突然ですがみなさんこんにちは!

院生(D3)の毛利です

 

「誰や」って思う人もいるかもですね

不定期でグラウンドに現れては1人で勝手に練習しているアラサー(27)です👴

 

 

まずは今回ブログを書くことを許可してくれた河上主将に感謝します。ありがとう。

新歓ブログに割り込む形になってしまい恐縮です。。。

 

結構長めの自分語りになりますので、良ければ(お酒プロテインを片手に)読んでください。

 

 

 

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私は明日の東京マラソンを学生としてのラストレースにします。

 

 

9年間使ってきた一橋のユニフォームに袖を通す最後の日になります。

 

 

大都市東京の主要なスポットをめぐる42.195kmは、最後の舞台として最もふさわしいでしょう。

 

 
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これまでの9年間の大学陸上生活、順調とは程遠いものでした。

 

同期5人の中でPBが一番遅く、箱根予選標準突破に追われた1年次

箱根予選出場という入部の目的を達成してしまい、次の目標が定まらず、退部して学業に専念するか悩んだ2年次

心と体のバランスを崩して拒食症に陥り、何もうまくいかなかった3年次

コロナで大会が軒並み中止、思い描いたラストを迎えられなかった4年次

研究との両立ができず、徹夜しては体調を崩す、を繰り返したM1

灼熱の8月に900km走り込んだのにもかかわらず、大会直前で疲労骨折してしまったM2

東京での生活の心の支えだった浜田コーチとの早すぎる別れに悲しんだD1

東京と新潟を往復する生活のなか、練習時間の捻出に苦心したD2

結婚・長男誕生とライフステージが急に進み、競技との向き合いかたを深く考えたD3

 

 

楽しい思い出より悩み苦しみ考え抜いた思い出の方が圧倒的に多いです。

 

 

大学陸上でのどん底は、3年生の時の箱根予選でした。

レース途中で熱中症になってしまい、視界が朦朧とするなかで昭和記念公園内を歩くように進み、ゴール後には救急車で搬送されてしまった黒歴史。

(このせいで箱根予選前に緊急連絡先を確認する慣行ができました。後輩のみんな、仕事を増やしてごめんね)

チームのみんなの顔を見ることもできず、集合にすらあまり顔を出せずにいました。

みんなと同じ方向を向くことが辛くて、トラックや駅伝に向けた練習から逃げるように、フルマラソンに申し込みました。

 

幸い、ペースが比較的ゆっくりなフルマラソンの練習は、1人でも苦なく取り組むことができました。
初レースの別府大分毎日マラソンでは歴代10位の記録で走ることができ、自分にフルマラソンの適性があることがわかりました。

 

この時の1人で練習した経験が、コロナ禍で集合できない時や大学院時代での競技継続を支えています。もちろん他人と一緒に練習した方が効率的・生産的でしょう。でも、いつもいつまでもそんなに恵まれた環境に身を置けるとは限りません。ある意味で、この環境こそが大学陸上の大きな利点であり、大学院や社会人になってからも競技を継続することで初めてそのありがたみを深く感じることになるのかもしれません。

 

 

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9年間という時間は、確実に私を成長させてくれました。

 

入部時は5000m1630秒という箱根標準をなかなか切れずに苦しみました。

そんな僕でも、明日は同じペースで8倍以上の距離を走ろうとしています。

 

才能やセンスなんて微塵もない、同期の中で最も足が遅い僕が記録を伸ばすには、ただ11日を積み上げるだけでした。

手元にある記録で見ると、大学に入学してから走った距離は(多少の誤差はありますが)47000kmを越えています。

地球1周を遥かに超える距離を、この脚で、この体で、確かに走ってきたのです。

 

 

「走った距離は裏切らない」

 

 

賛否両論あると思います。努力は仕方を間違えると成果には結びつきません。

(「正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」by 林修)

でも、何が正しいのかなんて、時間が経って振り返ってからしかわからないこともあるでしょう。無駄な努力というやつを好き好んでやるのは相当暇な物好きだけでしょうから。

ただ、確実に言えるのは、十分な量の努力を重ねた先にしか成果は実らないということです。

 

雨が降ろうが風が吹こうが、気が乗らなかろうが体調が少し悪かろうが、早朝だろうが日没後だろうが、私のような凡人が少しでも強くなるためにはシューズの紐を結んで外に出ることだと思うのです。

 

そうとはいえ、努力が無駄になるのは虚しいものです。

できるだけ無駄にならないようにするにはどうしたら良いか、これまでの経験で得られた私なりの教訓があるとするならば、「自分を理解すること」の重要性です。

 

○自分はどういうタイプの選手なのか

・何が強みで、何に苦手意識を持っているのか(それは本当に苦手なのか)。

・どういう怪我をしやすいのか。

・暑い/寒いのが得意なのか、苦手なのか。

・追う展開と先行逃切りのどちらが得意か。

○今日の自分はどうか

・目覚め、体調、疲労度、モチベーションはどうか。

・昨日の、先週の、先月の、昨年の自分と比べて、何が変化しており、どこが強くなって/衰えているか。

○自分自身の本質的な部分について

・自分にとって走ることはどういうものか。

・どういう自分を肯定できるか。

・自分はどういう人でありたいか。

・自分の弱さをどの程度認め、どう向き合っていくか。

 

「哲学」なんていうと仰々しく聞こえますが、自分を理解することで初めて、自分の課題が明確になり、適切な目標を設定でき、自分の成長を確かに実感することができるようになるはずです。

 

 

このことはまさしく研究においても当てはまります。毎日毎日、自分の論文に採用できるかわからない文献に目を通してみる。時には400頁越えの洋書を読み切ったのに、2,3行しか引用できないこともあります。でも読まなければ、この書籍が自分の研究にとって必要だったかどうかわからない。自分は文献を読み進めているのを中断されるのが大嫌いなので、その性格を考慮して、どの時間、どの場所で研究するのが最適なのか。今日の予定と、昨日の積み残しと、今日のモチベーションを考慮して、どういう計画を立てて進めていくのか。本質的な部分は陸上と何ら変わりません。

おそらく、仕事や他の取り組みにおいても適用可能なモデル・枠組みではないでしょうか。

 

この考え方を確立し自分なりに運用できるようになったことこそが、9年間での私の最大の成長ポイントだと思っています。

 

 

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僕個人の事情ばかりにフォーカスしてきましたが、もちろん1人でやってきたわけではありません。

 

背中を追いかけた先輩方

ハーフという長い距離の走り方、トラックレースでの勝負の仕方、大学生としての上手な立ち回り方(良いものも悪いものも?含めて)など、多くを学ばせてもらいました。

 

常に刺激し合った同期

彼らなしには今の自分はありません。昔も今も変わらず、僕が真っ先に負けられない相手として目を向けるのは彼らです。専門種目が違っても、働く場所が違っても、彼らの活躍に鼓舞され、応援し応援されたい存在です。

 

かわいい後輩たち

時に練習を引っ張り、時にものすごいスピードで僕を抜き去り、一人で走っている時には「一緒にいいですか」と隣に来てくれ、ふらっと部室に行っても「こんにちは」と挨拶してくれる皆さん。8代分、つまり大学4年間×2のたくさんの後輩と一緒の時間を過ごすことができ、私は非常に幸せ者です。後輩の皆さんが温かく接してくれたからこそ、院生という非常に孤独な時間においても競技を続けることができました。

 

他にも、対校戦でお会いするたびに声をかけてくださるOBOGの皆さん、私の大学陸上の基礎を作り上げてくださった故浜田コーチ、日々支えてくれる家族、、、。

 

こんなにも多くの人に支えられているという安心のおかげで、一人での戦いに向かっていくことができます。

 

 

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明日の目標は2時間20を切ること。

(間違いなければ)卒業生含め、一橋関係者が誰も到達したことのない記録。

 

ハーフのPBが昨年末のレースで1時間949秒。

ほぼPBのペースで倍の距離を走らないと到達できない世界。

側から見たら非現実的な妄想だと笑われてしまうかもしれない。

 

それでも今年度を学生としてのラストイヤーにすると決めてから1年間、この目標を落とすことなく掲げ続けてきた。

目標と現状の距離を冷静に見極め、確実にギャップを埋めてきた。

必要な練習を、コツコツと着実に積み重ねてきた。

手応えはある。今の僕には、達成しうる、現実味のある目標だ。

やるしかない。挑戦するしかない。

頭は冷静に、クレバーに、心は熱く燃えるように。

 

東京の街を 一橋大学 の文字が駆け巡り、観衆の目に焼き付けてみせたい。

 

凡人が9年間かけて作り上げた成果をお披露目してやりたい。

 

今までのたくさんの感謝を胸に、笑顔で東京駅に帰ってきたい。

 

一橋大学陸上部の歴史に、備考欄くらいのサイズであっても、名を残してみせたい。

 

 

 

僕のお気に入りの応援歌の1つは、「舞台に立って」/YOASOBI です。

 

数ある中で選んだのは

きっと最初から分かっていたから

これじゃなきゃダメなんだって

誰にも負けたくなかった

しんどくてもひたすら走り続けた

翌る日も翌る日も

 

勝ち負けがはっきりある世界は

好きだけじゃ生き残れない

いつも結果と成果遊びじゃない

そんなこと分かってる

でもね 好きだから諦めなかった

このがむしゃらな毎日がきっと

願った結末に繋がっているって

信じている

 

さあ 待ちに待った舞台に立って

高鳴る鼓動 挑戦の合図

何度も何度も イメージしてきた

どんな自分も超えてみせる

大きく吸った息を吐いて

もう一度目線を上げれば

かさぶたばっかの毎日も

今に繋がっていると思えた

そうだ夢に見ていた景色の

目の前に立っているんだ

 

 

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9年間の大学陸上、長いトンネルが続いているような道のりでした。

その終点は、いったいどんなそら模様でしょうか。

 

明日の天気は晴れの予報です。暖かく穏やかな日になりそうです。

 

 

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そういえば、5年前、コロナ禍で集合もあまりできない中で、院進が決まっていた僕は非常に曖昧で中途半端な引退宣言をしていました。

 

本当の引退宣言をするべきなのは、まさに今回でしょう。

 

 

「私、毛利陽人は、明日のレースをもちまして、一橋大学陸上競技部を引退します。」

 

さぁ。最後。楽しんでいきましょ。

 

応援のほど、よろしくお願いします。