2006年04月
2006年04月17日
久生十蘭の仕事部屋から(25)
手元にある数少ない資料を読むと、「竹内清」という人が十蘭とかなり親しかったことがわかりました。十蘭の妻・幸子の長姉の夫・精吾が、竹内清の弟です。竹内清について調べれば、もう少し十蘭のことがわかるのではないかと思い、実は昨秋、お嬢さんの瑠璃子さんに会いました。
もちろん初対面です。縁をたどれば遠い親戚となるわけで、上京の折に時間をとってもらいました。その時に預かった資料の1つに「海峡」という函館の同人誌があります。こんな原稿を書いています。
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2006年04月12日
久生十蘭の仕事部屋から(24)
いつまでもぐずぐずしていても仕方ないので、とにかく古そうな写真から順にご紹介することにしました。今回は「フランス時代」として叔母がまとめていた写真から2枚。十蘭は昭和4年(1929年)から8年(1933年)の4年間、フランスに滞在しました。以前、このブログで取り上げた十蘭直筆の「履歴書」によると、4年10月に「演劇研究ノタメ渡歐ス」。6年4月「佛國巴里市立工藝學校ヘ入学」し、8年3月に「同校音画科ヲ卒業」、9月に「歸國ス」となっています。
ただ、実際には履歴書の内容が正しいとはいえないようで、十蘭の足跡についてはあまりよく分かっていないようです。今回は、特徴的な背景の写真を選びました。場所が書かれていないので、どこで撮影されたかは不明ですが、建物が写っている写真は、函館市文学館の常設展示で掲出されています。(つづく)