2007年03月

2007年03月14日

久生十蘭の仕事部屋から(41)  ***十蘭がパリで学んでいたこと***

832f6687.JPG30688fce.JPG                                                                                                                       




 アンコールワットのような建物の写真に
Exposition coloniale internationale Paris 1931とあります。
1931年に開催された「パリ国際植民地博覧会」の記念絵葉書です。

阿部鑑の渡仏関連の2冊のアルバムのうちの1冊にあったものです。「昭和六年十月 巴里出発の際門下の送別会」に始まり「社中送別会」「華道師範の送別会」「東京ニ於いての送別会」と続き、「イジプト・ピラミッド見学」「セイロン島見学」・・・。

亜子十郎さんが現在の場所を写真で紹介している「パリ15区キャスタナリー街30番地」にあった「キャスタンヤリー アパートの一室」で、柏に似た大きな葉をモチーフにした派手な模様の壁を背に、椅子に座る和服姿の鑑の写真もあります。

さらに「エッフエル塔」「ポートサイド見学」「上海の料亭 榛名丸一行」「マルセーユ牢獄ニテ」「甲板記念 榛名丸」「ナポリ出港 自写」「帰朝第一の集り」「日本橋白木屋帰朝」「今井楼上にてカンゲイ会」・・・。

間を埋めているのが、観光用絵葉書や「帝國美術院 美術展覽會」「二科美術展覧會」の出品作品の絵葉書。そこに脈絡もなく貼られていたのが、この絵葉書でした。

糊づけされた葉書の隙間から、文字が書かれていることが分かります。破らないようこわごわ剥がしてみると、宛名は「阿部鑑様」。文末には「将雄」「母上様」。十蘭の本名は「正雄」ですが、「母上様」というのですから、十蘭以外は考えられません。

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hisaojuran at 22:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)久生十蘭の仕事部屋から