2005年06月

2005年06月22日

久生十蘭を探して(3)

先日、三一書房版「久生十蘭全集此廚鯑手しました。久生十蘭の本はほと
んどが絶版となっていて、古書価格もかなり高価なのですが、幸運にも著作
権管理者の知り合いの方が某大型書店に在庫があることを見つけてくださり
これと「同供廚鯆蟆舛嚢愼しました。もう一冊あったのですが、これは全
集に挟み込まれている「月報」が欠落していたのでまたの機会に賭けまし
た。

さて、この「此廚侶酳鵑砲狼塙埆瀁群陲「雨戸の中」と言う題で久生十蘭
の思い出を書いています。著作権管理者の「久生十蘭の仕事部屋から
(3)」に吉行淳之介のことが出てきたのでちょっと引用してみます。

「社の編集局長永井寿助氏は、久生十蘭の熱烈なファンで、やがて久生氏が
鎌倉に転居されたとき、私たちの社の人間がその手伝いをすることになっ
た。(中略)材木座近くの大きな二階家だったが、ひどく汚れていて、畳と
廊下の雑巾がけに苦労した記憶がある。丁度、澁澤龍彦君が東大に入る前に
アルバイトとして社にいたので、彼も雑巾がけをした一人である。」

澁澤龍彦は度々、久生十蘭に言及していることは聞いていたが、このような
関係だったとは知りませんでした。しかし、十代の澁澤龍彦が雑巾がけをし
ている姿は見たいような、見たくないような気持です。引用を続けます。

「暗くなって、ようやく一段落して、酒宴になった。(中略)あの頃、久生
氏は幾つくらいだったのだろうか。たぶん四十台だったろう。私は二十三、
四だった。酒が足りなくなると『おい従卒』と、久生氏は若い奥さんに向っ
て怒鳴り、酒屋に走らせた。この『従卒』が連発され、奥さんはまねまねし
く立働かれたのが印象に残っている。」


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hisaojuran at 08:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 久生十蘭を探して 

2005年06月19日

久生十蘭の仕事部屋から(3)

埃まみれの資料は、触れるだけ喘息になりそうです。まずは神奈川近代文学館に寄贈してきれいにしてもらい、それからゆっくり目を通してみようと考えていたのですが、寄贈したら最後、現物には触れることはできないことが分かりました。

従軍日記や新聞の切り抜き、写真の他、フランス語や英語の小説(ペーパーバック)などダンボール箱5つほどの資料が「全集の編集に役立ちそう」ということで、江口雄輔さんの研究室に移されることになりました。宅急便での輸送かと思ったのですが、「貴重なものですから、何かあれば取り返しがつきません」と、資料はタクシーで大切に運ばれていきました。私としては、あんなボロボロで真っ黒けの資料の運搬にタクシーを使うと聞き、都内までのタクシー代がとても気になりました。

私の友人に、ある新聞社の記者がいます。久しぶりに電話で話をする機会があったので「ところで久生十蘭って知ってる?」と聞いてみました。勿論、知っているという返事。「えっ、叔父さんなの?」と驚いた様子です。他の新聞社の友人は皆、「へえー、若いときは函館新聞の記者だったの」と、同業者だったことに親しみを感じている程度で、「どんな字を書くの?」「どんな作家?」など初歩的な質問ばかりでした。

ですから、まさか彼女が十蘭を知っているとは思いませんでした。「直筆の従軍日記が出てきたんだけれど」。新聞に取り上げてくれることを少し期待して説明すると、記事になりそうだというのです。江口さんのような研究者だけでなく、久生十蘭という作家がまだまだ一般社会でニュース価値があることを、このとき知りました。

「久生十蘭の従軍日記発見!」がどのような記事になるのか分かりませんが、まずは資料を見てもらうことにしました。取材をしてくれることになったのは、彼女の同僚記者です。このブログを管理している亜子十郎さんも「是非、見たい」というので、3人で江口さんの研究室にうかがういました。

資料はきれいに分類され、2つの本棚に収まっていました。いくら研究とはいえ、埃との格闘でさぞ大変だったことでしょう。川崎賢子さん、浜田雄介さんと月に1回集まって資料をチェックし、従軍日記は1ページごとにデジカメで撮影して、3人で分担して清書をしているとのことでした。
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hisaojuran at 20:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 久生十蘭の仕事部屋から 

2005年06月10日

著作権代管理人のご挨拶

更新が遅れていて申し訳ありません。ネタはあるのですが、管理人、代理ともに身辺多忙で手がつけられません。

代理は本日(6月10日)から18日まで、管理人は17日から24日まで本業で海外出張となります。

管理人は代理が不在中に原稿を書くと申しておりますので次の書き込みは18日以降になってしまいます。

亜子十郎 拝

hisaojuran at 06:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)