2005年12月18日

気になってもう一度尋ねる蔵

e2a76569.jpg友達が一度なにげに一緒に行った「山吉醤油」にもう一度行くといった。
「山吉醤油」、そこの作り手は近年亡くなってしまってもう生命を失っている。
しかし行きたいという友達。そして私は予想していたように納得した。

醤の郷にあるもの、それは歴史。
地域に根付いた文化。
とくに意識はしていないが、やはりダイレクトに時代が影響している。

山吉醤油の諸味蔵だけ「正金醤油」が使っている。
諸味蔵だけが生きている。
かつてはテレビにも頻繁に出、人気高まる蔵だった。
作り手が亡くなってからは、手つかず。
醤油を作ることを一度やめたら再生は難しい。

今では諸味蔵だけが生き、
他は歴史だけが静かに残り、息をしていない。  

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2005年12月02日

丸大豆醤油

丸大豆醤油がいいという声を友達からも聞きます。

では丸大豆醤油だとどうなるのでしょう?
ご存知でしょうか?

理由1
そもそも醤油は“丸大豆"を使用している醤油と醤油の油を抜いて加工された“脱脂加工大豆"を使用した醤油に別れます。
戦中戦後の食糧難の時期、機械化によっての人手と手間削減、時間短縮を目的として国をあげて機械化を推奨されました。
また、“脱脂加工大豆"を使用した醤油には“脱脂加工大豆"と明記してあります。
丸大豆から醤油かすを推奨されたのもその理由からです。

理由2
そもそも丸大豆から油を抜かなくては醤油になりません。
大企業が醤油を作るとなると大量の油を処分しなくてはならなくなるのです。
その為すでに油が抜かれた“醤油かす”を使うのです。

理由3
醤油かすの方が丸大豆より安い

味はどうなるのでしょう。
丸大豆の方がまろやかになります。

ただ、私が言えるのは味を左右するのは“丸大豆”か“醤油かす”かではなく、
“天然醸造(木樽で作る)“か“仕込みタンク(機械)"で作るかです。
どちらも“丸大豆"でも“脱脂加工大豆"でも作れます。
そして味は大きく変わります。
もちろん、木樽で作った丸大豆醤油は絶品です!
  
Posted by hishionosato at 23:48Comments(0)TrackBack(0)

2005年12月01日

差し込む光

hikari私は醤の郷でたびたび包まれる優しい光が好きです。
醤油や佃煮が作られていく材料や職人や大きな釜を窓から差し込む優しい光が包み込む。
優しい光があるのは良く見受けれるのですが、
日本人だからでしょうか、
醤油や佃煮の香りと日本らしい蔵、業、それはやはり独特な物があります。

高橋商店の使われていないがきれいに残してある昔の蔵が故人の息吹を漂わせ、
正金の醤の郷で一番古い諸味蔵が年々深まる強い生命力を感じさせ、
ヤマサン醤油の老朽化して見守ることしかできない3階建ての蔵が神秘性を感じさせ、
佐海醤油の空っぽの蔵には想いがいっぱい詰まっていて、
丸仲食品の様々な昆布と釜が家庭の暖かみを感じさせます。

どれも少し眠っているかのようなゆったりとした優しい光の中で生きています。
小豆島の片隅に、醤の香りがするところに心にしみる光があります。  
Posted by hishionosato at 02:28Comments(0)TrackBack(0)

一人暮らし生活と「丹波の黒豆醤油」

42e259a0.JPG今、私が使っている醤油は「高橋商店」と「ヤマロク」によって作られている「丹波の黒豆醤油」です。

不思議と、疲れて家に帰って一息ついて一人で夕食をとっていると、
つくづく「丹波の黒豆醤油」が合うなって思います。
淡白な味も
優しい味も。
なのにまろやかでこくのある味も
芳醇な香りも
全てがそろって優しい。

昼間、友達と元気に過ごしている時は「丹波の黒豆醤油」は物足りない気がするのに、
一人暮らしの家には合うようです。

また、醤油の味と香りと一緒に
「高橋商店」のおじさんや蔵を思い出すからますます心が温かくなります。
古い蔵に差し込む温かな光、温かなおじさんやおばさん。
眠る蔵の片隅で仕上げられる「丹波の黒豆醤油」。
現場を見ているから、よけいに醤油の味と香りが染みてきます。  
Posted by hishionosato at 02:07Comments(0)TrackBack(0)