵送不可で,必ず窓口に赴かなければなりません。制度変更された8月からはさらに,父親から受け取る金品が所得として扱われるようになったため,養育費等に関する申告書も必要となりました。
母子家庭に対する偏見がいまだ根強い状況で,当人たちは周囲が想像する以上に自分の置かれた立場に対して神経質になっています。窓口での手続のときに,特に地区事務所の窓口などでは,周りに見知った人がいるのではないか,近所の人が話を聞いているのではないかと,より一層神経をとがらせます。こうした当事者の気持ちやプライバシー,人権への配慮を強く望みますが,現在どのような対応がなされているのでしょうか,お尋ねします。
これまで述べてきた児童扶養手当制度の変更は,本年3月に発表された母子家庭等自立支援対策大綱に基づくものです。この大綱には,現行18歳まで支給の児童扶養手当は,受給期間が5年を超える場合,一定率をもって一部を支給しない,保育園への優先的入所,就業支援講習会の大幅な拡充,母子家庭高等職業訓練促進費の創設,母子家庭等就業支援センターの創設,父親の養育費支払い義務を法律に明記するなどが盛り込まれています。来年度からの実施を目指して,既に母子及び寡婦福祉法,児童扶養手当法,児童福祉法,社会福祉法などの一部を改正する法律案が先月衆参両院を通過して,29日に公布されてしまっています。この大綱の中で,国は都道府県と市に対して福祉施策と就労支援策の連携に配慮した自立支援計画の策定を促しており,新潟市においても母子家庭の置かれている現状を十分に反映した計画の策定を強く望みます。
厚生労働省は,平成15年度予算の概算要求で,さきに述べた就業自立支援センターの創設費17億6,800万円,そのセンター経費2,000万円,就業支援事業184億300万円を含む関係予算2,836億円を提出していますが,こうした予算を受けて,本市においてはどのような支援策が講じられるのか伺います。
自立に向けた実効ある施策を強く要望いたして,私の質問といたします。ありがとうございました。
平成13年12月定例会質問
おはようございます。吉田ひさみです。通告に従い質問いたします。
質問項目の1つ目,人間として尊重されるまちづくりについて伺います。
「人の世に熱あれ,人間に光あれ」とうたった部落解放同盟の水平社宣言は余りにも有名です。この同和問題を初め,障害者への差別や民族差別など,これまでもさまざまな差別に対する人権教育,人権啓発への取り組みは広く行われてきました。ですが,私たちの中にある差別意識や偏見は根深く,ちょっとした言葉の端々やしぐさ,まなざしなど,日常生活の中で侵している人権侵害は少なくありません。
だれもが自分は他人から差別されたりおとしめられたりしたくないと思いながら,自分以外の人の人権に対して敏感でいるというのは難しいものです。差別の長い歴史の中で苦しんできたハンセン病患者の方々や,今もなお病と同時に偏見と闘っているHIV感染者の方々,日本で働き学ぶ外国人,何か事件があるたびに取りざたされる精神障害の人たち,胸に手を当てて差別の対象とされる方たちのことを考えてみれば,恥じ入るばかりです。
情報化,国際化の中で,あるいは社会の成熟によって,新しく提起され,意識される人権の課題もあります。
去る11月22日,県内では初めての配偶者からの暴力防止法,いわゆるDV法に基づく保護命令が新潟地方裁判所で出されました。加害者である男性に対して,住居から2週間の間退去することと,6カ月の間,被害者である女性に接近することを禁じた命令です。DV法で可能な限度いっぱいの命令が施行からわずか一月余りで出されたことに少なからず驚いていますが,これは,これまで犬も食わない夫婦げんかとして社会的に容認されてきた配偶者間の暴力行為が性差別による人権侵害であり,犯罪であるという司法の判断が下されたということですし,また日本が,そして新潟がもはやそうしたことは認めない社会になったという象徴的な事件だと思います。
連日報道され,大きな社会問題になっている幼児,児童への虐待も,少し前までは親による子供のしつけとして見過ごされてきました。子供の人権は大きく侵害されていました。
5年ほど前,あるコンテストで大賞を受賞し,公表された写真に対して,子どもの権利条約を学ぶグループから人権侵害であるという抗議がなされことがありました。公共のトイレで成人男性と小学生とが並んで用を足している姿を背後から撮った,私の感覚ではほほ笑ましいと映るポートレートでした。しかし,極めて個人的で繊細な行為を写真という形で公表することに強い抵抗を覚える人たちがいて,これを人権の問題として提起したことは,私にとってはかなりショックで,ほほ笑ましいと感じた自分の無神経さに人知れず赤面しました。
国においては,1994年に人権教育のための国連10年が決議されて以降,人権擁護施策推進法の施行,国内行動計画の策定が行われ,昨年には人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が制定されるなど,人権全般にわたる法整備が進む一方,男女共同参画基本法や児童虐待防止法,さきに述べましたDV法などの個別の課題に対応する法制度も整えられつつあります。人権施策は,その対象範囲を大きく広げた行政課題となっています。
市民の人権が豊かに保障されるまちづくりがなされるには,教育や啓発によって,個人の倫理観や正義感,道徳観に訴え,差別意識と偏見を払拭すれば事足りるわけではなく,行政のあらゆる事業がその視点から検証され,執行される必要があります。
バリアフリーのまちづくりは,障害者や高齢者の社会参加という基本的人権を保障する施策の一つです。子育て支援には,女性の労働と社会参加の権利を保障するとともに,子供の人権が守られているかどうかという視点が不可欠です。住宅施策の中で,入居拒否などの人権侵害が起きていないでしょうか。職場での就業差別,いじめや不当労働行為は人権侵害です。極端に言えば,すべての行政施策が人権施策であるとも考えられるのではないでしょうか。
しかしながら,残念なことに,一部には人権という言葉自体に拒否的な感情あるいは抵抗感があることも事実です。市民も行政も互いに問題意識を共有し,その解決に向けて協働で取り組むことが求められています。本市がまちづくりの基本理念とする「市民一人ひとりが光り輝き,人間として尊重される市民主体都市の創造」が真に実現されますよう,以下質問いたします。
まず初めに,本市の人権施策に対する基本的な考え方を市長にお尋ねいたします。
2点目に,先ほどそれで事足りるわけではないと申しましたが,それでもこの問題に関しては最も重要な人権教育について,市長と教育長に伺います。
昨年12月6日に公布,同日施行された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律の第5条では,地方公共団体の責務を規定していますし,また国内行動計画でも,あらゆる場を通じた人権教育の積極的推進に取り組むべきとしており,法的にも,政策上も自治体の取り組みが期待されています。
まず,学校教育と社会教育の場での人権教育について,教育長にお尋ねします。
学校においては,子供たちは各教科,道徳,特別活動などの場面で,教師による指導のもと,教育活動として人権を学ぶわけですが,人権意識や差別に対する認識は,子供同士や教師との日常的な人間関係の中ではぐくまれることの方が圧倒的に多いと考えられます。
いじめは児童,生徒の人権にかかわる重大な問題であるとして,これまでもさまざまな取り組みが意欲的になされてきましたが,依然根絶されていません。いじめゼロと報告された学校で,不登校の生徒にその原因やきっかけを尋ねると,いじめがあったというのはよく耳にすることです。これまでの人権教育という概念を大きく広げて,心の教室の積極的活用など,多角的な取り組みが緊急に求められていると考えますが,いかがでしょうか。
社会教育においては,これまでも公民館を中心に人権に関する学習が提供されてきました。こうした事業のより一層の充実とともに,直接的には人権に関する学習ではない講座や企画も人権擁護の視点で検証され,提供される必要があるのではないかと考えます。講師や学習内容に人権意識が求められることはもちろん,会場や対象などの設定にも配慮されることを願うものですが,どのように取り組まれているのでしょうか。
川崎市の子どもの権利に関する条例は,子供たち自身による子ども委員会が中心になってまとめた先進的な条例です。その子供たちから大人へのメッセージというのがあって,「まず大人が幸せにいてください。大人が幸せじゃないのに,子どもだけ幸せにはなれません。大人が幸せでないと,子どもに虐待とか体罰とかが起きます。条例に「子どもは愛情と理解をもって育まれる」とありますが,まず家庭,学校,地域の中で大人が幸せでいてほしいのです。子どもは,そういう中で安心して生きることができます」と言っています。理屈で学ぶのではなく,生きている姿から学ぼうとする子供たちの気持ちが伝わります。子供たちのような柔軟な発想で取り組まれることを切に願います。
次に,職員教育について市長にお尋ねします。
国内行動計画では,特定の職業に従事する者に対する教育の強化が必要だとして,教員,社会教育関係職員,医療関係者,福祉関係職員,労働行政関係職員,消防職員,公務員など13の職業を挙げています。さらに,人権教育及び人権啓発の推進に関する法律には,「特に公務員による人権侵害のないよう適切な措置を講ずること」とした参議院の附帯決議がなされています。地方公務員に関しても例外ではないでしょう。
人権が保障される新潟市,そのまちづくりに携わる職員には高い人権感覚が求められます。意識を高めるには,人権とはといった概念の学習もさることながら,何が人権侵害に当たるのかという具体的な考察とともに,内なる差別意識を自覚することが何より重要になります。積極的な取り組みを願うものですが,どのように人権意識の高揚と研修に努められておられるのかお聞かせください。
また,職員ではありませんが,別して地域住民の人権に直接深くかかわる民生委員,児童委員や人権擁護委員の推薦や研修には特に力を入れていただきたいと考えます。
3点目に,推進のための横断的組織の設置と計画の策定についてお伺いします。
繰り返しになりますが,人間として尊重されるまちづくりには,全庁があらゆる施策に対して人権の尊重という視点で取り組むことが必要です。市長を本部長とした人権施策推進本部あるいは人権施策推進会議を設置して,積極的に推進に取り組んでいただきたい。既に都道府県レベルでは多くの自治体が推進本部を設置していますし,市町村で設置している自治体も少なくありません。
そして,横断的組織とともに必要なのは,総合的な推進のための計画の策定です。東京都は昨年11月,21世紀を展望して総合的に人権施策を推進するため,基本理念を示し,その実現のための道筋を明らかにするとして,人権施策推進のための指針を発表しました。川崎市ではことし6月,人権オンブズパーソン条例を制定しています。人権オンブズパーソンは,人権侵害に関する相談に応じ,救済の申し立てを受け,調査,調整,勧告,是正要求を行い,それを公表するとしています。また,鳥取県や高知県では,住民との協働によるまちづくりに重点を置いた人権尊重の社会づくり条例が施行されています。国の基本計画策定を待たずに,多くの自治体で独自の計画・条例・指針づくりを始めています。
本市では,既に女性政策や環境対策の分野などで推進組織と計画が車の両輪となった取り組みがなされて成果を上げてこられましたし,情報政策におきましても,今年度中に新潟市情報通信技術活用推進計画が策定され,助役を本部長とする推進会議が設置されると伺っています。
市長も自負しておられるとおり,本市の環境への取り組みが着実に実効性あるものになっているのは,環境条例を定め,新潟市地球温暖化対策率先実行計画を策定し,その進行管理をする推進本部と実務者レベルでの幹事会と部会が有効に機能しているからではないでしょうか。人権施策推進においても同様の試みがなされることを強く要望するものですが,いかがお考えでしょうか。
国際都市を標榜する新潟市に国際レベルの人権感覚が要求されるのは当然と言えるでしょう。新潟市民がだれも,だれからも人権を侵されない,人間として尊重されるまちづくりが実現しますよう,施策の積極的推進に御尽力ください。
項目の2つ目,道路・交通施策についてお尋ねいたします。
ことしの流行語大賞にもなった聖域なき構造改革を打ち出す小泉内閣が発足して以来,公共工事,とりわけ道路行政は厳しい世論にさらされています。根拠が不明確なままに張られるむだというレッテル,実現までに余りにも時間がかかることへの不満,あるいは環境破壊への懸念,いまだに衝撃が消えないゼネコン汚職の後遺症,不信などなど,道路整備に代表される公共建設工事にはマイナスイメージばかりがつきまといます。
連日報道される道路行政批判に,「テレビを見ていた娘が「お父さんって悪いことしているの」と聞くには参った」と関連の職場に勤務する友人がこぼしていましたが,こうした批判は国の政策に向けられているばかりではなく,本市における道路整備や交通施策に対してもまた,市民の厳しいまなざしが注がれていると考えるべきではないでしょうか。福祉予算は多ければ多いほどよく,建設予算は少なければ少ないほどいいと思い込んでいる市民は多いのです。
過日,総合病院の婦長をなさっている方の道路行政に関する意見を聞く機会がありました。道路整備というと,物流などが思い浮かんで,とかく経済活動を支える施策という先入観がありますが,その方は,「これからの超高齢社会を支えることもまた道路行政の重要な責務であり,デイサービスへの送迎,看護ヘルパーの訪問,あるいは通院,高齢者の社会参加にドア・ツー・ドアの道路整備やその改修は不可欠である」と述べておられました。なるほどと考えさせられました。
必要が生じたときに必要なところに適切な事業がなされる。施策に対する市民の合意と共感を得ることはまちづくりの基本ですが,道路行政,道路施策も交通施策も例外ではあり得ません。そして,市民の合意形成の前提は情報の共有です。市民ニーズという情報が行政に伝わること,事業の優先性と費用対効果が明確にされ,市民に提供されること,こうした情報のキャッチボールを積み重ねていくことによって,マイナスのイメージが払拭されていくのではないでしょうか。
今月3日付の新聞では,「国土交通省が高規格道路の建設に住民の意見を取り入れていく方針を出した」と報道されていましたし,さかのぼって,10月12日付の新潟日報には,「国土交通省北陸地方整備局のITを利用した交通渋滞調査で,道路整備の費用対効果を明確にすることができ,整備の優先順位づけや納税者への説明責任が果たせるようになった」という記事が掲載されていました。国レベルでは,これまでとは違った手法での合意形成への努力が始められています。
こうした観点から,市民生活を支える道路整備が的確かつ効率的になされることを望み,本市における道路・交通施策についてお尋ねします。
初めに,市民ニーズの把握について伺います。
むだという批判の背後にあるのは,申すまでもなく,望んでいないもの,不要なもの,効果が期待できないものをつくっているという思いです。例えば,残念ながらりゅーとぴあ前の歩道橋に設置されたエレベーターやトンネルに関する賛辞を聞いたことがありません。道路整備に関する市民ニーズをどのように把握しておられるのか,むだのない事業展開にどのように取り組まれるおつもりなのかお聞かせください。
2点目に,パーソントリップ調査に基づく道路のネットワークについてお尋ねします。
来年度,第3回パーソントリップ調査が予定されているとお聞きしました。10年前に行われた調査では,幾つかの新潟市地域での交通網の問題点と検討課題が明らかになっています。さらに,幹線道路網の考え方として,高速交通体系と産業拠点や観光・レクリエーション拠点を有機的に接続する道路網の整備が重要であるとしています。しかし,生活実感としては,幹線道路と生活道路の結節点や幹線道路同士の結節点での交通渋滞の方が問題であり,早期に解決していただきたい課題であります。市内のどのポイントでどれくらいの渋滞が起きているのか,それを解消するにはどのようなネットワークの整備が必要なのか,わかる調査はできないのでしょうか。わかるような調査をすべきではないのでしょうか。
前回調査の事業費は1億7,850万円,市は3分の1の5,950万円を負担しています。一方,先ほどの北陸地方整備局の交通渋滞調査は,新潟交通のバス運行システムを活用していて,聞くところによると,数十万円の事業費とのことです。ITを活用した低廉な調査手法を検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
最後に,環境への配慮について伺います。
'98年の8.4水害は,3年以上が経過した今日でもいまだに記憶に新しく,夜中に雨の音がすると不安で眠れないという人が少なくありません。アスファルトに覆われた道路や駐車場の傾斜を滝のような雨水が流れ落ちるのを目の当たりにして,あのときほどまちが都市化されたことが恨めしく感じられたことはありませんでした。
道路整備が進んだ今日,地上面を占める道路の面積比はかなりなものになると思われます。市道だけでも1,443万5,698平方メートル,市面積の約7%を占めます。これらの道路がすべて透水性の舗装材で建設されていたら,下水道への負担はもっと少なくて済むのではないでしょうか。
そもそも,近年多発しているこうした集中豪雨は,都市部のヒートアイランド現象が原因であるとも言われています。東京都の環境審議会は,東京都環境基本計画のあり方についての中間まとめの中で,ヒートアイランド対策として,駐車場や道路の舗装を検討し,駐車場のアスファルト舗装の削減や透水舗装化,道路に対しては実験中の保水性舗装の導入などを検討するとしています。本市でも検討していただきたいと考えます。
また,道路工事や改修の際に発生するアスファルト残土も,廃棄物としてその行方が気になるところですが,アスファルト塊リサイクル促進研究会でその再利用策がまとめられ,道路の盛り土として活用されると聞きました。北陸地方整備局や県,道路公団で導入が始まっていると新聞報道されていましたが,新潟市での導入はどのように検討されているのでしょうか。
道路・交通施策には,ほかにも騒音,住環境や自然環境の変化など,さまざまな観点からの配慮が求められています。新しい手法や技術を積極的に導入し,市民の合意と共感の得られる道路・交通施策に取り組まれることを強く要望して,質問を終わります。
質問項目の1つ目,人間として尊重されるまちづくりについて伺います。
「人の世に熱あれ,人間に光あれ」とうたった部落解放同盟の水平社宣言は余りにも有名です。この同和問題を初め,障害者への差別や民族差別など,これまでもさまざまな差別に対する人権教育,人権啓発への取り組みは広く行われてきました。ですが,私たちの中にある差別意識や偏見は根深く,ちょっとした言葉の端々やしぐさ,まなざしなど,日常生活の中で侵している人権侵害は少なくありません。
だれもが自分は他人から差別されたりおとしめられたりしたくないと思いながら,自分以外の人の人権に対して敏感でいるというのは難しいものです。差別の長い歴史の中で苦しんできたハンセン病患者の方々や,今もなお病と同時に偏見と闘っているHIV感染者の方々,日本で働き学ぶ外国人,何か事件があるたびに取りざたされる精神障害の人たち,胸に手を当てて差別の対象とされる方たちのことを考えてみれば,恥じ入るばかりです。
情報化,国際化の中で,あるいは社会の成熟によって,新しく提起され,意識される人権の課題もあります。
去る11月22日,県内では初めての配偶者からの暴力防止法,いわゆるDV法に基づく保護命令が新潟地方裁判所で出されました。加害者である男性に対して,住居から2週間の間退去することと,6カ月の間,被害者である女性に接近することを禁じた命令です。DV法で可能な限度いっぱいの命令が施行からわずか一月余りで出されたことに少なからず驚いていますが,これは,これまで犬も食わない夫婦げんかとして社会的に容認されてきた配偶者間の暴力行為が性差別による人権侵害であり,犯罪であるという司法の判断が下されたということですし,また日本が,そして新潟がもはやそうしたことは認めない社会になったという象徴的な事件だと思います。
連日報道され,大きな社会問題になっている幼児,児童への虐待も,少し前までは親による子供のしつけとして見過ごされてきました。子供の人権は大きく侵害されていました。
5年ほど前,あるコンテストで大賞を受賞し,公表された写真に対して,子どもの権利条約を学ぶグループから人権侵害であるという抗議がなされことがありました。公共のトイレで成人男性と小学生とが並んで用を足している姿を背後から撮った,私の感覚ではほほ笑ましいと映るポートレートでした。しかし,極めて個人的で繊細な行為を写真という形で公表することに強い抵抗を覚える人たちがいて,これを人権の問題として提起したことは,私にとってはかなりショックで,ほほ笑ましいと感じた自分の無神経さに人知れず赤面しました。
国においては,1994年に人権教育のための国連10年が決議されて以降,人権擁護施策推進法の施行,国内行動計画の策定が行われ,昨年には人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が制定されるなど,人権全般にわたる法整備が進む一方,男女共同参画基本法や児童虐待防止法,さきに述べましたDV法などの個別の課題に対応する法制度も整えられつつあります。人権施策は,その対象範囲を大きく広げた行政課題となっています。
市民の人権が豊かに保障されるまちづくりがなされるには,教育や啓発によって,個人の倫理観や正義感,道徳観に訴え,差別意識と偏見を払拭すれば事足りるわけではなく,行政のあらゆる事業がその視点から検証され,執行される必要があります。
バリアフリーのまちづくりは,障害者や高齢者の社会参加という基本的人権を保障する施策の一つです。子育て支援には,女性の労働と社会参加の権利を保障するとともに,子供の人権が守られているかどうかという視点が不可欠です。住宅施策の中で,入居拒否などの人権侵害が起きていないでしょうか。職場での就業差別,いじめや不当労働行為は人権侵害です。極端に言えば,すべての行政施策が人権施策であるとも考えられるのではないでしょうか。
しかしながら,残念なことに,一部には人権という言葉自体に拒否的な感情あるいは抵抗感があることも事実です。市民も行政も互いに問題意識を共有し,その解決に向けて協働で取り組むことが求められています。本市がまちづくりの基本理念とする「市民一人ひとりが光り輝き,人間として尊重される市民主体都市の創造」が真に実現されますよう,以下質問いたします。
まず初めに,本市の人権施策に対する基本的な考え方を市長にお尋ねいたします。
2点目に,先ほどそれで事足りるわけではないと申しましたが,それでもこの問題に関しては最も重要な人権教育について,市長と教育長に伺います。
昨年12月6日に公布,同日施行された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律の第5条では,地方公共団体の責務を規定していますし,また国内行動計画でも,あらゆる場を通じた人権教育の積極的推進に取り組むべきとしており,法的にも,政策上も自治体の取り組みが期待されています。
まず,学校教育と社会教育の場での人権教育について,教育長にお尋ねします。
学校においては,子供たちは各教科,道徳,特別活動などの場面で,教師による指導のもと,教育活動として人権を学ぶわけですが,人権意識や差別に対する認識は,子供同士や教師との日常的な人間関係の中ではぐくまれることの方が圧倒的に多いと考えられます。
いじめは児童,生徒の人権にかかわる重大な問題であるとして,これまでもさまざまな取り組みが意欲的になされてきましたが,依然根絶されていません。いじめゼロと報告された学校で,不登校の生徒にその原因やきっかけを尋ねると,いじめがあったというのはよく耳にすることです。これまでの人権教育という概念を大きく広げて,心の教室の積極的活用など,多角的な取り組みが緊急に求められていると考えますが,いかがでしょうか。
社会教育においては,これまでも公民館を中心に人権に関する学習が提供されてきました。こうした事業のより一層の充実とともに,直接的には人権に関する学習ではない講座や企画も人権擁護の視点で検証され,提供される必要があるのではないかと考えます。講師や学習内容に人権意識が求められることはもちろん,会場や対象などの設定にも配慮されることを願うものですが,どのように取り組まれているのでしょうか。
川崎市の子どもの権利に関する条例は,子供たち自身による子ども委員会が中心になってまとめた先進的な条例です。その子供たちから大人へのメッセージというのがあって,「まず大人が幸せにいてください。大人が幸せじゃないのに,子どもだけ幸せにはなれません。大人が幸せでないと,子どもに虐待とか体罰とかが起きます。条例に「子どもは愛情と理解をもって育まれる」とありますが,まず家庭,学校,地域の中で大人が幸せでいてほしいのです。子どもは,そういう中で安心して生きることができます」と言っています。理屈で学ぶのではなく,生きている姿から学ぼうとする子供たちの気持ちが伝わります。子供たちのような柔軟な発想で取り組まれることを切に願います。
次に,職員教育について市長にお尋ねします。
国内行動計画では,特定の職業に従事する者に対する教育の強化が必要だとして,教員,社会教育関係職員,医療関係者,福祉関係職員,労働行政関係職員,消防職員,公務員など13の職業を挙げています。さらに,人権教育及び人権啓発の推進に関する法律には,「特に公務員による人権侵害のないよう適切な措置を講ずること」とした参議院の附帯決議がなされています。地方公務員に関しても例外ではないでしょう。
人権が保障される新潟市,そのまちづくりに携わる職員には高い人権感覚が求められます。意識を高めるには,人権とはといった概念の学習もさることながら,何が人権侵害に当たるのかという具体的な考察とともに,内なる差別意識を自覚することが何より重要になります。積極的な取り組みを願うものですが,どのように人権意識の高揚と研修に努められておられるのかお聞かせください。
また,職員ではありませんが,別して地域住民の人権に直接深くかかわる民生委員,児童委員や人権擁護委員の推薦や研修には特に力を入れていただきたいと考えます。
3点目に,推進のための横断的組織の設置と計画の策定についてお伺いします。
繰り返しになりますが,人間として尊重されるまちづくりには,全庁があらゆる施策に対して人権の尊重という視点で取り組むことが必要です。市長を本部長とした人権施策推進本部あるいは人権施策推進会議を設置して,積極的に推進に取り組んでいただきたい。既に都道府県レベルでは多くの自治体が推進本部を設置していますし,市町村で設置している自治体も少なくありません。
そして,横断的組織とともに必要なのは,総合的な推進のための計画の策定です。東京都は昨年11月,21世紀を展望して総合的に人権施策を推進するため,基本理念を示し,その実現のための道筋を明らかにするとして,人権施策推進のための指針を発表しました。川崎市ではことし6月,人権オンブズパーソン条例を制定しています。人権オンブズパーソンは,人権侵害に関する相談に応じ,救済の申し立てを受け,調査,調整,勧告,是正要求を行い,それを公表するとしています。また,鳥取県や高知県では,住民との協働によるまちづくりに重点を置いた人権尊重の社会づくり条例が施行されています。国の基本計画策定を待たずに,多くの自治体で独自の計画・条例・指針づくりを始めています。
本市では,既に女性政策や環境対策の分野などで推進組織と計画が車の両輪となった取り組みがなされて成果を上げてこられましたし,情報政策におきましても,今年度中に新潟市情報通信技術活用推進計画が策定され,助役を本部長とする推進会議が設置されると伺っています。
市長も自負しておられるとおり,本市の環境への取り組みが着実に実効性あるものになっているのは,環境条例を定め,新潟市地球温暖化対策率先実行計画を策定し,その進行管理をする推進本部と実務者レベルでの幹事会と部会が有効に機能しているからではないでしょうか。人権施策推進においても同様の試みがなされることを強く要望するものですが,いかがお考えでしょうか。
国際都市を標榜する新潟市に国際レベルの人権感覚が要求されるのは当然と言えるでしょう。新潟市民がだれも,だれからも人権を侵されない,人間として尊重されるまちづくりが実現しますよう,施策の積極的推進に御尽力ください。
項目の2つ目,道路・交通施策についてお尋ねいたします。
ことしの流行語大賞にもなった聖域なき構造改革を打ち出す小泉内閣が発足して以来,公共工事,とりわけ道路行政は厳しい世論にさらされています。根拠が不明確なままに張られるむだというレッテル,実現までに余りにも時間がかかることへの不満,あるいは環境破壊への懸念,いまだに衝撃が消えないゼネコン汚職の後遺症,不信などなど,道路整備に代表される公共建設工事にはマイナスイメージばかりがつきまといます。
連日報道される道路行政批判に,「テレビを見ていた娘が「お父さんって悪いことしているの」と聞くには参った」と関連の職場に勤務する友人がこぼしていましたが,こうした批判は国の政策に向けられているばかりではなく,本市における道路整備や交通施策に対してもまた,市民の厳しいまなざしが注がれていると考えるべきではないでしょうか。福祉予算は多ければ多いほどよく,建設予算は少なければ少ないほどいいと思い込んでいる市民は多いのです。
過日,総合病院の婦長をなさっている方の道路行政に関する意見を聞く機会がありました。道路整備というと,物流などが思い浮かんで,とかく経済活動を支える施策という先入観がありますが,その方は,「これからの超高齢社会を支えることもまた道路行政の重要な責務であり,デイサービスへの送迎,看護ヘルパーの訪問,あるいは通院,高齢者の社会参加にドア・ツー・ドアの道路整備やその改修は不可欠である」と述べておられました。なるほどと考えさせられました。
必要が生じたときに必要なところに適切な事業がなされる。施策に対する市民の合意と共感を得ることはまちづくりの基本ですが,道路行政,道路施策も交通施策も例外ではあり得ません。そして,市民の合意形成の前提は情報の共有です。市民ニーズという情報が行政に伝わること,事業の優先性と費用対効果が明確にされ,市民に提供されること,こうした情報のキャッチボールを積み重ねていくことによって,マイナスのイメージが払拭されていくのではないでしょうか。
今月3日付の新聞では,「国土交通省が高規格道路の建設に住民の意見を取り入れていく方針を出した」と報道されていましたし,さかのぼって,10月12日付の新潟日報には,「国土交通省北陸地方整備局のITを利用した交通渋滞調査で,道路整備の費用対効果を明確にすることができ,整備の優先順位づけや納税者への説明責任が果たせるようになった」という記事が掲載されていました。国レベルでは,これまでとは違った手法での合意形成への努力が始められています。
こうした観点から,市民生活を支える道路整備が的確かつ効率的になされることを望み,本市における道路・交通施策についてお尋ねします。
初めに,市民ニーズの把握について伺います。
むだという批判の背後にあるのは,申すまでもなく,望んでいないもの,不要なもの,効果が期待できないものをつくっているという思いです。例えば,残念ながらりゅーとぴあ前の歩道橋に設置されたエレベーターやトンネルに関する賛辞を聞いたことがありません。道路整備に関する市民ニーズをどのように把握しておられるのか,むだのない事業展開にどのように取り組まれるおつもりなのかお聞かせください。
2点目に,パーソントリップ調査に基づく道路のネットワークについてお尋ねします。
来年度,第3回パーソントリップ調査が予定されているとお聞きしました。10年前に行われた調査では,幾つかの新潟市地域での交通網の問題点と検討課題が明らかになっています。さらに,幹線道路網の考え方として,高速交通体系と産業拠点や観光・レクリエーション拠点を有機的に接続する道路網の整備が重要であるとしています。しかし,生活実感としては,幹線道路と生活道路の結節点や幹線道路同士の結節点での交通渋滞の方が問題であり,早期に解決していただきたい課題であります。市内のどのポイントでどれくらいの渋滞が起きているのか,それを解消するにはどのようなネットワークの整備が必要なのか,わかる調査はできないのでしょうか。わかるような調査をすべきではないのでしょうか。
前回調査の事業費は1億7,850万円,市は3分の1の5,950万円を負担しています。一方,先ほどの北陸地方整備局の交通渋滞調査は,新潟交通のバス運行システムを活用していて,聞くところによると,数十万円の事業費とのことです。ITを活用した低廉な調査手法を検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
最後に,環境への配慮について伺います。
'98年の8.4水害は,3年以上が経過した今日でもいまだに記憶に新しく,夜中に雨の音がすると不安で眠れないという人が少なくありません。アスファルトに覆われた道路や駐車場の傾斜を滝のような雨水が流れ落ちるのを目の当たりにして,あのときほどまちが都市化されたことが恨めしく感じられたことはありませんでした。
道路整備が進んだ今日,地上面を占める道路の面積比はかなりなものになると思われます。市道だけでも1,443万5,698平方メートル,市面積の約7%を占めます。これらの道路がすべて透水性の舗装材で建設されていたら,下水道への負担はもっと少なくて済むのではないでしょうか。
そもそも,近年多発しているこうした集中豪雨は,都市部のヒートアイランド現象が原因であるとも言われています。東京都の環境審議会は,東京都環境基本計画のあり方についての中間まとめの中で,ヒートアイランド対策として,駐車場や道路の舗装を検討し,駐車場のアスファルト舗装の削減や透水舗装化,道路に対しては実験中の保水性舗装の導入などを検討するとしています。本市でも検討していただきたいと考えます。
また,道路工事や改修の際に発生するアスファルト残土も,廃棄物としてその行方が気になるところですが,アスファルト塊リサイクル促進研究会でその再利用策がまとめられ,道路の盛り土として活用されると聞きました。北陸地方整備局や県,道路公団で導入が始まっていると新聞報道されていましたが,新潟市での導入はどのように検討されているのでしょうか。
道路・交通施策には,ほかにも騒音,住環境や自然環境の変化など,さまざまな観点からの配慮が求められています。新しい手法や技術を積極的に導入し,市民の合意と共感の得られる道路・交通施策に取り組まれることを強く要望して,質問を終わります。
平成13年9月定例会質問
クラブ'99の吉田ひさみです。通告に従い,以下質問いたします。
初めに,介護のサービス評価事業の推進と情報の公開について市長にお尋ね申し上げます。
高齢の知人がことし,年内いっぱいで東京へと新潟のまちを離れます。昨年ころから体調が思わしくなく,外出を控えておられたのですが,ひとり暮らしはとてもじゃないが不安だと,転居を決意されたとのことです。定年退職されるまで長く教師を勤められ,経済的な心配があるわけではなく,また社会活動にも積極的に参加なさって知人,友人も多い方だっただけに,ひとり暮らしの不安を理由に新潟を出ていかれるという話は少なからぬショックでした。
一方,友人から聞いた話では,全国を転勤して新潟に来られた方が来年の春にはまたどちらへか転勤が予定されていて,「新潟は福祉サービスのレベルが高くて安心で暮らしやすかったけれど,次はどんなところで暮らさなければならないかわからなくて不安だ」とおっしゃっていたということです。
この方が新潟のどこでどんなサービスを受けておられたのか定かではありませんが,不安だからと新潟を出ていかれる方がある一方,出ていくことが不安だと言ってくださる方もあるというのは,提供される福祉サービスの種類によって水準に差があるのか,それとも受け取るサービス情報に偏りがあるのかと考えさせられました。
「昨年1年間に全国の各都道府県国保連合会に寄せられた介護保険の苦情は296件で,サービスの質をめぐる苦情が22%と最も多かった」との報告が国民健康保険中央会から出されています。制度発足直後の半年間では利用者負担に関する苦情が目立っていましたが,年間を通してみると7%という結果だったそうです。
平成12年度本市に寄せられた介護サービスの苦情相談は29件,うちサービスにかかわるものは7件,職員の対応にかかわるものは8件,説明不足と分類された苦情と連絡不足がそれぞれ10件,3件,その他が1件となっています。職員の対応が悪いからと行きたがらない,けがをしているのに説明がないなど,利用することが不安になるような苦情はまさにサービスの質の問題だと思われます。
人権が守られ,尊厳を持って老いを送りたいとだれもが願っています。それを支えるのは質の高い介護サービスです。ベッドのわきに置かれ,目隠しもなく,居室の入り口から丸見えのポータブルトイレ,廊下から着がえの見える脱衣所や浴室,命令口調や幼児言葉で話しかける職員,残念ですが,これは現実です。
昨年改正された社会福祉法は,第78条で「社会福祉事業の経営者は,自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うこと,その他の措置を講ずることにより,常に福祉サービスを受ける者の立場に立って,良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない」と定めています。サービス利用者は良質かつ適切なサービスを受ける権利があるのです。「車いすに拘束ベルトをされている,ちゃんと歩けるので外してほしい」などという相談はもってのほかです。
厚生労働省は,福祉サービスの質の向上と利用者の選択に資するために第三者評価事業を導入することとし,福祉サービスの質に関する検討会は,平成13年度からの本格実施に向けて,本年3月に最終報告を出しています。北九州市,神戸市など,介護サービスにおける第三者評価を既に実施している自治体もあり,介護保険スタート時のコンセプトであった措置から契約へ,選ぶ介護サービスが現実のものとして動きつつあります。
新潟に暮らす高齢者とその家族が社会福祉法にいう良質で適切なサービスを受けることが保障され,最期のときまで安心して新潟の地に住み続けられますよう,介護サービスの評価事業とその情報の公開をぜひとも推進していただきたく,市長のお考えを伺います。
第1に,介護サービス利用者が,その大多数は市民ですが,良質で適切なサービスを受けられるよう,本市は事業者に対してどのような指導,監督,あるいは運営上の援助を行っておられるのか,あるいは行っておられないのかお尋ねします。
厚生労働省は,介護保険法第88条第1項及び第2項に基づき,省令37から41でサービス提供事業者の運営基準を定めています。この運営基準が遵守されていれば,一定水準のサービスが期待できるわけですが,100%達成はなかなか難しいようです。もちろん事業者が意図的,意識的に基準以下の運営をしているとは考えられません。しかし,繁忙な毎日の事業の中で,あるいは厳しい経営状況の中で,落としがちな利用者の視点や配慮があるのではないでしょうか。
第2に,サービス提供者の自己評価事業を積極的に推進されるよう要望して,本市の介護福祉サービスへの取り組みの姿勢をお尋ねします。
介護サービスの質や水準は,サービスの提供者である事業者みずからの問題であり,その責任も事業者にあることはもとより承知しております。事業者はみずからの責任において,提供するサービスがよりよいものとなるよう点検,評価,見直しをされていることと想像されますが,どの仕事,職業でもありがちなように,行為が半ば習慣化して,客観的に自己点検,自己評価をし,改善に向けて努力することは難しいものです。
例えば名古屋市のように,煩雑な表現の運営基準を平易な言葉に置きかえて,自己点検チェック票として提供するとか,あるいは厚生労働省の示す第三者評価基準を使い勝手のいいように一覧表にして提供するなどしてはいかがでしょうか。さらに,もちろん強制はできませんが,半年に1回または年に1回こうした評価票の提出を求めてはどうでしょうか。
事業者の自助努力に任せきりにせず,自己評価事業を推進することによってサービス水準の向上を促そうという市の積極的な姿勢が本市の福祉の質を全体的に引き上げるものと考えますが,市長はいかがお考えですか,お聞かせください。
第3に,事業者が行うサービス水準向上への取り組みを支援する評価委員会の設置を提案申し上げて,お考えを伺います。
県が平成7年度から始めた特別養護老人ホーム及び老人保健施設におけるサービス評価事業の報告書を拝見しました。事業対象の県内39施設は,事前に6分野100項目にわたる評価票で自己評価を行い,その後,サービス評価委員会の委員が施設に出向いて実地視察を行い,施設の自己評価をもとに施設の職員とサービスの提供について意見交換を行うというものです。委員の評価と施設の自己評価に大きな差はありませんが,見るべきは,意見交換の中で施設が具体的な問題点に気づき,内部では改善が困難である問題が,委員のアドバイスを受けることによって,心理的にスムーズに解決の方法を得られていることです。中には,「継続して指導を受けたい」との感想を寄せている施設もあり,著しい事業成果が読み取れます。
さきにも述べましたように,国の動向は第三者評価に向けて動いています。こうした動きをにらみながら,ただ評価をして事業者のランクづけをするのではなく,客観的な立場からアドバイスする評価委員会を設置されてはいかがでしょうか。
第4に,サービス評価情報を公開して,市民の選ぶ介護サービスを実現していただきたく,市に方針をお尋ねします。
新潟市は,介護サービスガイドを出して情報提供に努めておられます。制度としてどんなサービスがあるのか,わかりやすく見やすい冊子ですが,残念ながら事業者に関しては,名称と住所,電話番号が記されているだけです。どの事業者がどんなサービスに力を入れているのか,特徴は何か,サービスの水準はどうなのかなど,知りたいことが必ずしも十分に知り得るものではありません。
パソコンでNAGOYAかいごネットに入ってみてください。情報提供とはこういうものかと目をみはります。事業所ごとのサービス内容が一目でわかるばかりではなく,地図,空き情報,利用料金,運営基準の達成率や自己点検の結果,報酬加算情報など,欲しい情報が一度に手に入るようになっています。要介護者や家族が施設を選ぶときの情報源とするほか,ケアマネジャーの負担軽減も目指して開設されたとのこと。名古屋市内約1,100事業所のうち850の事業所が参加しているそうです。情報を公開することによって,事業者のサービス水準の向上への意識も変わったことと推察されます。
本市におきましても,ぜひこうした取り組みが実現されますよう強く要望するものです。老後が不安だからと新潟のまちを出ていってしまう人が一人もなくなるよう,介護福祉サービスの量と質がともに充実されるようお取り組みください。
次に,河川水面利用と河川舟運の再生についてお尋ねします。
江戸時代から新潟のまちが,海運はもとより,信濃川,阿賀野川を上り下りする舟運の「湊」として栄えてきたことは広く知られているところです。資料によれば,1697年,信濃川と阿賀野川を通じて新潟に集められた諸藩の年貢米は34万4,000俵にも上り,商人の集めた町米は36万俵,大豆,麦などの雑穀が約29万俵と,膨大な量であったことがわかります。この年,「新潟湊」で取り扱った商品の取り扱い高は総額で46万両を超えたと言われ,「湊」やまちのにぎわいはいかばかりであったろうと想像されます。栗ノ木川には商人や商品を乗せたアンコウ舟が行き交い,農民の土取り舟や材木を積んだいかだが往来し,新潟のまちは川と舟によって支えられていました。
それほどに栄えた新潟の舟運も,明治,大正と時代が下るにつれて,陸上交通の発達によって次第に衰退し,市街を縦横に走っていた掘り割りは埋められ,輸送の手段としても交通の手段としても用をなさなくなり,今や昔語りに語られるばかりになって現在に至っています。
分館3階のエレベーター前に「水の都」と大きくデザインされた新潟の観光用ポスターが張ってありますが,御存じでしょうか。写真とイラストがバランスよく配置され,センスのいいとてもすてきなポスターで,旅心を誘います。このポスターに誘われて,水のある風景を求め,水と親しみたい,水辺を楽しみたいと新潟を訪れた観光客は,新潟のまちで十分に水の都を堪能して帰られているのでしょうか。楽しんで帰ったのが阿賀野川のライン下りだったとしたら,随分と残念な話です。日本海と信濃川,阿賀野川,鳥屋野潟や佐潟など,十分な素材を観光資源として生かし切れていないのではないでしょうか。もっともっと水にこだわったまちづくりがなされてもいいのではないかと思います。
一方,市民レベルでは,近年川や水辺を楽しむ活動やこれらの再生に取り組む活動が活発に行われています。花いかだを信濃川に流したり,手づくりのボートで川下りを競うイベントが開かれたり,川にまつわるワークショップが数多く開催され,また掘り割りの再生を議論するなど,幾つもの市民団体が環境の視点から,まちづくりの視点から,あるいはただ川が好きだからと,活動に汗を流しています。やすらぎ堤で憩う市民の姿も整備が進むにつれてふえ,川や水辺に対する市民の関心は高まる一方です。
翻って国のレベルでは,平成11年3月,当時は建設省でしたが,河川審議会が「今後の水利行政のあり方について」という提言を出して河川行政の転換を促しています。洪水や渇水といった異常時の河川を対象とした河川行政から,平常時の河川も視野に入れた川の365日の河川行政へ転換すること,その管理のあり方としては,洪水,利水,舟運等の河川利用,環境形成・保全からまちづくり,地域づくりに至るまで,さまざまな事態,ニーズに的確にこたえていく必要があるというものです。
さらに,阪神・淡路大震災を契機に,災害時の輸送手段として舟運が大きく見直され,国土交通省は全国の河川に防災船着き場を建設しています。この防災船着き場を平常時も有効利用しようと,荒川,江戸川,北上川など多くの河川で官民一体となった舟運への取り組みがされています。
新しい輸送,交通の手段として,他に類を見ない豊かな観光資源として,国土交通省信濃川下流工事事務所と阿賀野川工事事務所が取り組む河川舟運再生プログラムに本市が積極的に参画され,実現に向けて力を注がれることを強く要望して,以下の質問をいたします。
まず初めに,河川水面利用のルールづくりについてお尋ねします。
昭和大橋のたもとに南高校と新潟大学のボート部の部室があり,放課後や土曜,日曜の早朝にボートをこぐ若い人たちの姿を見ることができます。一方,この昭和大橋より上流には多くの釣り船やプレジャーボートが係留されており,高波を立ててかなりの速度で航行しているのをしばしば見かけます。両者が接近,遭遇しているところはまだ見たことはありませんが,そんなことになったら学生たちのボートはひとたまりもないなと不安になります。この夏,プレジャーボートが昭和大橋の橋脚に衝突するという事故も起きており,マリンスポーツやレジャーの広がりとともに,今後こうした事態がふえることはあっても,減ることはないと予想するのは容易です。河川水面の利用を進めてほしいと提案する大前提に,それが安全であることは何より重要です。
一昨日,信濃川・阿賀野川下流域水面利用協議会が両川下流域の航行ルールの原案を作成したとの新聞報道がされました。違反者への罰則もあるとのことで,陸上交通における道路交通法並みの威力が発揮されるのかと,水上の安全に向けて施行が待たれます。行政によるパトロールも検討されているとの報道でしたが,本市はこのルールづくりの中で,あるいはルール施行後どのような役割を担っていくのかお聞かせください。
次に,舟運再生への基盤整備についてお尋ねします。
さきに述べました河川舟運再生のプログラムの整備構想には,災害時の輸送手段として,信濃川から小阿賀野川,阿賀野川,通船川を経て,再び信濃川に至る周回コースと,平常時の新しい公共交通として,信濃川と阿賀野川を通船川で結ぶコースとが挙げられています。いずれのコースも,実現には幾つかのハード面での問題があります。
まず1つには,それぞれの川の水位にかなりの差があり,結節点に閘門の整備が必要であること。第2に,小阿賀野川,通船川にかかる橋の幾つかは橋梁が低く,船の通過が困難であること。第3に,小阿賀野川と阿賀野川の結節点近くに農業排水用施設である沢海の床固めがあるため,船の航行が危険であること。さらには,観光資源として活用するには,県が河川改修事業を計画している小阿賀野川にはできるだけ現在の景観を残す工法でなされることも重要です。河川管理者ではない本市が直接工事をすることはできませんが,これらの課題解決を強く国,県に働きかけて,舟運の再生に御尽力いただきたいと考えますが,いかがでしょうか。
3点目に,船着き場の整備について伺います。
国土交通省が整備を進めている防災船着き場は,新潟市地内には信濃川に2カ所建設されます。県庁地点と善久です。少し上流,白根市の赤渋の船着き場は既に建設が終わっていると聞きました。
平成10年6月,当時建設省が出した「河川内の船着場の使用の促進について」という通達は,河川管理者が設置した船着き場は,河川管理,震災対策等を目的として設置されているが,これ以上の目的のためであっても,河川舟運のため,当該施設を有効利用することは国民経済的にも望ましいとして,目的外使用を大きく認め,舟運関係者が常日ごろから当該施設を使用することにより,震災時等における当該施設の円滑な活用が可能になると,積極的に利用することを勧めています。ただし,占用主体は地方公共団体や第三セクターなど公的な機関が適当であり,民間へは許可を出して使用させるようにとのことです。
せっかく国がつくってくれた船着き場です。周辺の整備,他の交通機関との連携などの課題もあり,十分な整備には国,県,民間と一体となって取り組む必要がありますが,今あるこの船着き場をまずは使えるように,市民の足,新しい公共交通の手段としての舟運が市民のものとなるよう,この船着き場の占用を新潟市が請け負ってはいかがでしょうか。そしてさらに,これを足がかりとして,小阿賀野川,阿賀野川,通船川にも船着き場が建設され,流域の市民が通勤,通学にまで利用できる身近な交通手段となればと考えるものです。
4点目に,取り組み主体としての組織づくりを提案申し上げて,お考えをお聞きします。
先ほども申し上げましたように,新潟市は信濃川を初めとしてどの川の管理者でもなく,ハード面での課題はいずれも県や国に要望し,働きかける立場でしかありません。しかし,国の河川利用,舟運への機運は盛り上がっており,上がるはずのない腰を無理やり持ち上げようというのではない状況です。このチャンスを逃さずとらえて,新潟のまちを名実ともに水の都として復活させたいとるる申し上げているわけですが,申し述べてきた課題を積極的に解決し,さらには活発に活動する市民との連携を図り,より早く,よりグレードの高い水面利用と舟運再生が実現しますよう,庁内に河川担当者,水の都プロジェクトを置いてはいかがでしょうか。川もないのにとおっしゃらず,市の本腰を入れた姿勢こそが実現のかなめです。お考えをお聞かせください。
ところで,昨年11月,新潟,新津,白根,豊栄の4市と安田,水原,横越の3町,京ケ瀬村を加えた計8市町村で信濃川・阿賀野川下流域舟運活用促進協議会が設立されたと聞きました。基盤整備を要望し,調査,研究することを事業とされるようです。流域市町村が連携し,協力して取り組まれることは,大きな意義と前進があると信ずるところですが,正直申し上げて,運動の常として,多くの組織がかかわると,足並みがそろわないうちは動けないといった懸念もあります。本市としてはどのような方針を持って臨んでおられるのか,今後どのように進めていかれるおつもりなのかお尋ねして,質問の5点目といたします。
信濃川,阿賀野川,小阿賀野川,通船川を利用した舟運事業は,市長の打ち出された自然との調和を目指した田園型政令指定都市構想にマッチするばかりか,流域市町村との合併後,陸上交通では持ち得ない一体感を感じさせてくれるものと思われます。
かつての新潟の舟運の特徴は,年貢米を移送する手段として,「新潟湊」の発展と関連して,系統立てられ整備されてきたことにあると言われています。淀川の舟運や大阪のまちづくりを見聞した長岡藩主堀 直寄は,着任後,当時まだ漁村に等しかった新潟のまちや港を整備し,信濃川を改修して江戸へコメを輸送するという壮大な構想を立てました。そして,9つの税を免除し,人口をふやし,まちを繁盛させようと,意図的,計画的にまちづくりを行ったのです。舟運業者の組織化と統制が図られ,現在でも耳にする蒲原船道,津川船道と呼ばれる株仲間が結成されました。新潟は庶民のまち,商人のまちというイメージですが,官主導で形成されたまちであったわけです。市長が現代の堀 直寄たる気概を持たれ,新潟の舟運再生の早期実現に力を注がれることを願い,質問を終わります
初めに,介護のサービス評価事業の推進と情報の公開について市長にお尋ね申し上げます。
高齢の知人がことし,年内いっぱいで東京へと新潟のまちを離れます。昨年ころから体調が思わしくなく,外出を控えておられたのですが,ひとり暮らしはとてもじゃないが不安だと,転居を決意されたとのことです。定年退職されるまで長く教師を勤められ,経済的な心配があるわけではなく,また社会活動にも積極的に参加なさって知人,友人も多い方だっただけに,ひとり暮らしの不安を理由に新潟を出ていかれるという話は少なからぬショックでした。
一方,友人から聞いた話では,全国を転勤して新潟に来られた方が来年の春にはまたどちらへか転勤が予定されていて,「新潟は福祉サービスのレベルが高くて安心で暮らしやすかったけれど,次はどんなところで暮らさなければならないかわからなくて不安だ」とおっしゃっていたということです。
この方が新潟のどこでどんなサービスを受けておられたのか定かではありませんが,不安だからと新潟を出ていかれる方がある一方,出ていくことが不安だと言ってくださる方もあるというのは,提供される福祉サービスの種類によって水準に差があるのか,それとも受け取るサービス情報に偏りがあるのかと考えさせられました。
「昨年1年間に全国の各都道府県国保連合会に寄せられた介護保険の苦情は296件で,サービスの質をめぐる苦情が22%と最も多かった」との報告が国民健康保険中央会から出されています。制度発足直後の半年間では利用者負担に関する苦情が目立っていましたが,年間を通してみると7%という結果だったそうです。
平成12年度本市に寄せられた介護サービスの苦情相談は29件,うちサービスにかかわるものは7件,職員の対応にかかわるものは8件,説明不足と分類された苦情と連絡不足がそれぞれ10件,3件,その他が1件となっています。職員の対応が悪いからと行きたがらない,けがをしているのに説明がないなど,利用することが不安になるような苦情はまさにサービスの質の問題だと思われます。
人権が守られ,尊厳を持って老いを送りたいとだれもが願っています。それを支えるのは質の高い介護サービスです。ベッドのわきに置かれ,目隠しもなく,居室の入り口から丸見えのポータブルトイレ,廊下から着がえの見える脱衣所や浴室,命令口調や幼児言葉で話しかける職員,残念ですが,これは現実です。
昨年改正された社会福祉法は,第78条で「社会福祉事業の経営者は,自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うこと,その他の措置を講ずることにより,常に福祉サービスを受ける者の立場に立って,良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない」と定めています。サービス利用者は良質かつ適切なサービスを受ける権利があるのです。「車いすに拘束ベルトをされている,ちゃんと歩けるので外してほしい」などという相談はもってのほかです。
厚生労働省は,福祉サービスの質の向上と利用者の選択に資するために第三者評価事業を導入することとし,福祉サービスの質に関する検討会は,平成13年度からの本格実施に向けて,本年3月に最終報告を出しています。北九州市,神戸市など,介護サービスにおける第三者評価を既に実施している自治体もあり,介護保険スタート時のコンセプトであった措置から契約へ,選ぶ介護サービスが現実のものとして動きつつあります。
新潟に暮らす高齢者とその家族が社会福祉法にいう良質で適切なサービスを受けることが保障され,最期のときまで安心して新潟の地に住み続けられますよう,介護サービスの評価事業とその情報の公開をぜひとも推進していただきたく,市長のお考えを伺います。
第1に,介護サービス利用者が,その大多数は市民ですが,良質で適切なサービスを受けられるよう,本市は事業者に対してどのような指導,監督,あるいは運営上の援助を行っておられるのか,あるいは行っておられないのかお尋ねします。
厚生労働省は,介護保険法第88条第1項及び第2項に基づき,省令37から41でサービス提供事業者の運営基準を定めています。この運営基準が遵守されていれば,一定水準のサービスが期待できるわけですが,100%達成はなかなか難しいようです。もちろん事業者が意図的,意識的に基準以下の運営をしているとは考えられません。しかし,繁忙な毎日の事業の中で,あるいは厳しい経営状況の中で,落としがちな利用者の視点や配慮があるのではないでしょうか。
第2に,サービス提供者の自己評価事業を積極的に推進されるよう要望して,本市の介護福祉サービスへの取り組みの姿勢をお尋ねします。
介護サービスの質や水準は,サービスの提供者である事業者みずからの問題であり,その責任も事業者にあることはもとより承知しております。事業者はみずからの責任において,提供するサービスがよりよいものとなるよう点検,評価,見直しをされていることと想像されますが,どの仕事,職業でもありがちなように,行為が半ば習慣化して,客観的に自己点検,自己評価をし,改善に向けて努力することは難しいものです。
例えば名古屋市のように,煩雑な表現の運営基準を平易な言葉に置きかえて,自己点検チェック票として提供するとか,あるいは厚生労働省の示す第三者評価基準を使い勝手のいいように一覧表にして提供するなどしてはいかがでしょうか。さらに,もちろん強制はできませんが,半年に1回または年に1回こうした評価票の提出を求めてはどうでしょうか。
事業者の自助努力に任せきりにせず,自己評価事業を推進することによってサービス水準の向上を促そうという市の積極的な姿勢が本市の福祉の質を全体的に引き上げるものと考えますが,市長はいかがお考えですか,お聞かせください。
第3に,事業者が行うサービス水準向上への取り組みを支援する評価委員会の設置を提案申し上げて,お考えを伺います。
県が平成7年度から始めた特別養護老人ホーム及び老人保健施設におけるサービス評価事業の報告書を拝見しました。事業対象の県内39施設は,事前に6分野100項目にわたる評価票で自己評価を行い,その後,サービス評価委員会の委員が施設に出向いて実地視察を行い,施設の自己評価をもとに施設の職員とサービスの提供について意見交換を行うというものです。委員の評価と施設の自己評価に大きな差はありませんが,見るべきは,意見交換の中で施設が具体的な問題点に気づき,内部では改善が困難である問題が,委員のアドバイスを受けることによって,心理的にスムーズに解決の方法を得られていることです。中には,「継続して指導を受けたい」との感想を寄せている施設もあり,著しい事業成果が読み取れます。
さきにも述べましたように,国の動向は第三者評価に向けて動いています。こうした動きをにらみながら,ただ評価をして事業者のランクづけをするのではなく,客観的な立場からアドバイスする評価委員会を設置されてはいかがでしょうか。
第4に,サービス評価情報を公開して,市民の選ぶ介護サービスを実現していただきたく,市に方針をお尋ねします。
新潟市は,介護サービスガイドを出して情報提供に努めておられます。制度としてどんなサービスがあるのか,わかりやすく見やすい冊子ですが,残念ながら事業者に関しては,名称と住所,電話番号が記されているだけです。どの事業者がどんなサービスに力を入れているのか,特徴は何か,サービスの水準はどうなのかなど,知りたいことが必ずしも十分に知り得るものではありません。
パソコンでNAGOYAかいごネットに入ってみてください。情報提供とはこういうものかと目をみはります。事業所ごとのサービス内容が一目でわかるばかりではなく,地図,空き情報,利用料金,運営基準の達成率や自己点検の結果,報酬加算情報など,欲しい情報が一度に手に入るようになっています。要介護者や家族が施設を選ぶときの情報源とするほか,ケアマネジャーの負担軽減も目指して開設されたとのこと。名古屋市内約1,100事業所のうち850の事業所が参加しているそうです。情報を公開することによって,事業者のサービス水準の向上への意識も変わったことと推察されます。
本市におきましても,ぜひこうした取り組みが実現されますよう強く要望するものです。老後が不安だからと新潟のまちを出ていってしまう人が一人もなくなるよう,介護福祉サービスの量と質がともに充実されるようお取り組みください。
次に,河川水面利用と河川舟運の再生についてお尋ねします。
江戸時代から新潟のまちが,海運はもとより,信濃川,阿賀野川を上り下りする舟運の「湊」として栄えてきたことは広く知られているところです。資料によれば,1697年,信濃川と阿賀野川を通じて新潟に集められた諸藩の年貢米は34万4,000俵にも上り,商人の集めた町米は36万俵,大豆,麦などの雑穀が約29万俵と,膨大な量であったことがわかります。この年,「新潟湊」で取り扱った商品の取り扱い高は総額で46万両を超えたと言われ,「湊」やまちのにぎわいはいかばかりであったろうと想像されます。栗ノ木川には商人や商品を乗せたアンコウ舟が行き交い,農民の土取り舟や材木を積んだいかだが往来し,新潟のまちは川と舟によって支えられていました。
それほどに栄えた新潟の舟運も,明治,大正と時代が下るにつれて,陸上交通の発達によって次第に衰退し,市街を縦横に走っていた掘り割りは埋められ,輸送の手段としても交通の手段としても用をなさなくなり,今や昔語りに語られるばかりになって現在に至っています。
分館3階のエレベーター前に「水の都」と大きくデザインされた新潟の観光用ポスターが張ってありますが,御存じでしょうか。写真とイラストがバランスよく配置され,センスのいいとてもすてきなポスターで,旅心を誘います。このポスターに誘われて,水のある風景を求め,水と親しみたい,水辺を楽しみたいと新潟を訪れた観光客は,新潟のまちで十分に水の都を堪能して帰られているのでしょうか。楽しんで帰ったのが阿賀野川のライン下りだったとしたら,随分と残念な話です。日本海と信濃川,阿賀野川,鳥屋野潟や佐潟など,十分な素材を観光資源として生かし切れていないのではないでしょうか。もっともっと水にこだわったまちづくりがなされてもいいのではないかと思います。
一方,市民レベルでは,近年川や水辺を楽しむ活動やこれらの再生に取り組む活動が活発に行われています。花いかだを信濃川に流したり,手づくりのボートで川下りを競うイベントが開かれたり,川にまつわるワークショップが数多く開催され,また掘り割りの再生を議論するなど,幾つもの市民団体が環境の視点から,まちづくりの視点から,あるいはただ川が好きだからと,活動に汗を流しています。やすらぎ堤で憩う市民の姿も整備が進むにつれてふえ,川や水辺に対する市民の関心は高まる一方です。
翻って国のレベルでは,平成11年3月,当時は建設省でしたが,河川審議会が「今後の水利行政のあり方について」という提言を出して河川行政の転換を促しています。洪水や渇水といった異常時の河川を対象とした河川行政から,平常時の河川も視野に入れた川の365日の河川行政へ転換すること,その管理のあり方としては,洪水,利水,舟運等の河川利用,環境形成・保全からまちづくり,地域づくりに至るまで,さまざまな事態,ニーズに的確にこたえていく必要があるというものです。
さらに,阪神・淡路大震災を契機に,災害時の輸送手段として舟運が大きく見直され,国土交通省は全国の河川に防災船着き場を建設しています。この防災船着き場を平常時も有効利用しようと,荒川,江戸川,北上川など多くの河川で官民一体となった舟運への取り組みがされています。
新しい輸送,交通の手段として,他に類を見ない豊かな観光資源として,国土交通省信濃川下流工事事務所と阿賀野川工事事務所が取り組む河川舟運再生プログラムに本市が積極的に参画され,実現に向けて力を注がれることを強く要望して,以下の質問をいたします。
まず初めに,河川水面利用のルールづくりについてお尋ねします。
昭和大橋のたもとに南高校と新潟大学のボート部の部室があり,放課後や土曜,日曜の早朝にボートをこぐ若い人たちの姿を見ることができます。一方,この昭和大橋より上流には多くの釣り船やプレジャーボートが係留されており,高波を立ててかなりの速度で航行しているのをしばしば見かけます。両者が接近,遭遇しているところはまだ見たことはありませんが,そんなことになったら学生たちのボートはひとたまりもないなと不安になります。この夏,プレジャーボートが昭和大橋の橋脚に衝突するという事故も起きており,マリンスポーツやレジャーの広がりとともに,今後こうした事態がふえることはあっても,減ることはないと予想するのは容易です。河川水面の利用を進めてほしいと提案する大前提に,それが安全であることは何より重要です。
一昨日,信濃川・阿賀野川下流域水面利用協議会が両川下流域の航行ルールの原案を作成したとの新聞報道がされました。違反者への罰則もあるとのことで,陸上交通における道路交通法並みの威力が発揮されるのかと,水上の安全に向けて施行が待たれます。行政によるパトロールも検討されているとの報道でしたが,本市はこのルールづくりの中で,あるいはルール施行後どのような役割を担っていくのかお聞かせください。
次に,舟運再生への基盤整備についてお尋ねします。
さきに述べました河川舟運再生のプログラムの整備構想には,災害時の輸送手段として,信濃川から小阿賀野川,阿賀野川,通船川を経て,再び信濃川に至る周回コースと,平常時の新しい公共交通として,信濃川と阿賀野川を通船川で結ぶコースとが挙げられています。いずれのコースも,実現には幾つかのハード面での問題があります。
まず1つには,それぞれの川の水位にかなりの差があり,結節点に閘門の整備が必要であること。第2に,小阿賀野川,通船川にかかる橋の幾つかは橋梁が低く,船の通過が困難であること。第3に,小阿賀野川と阿賀野川の結節点近くに農業排水用施設である沢海の床固めがあるため,船の航行が危険であること。さらには,観光資源として活用するには,県が河川改修事業を計画している小阿賀野川にはできるだけ現在の景観を残す工法でなされることも重要です。河川管理者ではない本市が直接工事をすることはできませんが,これらの課題解決を強く国,県に働きかけて,舟運の再生に御尽力いただきたいと考えますが,いかがでしょうか。
3点目に,船着き場の整備について伺います。
国土交通省が整備を進めている防災船着き場は,新潟市地内には信濃川に2カ所建設されます。県庁地点と善久です。少し上流,白根市の赤渋の船着き場は既に建設が終わっていると聞きました。
平成10年6月,当時建設省が出した「河川内の船着場の使用の促進について」という通達は,河川管理者が設置した船着き場は,河川管理,震災対策等を目的として設置されているが,これ以上の目的のためであっても,河川舟運のため,当該施設を有効利用することは国民経済的にも望ましいとして,目的外使用を大きく認め,舟運関係者が常日ごろから当該施設を使用することにより,震災時等における当該施設の円滑な活用が可能になると,積極的に利用することを勧めています。ただし,占用主体は地方公共団体や第三セクターなど公的な機関が適当であり,民間へは許可を出して使用させるようにとのことです。
せっかく国がつくってくれた船着き場です。周辺の整備,他の交通機関との連携などの課題もあり,十分な整備には国,県,民間と一体となって取り組む必要がありますが,今あるこの船着き場をまずは使えるように,市民の足,新しい公共交通の手段としての舟運が市民のものとなるよう,この船着き場の占用を新潟市が請け負ってはいかがでしょうか。そしてさらに,これを足がかりとして,小阿賀野川,阿賀野川,通船川にも船着き場が建設され,流域の市民が通勤,通学にまで利用できる身近な交通手段となればと考えるものです。
4点目に,取り組み主体としての組織づくりを提案申し上げて,お考えをお聞きします。
先ほども申し上げましたように,新潟市は信濃川を初めとしてどの川の管理者でもなく,ハード面での課題はいずれも県や国に要望し,働きかける立場でしかありません。しかし,国の河川利用,舟運への機運は盛り上がっており,上がるはずのない腰を無理やり持ち上げようというのではない状況です。このチャンスを逃さずとらえて,新潟のまちを名実ともに水の都として復活させたいとるる申し上げているわけですが,申し述べてきた課題を積極的に解決し,さらには活発に活動する市民との連携を図り,より早く,よりグレードの高い水面利用と舟運再生が実現しますよう,庁内に河川担当者,水の都プロジェクトを置いてはいかがでしょうか。川もないのにとおっしゃらず,市の本腰を入れた姿勢こそが実現のかなめです。お考えをお聞かせください。
ところで,昨年11月,新潟,新津,白根,豊栄の4市と安田,水原,横越の3町,京ケ瀬村を加えた計8市町村で信濃川・阿賀野川下流域舟運活用促進協議会が設立されたと聞きました。基盤整備を要望し,調査,研究することを事業とされるようです。流域市町村が連携し,協力して取り組まれることは,大きな意義と前進があると信ずるところですが,正直申し上げて,運動の常として,多くの組織がかかわると,足並みがそろわないうちは動けないといった懸念もあります。本市としてはどのような方針を持って臨んでおられるのか,今後どのように進めていかれるおつもりなのかお尋ねして,質問の5点目といたします。
信濃川,阿賀野川,小阿賀野川,通船川を利用した舟運事業は,市長の打ち出された自然との調和を目指した田園型政令指定都市構想にマッチするばかりか,流域市町村との合併後,陸上交通では持ち得ない一体感を感じさせてくれるものと思われます。
かつての新潟の舟運の特徴は,年貢米を移送する手段として,「新潟湊」の発展と関連して,系統立てられ整備されてきたことにあると言われています。淀川の舟運や大阪のまちづくりを見聞した長岡藩主堀 直寄は,着任後,当時まだ漁村に等しかった新潟のまちや港を整備し,信濃川を改修して江戸へコメを輸送するという壮大な構想を立てました。そして,9つの税を免除し,人口をふやし,まちを繁盛させようと,意図的,計画的にまちづくりを行ったのです。舟運業者の組織化と統制が図られ,現在でも耳にする蒲原船道,津川船道と呼ばれる株仲間が結成されました。新潟は庶民のまち,商人のまちというイメージですが,官主導で形成されたまちであったわけです。市長が現代の堀 直寄たる気概を持たれ,新潟の舟運再生の早期実現に力を注がれることを願い,質問を終わります


