私の好きな本、おすすめ本H.P.作者のつれづれ日記

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私の読んだ本で、心にグット来た本を紹介する、読書日記のブログです

プロフィール:始めまして、50代の男の会社員です。
理系で、電子機器メーカで、長らくエンジニアをしていました。
しかし学生時代の得意科目は、数学と現国と古文と漢文と世界史でした。
なぜ理系に行ったんだ(笑)
今は品質管理の仕事をしています。
小説が好きで、すぐれた小説を見つける眼力には自信を持っています。
本ブログは、読んだ本で、面白かったと思った本、心にグットきた本のみ
紹介しているので、ブログの更新頻度は、多くないです。
読んでも、つまらなくて紹介しない本は多いです。
でも、紹介している本は、面白いと思います、よろしければ、ご覧ください。

時間をやりくりして、本ブログと、好きな本紹介のホームページ作成と
好きな本を紹介するメルマガを発行しています。
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子供の頃から、本を読むのが好きです。
小学校の時に読んだ、「飛ぶ教室」「くまのプーさん」「三銃士」等、
本当に面白かったです。
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高校生に自信を持っておすすめする海外の名作はこちらです。
観劇も好きです。おすすめの観劇会はこちらです。
今でも本中毒で、3冊ぐらいの本を並行して読んでいます。
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燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
1972-05






燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
1972-06


[燃えよ剣:司馬遼太郎:新潮文庫]
新選組副長の土方歳三の一代記です。
土方歳三は、武州の百姓のせがれです。
天然理心流の道場に行っていました。
その天然理心流の道場の師範が
近藤勇でした。

土方歳三と近藤勇と沖田総司は、
幕府の募集に応募して、新選組を
組織して、京都に行きます。
攘夷で、幕府を守る事が使命です。

新選組の規律は厳しいです。
士道が規律であり、士道にもとる者は
即、切腹です。

京都で、新選組の隊士は、土佐藩や
長州藩の勤王の志士達と戦います。

徳川慶喜が大政奉還をします。
薩摩と長州が、天皇を奉じて戦います。
薩摩と長州が、正規軍になってしまい、
新選組は逆賊になってしまいました。
薩摩と長州が官軍になってしまったのです。

頼みの徳川慶喜は逃げています。

歳三は、鳥羽伏見の戦いで
戦います。
勝ちまであと一歩でしたが、
負けてしまいます。

近藤勇は、逆賊として歴史に残るのは
いやだと言って、官軍(薩摩、長州)に
投降します。
近藤勇は斬首されます。

近藤勇が死に、沖田総司も病気で死にます。
土方歳三は、一人で戦います。
榎本武揚達と軍艦で、北海道に行き、
北海道で、新政府を樹立しようと
します。
北海道に官軍の軍隊が行きます。
最後の戦いが始まります。
歳三は鬼神のごとく強いです。
どうなるのでしょうか?

土方歳三には、高邁な理論等はありません。
お世話になった幕府のために、尊王攘夷の
武士を斬る、それだけです。

喧嘩屋としての意地、男としての
プライドを守る、士道を通す、それだけです。

しかし、歳三の強さは、勤王の志士達を
上回ります。
その強さはどこから来るのでしょう?
命はいらない、意地を通すというその心の
強さで、勤王の志士達に負けていないのです。
敵にまわすと、とんでもなく強い相手なのです。

「侍に怨霊なし」と古来、言われているそうです。
歳三が壬生にいた時に、切腹した隊士の亡霊が
出ると聞いたことがあります。
「その者、侍の性根がないにちがいない。
現世に怨恨を残すほど腐れはてた未練者なら、
わしが斬って捨てて、あらためてあの世へ
送ってやろう」歳三はそう言いました。

高邁な理論が無く、喧嘩屋の意地、男の意地、
士道の誇りだけで、何故、土方歳三があれほど
強かったのか、不思議です。
勤王の志士達も信念を持ち、命を
かけて戦っていた。
歳三は、彼らに剣の強さ、心の強さで
ひけをとらなかった、というよりも
勝っていたとも言えます。
士道を通すためなら、命はいらない、そう思って
いたから強かったのでしょう。
命を懸けて戦う仲間、近藤勇や沖田総司が
いたことも大きかったでしょう。
勤王の志士達も命を賭けて戦っていましたが、
新選組の隊員達も命を賭けて戦っていた。
士道に反するぐらいなら切腹するという
気合いと誇りを持っていた。
意地と意地の戦いですね。
歳三の剣の強さは、恐怖を克服した
ことによる、踏み込みの深さです。

歳三とお雪との切ない恋も描かれています。

司馬遼太郎の歴史小説は、抜群に面白いですよ。
「燃えよ剣」は、抜群に面白いです。
おすすめです。


     

自由の彼方で (講談社文芸文庫)
椎名 麟三
講談社
1996-02-09







[自由の彼方で:椎名麟三:講談社文芸文庫]
主人公は、20代の男の山田清作です。
山田清作は、母親の家を家出します。
出前持、コック見習い等をします。
そして不良と付き合うようになります。
清作は大洋軒というカフェで働くようになります。
清作はカフェの女給の美代子という女性が
好きになりますが、相手にしてもらえません。

清作は、神戸と姫路をつなぐ神姫電鉄の
車掌として働くようになります。
清作は、搾取される労働者に疑問を感じるようになり、
共産党に入党して、労働者の待遇改善を求めて
闘うようになります。

時代は太平洋戦争に突入していく時代です。
共産主義者は弾圧され、逮捕されるようになります。
山田清作は逃亡しますが、やがて警察に逮捕されて
留置所暮らしが始まります。
清作はどうなっていくのでしょうか?

清作は、行きつけの食堂で働いている
たか子という女性を下宿に連れ込み
関係を持ちます。
しかし1回関係を持つと、清作は
たか子への興味を失います。

清作のその少女への関心には、彼の
生活と同じように、未来が、
愛にとって本質的な共同の
未来が、欠けていたのだ。
そして彼は、共同の未来のかけている愛は、
どんなに切実なものであっても、
遊びにすぎないということを
知らなかったのである。

実存主義作家の椎名麟三が「自由とは何か」
について書いている小説です。
時代は太平洋戦争に突入していく時代です。
労働者の待遇を良くして、労働者を解放しようという
目的で山田清作は共産党に入党しますが、
警察から共産党は弾圧されます。
共産党員は逮捕され、留置され、拷問を受けます。
山田清作は自由を見つけることができるのでしょうか?

人間の運命には、時代が大きく寄与するという事も
書いてあります。


     




[美しい女:椎名麟三:講談社文芸文庫]
主人公の男は、木村です。
関西の小さな私鉄で働いています。

木村は電車の仕事が好きです。
最初は車掌で働き、後に運転手になります。
木村は車掌の仕事も好きだし、運転手の
仕事も好きです。
出世はしませんが、仕事を愛して働いていると、
自分の想像の中の美しい女がいつも笑いかけて
くれます。

木村は、娼婦のきみという女が好きになります。
きみは万引きの常習犯です。
どうなるのでしょうか?

木村は、切符係りで会社に就職してきた飯塚克枝の事が
気に入り、結婚を申し込んで承諾してもらい、
夫婦生活を始めます。
克枝はうだつのあがらない木村に腹を立て、
浮気をします。
二人はどうなるのでしょうか。

木村は、スナックに勤めている、人妻の
ひろ子という女性が気に入ります。
ひろ子と暮らした男は2人、自殺していて、
ひろ子だけは、生き残っています。
「3度目があるのやろうか?」
木村はそう思います。
ひろ子は木村に気があるようです。

時代は太平洋戦争に向かっていきます。
「しんでも・・・・すべきだ」というような
極端な考えには、悪魔がすんでいる、木村は
そう思います。
命以上に大切なものはない、木村は
そう思います。

徴兵召集を受けた木村は、タバコの葉を水に
溶かして飲み、体調不調で
即日帰郷になります。
戦争で戦いたくなかったのです。

木村は言います。
私は、1個の権力からそれと決めつけられる
「無気力」であるならば、
それがどんな権力からであろうとその「無気力」を
心から誇りたいと思うのだ。
その私たちの「無気力」には、永遠に
揺るぎのない強固な反抗があるからである。

木村は考えます。
海の水は、どんなに多くても多すぎやしない。
地球からあふれるということはないからだ。
それが自然のもっているやさしさなのであり、
自然のもっている美しさなのだ。
それがこの地球の運命を超えて存在することは
できないのだ。
それが自然のもっているおかしさなのであり、
自然のもっている無邪気さなのだ。
自然にはどんなことがあっても
狂気であることもなければ、悪魔である
こともないだろう。

木村は、電車の仕事を愛する
平凡な男です。
うだつがあがらない男です。
他人から「お前は駄目だ」とか
「死んでも・・・をやれ」とか言われる
時に、想像の中の美しい女が出てきて、
笑いかけてくれます。

「命より大切なものなんてない」
美しい女はそう言います。

美しい女は、木村にとって、神と言っても
いいでしょう。

「美しい女」は、実存主義作家、椎名麟三の
傑作だと思います。

思想的に行き詰まり、狂ったように飲み歩き、
太宰治の次に自殺するのは彼だろうと
言われていた、椎名麟三。
椎名麟三がドストエフスキーの小説に
魂の救いを見出して、たどりついたところを
描いたのが、「美しい女」だと思います。
美しい女は笑いかけて言います。
「あんたはそれでいいんや。命より
大切なものなんてあらせん」

美しい小説です。おすすめです。(ブログ作者)



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[蜜のあわれ:室生犀星:講談社文芸文庫]
主人公は、人間の女の姿をした金魚と老作家です。
老作家は70才ぐらいです。
人物描写や風景描写はなく、会話だけの小説です。
実験的な作品と言えると思います。

金魚女は2年金魚、人間の年では17才ぐらいです。
金魚女と老作家は、色々と話をします。
金魚女は、老作家に洋服やアクセサリーを買って
もらいます。
金魚女と老作家は、キスはしますが、もちろん
肉体関係をもつことはできません。

金魚女は、人間の女と同じような
直感やしたたかさを持っています。

老作家が昔、作品を見てあげた女性や、
老作家が昔追いかけたがふられた女性が
老作家に会いに来ます。
二人とも死んだ女性です。
老作家が作品を見てあげた女性とは、
金魚女は色々と話をしますが、
老作家をふった女性は、金魚女は
追い返します。

老作家は、二人の女に会おうとしません。
二人とも、金魚女が想像で作りだした産物だと
言います。

老作家の言葉です。
「おじさんはおじさんを考えてみても、
いのちを知るのに理屈を感じてだめだが、
金魚を見ていると却っていのちの状態が
わかる。ひねり潰せばわけもない命のあわれさを
覚える」

老作家と金魚女の言葉です。
「おじさまはどうして、そんなに年じゅう女おんなって、
女がお好きなの」
「女のきらいな男なんてものは、世界に一人も
いはしないよ、女がきらいだという男に会ったことがない」
「だっておじさまのような、お年になっても、まだ、そんなに
 女が好きだなんていうのは、少し異常じゃないかしら」
「人間は70になっても、生きてるあいだ、
 性欲も、感覚も豊富にあるもんだよ」


昔に老作家をふった女と金魚女の言葉です。
「だからその訳をいってゆっくり一度はあやまってみたいと、
そればかり考えて、うかがってみたんです」
「いまから幾ら謝りになっても、受けたきずあとが
そんなに簡単に治るもんですか、あやまるなんて言葉は
とうに通用しなくなっているわよ」
「怖い方ね、見かけによらない方」

金魚にとってはつらい季節の冬が来ます。
老作家と金魚女はどうなっていくのでしょうか?

奇妙な小説です。
老作家と金魚女の会話だけで物語が
進んでいきます。
室生犀星が死の3年前の70才の時に
書いた作品です。
金魚女が、人間の女と同じように、
気まぐれで、したたかで、愛情深い存在として
描かれています。
そして老作家を訪ねてくる二人の女の幽霊。
恐い作品ではないです。
70才で、超現実的な作品を書くエネルギーが
すごいです。
家で飼っている金魚を見ていて、この小説を
思い立ったと、室生犀星は言っています。
詩人として出発してから作家になった室生犀星。
とても才能のある作家だと思います。



     

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