2016年05月02日

食塩に含まれるプラスチック

 華東師範大学が市販の15種の食塩を分析した結果、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、セロテープ、その他のプラスチックが含まれていることが分かりました。


 プラスチックのが含有量は海塩に比較的多く岩塩、湖塩、井戸塩から作る食塩は少ないものの1ポンド(0.45kg)に15−800粒程度含みます。


 これらのプラスチックは海水に浮遊している大量の投棄されたペットボトル、化粧品、洗顔剤によるものです。

 更に加工、乾燥、包装などの製造工程でもプラスチック粒子が混入します。


 これに対して中国塩業協会副理事宋占京は計測方法、粒子の大きさが不明であり、国際基準に会っているか確認する必要があるが健康被害の報告は受けていないと言ってます。

 また海水は流動するのでプラスチックは国外にも移動し食塩だけでなくその他の海産物にも含まれる筈と言います。


 華東師範大学はプラスチック汚染は陸上より海上の方が酷いので海塩は汚染され易く、中国のみならず全世界的問題の筈ですがサンプリングが限られていて海外の状況は分からないそうです。

 なお世界保健機構(WHO)が勧める最大食塩摂取量から計算すると一人一年のプラスチック摂取量は約1000粒です。

 中国人の食塩摂取量はWHO基準を越えますが欧米人が1年で汚染された魚介類から摂取する11000粒より大幅に少ないです。


 北京微量科学研究所の肖宏は食品には多少の有害物資が含まれますが許容国際基準(ADI)を守れば安全だそうです。

 例えば野菜炒めでは食用油は高温下で発がん物質のベンツピレンが発生しますが健康には影響ありません。食塩は調味料であって使用量が微量などので心配ありません。

 しかし、プラスチックの人体への影響研究は少なく安全基準はありません。


 今後各種プラスチックの毒性、移動経路、摂取蓄積量を調べ許容摂取量基準を制定するとともに汚染プラスチックの発生を減らすためプラスチックの回収、再利用を行う必要があります。

                       以上(11月22日記)
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