最近、この人の著作を読まなくなった。
リアリティが遠くなったからかもしれない。
読者としてのリアリティもあるが
著者のリアリティの方が強い気がする。
この著作も心情として共感はある。
でも、つくりとしてはぼやけている気がする。
みんなのうた















3年続けて東大受験に失敗し
故郷へ帰っていくレイコさん。
羽田の飛行場で出会ったのは
高校途中で家出をし東京へ向かったイネちゃん。
イネちゃんは子連れで
東京での結婚の破れて故郷へ
帰って行くところ。
2人は同郷で、そんなに仲のよい友達では
なかったが、
レイコさんはここで共通項みたいなものを見つける。

この出だしには、なかなかの共感。

過疎の町となってしまった
故郷での2人の生活は
可もなく不可もなく。
レイコさんは再び東大を受験するか
地元の大学を受験して
あまり出来のよくなっかった
同級生の後輩となることができるだろうかと悩む。

イネちゃんは別れた夫の
しつこい復縁の話に乗って
東京に戻るのか。
それとも新しい道を進むのか。

2つのテーマ。
過疎の町の未来
そして挫折を味わった若者の未来を
作者は読者に感動を与える物語として
どう描いていくのか。
その点が食い足らない。
踏み込みが以前の重松清とは違う。
それを感じ始め
この作家から遠のき始めたのは事実だ。