エイリアン2















『エイリアン2』(86年ジェームズ・キャメロン)

宇宙を彷徨っていたノストロモ号が発見されたが生存者はエレン・リプリー(シガニー・ウィーヴァー)のみで彼女によればほかの乗員は頭が性器みたいな形の異星人によって殺害されたというからワロタ。
なんたってその惑星LV-426にはすでに多くの入植者たちがいたのだ・・・が、彼らからの連絡が途絶えてだんだん笑えなくなって来た、ので、調査のためアドヴァイザーとしてリプリーがスカウトされるがまた奴らに会うなんて真っ平御免と断固拒否、したものの精神異常を指摘されて宇宙航海士の資格剥奪されて現在リプリーの仕事は倉庫番・・・それにトラウマを乗り越えるチャンスかも知れない。
また航海士の資格が再交付されるという条件をウェイランド社のバーク(ポール・ライザー)から提示されてリプリーは決めた。再び惑星に戻ることを。
ところでリプリーが地球に帰還したのは57年ぶりのことでそれが悲劇なのは別れた時11歳だった娘アマンダが2年前に他界したというから。
ドアホな指揮官スコット(ウィリアム・ホープ)率いる植民地海兵隊とともに到着したLV-426はやはり奴らの襲撃で破壊されて廃墟と化していた・・・エイリアンか!と思ったら違ってそれは通風管の中でひとり生き延びていた少女ニュート(キャリー・ヘン)で救出してリプリーは彼女をまるで自分の娘のように護る。

ホラー版『グーニーズ』(85年リチャード・ドナー)が目指された『IT』(17年アンディ・ムスキエティ)は、だから80年代オマージュ映画と言っていいが、実はそれはムスキエティの前作『MAMA』(13年)もそうだったんじゃないか?
あるいは『エイリアン2』オマージュ映画
というのも『MAMA』の主要キャラクターのひとり、姉妹を診るカウンセラーを演じているのが「なんだこりゃ?キタネエなあ」でお馴染み(なのか?)スパンクマイヤー二等兵役のダニエル・カッシュで、それは偶然ではないと思うのだ。
というのも『エイリアン2』はタイトルを『MAMA』に変更して差し支えないほどオカンについての映画であり、他人の母親になるという内容も一致しているのだが、描写的には少女発見場面が薄暗い照明の中どちらも得体の知れないなにかのように登場して発見者は銃を構えているのだった。
そんなわけで忘れられた映画を紹介するという当ブログの趣旨(だったのか!)とは合わない大ネタが最近続いていますが気にしないでください。
さあ『ターミネーター』(84年)を作るぞ!と意気込んでいたキャメロンに悲報が。
『コナン・ザ・グレート』(82年ジョン・ミリアス)の大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスアーノルド・シュワルツェネッガーの契約先買権を行使、シュワルツェネッガーは『ターミネーター』の前に『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』(84年リチャード・フライシャー)に出演しなければならなくなったのだ。
お陰で9ヶ月もすることがなくなったキャメロンが仕事を探して訪れたのがデヴィッド・ガイラーウィルター・ヒルのブランディワインプロダクションだった。
この会社は『スパルタカス』(60年スタンリー・キューブリック)のリメイク権を持っておりそのSF版をキャメロンに持ち掛けた、が、どうも話が噛み合わない。
「なにか企画があれば連絡してよ」
ミーティングはお開きとなり項垂れてキャメロンがドアを開けようとしたその時だった。ガイラーがずっと棚に上げていた企画を話題にしたのだ。
『エイリアン』(79年リドリー・スコット)の続編に興味ない?」
なにを隠そうキャメロンは『エイリアン』の熱狂的ファンだったが、ふたりがその製作者だということは知らなかった!
製作者コンビはキャメロンに半ページ分の企画説明を渡した。
そこには「崩壊した植民地惑星に宇宙海兵隊が送り込まれる。そしてとんでもないことが起こる」とだけ書かれていて震えながらキャメロンは、しかし平静をお装いその紙を受け取ると大慌てで帰宅して1年半くらい前に書いていた42ページのあらすじを引っ張り出してくっ付けた、というのもそのキャメロン企画の出だしが「木星は地獄と化していた」だったからでそのタイトルは『E.T.』だった!のだがもちろん同じ題の映画が登場して改めたタイトルが・・・『MOTHER』
“マザー”というのは人間と異星人を遺伝子操作で掛け合わせたもので、その設定以外のほとんどが『エイリアン2』に移植されることになる。
ブランディワインとの会見から1週間後、再びふたりの製作者たちの前に現れたキャメロンは充実したプロット案を携えてふたりは彼を脚本家に起用、どころか『ターミネーター』が大ヒットしたことを受け監督に抜擢するのだがキャメロンは周囲から当然言われることになる。リドリー・スコットの続編からは手を引いた方が身のためだ
良い部分はスコットのヴィジョンとして、悪い部分はキャメロンのヴィジョンだと見做されることが目に見えているというわけだが、どこかで聞いた話じゃないか?最近。
ところでヒルはダン・オバノンが書いた『エイリアン』にあまり思い入れがなかった。
むしろなんだこのくだらない話は?と思ったしオバノンの方でもそれを察知していたが思い掛けず映画がヒットしたのだ。
だから今回は趣味に合うよう宇宙海兵隊を物語の主人公に設定したわけだが、そんなこともあってキャメロンが続編を製作するに当たりリプリーを『アラモ』(60年ジョン・ウェイン)ジョン・ウェインのように描くというヴィジョンを歓迎した。
キャメロンは脚本執筆中、ずっとウィーヴァーの写真を横に置いて想像を膨らませていたが、だから彼女に電話を掛けて衝撃を受けることになる。
「ハロー、誰、お前?
ウィーヴァーは続編製作を知らさられてなかった!
キャメロンの脚本を気に入ったウィーヴァーだったが、彼女には彼女なりのリプリー像があった。具体的にはこうだ。
前作でリプリーは死にたかった、武器を手にしたくなかった、エイリアンと性交したかった・・・「いや彼女はエイリアンを嫌悪しているはずだ」とキャメロンは反論する。
仲間たちを皆殺しにして人生最大のトラウマになるほど過酷な状況に追い込んだ張本人なんだからもちろん奴らをブチ殺したいと思っているに決まってる!
一方でキャメロンは続編オリジナルのモンスターを考案していた。
それがあの巨大な“エイリアン・クイーン”で自身でデザインしてこれは実在する昆虫からインスパイアされていたが、というか対するリプリーはパワーローダーに身を包んでこれらはすべてロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』(60年)の影響下にあるはずでこの小説は冷戦真っ只中、ヴェトナムの情勢が戦争に向け大きく傾いていた頃に書かれて先述した内容とも一致する。
なら最初からそれをやればいいのに・・・とか言わないの。『宇宙の戦士』はその後ポール・ヴァーホーヴェンによって映画化されて(スターシップ・トゥルーパーズ』(97年)それはもう最高なんだから本作も最高で2倍2倍!喜ばないと。
『エイリアン』の戦争映画化がうまく行ったのはキャメロンが同時に『ランボー/怒りの脱出』(85年ジョルジュ・パン・コスマトス)を手掛けていたからかも知れないが、さておき個人的なことで恐縮だが本作公開時がもっとも映画に熱狂していたかも知れない。
いや熱狂にも種類があるので言い方を変えると、大体この時期から映画が好きだと確信してTV放送もせっせと録画しはじめたのだ。
だから好みは前作だけど、この続編には愛着がある。
あるいは『MAMA』が『エイリアン2』に見えたのも、↑に書いたこともすべてこじ付けでたんになんでも『エイリアン2』に見えてしまうのかも。
とにかく↓画像を見ただけで猛烈な郷愁に襲われるのだ。

ripley






























映画は大ヒットしてキャメロンは一躍現代アメリカ作家の重要なひとりと認知されるようになってさて、いよいよあれを映画化しようと考えた。
それは16歳の頃からずっとやりたいと思っていたストーリー、『アビス』(89年)だ。

※下記書籍を参考にしています。