paralive
LIVE / Hitomi Nishiyama Trio "parallax"
ライヴ / 西山瞳トリオ・パララックス

税込定価 : 2,970円
品番 : MT-07
レーベル : Meantone (DIW)
発売日 : 2016年4月13日

[メンバー]
西山 瞳 ピアノ Hitomi Nishiyama : piano
坂崎 拓也 ベース Takuya Sakazaki : bass  Website
清水 勇博 ドラムス Takehiro Shimizu : drums  Website

[収録曲]
1. Heavens Fall / ヘヴンズ・フォール 11:05
2. Keys / キーズ 7:47
3. Move / ムーヴ 8:08
4. Analemma / アナレンマ 5:36
5. T.C.T. / ティー・シー・ティー 8:22
6. My Favorite Things / マイ・フェヴァリット・シングス 7:31
7. T.C.T.S. / ティー・シー・ティー・エス 6:22
8. Rainbow Pepper / レインボー・ペッパー 7:41

all compositions by Hitomi Nishiyama except M-6

録音日: 2015年12月22、23日 神戸 acoustic live CREOLE にて録音
録音エンジニア: 春日洋 Hiroshi Kasuga

■内容
その圧倒的なコンポジション・センスと緻密な構成、ポップな感覚で人気を博する女流ピアニスト西山瞳最新作。今作は坂崎拓也、清水勇博、多忙を極める実力派プレイヤーによる「パララックス」名義でのライヴ音源。新曲となるオリジナル3曲に加えパララックスならではの解釈で拡がっていくスタンダード・ナンバー「マイ・フェイバリット・シングス」に前作シフトからの人気曲4曲を収録!!

■オンラインショップ
Diskunion
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HMV
Tower Records
CD Japan
Catfish Records

■特典
ライブでご購入の方に、セルフライナーノートをお付けします。
また、クレオールのライブ録音へお越し下さった方にも差し上げますので、ライブ会場にてお声がけ下さい。
今回は店舗購入での特典はございません。

■ライブ
4/16(土)池袋 Apple Jump 
4/17(日)須坂市文化会館
7/30(土)横浜 テアトルフォンテ
- 休止前ツアー -
10/5(水)大阪 Mr.Kelly's
10/7(金)名古屋 Star Eyes
10/8(土)東京シャングリラ
10/9(日)横濱ジャズプロムナード



■レビュー

ジャズライフ5月号
「美しいピアニズムが勇躍するバンド初のライヴ作品」
西山がまだ大阪で活動していた頃から続く、オリジナル・トリオ。
清水の米国修行で長期バンド休業を余儀なくされたが、一昨年に6年ぶりのリリースがあり健在ぶりを示したところだった。そして本作は彼女らの初のライヴ録音。相変わらず北欧的雄大さのある音感と、流れるように自然な変則リズムがあって、いつもの美しいピアニズムが勇躍する。ライヴならではの熱気で、前作から持ち越されたプログレッシヴな自作曲はより躍動感を増した感がある。12音のコードを渡り歩く奇曲5と、それへのセルフ・アンサー曲7の対比も興味深く、彼女ならではの奇抜なリズム解釈が施されたスタンダード曲6の妖艶さには嘆息も漏れる。


Arban 5/20記事
http://arban-mag.com/music_detail/76
ここ数年、とにかく彼女の動向に目が離せない。内に溜めた情熱を、自由にそしてストレートにアウトプットできるピアニスト、いや、表現者だからだ。昨年は、NHORHM名義でジャズとメタルを結び付け、暑苦しくないロックを奏でる新しい解釈のジャズを提示した。迷いなく、常に前に突き進む彼女の基盤は、坂崎拓也(b)、清水勇博(dr)と活動している自己のピアノトリオのパララックス。08年に1stを発表し、3枚目の本作は、ツアーを重ねた事によって熟成したであろう、3人の息の合ったインタープレイを作品にしたライブ盤。ピアノ自体と会場の響きに定評のある、神戸のライブハウス、クレオールでのライブ録音は、ヨーロピアンジャズ的な細やかなタッチと美しい音色を奏でる彼女の演奏にはまさにピッタリである。前作から4曲をピックアップし、さらに新曲の3曲を加えているが、どの曲も以前よりも表現力が増し、曲中には必ず聴く者の胸を熱くさせるシーンがある。オリジナルの新曲3曲に加え、7拍子のスリリングなアレンジを施したスタンダード曲「My Favorite Things」も秀逸。全曲がハイセンスかつ濃厚な内容で満たされる。文:島田奈央子

Mikiki 4/22記事
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/10774
昨年、ハード・ロック/ヘヴィー・メタルをアコースティックのピアノ・トリオでカヴァーするという、NHORHM名義でのチャレンジングなアルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal』を発表し、ジャズ・リスナーのみならずメタル・ファンからも注目を集めたピアニスト、西山瞳。今年CDデビュー10周年を迎えた彼女が、自身のレギュラー・トリオである西山瞳trio "parallax"の3作目にして初のライヴ録音盤『LIVE/Hitomi Nishiyama Trio “parallax”』をリリースした。
parallaxのメンバーは西山と坂崎拓也(ベース)、清水勇博(ドラムス)の3人。坂崎はヴェテランから若手まで幅広く支持を集めるベーシストで、昨年発表された宮川純『The Way』ではストレートアヘッドな演奏だけではなく、ヒップホップなどさまざまなビートにフィットした的確なラインをみせていたのが印象的だ。さらに清水も正統派ジャズのドラミングだけではなく、数多くのアーティストのサポートやジャム・バンドのindigo jam unitで変幻自在と言えるグルーヴを叩き出すドラマーである。そんな2人と反応し合い、時にしなやかに、時にパワフルに姿を変える西山のピアノ――このライヴ盤からも窺える、ヒリヒリする空気感がたまらない。
2015年12月22日、23日に西山がホームグラウンドと語る神戸・クレオールで録音された本作。“Heavens Fall”や“Move”といった展開の激しい曲から、“Keys”“Analemma”といったバラードまで、映画のように次々と場面を変えていく彼女の楽曲は、フルカラーにも硬調なモノクロームにも感じられる。そのなかで互いが陰となり、日向となるような息の合わせ方は、まさにレギュラー・トリオならではの阿吽の呼吸だ。
このトリオの最大の魅力は、高度な技術に支えられていながらも、決して技術で戦うバトル音楽ではなく、全員が一つのサウンドに向かっているところ。タイトル通り12個のマイナー・コードで作られた“T.C.T.”や、唯一取り上げているスタンダード“My Favorite Things”での、変拍子を感じさせない、それぞれのビートへの柔軟な解釈をリリカルなピアノ・サウンドでまとめるアレンジは、〈parallax=視差〉というバンド名を体現するかのようだ。さらに、アルバムのラストを飾る“Rainbow Pepper”では、セロニアス・モンク調のトラディショナルなジャズを匂わせるテーマの上で、本作中いちばんのヒートアップを見せている。各人が自由自在に動いても、それぞれのスペースを完全に把握している様は圧倒的だ。
硬派なジャズと思わずに触れられるキャッチーさと、ジャズの醍醐味とも言える濃密なインタープレイの両方が詰まったこのアルバムは、NHORHMから入った新しいリスナーに向けて西山が用意した〈ジャズへの招待状〉に思えてならない。