3時に宏子と会うのは、あまり気が進まなかったが、意図を確かめておくためには柳沢は、すっぽかす訳にもいかなかった。
だが、席に着くなり、言ってしまった。
「随分強引なんですね。そんなんじゃ、株では火傷しますよ」
「柳沢さんも彼女で火傷しないでくださいね」

「まさか、チクったりする・・・」
「そんなことしませんよ。儲けの種を潰すような」

「だから、儲かるかどうかなんて確実なネタじゃないんですから、分かってますよね」
「ええ、まあ、でも、xxx商事って言った訳を詳しく教えてくださいますね」
「詳しくって言っても、新聞にある通りです」

「資源の価格下落の傷が浅いから?」
「ええ、それが第一。株価はこれ以上、大きくは下がらない」

「それで?」
「中国投資」

「これから中国投資しても、成長率落ちるばかりでしょ?」
「落ちるのは、安物の輸出産業、重厚長大の工業、それと不動産」

「上がるものが有ると?」
「賃金が上がった」

「でも・・・」
「消費は、中所得層以上は、これから伸びていく」

「爆買いの人たち」
「そうです。国内に安心して買える良いものが少ないから、海外で買う」

「それが?」
「中国で国内消費をうまく取り込めれば・・・?」

「儲かる」
「そう」
xxx商事の投資方針と規模を、その後ざっと説明しておいた。

「分かりました。いくら位なら買いですか?」
「それはご自分で判断して。私は責任持てませんから」

「そればっかり」
「ええ。損しても私のせいにしないでくださいね。得したら何か呉れてもいいですけど」

失礼のお詫びに、今日は彼女が代金は持つと言うので、そうしておいたが、不安はぬぐいきれなかった。



ひと月経った5月の木曜日、いや、曜日を変えてその前日。
ホテルも変えた。
いつもの通りのキスの後、瑤子は三つ指をついて、決まり文句を述べ、床に額を当てて畏まった。

「うん。いつも通りで、良い」

瑤子はそれに安堵して、いつもそうするようにバスタオルに隠れている柳沢のものを上から撫でる。
ひと月振りに会う赤ん坊を愛おしむように、まだ生硬い肉の塊を撫で上げ、バスタオルをめくり頬ずりしてから先端にキスをし、そのまま口に含む。

赤ん坊を起こすように、舌でチロチロと刺激してから、確かめるように口から抜き出して、その先に唇を押し付ける。
そのまま先端の割れ目に舌を這わせ、裏筋を舐め上げる。

もう一度口にすっぽり含んでから、じゅぽじゅぽと音を立てながら往復させる。
明らかに硬さが増したのを見届けてから、瑤子のバッグから首輪を取り出して捧げ持った。
柳沢はそれを瑤子の首に嵌めてやる。
挨拶は終わった。

「縄」
瑤子がバッグから急いで一本を差し出す。

首輪の後ろにある金具に通してから真っ直ぐ股をくぐらせ瘤を三つほど作ってから、反対側の金具に縄を通して固定する。

「次」
2本目を差し出すのを受け取りながら、瘤が瑤子の女性部分に上手く当たっているか確かめる。

「向こうを向け」
一本目の端に輪を繋いで、乳房の上と下に縄を回しながら、何気なく乳首に縄を擦り付ける。
膨らんだ乳首には、麻縄の粗いざわつきは、どんな振動よりも刺激的だ。
擦り付けたら、下縄の瘤に覆われた女性部分にも電気が走ることは、もう十分承知している。

「もう感じてるのか?」
「あ、い・・・」



2時間ほどして、椅子に腰かけ、瑤子が作ってきた弁当を食べながら、向き合うように床に座って食べている瑤子の膝を割って足先をその中心に進めながら、
「言ったとおりになったろう?」
「株?」
瑤子は、腰をひねりながら、話題の先を感良く察して訊き返す。

「ああ」
「私も買えばよかった」

柳沢はつま先で、瑤子の中心の潤いを、感じながら、
「そう、買えばよかったのに」
「でも損したら、恨むようになるから、いい」

「そうか、そうだな」
柳沢は、食べ終わった弁当を置いて、瑤子の後ろに座り、
「この前のおばさん、明日また会うんだけど、一応上がってるからご満足だろうよ」
縄跡を労わりながら、乳首に手を伸ばす。

瑤子は、それに答えず、箸を口に運んでいる。
「なんだ?まだ疑ってるのか?」
「絶対おかしい」