久しぶりにテレビをつけていたら、NHKの自論公論だろうか、やけに一生懸命に2040年に向かって、医療福祉財源があたかもとんでもなく大きく膨らむというジェスチャー交じりの説法が目についた。

 この解説者の話しっぷりのアグレッシブな大袈裟さには、北朝鮮の国営テレビが彷彿された。

 一体どれほどの額になるのだろうか?と傾聴してみたが、そこまで大げさに騒ぐ額では決してなくって、先進国の中では、2040年の時点でも、国の予算としてはまだまだ低水準の財源であろうに、何故これほど大げさに解説しなければならないのだろうか・・・と、思ってしまう。
 更に、
 「現在に比較して1.1倍もになるのです!」
と、彼は叫び続ける。
 この金額的に恐怖を煽るかのような、表現の強さによって、今回の番組の表題、並びに最終的に一番彼がプリゼンしたかったであろう、介護業界への外国人労働者の受け入れを危惧する主張が影に隠れてしまった。。。
 視聴率の高くなさそうな番組ではあったけど、折角のプリゼンの機会なのに勿体ないことをされるものだと思った。


 以前にこちらのブログに書いたと思うんだけど、我が国の政府が、医療福祉を経済政策の主眼に据えて、世界に誇れる医療福祉従事者を育てることが出来て、医療福祉大国として世界市場を牛耳れるほどのレベルを目指すならば、経済力に置いても、日本は世界に名だたるアドバンテージを有することが可能になるだろう。

 エコノミックアニマルJAPAN
 環境テロリストJAPAN
という、芳しからぬニックネイム語られて来た日本のイメージチェンジにも最適って思うのだけど、いまのとこ、誰一人もその方向性について語る者はいない。

 それどころか、多くの政治家やマスコミ、評論家や机上の学問屋さん達は、さながら、医療福祉の発展や充実が、国家の金食い虫であるかのように表現して、そこへの着手を忌避している現状の異常さは凄い。
 ハード面の充実より、ソフト面では利権が少ないから・・・なのだろうか?

 
 ここ数年、私の住む田舎町では困った状況が発生している。
2025年問題をある程度先取りしているであろうこの町では、医療の過疎化が劇的に進行している。
 決定的な問題は、優れたドクター数が少なすぎるってことだと思う。
 救急を受け持つ総合診療科には多くのジュニアレジデントが配置されているのだけど、ジュニアレジデントの先生方は説明は詳しくて親切であるものの、肝心な診療の診断にはちょっと心許ない方が多い。
 更に、メインではない診療科のドクター数は1人部長体制で、部長の休日はバイトの先生が入っている。

 3病院を1病院に纏めるという医療の縮小によって、総合病院は新しく建設されたものの、ドクター数はかつての半数以下に減少し、ドクターお一人お一人の仕事は超多忙を極めていて、更にちょっとした検査でも予約待ちの時間が余りにも長くかかることになった。
加えて、電子カルテの導入によって、それでなくともパソコンに時間を取られて患者を診る時間が限られるドクターが増えて3分間診療の極みになっている。

 過日、ガンの闘病以来続いていた耳鳴りが最近ヒドクなって、耳鼻科に紹介受診したら、ドクターから、
「抗がん剤の副作用です!」と即断された。

 ???他の可能性を除去してこんなに簡単に診断していいのだろうか?ってちょっと怪訝に思って、他の要因が相まっての聴覚器官の衰弱や、脳の機能低下や、万が一の微細な脳疾患は考えるられませんか?とお尋ねしたら、50代になれば、誰だって少しくらいの聴覚機能の衰えや脳梗塞はありますから・・・と相手にもして頂けなかった。

 耳鳴りを気にしない為には他のことに意識を向けるのが一番ですとの話を懇切丁寧に話始められたので、それは私の専門なので、認知行動療法ですね!と熟知している話をしたら、その話はそこで終わって、先生の貴重な診療時間を縮小させて頂けたのは不幸中の幸いだったと思うけど。
 その後、他の耳鼻科疾患での受診歴はないですか?と尋ねられたので、参考までに、闘病中に亜急性甲状腺炎を発症していただろうことと血縁者の良性甲状腺腫の既往歴を話したら、甲状腺をちょこっと触診されて、甲状腺が大きいですね!との指摘を受けた。
 ???自身で触診するにおいては、以前から変わりはないんだけど、他の人の平均値が分からない私はたじろいだ。
 で、肝心の以下の質問をする間もなく、あっと言う間に検査のオーダーがなされた。

 抗がん剤の副作用の耳鳴りがヒドクなってきているとしたら、聴覚に関わる器官の衰退が進んでいるってことだろうか?
 どちらかというと、自律神経系の乱れやストレスではないだろうか?
 頸部や頭部の筋肉の緊張が高まった時にも耳鳴りは発症のではなかったか?

 様々な疑問を呈したかったのだけど、3分間診療では、患者からの質問を聞く余裕はこのドクターにはなさそうだった。

 で、亜急性甲状腺炎と橋本病の疑いをもたれて、血液検査をオーダーされ、エコーの検査の予約をして下さったのだけど、エコーの予約はなんと1月半待ちだった。
 これって、医療事情の悪いアメリカやオーストラリアやニュージーランドやイタリアみたい・・・すでに医療崩壊がここまで進んできているってことに驚くばかりだった。

 幸いなことに、耳鼻科に関する自覚症状は耳鳴りだけで、汗っかきという症状を除けば、亜急性甲状腺炎の自覚症状も橋本病の症状も殆ど無いので、この程度なら、心配はないだろうし、急がないのだろうとの判断でのこの待ち時間なのだろうか?と思うことにした。
 念の為に、帰りに看護師さんに尋ねてみたら、急ぐ患者さんは勝手に他の病院にゆかれますよ・・・と小声で教えてくれたことが妙に気になった。

 ???ますます、あり得ない状況が発生してるかも!?
とはいえ、今となっては病院運営については、母の看取りの後に充分なボランティア提言を行ったし、今はそれ以上の進言には時間が取れないので、暫く、新しい病院運営については経過観察し、今後の自身の体調不良に際しては、他の病院を受診するのがよろしかろうと思わざるを得なくなった。

 受診患者の7割がご高齢者になっているという話も聞いていたのだけど、これでは、時の間に合わないのではなかろうか?
 私は本当にこの町に住み続けていてもいいのかしら?ってかなり不安を感じてしまった。

 日本全国どこに行っても同じなのかどうか?は分からない。
ただ、10年前に比べると、著しいと言っていいくらいに、激変したことには違いない。

 医師の偏在という問題も大きいと思うのだけど、優れた人材が優先的に医療に集約されてゆくようなシステムの構築が急がれる。
 詳細は調査したことがないので不明なのだけど、韓国では、成績や性格がトップクラスの学生がスムーズに医学部に進学するシステムが既に完備されたことで、医療水準が群を抜いてきたと伝え聞く。

 時既に遅いかもしれないのだけど、日本も国家レベルで医療・福祉分野の充実を真剣に実行すべき時が到来しているのではないだろうか。