2006年12月

2006年12月31日

一年間のご愛読ありがとうございました

今年も押し詰まりました。

このブログを開始してからまだ足かけ二年ですが、今年は十蘭の実像についてさまざまな発見がありました。これまで不詳とされていた父親が特定されたり、十蘭のフランスでの足取り(パリ、ニースでの写真)も分かりました。(まだ未発表ですが、フランス国内数箇所での写真と日時が特定できる文書類が見つかりました)

ジグソーパズルのピースは確実に数が増えているのですが、それらがどう繋がるのかはこれからの課題です。

先日、江口雄輔さん、川崎賢子さんと北海道教育大学の小林真二さんに著作権継承者と亜子十郎を加えて「久生十蘭・忘年会」を開きました。真面目な話からくだけた話まで長時間にわたって盛り上がりました。

くだけた話のほうではいずれ、読者の皆様もお招きして、さまざまな顔を持つ久生十蘭に多方面から光を当てる「十蘭十夜」とでもいったイベントができればなどという話も出ました。まだ、ジャストアイディアの段階ではありますが、実現できれば楽しい催しになるだろうと思います。

年末年始の慌しい中、私はひたすら十蘭の作品を読もうと思っています。

どうぞ、みなさまには良いお年をお迎えくださりますよう、お祈り申し上げております。



                                            亜子十郎 拝


hisaojuran at 16:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)著作権管理人代理コメント 

久生十蘭の仕事部屋から(38)***十蘭の母の渡欧で新事実***

90cd7e2d.JPGラクダに乗る十蘭の母、鑑(後列右から2番目)です。75年以上も前に、着物姿でラクダに乗った日本女性というのも、あまりいないのではないでしょうか。「イジプト・ピラミット見学」とあります。裏には次のような名前が並んでいます。人数と人名の数が合わないので、残念ながら人物の特定はできません。

(後列)一星夫人、森口氏、高橋氏
(前列)案内者、水谷氏、森原氏、石川氏、一星氏

鑑のアルバムは、私には順番の意味が理解できず、往復の経路も年月日も不明です。それでも、場所のわかる2枚の絵葉書に日付のメモがあるので、これでヒントになるかも知れません。

◇CENTRAL HABOUR HOGKONG の文字入り絵葉書
  昭和六年十一月十三日 鹿嶋丸寄港 曇天、暑く衿まで汗する

◇MARSEILLEの絵葉書(多数)
  七、五、十三

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hisaojuran at 16:04|PermalinkComments(1)TrackBack(0)久生十蘭の仕事部屋から 

2006年12月13日

久生十蘭の仕事部屋から(37)

4fa217a6.JPG栄子さんによれば、鑑は離婚した後、函館高等女学校でお茶とお花を教えていたそうです。しかし、それだけでフランスへの渡航費を捻出するのは難しいのではないでしょうか。
「一人娘だったので、親から継いだ財産を処分して出かけたようです」

それなら納得できます。昭和3年1月4日、父・真七が他界しています。母・カシは大正14年にすでに亡くなっており、鑑1人が相続人です。廻船問屋ということであれば、それなりの財産があったと考えられます。公表されている十蘭の年譜によれば、昭和5年か6年に渡仏したとありますので、年代も合います。

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hisaojuran at 23:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)久生十蘭の仕事部屋から