富士山麓の自然

富士山麓には、古くから「御厨(みくりや)」と呼ばれてきた地域があり、御殿場市、裾野市、小山町の一帯におよんでいます。そこには、日本の各地で絶滅危惧種に指定されている希少種が多数生息する貴重な自然が残されています。その一方で、気候変動の影響や開発、外来種の侵入などにより、年々変わりつつある「みくりや」の自然の現状も目にしています。この豊かな自然が長く保たれることを願いつつ、富士山麓の自然の生物多様性の一端をこのブログを通して記録していきます。

カテゴリ:植物 > アケビ科

いわゆる普通種と呼ばれる動植物の生息状況・分布状況を見極めていくことが大切であると言われて久しいです。おなじみの花や虫との再会にも注意を向けていきたいものです。

今日はオジロアシナガゾウムシと再会しました。
DSCN5912

アケビの花も今年もまた咲いてくれました。
アケビDSCN5913
 
イモリはもはや普通種とは言えませんが、富士山麓ではまだ身近に姿を見ることができます。
DSCN5874
DSCN5874

田んぼに少しずつ水が入り初め、その水面には初夏の富士山が写っています。

DSCN9820


アケビの花が咲いていました。アケビの蔓は細工の材としても使われています。

DSCN9816


エゴツルクビオトシブミCycnotrachelus roelofsiを2個体確認しました。オトシブミの仲間は、作ったゆりかごを切り落とす種類と葉につけたままにしておく種類があります。「オトシブミ(落とし文)」でも「落とさない」種類がいるということです。エゴツルクビオトシブミは後者であるとされてきましたが、1986年に京都大学の櫻井一彦先生が長野県下伊那郡豊丘村神稲の二次林で林床に落ちているエゴツルクビオトシブミのゆりかごを多数見つけました。詳細な調査の結果、全体の23 が切り落とし型であることがわかったということです。京都市左京区岩倉では切り落とし型は8%にとどまったそうです。産卵行動に関わる重要な習性に地域差があるのは極めて興味深いことです。富士山麓では切り落とし型は何パーセントぐらいなのか、調べてみたいものです。

DSCN9884


 

目にする甲虫の種類が日に日に増えていきます。今日は、カツオゾウムシを今年初めて目にしました。
DSCN9809カツオゾウムシ

 

↑このページのトップヘ