[ドルジェル伯の舞踏会:ラディゲ:新潮文庫]
主人公は貴族の男のフランソワです。20才です。
フランソワは、ドルジェル伯爵夫妻と知り合います。

アンヌ・ドルジェル伯爵は30才、社交的な男です。
伯爵の妻のマオは18才の魅力的な女性です。

フランソワは伯爵夫妻に友情を感じ、マオはフランソワを
友人と思い、親しく付き合います。

色々と行動を共にしているうちに、マオはフランソワを
意識するようになり、フランソワもマオを意識するように
なります。
二人の関係はプラトニックなものですが。

フランソワは、自分がマオをけっして天使や妹の
ように愛しているのではなく、男が一人の女を
愛するように愛しているのだということを
みとめねばならなかった。
彼自身がそこまで降ってゆけないような深いところで、
愛が彼の中にどっかと根をおろしてしまっていた。

マオは自分がフランソワにいだいている感情を
誤って判断していた。
いまや影のうちに孵化し、やしなわれ、大きくなった
この感情がはっきりその正体をあらわしてきた。
マオは自分がフランソワを愛していると
みとめざるをえなかった。

マオはフランソワへの愛は、アンヌを裏切ることになると
悩みます。
フランソワは、マオへの愛は、アンヌへの友情を裏切る
ことになると悩みます。
二人はどうなるのでしょうか。

車の中でフランソワの手がマオの手に偶然触れます。
フランソワは手を引込めませんでした。
マオもそのままで固まっています。
アンヌは気がつくのでしょうか?

マオは事態を打開しようとします。
打開できるのでしょうか?

ドルジェ伯爵夫妻とフランソワと伯爵夫妻の
友人達が伯爵の家に集まり、これから開く
舞踏会の相談をします。
ロシアから逃亡してきたナルモフ公爵が
それに参加した事で物語は意外な展開を
見せます。どうなるのでしょうか?

ラディゲが20才の時に書いた小説です。
マオとフランソワの愛がテーマの作品ですが、
人物描写や心理描写が計算されたように
緻密に描かれています。

登場人物の行動や語る言葉も
計算されたように緻密です。
心理洞察も深いです。

ラディゲの作家としての力量は
すごいと思います。
20才で、人間の心理を深く理解しています。

アンヌがフランソワを誰よりも好きになったのは、
フランソワが彼の妻を愛していたからだった、

フランソワの恋はアンヌのもつ好意の神秘的な
理由であったのみならず、この愛はまたアンヌが
自分の妻にもつ愛情にも影響していた。
彼は、その真価をおしえられるのに
他人の欲望が必要であったかのように、
妻を愛しはじめた。

おすすめ本です。