
イタリア、ドイツ取材から帰国。ちなみに、ドイツという国を訪れたのは、思い起こしてみると1999年以来の26年ぶり。当時制作をしていた『ガラパゴス大百科』のための打ち合わせで、当時まだご健在だった著名な行動生物学者アイブル・アイベスフェルト博士(マックスプランク研究所)にお目にかかりに伺ったとき以来。ガラパゴス諸島の、世界でも貴重な生態系の保護の必要性を最初に訴えたのがアイベスフェルト博士。それに関わられるようになった経緯を、『ガラパゴス大百科』の巻頭の原稿として執筆をお願いしていたもので、いまならメールの添付書類としていただくはずの原稿ですが、当時は(面談も兼ねて)タイピングされた原稿を直接受け取るために、2泊3日の弾丸旅行でミュンヘン郊外のマックスプランク研究所を訪ねたもの。受け取った宝石のような原稿は、街に帰ってすぐに2部コピーをとり、1部は郵送で日本の自分宛に、1部は預ける荷物に、原本は手荷物に入れて、安全に安全を期して持ち帰った記憶があります。『ガラパゴス大百科』は、博士のこの巻頭の原稿だけで十分に価値があるものになりましたが、それに感じていただける人は、もはや私より年齢が上のごく限られたかたがただけでしょう。