僕は、今この部活のいっちばん後ろにいる。
というかスタートすらしてない。
何気にまだ初戦に出られてないので。

 

陸上という競技は"記録"を中心として成り立っていて、その優劣が選手の価値を確定させる。

要するに、記録が競技者としての輪郭を与えるのだ。
そう考えると、今のところ今季の記録を持たない僕は、競技的には存在しない人間と言える。
実体はあるが存在はしていない。なかなかパラドキシカルな人間である。 



こう考えていることもあって、僕はまだ、自分のことを本当の意味でこの部活の一員だとは思えていない。

周りは試合にバンバン出て結果を残し、記録という強固な客観性を孕んだフィードバックを浴び続ける。
一方僕は、"過去の自分"という、曖昧で、撫でれば形を変えてしまうような無定形のシルエットと未だに追いかけっこをしている。

挙げ句の果てには7月の初めに腰を痛め、ろくに練習も積めないまま三商戦で戦う部員の背中を競技者係のテントから見守ることになってしまった。

周りが活躍する度に、「俺ほんとに何してんだろ」と。
内臓にぴったりと張り付いた鬱屈とした感情を削ぎ落とそうと、必死に声援を振り絞った。

レセプションでも2次会でも、ずっと「俺ここにいていいのかな」と頭の隅っこで思ってたのを覚えている。



でもありがたいことに、そんな自分にも期待してくれている人たちが、夢を応援してくれる方々がいらっしゃる訳です。

それに応えるためには常に圧倒的な存在でなければならない。

小学1年生の夏から12年間向き合い続けてきた陸上競技という鏡。
今はその鏡面の向こうに自分は映らない。

初戦は東大戦OP。

そんな透明人間が、誰よりも濃い色に染まって、晴れて陸上部員の仲間入りを果たそうと思います。



短距離パート1年 森江でした。


合宿、質の高い練習できて楽しかったです!
あと今日で19歳になりました!