2006年03月12日

久生十蘭の仕事部屋から(23)

前回、十蘭の全集企画に触れましたが、今後は編集の進捗状況などについてお知らせできることになりました。
編集にかかわっているのは、江口雄輔さん、川崎賢子さん、浜田雄介さん、沢田安史さんの4人に加えて、国書刊行会の礒崎純一編集長です。

「定本久生十蘭全集」というタイトルで、全11巻になるとのこと。昨年、礒崎編集長にお会いした時のお話では全10巻ということでしたので、予想以上に多くの資料が集まったようです。

編年体編集となります。ここにご紹介した「従軍日記」を初めとして、新しい資料や、翻訳、エッセイ、評論、座談会なども収録予定です。これまでものとは全く色合いの異なる全集となり、厳密な本文校訂をされるそうです。

このブログは、十蘭の熱心なファンが読んで下さっているようなので、1つお願いしたいことがあると、江口先生から伝言です。東京新聞に連載された「をがむ」のテキストが一部欠落しているのだそうです。お持ちの方がいらしたら、ご連絡をいただければ幸いです。

今回は2年後に発売される全集の話題でしたが、先日、三一書房の全集の山を整理して写真をとりました。ピントが合っていないお粗末な写真ですが、ご参考までにアップします。狭い部屋に並べたので見づらくなりました。最上段が第1版第1刷で左から右へ第鬼から第惨まで。



ed04861d.JPG
第鬼第1刷から縦に第8刷までありました。空いているところは、その版がなかったためです。初版は立派なケース入り。第2刷以降はケースがついていません。最後に発行されたと思われる第惨の第6刷は、カバーのグレーの色がそれまでより濃くなり、紙の質も落ちています。出版社の厳しい経営環境の表れだったのかも知れませんね。(つづく)


hisaojuran at 14:09│Comments(4)TrackBack(0) 久生十蘭の仕事部屋から 

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この記事へのコメント

1. Posted by YOUCHAN   2006年05月09日 18:46
三一書房版の「久生十蘭全集」と言えば、20年ほど昔、まだ貧乏美術学生だったとき、毎日学校帰りに立ち寄った、名古屋の三省堂書店で、手にとっては中を見て、欲しいなぁ、と憧れていたことを思い出します。

大人になってから、ひょんなことから第一版の久生十蘭全集を入手する機会に恵まれ、月報もついており、あの頃、あんなに憧れたものがここにある…と、しばし眺めていたことを思い出します。

「定本久生十蘭全集」が刊行されるとの報に、胸が高鳴る思いがいたします。まだまだ先のようですが、百年もつものになるというその言葉に強く打たれます。現在では、一部の作品を除いては、古書でしか手に入らない状況です。が、いつでもあの十蘭の世界に触れられる日がやってくるなんて、本当に嬉しいことです。期待しています。

関係者の皆様、がんばってください。
2. Posted by 亜子十郎   2006年05月11日 06:42
YOUCHANさん、コメントありがとうございます。
素晴らしい全集になるように、皆様からのご意見を編集者にお伝えするようにしています。是非、ご意見やご要望をお聞かせください。

                      亜子十郎拝
3. Posted by YOUCHAN   2006年05月11日 13:46
お返事をありがとうございます。ささやかですが、意見と要望を…。
まず何より、発行順の収録というのが、何より嬉しいです。三一版はまぜこぜでしたので…。
それで、もし可能であれば、発表当初の雑誌に添えられていた挿絵や扉絵なども収録してもらえると嬉しいですし、その当時の時代背景も巻末に押さえてもらえると、より理解が深まって嬉しいです。
ところで、戦前・戦後とで、仮名遣いが変わっているはずですが、できれば発表当時の仮名遣い(旧仮名の時代は旧仮名)で読めたら嬉しいです。
4. Posted by Arb Games   2012年05月24日 14:56
シアーズ旅行バーリントン

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