既に多くの報道がされているとおり,最高裁判所は,平成27年12月16日,夫婦の同姓を定めた民法の規定が憲法に違反しないという判決を言い渡しました。しかしながら,最高裁判所の大法廷を構成する15人の裁判官の内,女性裁判官3名の全員が,夫婦の同姓を定めた民法の規定は憲法に違反するという反対意見を述べています。

興味深い点は,男性裁判官と女性裁判官では,言い渡す判決が異なる可能性のあることが明らかになってしまったことです。

仮に,最高裁判所の大法廷を構成する裁判官の過半数が女性裁判官であったならば,夫婦の同姓を定めた民法の規定は憲法に違反するという判決が言い渡されていた可能性もあるわけで,最高裁判所の裁判官という経験豊富で学識の豊富な方々でさえ,裁判官の「性別」という属性によって結論を異にしてしまうわけですから,最高裁判所に限らず,個々の裁判官の「信条」によっても結論を異にしてしまう可能性があるわけです。
そもそも,価値判断とは物理的な物差しで測る作業ではない以上,判決の内容が個々の裁判官の価値観に応じて異なりうることは必然といえるのです。

天法律事務所
弁護士 人見 勝行
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