私の好きな本、おすすめ本H.P.作者のつれづれ日記

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私の読んだ本で、心にグット来た本を紹介する、読書日記のブログです

プロフィール:始めまして、50代の男の会社員です。
理系で、電子機器メーカで、長らくエンジニアをしていました。
しかし学生時代の得意科目は、数学と現国と古文と漢文と世界史でした。
なぜ理系に行ったんだ(笑)
今は品質管理の仕事をしています。
小説が好きで、すぐれた小説を見つける眼力には自信を持っています。
本ブログは、読んだ本で、面白かったと思った本、心にグットきた本のみ
紹介しているので、ブログの更新頻度は、多くないです。
読んでも、つまらなくて紹介しない本は多いです。
でも、紹介している本は、面白いと思います、よろしければ、ご覧ください。

時間をやりくりして、本ブログと、好きな本紹介のホームページ作成と
好きな本を紹介するメルマガを発行しています。
私の好きな本おすすめ本のホームページよろしければこちらもご覧ください。
子供の頃から、本を読むのが好きです。
小学校の時に読んだ、「飛ぶ教室」「くまのプーさん」「三銃士」等、
本当に面白かったです。
私が自信をもっておすすめする小学生へのおすすめ本はこちらです。
高校生に自信を持っておすすめする海外の名作はこちらです。
観劇も好きです。おすすめの観劇会はこちらです。
今でも本中毒で、3冊ぐらいの本を並行して読んでいます。
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[かかとを失くして:多和田葉子:講談社文芸文庫]

主人公の女性は、書類結婚をして、
夫と暮らすために異国にやって来ます。

この国は、地盤が傾いているようで、
どの人も前につまづくようにして
歩いています。

夫の家に行っても、夫は現れません。
女性が目を覚ますと、枕元にお金が置いて有り、
食事の用意がしてあります。
夫はいるようなのですが、自分の部屋に
閉じこもっているようです。

女性は、この国のことを知りたくて、
学校に行きます。

お風呂の入り方を教師に教えてもらいます。

教師の女は、入浴の時間は普通、起床と朝食の
間です、と言って、黒板に<起床><朝食>と書いたが、
私にはこれが意外で、どうして起床後に体を清めるのですか、
夢の中で森を歩き回って体が汚れるからでしょうかと
尋ねると、私の質問は女の心情を傷つけたことになり、
もしかしたら、朝の入浴は睡眠薬のにおいを消すため
かもしれなかった。

お店での買い物の仕方も教えてもらいます。

主人公の女性は病院で検査を受けることになります。

病院の待合室で、かかとが腫れるという女性と
話します。

どこが腫れるんです、と訊くと、女は誇らしげに、
かかとのところがね、ちょっと、と言うので、
私は嫌な気がして、私もよくそんなことがありますよ、と嘘を
言うと女は背筋を起こして、そんなこと無いでしょう、と否定し、
こんな腫れ方、こんな痛み方をするのは私の足だけですよ。

主人公の女性は、病院の医師から、プラスチックで足の一部を
補強する必要があると言われます。

主人公の女性はどうなるのでしょうか?
夫と会うことはできるのでしょうか?

奇妙な物語小説です。
日本の伝統的な私小説とは全く違った物語小説です。
新しい小説とも言えるでしょうね。
かかとを失くしているというのは、どういう事なのでしょうか?
多和田葉子の特徴である、読点がなかなか現れない
長い文章で、物語が語られていきます。

体が重いんです、と言うと、それじゃ妊娠した訳だ、
調べてみようとあっさり言って、ピンセットを手に取り、
私の耳の穴の中を調べ始めた。

上記に示すように、普通の小説ではないです。
奇妙な物語を楽しむというつもりで読むといいと
思います。
新しく不思議な物語を読みたい方に
おすすめの小説です。
よければ読んでみてください。(ブログ作者)

     

沖で待つ (文春文庫)
絲山 秋子
文藝春秋
2009-02


[沖で待つ:絲山秋子:文春文庫]
主人公は女性の及川です。山梨出身です。

大学を卒業して、住宅設備機器メーカーに就職します。

同期で茨木出身の男の牧原太と一緒に
福岡営業所に配属になります。
牧原太は、太目の体型です。
太のニックネームは太っちゃんです。

二人は先輩について、仕事を早く覚えるように
努力します。

福岡営業所の事務職の井口珠恵さんは、
太のことを気に入ります。
井口珠恵さんと牧原太は結婚します。

太っちゃんのセールスポイントは愛想の良さでも
手先の器用さでもなく、ただ、いつでも汗を
かけることでした。

及川がシステムキッチンの図面をCADで描いていると、
開発されたばかりのOSは数時間かかって作った
図面を抹消してシステムダウンを繰り返します。
また図面データを打ち直しです。
その時、太は自分の仕事は終わっているのに、
会社に残ってくれていました。

太っちゃんは袋に入れた缶ビールを
事務所の冷蔵庫に隠していたので、
私の図面が終わると会議室で
一緒に飲みました。

及川は埼玉営業所に転勤になり、
それから太が東京に転勤になりました。

及川と太は東京で会います。
お互いが持っている秘密のことが
話題になります。
秘密を他人に知られるのを防ぐため、
どちらかが死んだら、生きている方が
死んだ人間の部屋に入って、
その人のパソコンのHDDを壊すという約束を
して、お互いに合鍵を作って渡します。
及川や太の秘密とは何でしょうか?
約束が実行されることはあるのでしょうか?


この小説は、仕事をするとはどういう事かを
描いている小説です。
また、同期の友情について、描かれています。

及川は言います。
福岡を離れるのはさびしかったです。
来る前は男尊女卑だなんて思っていたけれど、
お客さんはみんな根性勝負でした。
根性さえあれば、女だろうがよそ者だろうが、
ちゃんと認めてくれました。
私を育ててくれたのは会社の先輩よりも、
現場の人たちでした。

太はノートに井口珠恵に向けた詩を書いていました。
「俺は沖で待つ
小さな船でおまえがやって来るのを
俺は大船だ
なにも怖くはないぞ」

仕事に一生懸命に向き合う人の
姿が描かれています。
また会社で同期であることはどういうことかとか、
同期の友情について書かれています。
読んだあとに、暖かい気持ちになれます。
仕事をするとはどういう事かについて、
考えさせてくれます。
おすすめ本です。
よければ読んでみてください。(ブログ作者)

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抱擁家族 (講談社文芸文庫)
小島 信夫
講談社
1988-01-27


[抱擁家族:小島信夫:講談社文芸文庫]
主人公は三輪俊介。45才で大学の講師と
翻訳の仕事をしています。

俊介の妻は時子で47才。
俊介の息子は良一で、娘はノリ子です。
お手伝いの女性はみちよです。

俊介と時子は、気が合わないのか、言い合いを
する事が多いです。
時子が俊介の話を本気で理解する気がないようなので、
俊介が時子にまじめに話をする気が起きないと
いうような。

家にはアメリカ人の兵隊で23才のジョージが
遊びに来ています。

俊介が仕事で出張した時に、
時子とジョージは家で関係を持ちます。
ジョージがその事をみちよに言い、
みちよがそれを俊介に言います。
俊介は時子をなじります。

時子は欲求不満がたまっていたのでしょうか?

時子はジョージに無理やりにされたと言います。
ジョージは時子に誘われたと言います。
二人の言い分が違っていて、
俊介には、何が真相か、わかりません。

「大きな声をしないでよ」と時子は声をひそめ、
とがめるようにいった。
「子供にきこえるわよ。いい?これからあんたは、
何度もこのことをむしかえすと思うけど、
大きな声をしてはダメよ」

俊介は時子を責めますが、
時子は家を出ていきません。

時子は言います。
「ジョージは嫌いじゃないわよ。
ケチなやつよ。
でもあの男でなくて、ちゃんとした男なら、
こっちが若かったならいっしょになってこの家を出て、
アメリカでもどこでもついて行ったわね」



俊介は胸に痛みを感じるようになります。
病院に行って、薬をもらって飲みます。

俊介は時子に言います。
「この家にもっと大きな塀がほしい」
「塀?」
「かこってしまうんだ」
おれは時子を閉じこめたい。
閉じこめておいて、おれや家族のことしか
考えないようにさせたい。
「それならば、知らぬ土地へ引っ越しをすれば
いいじゃないの」時子は言います。


俊介は時子と相談して、家を買って、引越すことに
します。
小田急線沿線の、ガラス張りの大きな家です。

時子が乳ガンであるのがわかります。
手術を受けます。
再発防止のために、俊介は時子に
男性ホルモンの注射をします。

俊介と時子はセックスします。

突起しているところが、かつてないほど
大きくふくらんでいた。
そのふくらみに彼女は堪えかねていたと見える。
こんなふうに彼に愛撫されることを
ひとえにのぞんでいる姿は見たことがない。
訴えるようで、優しくて、ほとんど泣いていた。
みんなこのことがあたえられるためのものでは
なかったか。
この快楽は何だろう。
肉体的なものだろうか。
それとは違う。
おれはようやく征服しかかっているのだ。
時子が女として愛撫にこたえるだけのものを
持ち合わせていなかったことを
知ったということでもある。

時子は乳ガンが再発して、病院に入院します。
俊介、時子、良一、ノリ子はどうなるのでしょうか?

この小説のテーマの一つは家です。
家の中の家族の関係ですね。
お互いに反発したり、嫌悪感を持ちながら、
一緒にいる家族。
時子がジョージと不倫したために、
がらがらと音をたててくずれそうになる家。
その家を持ちこたえさせようとする俊介と時子。
大きな家に引っ越したために、よりバランスが
狂っていく家族。

この小説のもう一つのテーマは
セックスです。
日本人の男は愛撫がへたで、女も愛撫に
十分に応えない。
アメリカ人の男は愛撫がうまく、
女も愛撫に十分に応えるそうです。

ジョージは俊介に時子とのことを
問われて、Nothing Happenedと言いました。
それは、時子がジョージの愛撫に
十分に応えなかったからではないかと
俊介は思います。

愛撫して、それに十分に応えてくれる
日本人女性なんていますか?
あなたの彼女は、女として愛撫にこたえる
だけのものを持ち合わせていますか?

文章は平易で読みやすいですが、
深いテーマをあつかいかつ面白い小説です。
おすすめ本です、よければ読んでみてください。(ブログ作者)


     


蒲団
田山 花袋
2012-09-27


[蒲団:田山花袋]
主人公は男の竹中時雄です。
作家で、地図の編集の仕事もしています。

35才です。妻と3人の子どもがいます。
妻との仲は、倦怠期になっています。

神戸の女学院の生徒で、岡山在住の横山芳子という
19才の女性から、手紙が来ます。
作家志望なので、竹中の弟子にしてほしいという
手紙です。

竹中は横山芳子を弟子にします。
最初の1月は、自分の家に住まわせますが、
妻が嫉妬するようなので、一人ぐらしをしている
妻の姉の家に住まわせることにします。
芳子は明朗な美人です。

竹中は芳子の美しい姿を見て、恋心のような
ものを感じます。
師匠と弟子との一線を越えそうになる事も
ありますが、なんとか踏みとどまります。

芳子に恋人ができます。
同志社大学の学生で、秀才の
田中秀夫という21才の男です。
芳子は田中とはプラトニックな付き合いだと
言います。
本当でしょうか?

竹中は嫉妬に苦しみます。

田中秀夫は同志社大学を辞めて、東京に
出てきます。
作家として身を立てるつもりだと、田中は言います。
竹中は、作家として身を立てるのは、無理だと
田中に言います。

芳子と田中と竹中はどうなるのでしょうか?
竹中は田中に大阪に返ることを勧めますが、
田中は首をたてにふりません。
芳子と一緒にやっていきたいと言うのです。
また芳子とはプラトニックな付き合いで、
今後もそれは変わらないと言います。

竹中は芳子に言いました。
「女子ももう自覚せんければいかん。
昔の女のように依頼心を持っていては駄目だ。
父の手からすぐに夫の手に移るような意気地なしでは
いたし方が無い。日本の新しい夫人としては、自ら
考えて、自ら行うようにしなければいかん」

時雄は悶えざるを得なかった。
わが愛するものを奪われたということは
はなはだしくその心を暗くした。
機会を二度までつかむことは躊躇したが、三度くる
機会、四度来る機会を待って、新たなる運命と
新たなる生活を作りたいとはかれの心の底の
かすかなる願いであった。

「蒲団」は、明治40年に書かれた作品です。
男と女の恋愛や、恋人への嫉妬の感情などは、
平成の現在と変わらないと思いました。
女性も自立してきていて、恋愛にも積極的で、
大胆になってきています。
明治初期の女性は受け身だったようで、男から
見られるだけで恥ずかしいというようだったようですが、
明治40年ぐらいになると、女性も勉強して、
知識を身に着けて、積極的かつ大胆になってきたようです。
まあ、今よりは処女性が重要視されていて、
それがこの作品のテーマにもなっていますが。

明治の時代も、平成の今も、恋する男女の心の動きや、
恋人を奪われた人間の嫉妬などの感情は、変わりませんね。
人間はいつの時代も変わらないということでしょう。
田山花袋のこの作品は、平易な文章で心の機微が
語られていて、面白いです。
作品の一つのテーマである女性の処女性の重要さは、
平成の現在、ほとんど重視されなくなりましたね。
高校生ぐらいになってもまだ処女だと、早く処女を
好きな人に捧げたいという感じでしょうか?
男の方が腰が引けていて、二次元の漫画のヒロインを愛したり
していますね。
むしろ女性が積極的になり、男が草食化していますね。
おすすめ本です、よければ読んでください。(ブログ作者)

     

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