どうして人間は眠らないといけないのでしょうか。それは、眠らずに居続けると、しだいに「自然治癒力」と「免疫力」が低下してしまい、子供や青少年においては、成長ホルモンの分泌が悪くなり、背が伸びにくくなるということもあるからです。

他にも、胃や腸の不調・顔のむくみ・血色不良・皮膚への悪影響・肥満・精神不安定・記憶力や集中力の低下など、睡眠不足による弊害は数え上げるとキリがありません。良好な睡眠を取る方法は、ひとつの健康法となり得ます。

では、睡眠時間はどれくらい取ればいいのでしょうか。動物別に必要な睡眠時間は、リスや鼠などのげっ歯類で15~18時間、猫で12~13時間、犬で10時間、象で3~4時間、キリンで30分~1時間と言われています。

身体が大きくなるほどその代謝率は下がり、脳細胞の修復の必要性が減るため、大型動物ほど睡眠時間は少ないようです。これが、人間の場合は7~8時間の睡眠時間が最も多く、小学生で9~11時間、若年・中年で7~9時間、高齢者で7~8時間を推奨しているアメリカのデータがあります。

ただ、必要な睡眠時間を取っていれば健康を維持できるのかというと、そうではありません。脳や身体機能の回復を効率的に行なうには、「夢を見ている」状態のレム睡眠と「ぐっすり眠る」状態を含むノンレム睡眠を良い具合に繰り返さなければならないのです。

ぐっすり眠る「熟睡」によって健康を維持することができ、いくつかのポイントがあります。①就寝前にお風呂に入るなどして体温を上げ入眠ニューロンを活性化する、②就寝前30分~2時間は照明を落としメラトニンの分泌を促す、③体内時計を狂わさないために起床時刻を固定するなどです。

他にも、体内時計のセットの方法として、①起床時(次回就寝の14時間前)に日光を浴びる、②起床後日光浴の1時間後に朝食を取るという方法もあります。また、食事では、炭水化物・たんぱく質のうちのトリプトファンを充分に取り、セロトニンの合成と分泌によって、メラトニンを作り出すことも熟睡につながります。

熟睡のポイントとして就寝時の照明のことがありましたが、他に温湿度・周囲の音・寝具の状態などの「寝室環境」も整える必要もあります。最適なふとん中の温度は32~34度、湿度は45~55%、「安眠CD」などという熟睡できるという音楽CDもありますが、基本的に音楽は眠りにはじゃまとなるものです。

熟睡に最も関わっているものといてば、なんといっても直接身体に触れる寝具ということになります。枕・ふとんは、硬さ・柔らかさ・軽さなど、耐久性・保湿性・放湿性などを重視して選択・設定することが肝心なのです。

枕は眠りを最も必要とする脳のある頭を支えるため、体形にあっていないと首や肩のこりを発生させかねません。体形にあった枕と言うのは、枕に仰向けに頭を上げた時に、敷きふとんと首の角度が5度くらい、首下の枕の厚さが1~6センチくらいが理想的とされています。

熟睡できる寝床内環境としては、仰向けに寝た時の腰の部分の敷きふとんとの隙間は2~3センチ、掛けふとんは軽く自分の身体によくフィットするものとなります。実際に眠ってみて、寝返りが多く寝相が悪いという場合は、明らかにふとんが身体に合っていないということですので、再度フィットするものを探してみると良いでしょう。

寝具の値段もピンからキリまで、いろいろとあります。高級なものほど安眠を約束してくれるとは思いますが、しっかりと自分の体形にあったものを選べば充分ですので、世間にはたくさんの寝具が販売されていますので、かなりリーズナブルな値段で手に入れることは可能です。