■(3月18日)関西電力に対する要請行動
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※3月18日に私たちが行った要請行動で、関西電力に手渡した緊急要請書の冒頭の「3月11日に起きた東日本大地震は、マグニチュード9.0という想像を絶するものであった。」という部分について
 関西電力にはマグニチュード9.0とする政府発表自体も「疑わしいところがあるが」(「想定外の」とか「史上空前の」とか「想像を絶する」という言葉について違和感があるということについては当ブログで記事にした『想定外の嘘』に詳細を記載しています)と説明していることも当ブログをご覧になられているユーザーの皆様にはお伝えしておきます。

※参照
想定外の嘘

(緊急要請書の内容)

2011年3月18日 

関西電力()取締役会長  森 詳介 様

取締役社長  八木 誠 様



      

平和と民主主義をめざす全国交歓会 代表 山川義保

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緊 急 要 請 書


 

■被害を深刻化させた福島第一原発事故

 3月11日に起きた東日本大地震は、マグニチュード9.0という想像を絶するものであった。地震と大津波は東北地方を中心に壊滅的被害をもたらし、現在も必死の救命・救助、捜索活動や被災者支援が続いている。

この被害をさらに事態を深刻化させているのが、福島第一原子力発電所の同時多発的な事故である。国内初の炉心溶融が起こり、格納容器の一部破損で多量の高濃度放射能漏れは現在も進行している。1号機と3号機は、炉心溶融に続き水素爆発によって原子炉建屋が破壊された。3号機は、MOX燃料(ウラン・プルトニウム混合燃料)を使用するプルサーマル炉である。炉心溶融と爆発はプルトニウムを含む放射能を大量に放出している可能性が高い。2号機でも、燃料棒露出し格納容器が損傷したと報道された。そして、定期検査で停止中の4号機でも使用済核燃料プールで爆発が発生。400ミリシーベルト/hの高い放射線量が計測された。さらに、停止中の5号・6号機でも水温が上昇を続けている。史上例をみない最悪の事態である。


 

■放射能の放出は続いている

 幾重にも準備された安全装置が機能せず原発が制御不能となっていることは、誰の目にも明らかだ。ポンプも稼働せず原子炉や格納容器内の圧力を下げるため大量の放射能を含む蒸気を放出し続けた結果、放射能汚染は拡散し東京都内でも通常より高い放射線測定値が検出された。使用済燃料プールは露出し沸騰。冷却ポンプも作動せず高濃度の放射能により近づくことさえできない。冷却のため上空からの放水に向かったヘリは高濃度放射能で現場に近づけなかった。地上からの建屋爆発破損部への放水や海水注入など世界でも例をみない異常事態である。 


 

■住民の生命を軽視する政府・東京電力 

 同原発事故では既に20人以上の東電社員が負傷・行方不明となっている。この中には、制御室で全面マスク着用中の社員が急性放射性障害で倒れているものもあるという(東電プレスリリース)。また14日深夜、福島県相馬市の避難所となっている石上第一小学校体育館(約1000人が避難)に、自衛隊がジープで乗り付け「上官命令で南相馬市から退避する。私見だが福島原発は非常に危険な状態」とのことを述べ、被災住民を置き去りに退避。避難者はパニックに陥った。さらに15日、政府は福島第1原発からおよそ5キロで待機させていた原子力安全保安院職員・自衛隊員らを原発からおよそ60キロ離れた郡山市まで退避させている。住民避難の基準を20キロ以内としながら大きな矛盾だ。

 東京でも放射能が測定され、アメリカやオーストリアは既に大使館機能を東京から移管。フランスや韓国等は、関東地方・日本国内からの非難・退去を自国民に勧告。その他の国々も日本からの退去を勧告している。さらに福島沖に近づいた米空母さえ原発風上の沖合約200キロに退避。救援に向かった3隻も日本海側に向かっている。

 しかし日本政府は、この事態に及んでも「冷静に」「今のところ人体に影響はない程度の数値」とくり返し、東京電力は全ての情報を開示していない。強い放射能の拡散で被曝者は増え続けている。被曝するのは住民と必死で作業に当たる現場関係者・労働者である。最優先されなければならないことは、一刻も早くより安全な場所への住民避難に全力をあげることだ。


 

■背景にある政府・東京電力の原発推進政策  見直しを開始した世界の動き

 政府や東電は、「事故現場から離れれば離れるほど数値が落ちていくので心配するほどのものではない」と繰り返し、福島原発事故や被曝の危険性をできるだけ小さく見せるために情報操作を行っている。強い放射能が拡散しているときに、どうして安全であると主張できるのか。「停止」や「冷却」で事態は収束しない。溶融・メルトダウン、放射能被害は今後も進行していく。内部被曝の危険性にも深く触れようとはしていない。
 政府は、住民の安全を無視しグローバル資本の意思を受け事故の危険性を隠す情報操作を行っている。原発で稼ぎたい各電力会社や設計・建設会社の意向を受け、原発推進路線を取り続けてきた政府は「原発安全神話」を何としても維持しようとしているのだ。これまでも、政府や電力会社は「耐震性に問題なし」「炉心溶融は起きない」と原発建設を推進してきた。しかし、以下に強弁しようとも原発の危険性はなくせない。

 既に海外では原子力政策への見直しが始まっている。15日にはEU化盟国の緊急会議を開き、日本の放射能漏れ事故に対する評価を行った。エッティンガー欧州委員(エネルギー担当)は「日本の原子力漏れ危機は全世界の原子力エネルギーの発展に根本的な影響を与える。必要ならEUは予防的措置を講じ、エネルギー政策の調整を行う」と表明。ドイツのメルケル首相は、既存原発の稼働年数を平均12年延長する計画について3カ月間の凍結を発表した。各国でもエネルギー政策の見直しが開始されている。


 

■関西電力の原子力発電所も大地震と大津波による事故の危険性からは免れない

 関西電力は福井県美浜、大飯、高浜に11基の原子力発電所を持っている。しかし、関西電力が用いている耐震安全性評価は今回の地震規模を想定したものではない。最大の地震規模でも、大飯・高浜原発でM7.4、美浜原発でもM7.7にしか過ぎない。これらの原子力発電所はいずれも海岸に面している。東日本大震災規模の地震が発生し津波が起きた時、誰も安全であるとはいえない。

 15日には、静岡県東部を震源地とする強い地震が発生した(推定マグニチュード6.4)。大地震の危険性は今後も続く。地震や津波は天災でも、原発事故は人災である。今回の福島第一原発事故で、原発は巨大地震と大津波に耐えられないことが明確となった。「想定外」の大震災などいい訳は許されない。すべての原発の運転を即時中止しなければならない。


 

要 請 事 項

1.関西電力の稼働させる全ての原子力発電所の運転を即時に停止すること。廃炉処分を決定し、早急に実行に移すこと。

2.新規の原子力発電所建設計画を即時中止すること。プルサーマル計画、老朽化した美浜1号機の後継新原発建設計画、和歌山県御坊市の中間貯蔵計画を全て撤回し破棄すること。

.原発稼働地域の住民をはじめ、市民への公開された説明会を開催すること。福島第一原発事故について貴社の見解と対応を、誠意をもって説明すること。

4.福島第一原発事故により影響を受ける住民の安全な退避措置の実行を政府に求めること。事故による被曝者、被災者への救援・支援措置を関西電力として決定し実行すること。



 (要請行動の簡単な報告)
簡単に報告します。

◆関西電力への申し入れ行動…3月18日(金)14:00~14:30。
・参加者 8人(全交・むすぶ会・非正規争議当該・週刊MDSなど)。
・関電 4名 エネルギー広報課

<特徴と今後の取り組み>

①前日に電話の緊急アポ。関電との確認は、当初5名15分のところ、8名で約30分の申し入れ。
 アポ取りでは当初「担当者がいない」と逃げまくり。
 何度も「折り返し電話する」に3度の連絡を入れやっと確認。
 最終的に申し入れを受けた時には「失礼ですが、外で騒いだりしないでしょうね…」と本当に失礼な対応。

②第一回目の申し入れで、社屋会議室で申し入れをしたことはこれまでと違う。
 これまで関電は原発課題で社屋の会議室での申し入れを受けてこなかった。
 原発事故情勢・世論の動きに注意を払っている。

③要請は短いものであったが、美浜原発などの耐震基準追及に、
「750ガルを基準にしている。その基準で安全に稼働させている」と返答。
津波への耐性は2メートルとお粗末なものなど追及。
使用済み核燃料の状態や、諸外国の退避基準80kmとの矛盾なども追及。

④返答に窮すると「時間オーバーです。本日は、申し入れを受けるだけというお約束のはず」と逃げる。
『申し入れ書』の回答を文書回答にて25日までにと求めると、「回答することも含めて、関係部署に回し検討する」と返答。
最終的に、『申し入れ書』の取り扱いもふくめ、どうなったかを連絡することを確認
※こちらからの取り扱いも含め。

⑤その後の情報
 ⅰ)東京電力は19日、福島第1原子力発電所の6号機で観測した東日本大震災の揺れが最大431ガル(ガルは加速度の単位)だったと発表。
 原発設計用に想定していた地震の揺れの強さの448ガルを下回った。
 原発は国の耐震指針に基づいて基準を定めており、2007年の新潟県中越沖地震後に基準を上方修正した。
 揺れは想定の範囲内だったが、今回は津波で電源などが大きな被害を受けており、耐震指針のあり方が今後問われそうだ。
 (2011/3/19 23:21日本経済新聞WEB)。
 
ⅱ)関電として、現地震災対策に500~1000億円を投資(?)すると、社長発表。
 ホームページには「さらに、今回の事故を同じ原子力事業に携わる者として重く受け止め、当社の原子力発電所につきましては、引き続き、安全・安定運転ならびに設備の安全確保に万全を期す」と発表しています。
 この期に及んで、関西電力は「安全・安定運転」をと言っています。その前に、11基の原発の即時停止と廃炉化を前提とした安全面での措置を関西電力は表明すべきです。


 

 ※参照

越前若狭のふれあい特別号(No.2 2011年3月号)』(関西電力のHPより)
(記載内容)
●日本周辺の地質構造と地震について

日本海には大きな津波の発生の原因となる海溝型のプレート境界がないことから、若狭湾周辺で大きな津波が生じる可能性は低く、文献などからも周辺で津波による大きな被害記録はありません。


 

(管理人より)
このように関西電力は津波対策の件で述べていますが、信用できるでしょうか。


関電、原発安全対策に最大1000億円追加投資 福井知事の要請で  
(2011年3月20日付け 日本経済新聞より)
 関西電力の八木誠社長は20日、同社が福井県に保有する11基の原子力発電所の地震・津波対策として、最大1000億円を追加投資する方針を明らかにした。東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故を踏まえた措置。関電はすべての原発が福井県内にある。現在定期点検中の美浜原発1号機(福井県美浜町)と高浜原発1号機(同高浜町)も追加検査を実施する予定で、検査期間を2週間延長する。

 福井県の西川一誠知事が同日、八木社長を福井県庁に呼び、追加の安全投資・点検を要請。八木社長もこれを了承した。会談後に八木社長がすでに計画していた安全対策とは別に、500億~1000億円を追加投資することを記者団に明らかにした。投資期間については言及しなかった。

 西川知事は原発の安全装置について、「積極的な投資を惜しまない姿勢を見せてほしい」と要請。原子炉冷却の要となる海水の取り入れ口やポンプの強化、送電系統の補強に加え、原発に防災車両を近づけるための道路の整備を求めた。

 追加点検については、「現在の法令上では数年おきにしか行われてないものがある」と指摘。検査の追加や前倒し実行を要請した。実施の時期については、「国からの指示を待つことなく、可能なものについては着手・実行してほしい」と強調した。

 関電の原発の津波想定は、すべてが日本海側にあることもあり、水位の上昇を2メートル程度とするなど他社と比べ低めだ。関電はすでに、福島第1原発の事故を踏まえ、予備の発電機や海水ポンプの調達、外部からの電力供給が途絶える事態を想定した訓練の強化などを検討している。