カテゴリ:星 > アルクトゥールス
晩秋の明け方の星座(箱根外輪山の上空) アルクトゥルスとスピカ
11月29日の午前4時30分に箱根外輪山の上空の写真を撮りました。そこには一際、美しく輝くアルクトゥルスとスピカが写っていました。
野尻抱影は「星のトパーズ」という随筆に次のように書いています。
アルクトゥールスは華やかなオレンジ色で、スピーカは綺麗な青白。宝石ならば、トパーズとホワイト・サファイアである。そして、アルクトゥールスは笑いかけ、スピーカははにかんでいる。
アルクトゥールスの名は、ギリシャ語のアルクトス(大熊)とウールス(番人)の合成語で、今北の空に高く横たわっている大熊――北斗七星の尾を東へ延ばして行けば、その全長の二倍ほどのところに、ゆっくりと金茶いろに瞬いている。そして北斗のめぐるに連れ、そのあとを追って廻るので、「熊番」の名を得ている。(中略)
日本の地方地方で、アルクトゥールスをムギボシ(麦星)、スピーカをシンジュボシ(真珠星)といっているが、かつて山本一清博士は前者を、サンゴボシ(珊瑚星)と呼んで真珠星に対せしめた。これは星の色をよく生かした好い名だと思っている。