オセロー (新潮文庫)
シェイクスピア
新潮社
1951-08-01



[オセロー:シェイクスピア:新潮文庫]

若く美しい女性のデスデモーナは、父親の反対を
押し切って、黒人の将軍オセローと結婚します。


オセロの部下のイアーゴーは、オセロから旗手に降格されて、
オセロに恨みを抱き、復讐しようと思っています。
オセロはイアーゴーを誠実な人間だと思っています。
ロダリーゴーは、デスデモーナに恋していて、
イアーゴーに仲介を頼みます。

イアーゴーは、オセロに作り話を話します。
デスデモーナが、副将のキャシオーと不義密通を
している疑いがあるという話です。

オセロは始めはその話を信じませんでしたが、
段々と疑心暗鬼になっていきます。

オセロがデスデモーナに贈ったハンカチを
デスデモーナが落とします。
それを入手したイアーゴーが、そのハンカチを
キャシオーの部屋に置きます。
そして、ハンカチをデスデモーナがキャシオーに
贈ったという話をでっちあげます。

イアーゴーの陰謀が成功していきます。
オセロの怒りは増幅していき、悲劇が進行していきます。
デスデモーナ、オセロ、キャシオーはどうなるのでしょうか?

デスデモーナはオセロに言います。
「お願い、あなたのお慈悲も。あなたを裏切るような
ことをした覚えは今日まで一度もない、キャシオーに
心を寄せたことなどと、そんな覚えは一度もございません。
ただ友達の間に許されて当たり前の好意だけ、贈り物
など一度もしたことはございません」

オセロは言います。
「出まかせを言うおれと思うか。あの男が
ハンカチーフを持っているのを、現におれは
見ている。ああ、そうしてあくまで白を切ろうと
いうのか」

オセローは、よく作られた劇です。
物語に破綻が有りません。
昔に作られた物語なのに、今読んでも
新しさを感じます。
女を愛する男が、女の不義を疑いだし、
疑心暗鬼になり、怒りが段々増幅してくる。
古くて新しいテーマです。
セリフもよくできていて、登場人物達が
劇の中で、いきいきと動いています。

今の日本は、不倫のハードルが低くなっているようですね。
不倫している女性は、夫をうまくだますようですね。
夫の不倫の方が、ばれる事が多いようですね。
男の方が嘘をつくのが下手なのですね。

それにしても、オセロー程の人間が、イアーゴーに
だまされ、間違った方向に行ってしまうとは。
激情にかられて、真実が見えなくなってしまったのですね。

一人の人間の言う事を盲信する事の怖さが描かれています。
嘘を信じて相手を疑いだすと、疑いが段々と増幅していき、
歯止めがきかなくなるのですね。