富士山麓の自然

富士山麓には、古くから「御厨(みくりや)」と呼ばれてきた地域があり、御殿場市、裾野市、小山町の一帯におよんでいます。そこには、日本の各地で絶滅危惧種に指定されている希少種が多数生息する貴重な自然が残されています。その一方で、気候変動の影響や開発、外来種の侵入などにより、年々変わりつつある「みくりや」の自然の現状も目にしています。この豊かな自然が長く保たれることを願いつつ、富士山麓の自然の生物多様性の一端をこのブログを通して記録していきます。

長泉町にあるビュフェ美術館に行き、企画展「いきもののかたち ビュフェの自然誌博物館」を見てきました。
企画展の説明を読んで、ビュフェが科学の先生に勧められて虫の絵を描き始めたところから彼の画家としての人生がスタートしたことがわかりました。
ビュフェは実にさまざまな虫を描いています。
例えばテナガカミキリです。

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こちらはゴライアストリバネアゲハです。

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次の絵にスズメバチと名前がついているのには驚きました。

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この虫がハチ目ではなくハエ目に属することは、ハエ目の特徴である平均棍が描かれていることから明らかです。おそらくビュフェは分類学にはあまり興味を示さず、ひたすら「いきもののかたち」にまなざしを注いでいたのだと思います。

今朝の富士山です。今朝の御殿場は半袖ではいられないほどの涼しさです。富士山も秋の装いに変わりつつあります。

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921日にミルンヤンマのオスが建物内に飛来しました。専門家の方から以下の内容のご教示をいたただきました。

 

ミルンヤンマは、黄昏活動性が強く、薄暗い時間帯に活動することが多いので目につきにくいのですが、樹林に囲まれた河川上流域には広く分布しています。真夏の暑いときは、水辺に近い薄暗い林縁にぶら下がっています。また夏季にはしばしば昼間屋内に入ってきます。おそらく薄暗く涼しい場所を求めてのことだと思います。

 

今回、確認された場所は水辺ではありません。時には薄暗く涼しい場所を求めてかなりの距離を移動しているものと思われます。

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南方系のカメムシであるアカギカメムシが920日に御殿場市で確認されました。20201027日、1115日に続く3度目の確認となります。南西諸島に主に生息するアカギカメムシは、気候変動の影響を受けて北上を続けており、全国各地で発見のニュースが報じられています。

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