2012年12月27日
移転のお知らせ
長らくお世話になりましたLivedoorさんを離れ、独自ドメイン下にブログを移行することとなりました。
今後はこちらのアドレスで、引き続きよろしくお願いします!
それでは。
http://hockeylabjapan.com/blog/
今後はこちらのアドレスで、引き続きよろしくお願いします!
それでは。
http://hockeylabjapan.com/blog/
2012年12月18日
Consistency
最近競技構造とか組織論ばかり語っていましたが、それは別ブログに移行していこうと思いますので、久しぶりにコーチングの話でも、、、
日本では多くのチームが試合や練習の前後にみっちりとミーティングをしていますが、私の知る限りの海外では、特別にセッティングされたチームミーティング以外では、試合の前に10分程度、後に5分程度(さすがに説教される展開だと若干長くなります)、練習の前にミーティングするチームはとても少なく、あったとしても5分、練習後のミーティングに至っては、業務連絡以外でほとんど見たことがありませんし、あってもロッカールームの中で一瞬で終わらせてしまいます。
海外で長く教えていると、このような日本人の生真面目さと献身的な姿勢をとても懐かしく思うときが多いのですが、一方、多くのチームのミーティングが、時間を無駄に費やすだけであまり意味がなかったことも思い出します。
私が良いミーティングを測る最大の基準にしているのは試合や練習の前後で語られる内容、ひいてはシーズン、タームの目標と比較して「ミーティングの内容が一貫しているかどうか」です。例えば試合前に「今日はディフェンディングゾーンを中心にしっかり守ろう!」と話しておいて、試合後に「守りばかり気にしていて積極的に攻めていなかった!」という話になるようでは一貫性がありません。トーナメントの前1ヶ月間は「とにかく今は個人スキルを上げる時期だからチームのシステムは一切やらない」と言っておいて、トーナメントが終わってから「チームとしてまったくかみ合ってなかった。お前らは基本的なシステムさえも知らないのか?」と、コーチに怒られてしまったら、プレーヤー達にとって過去1ヶ月間の練習はまったく無意味だったことになります。
コーチはシーズン全体の計画に沿って、この時期何に重点を置いて練習するのかを明確にし、全ての試合や練習にそれが反映されるようにしなければなりません。また、練習や試合前後のミーティングも、常にその目標に基づいて行われるように、一貫性を保つことが重要です。
私が数年前に指導したチームはとにかく個人技のレベルが低かったので、シーズンが始まって約1ヶ月間、2対0すら行わず、ひたすらスケーティングとパックハンドリングとシュート、そして(チームとしてではなく個人として、とにかく素早く自陣に戻る)バックチェックの練習のみを行いました。迎えたシーズン最初の練習試合で出した指示はこれだけでした。
「とにかくどれだけ個人技が伸びたか、それだけを試せばいい。個人プレーで抜きまくってみろ!パック取られちゃったら?ターンオーバー上等!バックチェックの練習もしたんだから、とにかく走って戻ってこい!」
結果は忘れましたが、、、いやたぶん負けました。だってDZカバリジもブレークアウトも一切やってないからチームとしてはもうグチャグチャですから(笑)しかし試合後にはそんなことは一切話さず、誰がどれだけハンドリングを使って抜いたか、誰がパックを取られた後にしっかりバックチェックしていたかだけを話しました。
一貫性は、試合だけではなく練習の構成や一つのドリルの中でも保たれるべきです。「今日はパワープレーの練習をする!」と宣言したら、アップとスケーティングと1-0、2-0のシュートだけでほとんどの時間を使うべきではありません。アップの後すぐにパワープレーを30分間やって、余った時間でシュートでもなんでもすればいいのです。
あるドリルを「これは2対1のオフェンシブサポートのドリルだ」と説明したのであれば、(練習の意図を乱さない限り)DF役がどんなに無茶苦茶に守っていてもそれには絶対に突っ込まないで、そのドリルの中ではひたすら攻めの指導をすべきです。次回の練習で同じドリルをするのであれば、その時にでもDFを集めて「この場合守りの側からはどのようにすべきか?」を教えれば、FWにとっても漸進的に強度が上がる練習になります。
ゴーリー練習でバタフライの形を矯正するためにひたすらローショットを打っている最中に、いきなりトップコーナーにシュートをブチ込んで「下ばっかり意識してるからだろ!」と得意げに怒鳴るのは、指導ですらありません。
教える側が教わる側よりも知識があったり観察力があるのは当たり前なので、試合や練習を観て「あれもこれも違う!まだまだ足りない!」と思うのは当然ですが、いろいろ言いたいところを我慢して、今までの指導計画と流れに沿った部分だけを的確に指摘する以外に、段階的に上達させていく方法はありません。
一貫性、、、非常に重要です。
最後に一貫性のある練習計画の例として、私が最近やってみたシールディング(パックプロテクションをしながら滑る)を使いスロットに向かってドライブするドリルを掲載しておきます。
(1)から(4)の順に進化していきます。
(1)ではまず、シールディングの基本だけを教えます。パックプロテクションをして、クロスオーバーを使わないで両足を氷に付けたままスクーティング(スカリング)でサークルを周りネットに向かいます。コーチは内側から軽くプレッシャーをかけます。この段階でプレーヤーからパックを奪ってしまう意味はありません。
(2)ではコーチが途中でプレッシャーを強めたところでターンして反転し、ボトムサークルからドライブしてネットに向かいます。
(3)と(4)では2人で競争してパイロンを回り、コーチからのパスを貰いドライブします。(1)と(2)で学んだスキルを生かせるバトルドリルになります。
一つの練習で、この4つを20分くらいかけて教えれば、次からは(3)と(4)を形を変えつつ繰り返して練習に取り入れることが出来ます。当然の事ながら、どんなに素晴らしい得点をしたとしても、シールディングの技術が使えていたかどうかを基準にそのプレーを評価すべきです。
それでは。
日本では多くのチームが試合や練習の前後にみっちりとミーティングをしていますが、私の知る限りの海外では、特別にセッティングされたチームミーティング以外では、試合の前に10分程度、後に5分程度(さすがに説教される展開だと若干長くなります)、練習の前にミーティングするチームはとても少なく、あったとしても5分、練習後のミーティングに至っては、業務連絡以外でほとんど見たことがありませんし、あってもロッカールームの中で一瞬で終わらせてしまいます。
海外で長く教えていると、このような日本人の生真面目さと献身的な姿勢をとても懐かしく思うときが多いのですが、一方、多くのチームのミーティングが、時間を無駄に費やすだけであまり意味がなかったことも思い出します。
私が良いミーティングを測る最大の基準にしているのは試合や練習の前後で語られる内容、ひいてはシーズン、タームの目標と比較して「ミーティングの内容が一貫しているかどうか」です。例えば試合前に「今日はディフェンディングゾーンを中心にしっかり守ろう!」と話しておいて、試合後に「守りばかり気にしていて積極的に攻めていなかった!」という話になるようでは一貫性がありません。トーナメントの前1ヶ月間は「とにかく今は個人スキルを上げる時期だからチームのシステムは一切やらない」と言っておいて、トーナメントが終わってから「チームとしてまったくかみ合ってなかった。お前らは基本的なシステムさえも知らないのか?」と、コーチに怒られてしまったら、プレーヤー達にとって過去1ヶ月間の練習はまったく無意味だったことになります。
コーチはシーズン全体の計画に沿って、この時期何に重点を置いて練習するのかを明確にし、全ての試合や練習にそれが反映されるようにしなければなりません。また、練習や試合前後のミーティングも、常にその目標に基づいて行われるように、一貫性を保つことが重要です。
私が数年前に指導したチームはとにかく個人技のレベルが低かったので、シーズンが始まって約1ヶ月間、2対0すら行わず、ひたすらスケーティングとパックハンドリングとシュート、そして(チームとしてではなく個人として、とにかく素早く自陣に戻る)バックチェックの練習のみを行いました。迎えたシーズン最初の練習試合で出した指示はこれだけでした。
「とにかくどれだけ個人技が伸びたか、それだけを試せばいい。個人プレーで抜きまくってみろ!パック取られちゃったら?ターンオーバー上等!バックチェックの練習もしたんだから、とにかく走って戻ってこい!」
結果は忘れましたが、、、いやたぶん負けました。だってDZカバリジもブレークアウトも一切やってないからチームとしてはもうグチャグチャですから(笑)しかし試合後にはそんなことは一切話さず、誰がどれだけハンドリングを使って抜いたか、誰がパックを取られた後にしっかりバックチェックしていたかだけを話しました。
一貫性は、試合だけではなく練習の構成や一つのドリルの中でも保たれるべきです。「今日はパワープレーの練習をする!」と宣言したら、アップとスケーティングと1-0、2-0のシュートだけでほとんどの時間を使うべきではありません。アップの後すぐにパワープレーを30分間やって、余った時間でシュートでもなんでもすればいいのです。
あるドリルを「これは2対1のオフェンシブサポートのドリルだ」と説明したのであれば、(練習の意図を乱さない限り)DF役がどんなに無茶苦茶に守っていてもそれには絶対に突っ込まないで、そのドリルの中ではひたすら攻めの指導をすべきです。次回の練習で同じドリルをするのであれば、その時にでもDFを集めて「この場合守りの側からはどのようにすべきか?」を教えれば、FWにとっても漸進的に強度が上がる練習になります。
ゴーリー練習でバタフライの形を矯正するためにひたすらローショットを打っている最中に、いきなりトップコーナーにシュートをブチ込んで「下ばっかり意識してるからだろ!」と得意げに怒鳴るのは、指導ですらありません。
教える側が教わる側よりも知識があったり観察力があるのは当たり前なので、試合や練習を観て「あれもこれも違う!まだまだ足りない!」と思うのは当然ですが、いろいろ言いたいところを我慢して、今までの指導計画と流れに沿った部分だけを的確に指摘する以外に、段階的に上達させていく方法はありません。
一貫性、、、非常に重要です。
最後に一貫性のある練習計画の例として、私が最近やってみたシールディング(パックプロテクションをしながら滑る)を使いスロットに向かってドライブするドリルを掲載しておきます。
(1)から(4)の順に進化していきます。
(1)ではまず、シールディングの基本だけを教えます。パックプロテクションをして、クロスオーバーを使わないで両足を氷に付けたままスクーティング(スカリング)でサークルを周りネットに向かいます。コーチは内側から軽くプレッシャーをかけます。この段階でプレーヤーからパックを奪ってしまう意味はありません。
(2)ではコーチが途中でプレッシャーを強めたところでターンして反転し、ボトムサークルからドライブしてネットに向かいます。
(3)と(4)では2人で競争してパイロンを回り、コーチからのパスを貰いドライブします。(1)と(2)で学んだスキルを生かせるバトルドリルになります。
一つの練習で、この4つを20分くらいかけて教えれば、次からは(3)と(4)を形を変えつつ繰り返して練習に取り入れることが出来ます。当然の事ながら、どんなに素晴らしい得点をしたとしても、シールディングの技術が使えていたかどうかを基準にそのプレーを評価すべきです。
それでは。
2012年12月03日
Sports Events サマーホッケースクール in ベロウン(チェコ)
チェコのホッケーキャンプSports Eventsとの提携第二弾、個人、チームで参加(企画も)できるホッケーキャンプです!
<Sports Events サマーホッケースクール in ベロウン(チェコ)>
2013年
1月3-9日
6月22-29日
6月29-7月6日
7月14-21日
7月21-26日
*ゲストコーチ:トマス・プレカネツ(NHLモントリオール・カナディアンズ)
・15周年を迎えるこのキャンプは、一般ユース(子供)の参加者と、ゴーリー、成人(アマチュア)、女性のグループに分かれて行われます。各練習ではシュート、パックハンドリング、フェイント、パス、1対1のドリル、そしてゲームの基本的な戦術を学びます。
・正しいテクニックを習得することに重点を置き、間違ったテクニックをしっかりと修正します。
・ヘッドコーチ陣は全員チェコのA級コーチライセンス保持者です。
・各スクールには以下2種類のコースが用意されています。
(1) NHL選手1週間体験コース: 基本参加費: 350ユーロ(宿泊費込み)
・氷上練習1日2回、陸上トレーニング1日2回
・このコースでは通常のスキルコースに加え、NHLのシーズン同様に参加者をドラフトしてレギュラーシーズン、プレーオフを戦う形式でスクリメイジを行います。さらにスキルコンペティション、チームと個人へのトロフィー授与式などの楽しいイベントも用意されています。
(2) シーズン準備コース: 基本参加費: 430ユーロ(宿泊費込み)
・これは通常のホッケースクールとは異なり、プレーヤーが各クラブチームのプレシーズンキャンプに備えるための、より専門的なキャンプです。
<SE チーム合宿>
・ホッケー大国チェコでのSEチーム合宿、試合、トーナメント参加
・SEはチェコ国内におけるアダルト、ユース、プロチームの合宿、練習、試合、トーナメント参加をアレンジいたします。ロケーション、宿泊、期間、参加人数、氷上、陸上トレーニングなど、すべてをチームからのリクエストに応じて組み立てます。
・チェコのゲストコーチによるトレーニングを行うことも出来ます。
・練習試合やトーナメントへの参加、プロホッケー観戦、さらにホッケー以外の様々なイベント、観光のアレンジも承ります。
日本から北米でのキャンプに参加された方はすでに大勢いると思いますが、趣向を変えてヨーロッパのホッケー大国でのトレーニングはいかがでしょうか?
志ある若者、大人の方も、是非チャレンジしてみてください。詳細は
hiroki@hockeylabjapan.com
までお問い合わせください!
最後にいただいたコメントへの返信です。
escrimeさん>
その通り、スポーツは世界に開かれた扉ですから、競技団体だけでなく競技者も恐れず世界に出て行く意識を持って欲しいと思います。オリンピックや世界大会の本番だけで世界に挑もうとしても限界がありますので、、、
それでは。
<Sports Events サマーホッケースクール in ベロウン(チェコ)>
2013年
1月3-9日
6月22-29日
6月29-7月6日
7月14-21日
7月21-26日
*ゲストコーチ:トマス・プレカネツ(NHLモントリオール・カナディアンズ)
・15周年を迎えるこのキャンプは、一般ユース(子供)の参加者と、ゴーリー、成人(アマチュア)、女性のグループに分かれて行われます。各練習ではシュート、パックハンドリング、フェイント、パス、1対1のドリル、そしてゲームの基本的な戦術を学びます。
・正しいテクニックを習得することに重点を置き、間違ったテクニックをしっかりと修正します。
・ヘッドコーチ陣は全員チェコのA級コーチライセンス保持者です。
・各スクールには以下2種類のコースが用意されています。
(1) NHL選手1週間体験コース: 基本参加費: 350ユーロ(宿泊費込み)
・氷上練習1日2回、陸上トレーニング1日2回
・このコースでは通常のスキルコースに加え、NHLのシーズン同様に参加者をドラフトしてレギュラーシーズン、プレーオフを戦う形式でスクリメイジを行います。さらにスキルコンペティション、チームと個人へのトロフィー授与式などの楽しいイベントも用意されています。
(2) シーズン準備コース: 基本参加費: 430ユーロ(宿泊費込み)
・これは通常のホッケースクールとは異なり、プレーヤーが各クラブチームのプレシーズンキャンプに備えるための、より専門的なキャンプです。
<SE チーム合宿>
・ホッケー大国チェコでのSEチーム合宿、試合、トーナメント参加
・SEはチェコ国内におけるアダルト、ユース、プロチームの合宿、練習、試合、トーナメント参加をアレンジいたします。ロケーション、宿泊、期間、参加人数、氷上、陸上トレーニングなど、すべてをチームからのリクエストに応じて組み立てます。
・チェコのゲストコーチによるトレーニングを行うことも出来ます。
・練習試合やトーナメントへの参加、プロホッケー観戦、さらにホッケー以外の様々なイベント、観光のアレンジも承ります。
日本から北米でのキャンプに参加された方はすでに大勢いると思いますが、趣向を変えてヨーロッパのホッケー大国でのトレーニングはいかがでしょうか?
志ある若者、大人の方も、是非チャレンジしてみてください。詳細は
hiroki@hockeylabjapan.com
までお問い合わせください!
最後にいただいたコメントへの返信です。
escrimeさん>
その通り、スポーツは世界に開かれた扉ですから、競技団体だけでなく競技者も恐れず世界に出て行く意識を持って欲しいと思います。オリンピックや世界大会の本番だけで世界に挑もうとしても限界がありますので、、、
それでは。
2012年11月27日
It is yesterday!
春に行われているSmile&Dreamのミネソタキャンプで、ミネソタの環境に魅了された参加者の子供達から質問がありました。
「将来的にミネソタに来てホッケーをしてみたいんですけど、いつからが良いと思いますか?」
ショーン・ポディーンは、わざと文法を崩してこう答えました。
"It is yesterday!(それは、昨日だ)"
自分が来たいと思い、精神的に準備が出来たときには来ているべきだ、、、ということです。ホッケーの本場、カナダやアメリカに生まれていたとしても、大学やプロを目指す子供達の多くは、ジュニアホッケー(16-21歳)の段階でより良い競技環境を求め、親元を離れて厳しい環境の中でプレーします。居心地の良い環境を自らの意志で離れることは、高みを目指すためには必須なのです。
来年5月チェコで開催されるプロトライアウト、日本人ホッケー選手から問い合わせ多数いただいています。
残念ながら日本の高校、大学リーグは世界の競技ホッケーのスカウト対象ではありません。ですから、たとえどんなに素晴らしい可能性がある選手であったとしても、世界のプロチームは日本までホッケーを見に来てはくれません。
「いつかは世界にチャレンジ」と思うなら、今がその時です。
トライアウトに来たからといって、その先の保証があるわけではありませんが、参加しないで日本でプレーを続けるだけであれば、誰にも見られないで競技を終えることはほぼ間違いありません。
腕と度胸に自信のある方はご連絡ください。
それでは。
<SE/ELGRAFF 国際トライアウト in ニンブルク(チェコ)>
2013年 5/21-26
基本参加費:400ユーロ(宿泊費込み)
対象: 1993-97年生まれのプロを目指すホッケー選手
氷上練習1日2回、陸上トレーニング1日2回の本格的トレーニングキャンプの後、チェコ、ロシア、カナダのプロチーム、ジュニアチームのスカウトを招いてトライアウトゲームを2試合行います。
「将来的にミネソタに来てホッケーをしてみたいんですけど、いつからが良いと思いますか?」
ショーン・ポディーンは、わざと文法を崩してこう答えました。
"It is yesterday!(それは、昨日だ)"
自分が来たいと思い、精神的に準備が出来たときには来ているべきだ、、、ということです。ホッケーの本場、カナダやアメリカに生まれていたとしても、大学やプロを目指す子供達の多くは、ジュニアホッケー(16-21歳)の段階でより良い競技環境を求め、親元を離れて厳しい環境の中でプレーします。居心地の良い環境を自らの意志で離れることは、高みを目指すためには必須なのです。
来年5月チェコで開催されるプロトライアウト、日本人ホッケー選手から問い合わせ多数いただいています。
残念ながら日本の高校、大学リーグは世界の競技ホッケーのスカウト対象ではありません。ですから、たとえどんなに素晴らしい可能性がある選手であったとしても、世界のプロチームは日本までホッケーを見に来てはくれません。
「いつかは世界にチャレンジ」と思うなら、今がその時です。
トライアウトに来たからといって、その先の保証があるわけではありませんが、参加しないで日本でプレーを続けるだけであれば、誰にも見られないで競技を終えることはほぼ間違いありません。
腕と度胸に自信のある方はご連絡ください。
それでは。
<SE/ELGRAFF 国際トライアウト in ニンブルク(チェコ)>
2013年 5/21-26
基本参加費:400ユーロ(宿泊費込み)
対象: 1993-97年生まれのプロを目指すホッケー選手
氷上練習1日2回、陸上トレーニング1日2回の本格的トレーニングキャンプの後、チェコ、ロシア、カナダのプロチーム、ジュニアチームのスカウトを招いてトライアウトゲームを2試合行います。
2012年11月16日
SE/ELGRAFF 国際トライアウト in ニンブルク(チェコ)
チェコのホッケーキャンプSports Eventsとの提携第一弾、来年5月チェコで開催されるプロトライアウト、参加者募集してます。腕と度胸に自信のある方はご連絡ください。
<SE/ELGRAFF 国際トライアウト in ニンブルク(チェコ)>
2013年 5/21-26
基本参加費:400ユーロ(宿泊費込み)
対象: 1993-97年生まれのプロを目指すホッケー選手
氷上練習1日2回、陸上トレーニング1日2回の本格的トレーニングキャンプの後、チェコ、ロシア、カナダのプロチーム、ジュニアチームのスカウトを招いてトライアウトゲームを2試合行います。
時期的に日本からの参加は簡単ではないかもしれませんが、海外、特にヨーロッパのリーグはシーズンの始動が速いため、才能を発掘するためのトライアウトショーケースも早めの実施となります。志ある若者は、是非チャレンジしてみてください。詳細は
hiroki@hockeylabjapan.com
までお問い合わせください!
最後にいただいたコメントへの返信です。
icemanさん>
返信遅くなり申し訳ありません。
日本の女子ホッケーの環境は世界的にもっとも恵まれた部類だと思いますよ。それがランキングにもある程度反映されていると思います。男子同様に欠けているのは、世界に出ていく意志だと思います。男子よりはるかに世界に近いのですから、一流の国々のリーグで中心選手になれる才能がたくさんいると思います。事実、オリンピック出場を争う国々からは、アメリカ大学ホッケーやスイスのセミプロリーグにプレーヤーどんどん出て行っているようですよ。
そんな意志のある選手を応援するためのスポンサリング、たしかに必要ですね、、、一企業から一人か二人に100万円ずつでも支援していただければ全然違うんですけどね、、、マスコミへの露出などで企業へのメリットがあるような構造作りが必要ですが、、、
K's granpaさん>
ポカポカ地球家族、懐かしいですね。お孫さんは「グッと地球便」に出演されたんですか?
スポーツ君さん>
日本でも少しずつ文武両道が始まっているのかもしれませんね。まぁでも最終的には単なる学歴だけではなく、スポーツの他にどんな事業や活動が出来ているかということですね。ホッケー選手兼ミュージシャンでもプロレスラー兼料理研究家でも良いわけですし。一筋の美学に陥らないで、人間的な幅を重視する教育が必要ですね。
それでは。
<SE/ELGRAFF 国際トライアウト in ニンブルク(チェコ)>
2013年 5/21-26
基本参加費:400ユーロ(宿泊費込み)
対象: 1993-97年生まれのプロを目指すホッケー選手
氷上練習1日2回、陸上トレーニング1日2回の本格的トレーニングキャンプの後、チェコ、ロシア、カナダのプロチーム、ジュニアチームのスカウトを招いてトライアウトゲームを2試合行います。
時期的に日本からの参加は簡単ではないかもしれませんが、海外、特にヨーロッパのリーグはシーズンの始動が速いため、才能を発掘するためのトライアウトショーケースも早めの実施となります。志ある若者は、是非チャレンジしてみてください。詳細は
hiroki@hockeylabjapan.com
までお問い合わせください!
最後にいただいたコメントへの返信です。
icemanさん>
返信遅くなり申し訳ありません。
日本の女子ホッケーの環境は世界的にもっとも恵まれた部類だと思いますよ。それがランキングにもある程度反映されていると思います。男子同様に欠けているのは、世界に出ていく意志だと思います。男子よりはるかに世界に近いのですから、一流の国々のリーグで中心選手になれる才能がたくさんいると思います。事実、オリンピック出場を争う国々からは、アメリカ大学ホッケーやスイスのセミプロリーグにプレーヤーどんどん出て行っているようですよ。
そんな意志のある選手を応援するためのスポンサリング、たしかに必要ですね、、、一企業から一人か二人に100万円ずつでも支援していただければ全然違うんですけどね、、、マスコミへの露出などで企業へのメリットがあるような構造作りが必要ですが、、、
K's granpaさん>
ポカポカ地球家族、懐かしいですね。お孫さんは「グッと地球便」に出演されたんですか?
スポーツ君さん>
日本でも少しずつ文武両道が始まっているのかもしれませんね。まぁでも最終的には単なる学歴だけではなく、スポーツの他にどんな事業や活動が出来ているかということですね。ホッケー選手兼ミュージシャンでもプロレスラー兼料理研究家でも良いわけですし。一筋の美学に陥らないで、人間的な幅を重視する教育が必要ですね。
それでは。
2012年11月01日
そうだ、チェコ行こう!
久々のチェコ旅行ですので、手みやげ無しというわけにはいきません。
Hockey Lab Japanは、プラハを中心としてホッケーキャンプやトーナメントを行っているSports Eventsと提携を開始しました。(トルコを含む)アジア諸国からヨーロッパ屈指のホッケー大国チェコで、国際トーナメント、チーム合宿、個人でのキャンプ参加などを希望される方はお問い合わせください。子供達だけでなく、プロ契約を目指すプレーヤーのためのフリーエージェントキャンプ、さらにレクリエーションレベルのアダルトホッケーのトーナメントもあります。詳細は追って発表しますね。
私、若林弘紀も来年夏にチェコで行われるキャンプにゴーリーコーチとして参加予定ですので、アジアからの参加者の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
お問い合わせはこちらまで。
hiroki@hockeylabjapan.com
それでは。
Hockey Lab Japanは、プラハを中心としてホッケーキャンプやトーナメントを行っているSports Eventsと提携を開始しました。(トルコを含む)アジア諸国からヨーロッパ屈指のホッケー大国チェコで、国際トーナメント、チーム合宿、個人でのキャンプ参加などを希望される方はお問い合わせください。子供達だけでなく、プロ契約を目指すプレーヤーのためのフリーエージェントキャンプ、さらにレクリエーションレベルのアダルトホッケーのトーナメントもあります。詳細は追って発表しますね。
私、若林弘紀も来年夏にチェコで行われるキャンプにゴーリーコーチとして参加予定ですので、アジアからの参加者の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
お問い合わせはこちらまで。
hiroki@hockeylabjapan.com
それでは。
魅惑のヨーロピアンホッケー
お久しぶりです。
イスタンブルにも冬の気配が訪れている今日この頃、、、先週は犠牲祭というイスラムの休日があり、ホッケーも少し休みになるということで、8年ぶりにチェコのプラハに行ってきました。8年前の日記でも紹介した通り、チェコといえばヨーロッパ屈指のホッケー大国で、ロシアよりもはるかに古いホッケーの歴史を誇り、その育成モデルやコーチング技術は現代に至るまで多くの国々で活用されています。ちなみに日本のホッケーの歴史もロシアよりはるかに古いんですけどね。
そんなチェコで10年以上前から活躍している桐渕一家との再会も果たしました。桐渕兄妹はチェコの厳しい環境に揉まれながらたくましく成長し、お兄さんはチェコでプロになり、妹二人はカナダの大学とチェコ国内でそれぞれ活躍しています。ホッケーに限らず「ちょっと海外に武者修行。メンタルがタフになって帰って来ました♪」という人達は多くいますが、10年以上本場で戦い続けている選手はごくわずかです。これからも頑張ってくださいなんて気易いことは言うことは出来ません。むしろ彼らのがんばりは私にとっても非常に刺激になります。
チェコに来たからには当然極上のチェコビール!だけではなく、ホッケーを観に行かねば、ということで、ロシア国外に拡大したKHLとチェコの最高峰、エクストラリーグを観戦しました。今年はNHLのロックアウトの影響で、ヨーロッパのリーグに里帰りしてプレーするNHL選手が多数いるため、ヨーロッパ各国のリーグは空前の大盛況です。KHLのCSKAモスクワ対LEVプラハ戦では、ダツーク対チャラの対決が観られましたし(結果、ダツークの圧勝!)、クラドノではオーナーであるヤーガー自らが、パワープレー2分間出っぱなしでやりたい放題にプレーする姿も観られました(笑)
NHLが世界最高峰のリーグであることは疑う余地のない事実ですが、ヨーロッパのホッケーにも独特の洗練された魅力があり、なめらかな個人技とチームワークにはNHLと少し違った見応えがあります。特にニュートラルゾーンではダンプイン(敵陣に放り込むこと)を極力避けてリグループを繰り返し、隙を見て中央への縦パスから局面を打開しようとするプレーは特徴的です。また、オリンピックサイズのリンクで幅が広くスペースが多いため激しいフォアチェックなどの肉弾戦は少なく、身体が小さくてもスキルがある選手が大いに活躍する余地があります。ですからダツークなんかは手が付けられないくらい暴れまくっていました(笑)逆にチャラは攻撃面以外ではNHLで観るほど強烈なインパクトはありませんでした。チェコの若手選手は、以前に比べて谷間の世代と言われているようですが、若干17歳にしてHC VitkoviceのDFでパワープレーにも登場するJan Stencelなど、底知れぬ才能は存在します。ゴーリーについては、、、未だにNHLとの差が一番顕著に見られるところで、残念ながらチェコ国内からNHLで即通用するようなレベルのゴーリーは見られませんでした。
チェコは長年自国のホッケーを大事にして発展してきたので、ロシアやスウェーデン、フィンランドなどに比べて、NHLにタレントが大量流出というわけではなく、国内リーグに留まるトップレベルの選手も多かったようです。また、難解言語の一つであるチェコ語の障壁もあり、ホッケーキャンプやホッケー留学で海外からチェコにホッケーをしにくるプレーヤーは、北米にくらべて極めて少数でした。しかし近年ではオーストラリアからチェコに渡り、こちらも17歳にしてエクストラリーグのレギュラーを勝ち取ってNHLドラフト候補に名前が挙がったNathan Walkerなどが活躍するようになっています。
そんなチェコホッケー界で、珍しく英語にも対応した国際的ホッケーキャンプがあり、アジアからの参加者も絶賛募集中ということで、Hockey Lab Japanとの提携が実現しました!長くなってきましたので詳しくは次回に書きますね。
それでは。
イスタンブルにも冬の気配が訪れている今日この頃、、、先週は犠牲祭というイスラムの休日があり、ホッケーも少し休みになるということで、8年ぶりにチェコのプラハに行ってきました。8年前の日記でも紹介した通り、チェコといえばヨーロッパ屈指のホッケー大国で、ロシアよりもはるかに古いホッケーの歴史を誇り、その育成モデルやコーチング技術は現代に至るまで多くの国々で活用されています。ちなみに日本のホッケーの歴史もロシアよりはるかに古いんですけどね。
そんなチェコで10年以上前から活躍している桐渕一家との再会も果たしました。桐渕兄妹はチェコの厳しい環境に揉まれながらたくましく成長し、お兄さんはチェコでプロになり、妹二人はカナダの大学とチェコ国内でそれぞれ活躍しています。ホッケーに限らず「ちょっと海外に武者修行。メンタルがタフになって帰って来ました♪」という人達は多くいますが、10年以上本場で戦い続けている選手はごくわずかです。これからも頑張ってくださいなんて気易いことは言うことは出来ません。むしろ彼らのがんばりは私にとっても非常に刺激になります。
チェコに来たからには当然極上のチェコビール!だけではなく、ホッケーを観に行かねば、ということで、ロシア国外に拡大したKHLとチェコの最高峰、エクストラリーグを観戦しました。今年はNHLのロックアウトの影響で、ヨーロッパのリーグに里帰りしてプレーするNHL選手が多数いるため、ヨーロッパ各国のリーグは空前の大盛況です。KHLのCSKAモスクワ対LEVプラハ戦では、ダツーク対チャラの対決が観られましたし(結果、ダツークの圧勝!)、クラドノではオーナーであるヤーガー自らが、パワープレー2分間出っぱなしでやりたい放題にプレーする姿も観られました(笑)
NHLが世界最高峰のリーグであることは疑う余地のない事実ですが、ヨーロッパのホッケーにも独特の洗練された魅力があり、なめらかな個人技とチームワークにはNHLと少し違った見応えがあります。特にニュートラルゾーンではダンプイン(敵陣に放り込むこと)を極力避けてリグループを繰り返し、隙を見て中央への縦パスから局面を打開しようとするプレーは特徴的です。また、オリンピックサイズのリンクで幅が広くスペースが多いため激しいフォアチェックなどの肉弾戦は少なく、身体が小さくてもスキルがある選手が大いに活躍する余地があります。ですからダツークなんかは手が付けられないくらい暴れまくっていました(笑)逆にチャラは攻撃面以外ではNHLで観るほど強烈なインパクトはありませんでした。チェコの若手選手は、以前に比べて谷間の世代と言われているようですが、若干17歳にしてHC VitkoviceのDFでパワープレーにも登場するJan Stencelなど、底知れぬ才能は存在します。ゴーリーについては、、、未だにNHLとの差が一番顕著に見られるところで、残念ながらチェコ国内からNHLで即通用するようなレベルのゴーリーは見られませんでした。
チェコは長年自国のホッケーを大事にして発展してきたので、ロシアやスウェーデン、フィンランドなどに比べて、NHLにタレントが大量流出というわけではなく、国内リーグに留まるトップレベルの選手も多かったようです。また、難解言語の一つであるチェコ語の障壁もあり、ホッケーキャンプやホッケー留学で海外からチェコにホッケーをしにくるプレーヤーは、北米にくらべて極めて少数でした。しかし近年ではオーストラリアからチェコに渡り、こちらも17歳にしてエクストラリーグのレギュラーを勝ち取ってNHLドラフト候補に名前が挙がったNathan Walkerなどが活躍するようになっています。
そんなチェコホッケー界で、珍しく英語にも対応した国際的ホッケーキャンプがあり、アジアからの参加者も絶賛募集中ということで、Hockey Lab Japanとの提携が実現しました!長くなってきましたので詳しくは次回に書きますね。
それでは。
2012年10月08日
イマジン:女子編
お久しぶりですので、まずはコメントへの返信から、、、
aua_momさん>
もちろん工夫されているコーチの方々が居るのは承知しています。しかし、理想的には、、、というか、現実問題としてきちんとレベル分けした運営が求められると思います。それができないのは日本の競技人数とリンクが足りないから、、、なんてことはないと確信しています。
K's granpaさん>
いや、、、残念ながら私はNHLのロックアウトが関係するほど偉い立場にいません(涙)ので、トルコ行きは全然違う理由です。
NHLの選手のプレーする場がなければ、NHLでプレーするはずだった若手はその下のマイナーリーグでプレーすることになり、マイナーリーグでプレーするはずだったジュニア選手がジュニアリーグに戻ることになり、、、と影響はあるかもしれませんね。
さて、トルコに来ていながら北米の話をしますが、北米ではユースホッケー(8-18歳)と大学、プロホッケーの間を埋め、本格的な競技ホッケーへのつなぎとなる「ジュニアホッケー(16-21歳)」というカテゴリーが、カナダに始まり、アメリカ全土にまで幅広いレベルで普及しています。
ユースホッケーでは、ホッケー選手の育成を通じて社会性や人間性を養うことに主眼を置きますが、ジュニアホッケーは、大学、プロにスカウトされ、より高いレベルの競技ホッケーを追求することが第一の存在意義です。
ですからジュニアホッケーの競技スケジュールと生活は、基本的にプロや大学の予行演習になるようにデザインされており、選手たちは、親元を離れてホームステイしながら、毎日のトレーニングに加えて、バス移動の厳しい遠征を含む50-70試合をこなし、ホッケー中心の生活を送ることになります。
早くから大学にスカウトされ、高校卒業後すぐに大学でプレーできる選手は非常に少数です。ですから大学/プロを目指すホッケー選手たちは、高校、短大で勉強したり、アルバイトをしながらジュニアホッケーで数年プレーしてスカウトされるのを待ちます。最近は大学側も18歳の高卒新人よりも、ジュニアホッケーを経験し、心身共に成長した20歳以上の新入生を求める傾向にあるようです。
近年、北米の女子大学ホッケープログラムが盛んになり、女子ホッケーにもジュニアホッケーリーグが増えつつあります。日本の女子ホッケーは男子よりもずっと世界に近い位置にいるので、世界大会ではアメリカの強豪大学やプレップスクールから常にスカウトされていますし、実際知り合いのコーチから何人か身分照会を頼まれたりしたこともあります。残念ながらアメリカの強豪大学からホッケーの実力は認められても、語学の問題などもあって、日本からアメリカの大学へ進む道筋はできていません。
アメリカNCAA D1は、カナダ、フィンランド、スウェーデンなどの女子ホッケー強豪国を始め、最近日本のライバルとなったチェコやスロバキア、ドイツなどの代表クラスの選手がプレーしており、まさに女子ホッケー界のオールスターに近いレベルです。「国際舞台で勝つ」ことを目標にするのであれば、一番手っ取り早い方法は、(サッカーでは常識ですが)世界レベルのリーグで活躍できる選手を増やすことです。日本の女子はすでに先方から「来て欲しい」と、問い合わせが来るレベルなのですから、道筋さえ作れば代表選手の半分くらいが、国際経験を最初から備えた「海外組」になるはずです。
語学や環境面の問題でいきなり飛び込むのが無理であれば、まずはこの女子ジュニアリーグで大学への準備をしながら、厳しいながら日本より数段本格的な環境でプレーすれば良いでしょう。勝手な妄想ですが、毎年U18チームを丸ごとジュニアリーグに放り込めば、3年後には10人以上がNCAA D1かD3でプレーできるようになるのではないでしょうか?それが代表強化につながることは、すでに他の国々で実証されています。男子のようなプロリーグがない女子ホッケーですから、競技生活後のキャリアも気になるところですが、アメリカの一流大学を卒業することは人生においても大きなアドバンテージになります。
もちろんそれで競技力が急激に上がってオリンピックに出場・活躍して美少女選手がマスコミに取り上げられて、スポンサーが付いたりしてプチブームが起こったとしても、それを支える国内の競技構造が必要なことは変わりませんが、、、ちなみにヨーロッパでは国際的な女子リーグも普通に行われていますので、「代表の試合で初めて世界を経験した」なんて選手はほとんどいないはずです。
久しぶりに妄想してみました。
それでは。
aua_momさん>
もちろん工夫されているコーチの方々が居るのは承知しています。しかし、理想的には、、、というか、現実問題としてきちんとレベル分けした運営が求められると思います。それができないのは日本の競技人数とリンクが足りないから、、、なんてことはないと確信しています。
K's granpaさん>
いや、、、残念ながら私はNHLのロックアウトが関係するほど偉い立場にいません(涙)ので、トルコ行きは全然違う理由です。
NHLの選手のプレーする場がなければ、NHLでプレーするはずだった若手はその下のマイナーリーグでプレーすることになり、マイナーリーグでプレーするはずだったジュニア選手がジュニアリーグに戻ることになり、、、と影響はあるかもしれませんね。
さて、トルコに来ていながら北米の話をしますが、北米ではユースホッケー(8-18歳)と大学、プロホッケーの間を埋め、本格的な競技ホッケーへのつなぎとなる「ジュニアホッケー(16-21歳)」というカテゴリーが、カナダに始まり、アメリカ全土にまで幅広いレベルで普及しています。
ユースホッケーでは、ホッケー選手の育成を通じて社会性や人間性を養うことに主眼を置きますが、ジュニアホッケーは、大学、プロにスカウトされ、より高いレベルの競技ホッケーを追求することが第一の存在意義です。
ですからジュニアホッケーの競技スケジュールと生活は、基本的にプロや大学の予行演習になるようにデザインされており、選手たちは、親元を離れてホームステイしながら、毎日のトレーニングに加えて、バス移動の厳しい遠征を含む50-70試合をこなし、ホッケー中心の生活を送ることになります。
早くから大学にスカウトされ、高校卒業後すぐに大学でプレーできる選手は非常に少数です。ですから大学/プロを目指すホッケー選手たちは、高校、短大で勉強したり、アルバイトをしながらジュニアホッケーで数年プレーしてスカウトされるのを待ちます。最近は大学側も18歳の高卒新人よりも、ジュニアホッケーを経験し、心身共に成長した20歳以上の新入生を求める傾向にあるようです。
近年、北米の女子大学ホッケープログラムが盛んになり、女子ホッケーにもジュニアホッケーリーグが増えつつあります。日本の女子ホッケーは男子よりもずっと世界に近い位置にいるので、世界大会ではアメリカの強豪大学やプレップスクールから常にスカウトされていますし、実際知り合いのコーチから何人か身分照会を頼まれたりしたこともあります。残念ながらアメリカの強豪大学からホッケーの実力は認められても、語学の問題などもあって、日本からアメリカの大学へ進む道筋はできていません。
アメリカNCAA D1は、カナダ、フィンランド、スウェーデンなどの女子ホッケー強豪国を始め、最近日本のライバルとなったチェコやスロバキア、ドイツなどの代表クラスの選手がプレーしており、まさに女子ホッケー界のオールスターに近いレベルです。「国際舞台で勝つ」ことを目標にするのであれば、一番手っ取り早い方法は、(サッカーでは常識ですが)世界レベルのリーグで活躍できる選手を増やすことです。日本の女子はすでに先方から「来て欲しい」と、問い合わせが来るレベルなのですから、道筋さえ作れば代表選手の半分くらいが、国際経験を最初から備えた「海外組」になるはずです。
語学や環境面の問題でいきなり飛び込むのが無理であれば、まずはこの女子ジュニアリーグで大学への準備をしながら、厳しいながら日本より数段本格的な環境でプレーすれば良いでしょう。勝手な妄想ですが、毎年U18チームを丸ごとジュニアリーグに放り込めば、3年後には10人以上がNCAA D1かD3でプレーできるようになるのではないでしょうか?それが代表強化につながることは、すでに他の国々で実証されています。男子のようなプロリーグがない女子ホッケーですから、競技生活後のキャリアも気になるところですが、アメリカの一流大学を卒業することは人生においても大きなアドバンテージになります。
もちろんそれで競技力が急激に上がってオリンピックに出場・活躍して美少女選手がマスコミに取り上げられて、スポンサーが付いたりしてプチブームが起こったとしても、それを支える国内の競技構造が必要なことは変わりませんが、、、ちなみにヨーロッパでは国際的な女子リーグも普通に行われていますので、「代表の試合で初めて世界を経験した」なんて選手はほとんどいないはずです。
久しぶりに妄想してみました。
それでは。
2012年09月21日
コメントありがとうございます。
いただいたコメントに返信します。
まず、遅れましたが、
K's Granpaさん>
ありがとうございます。新たな地を楽しみながらコーチングに精進したいと思います。
34917さん>
小中学生の全国大会どころか、インターハイや高校選抜からしてレベル分けされてない一発勝負トーナメントなのに、学生、社会人になった瞬間にレベル分けされたリーグ戦が全国で行われるっていう構造が一番問題ですね。10点差で一回戦で負け「強豪に胸を借りた、、、苦節10年、、、まだまだ及ばない、、、来年こそは」みたいな甲子園的発想を辞めないと、ホッケーに限らず日本のスポーツは進歩しません。
大差を付けて勝つことに意義を見いだすようなモラルの欠如した指導者には何を言っても無駄なので諦めるしかないのですが、そもそも大差を付けて勝てばいいような試合しか提供されていないことが問題なのです。毎試合競り合うしかないような試合の仕組みが提供されていれば、能力とモラルが欠如した指導者たちも徐々に淘汰されていくでしょう。
そもそも競技レベルの違う相手に対して「それでも最後まで手を抜かないことが礼儀」とか「勝ち目のない相手に大敗していても最後まで諦めずにプレーする」とかいう日本的な美徳は、歪みまくった競技構造の副産物でしかありません。「一年間球拾いしかできないけれど頑張る」も然り、、、要するに、それが美徳でない限りやっていられないだけです。
ちなみに「ブルーライナー」は英語的にはブルーラインからのシュートみたいな意味になりますね。NZに浮いてロングパスを待つプレーヤーは「チェリーピッカー(美味しいところ取りの奴)」もしくは「フローター(浮きまくりの奴)」と呼ばれます。
aua_momさん>
その通りです。個人的には入れ替え戦ありの構造はあまり好きではないのですが、日本ではその方が受け入れられやすいかも知れませんね。
日本くらいの競技人口があるならば、U18、U16、U14、U12、女子の各AAAチームを関東以北中心に8-10チーム作って(もちろん毎年トライアウトで編成します)、できれば韓国にも入ってもらってアジアリーグのユース版を作り、AAAチームに入れなかった選手からなる既存の高校、中学、小学校チームはAAの地域リーグとして再編、初心者は基本的に市か県リーグを争う感じにすれば良いかなと妄想します。
結局、意味のある試合を戦おうとするならば、選手やコーチの取り組みにも増して、レベルを合わせた健全な競い合いを生み出すリーグの構築が必要だという結論になります。
もちろん日本や、その他のホッケー発展途上国に今ある構造でそれを望むのは不可能ですから、各チームは工夫して、なるべく意味のある試合を組めるように努力すべきだし、また、できるだけ子供たちが成長できるようなマネージメントをして欲しいものです。
「何点差が付いたら3セット目を出せるから、1-2セット目は頑張れ」
みたいなコーチの指示も過去によく聞きましたが、最初から3セット目もチョコチョコ出しつつ1点差で勝つことを目指せないのでしょうか?もしくは、練習試合とかなら、相手チームと話してホイッスルで交代のルールにして3-4セット同士を当てることはできないのでしょうか?
日本ほどのリンクと競技人口があれば(世界9位です!)工夫次第でどうにでもなることはたくさんあります。できるだけ意味のある試合が数多く行われるように、指導者は知恵を絞らなければなりませんね。
それでは。
まず、遅れましたが、
K's Granpaさん>
ありがとうございます。新たな地を楽しみながらコーチングに精進したいと思います。
34917さん>
小中学生の全国大会どころか、インターハイや高校選抜からしてレベル分けされてない一発勝負トーナメントなのに、学生、社会人になった瞬間にレベル分けされたリーグ戦が全国で行われるっていう構造が一番問題ですね。10点差で一回戦で負け「強豪に胸を借りた、、、苦節10年、、、まだまだ及ばない、、、来年こそは」みたいな甲子園的発想を辞めないと、ホッケーに限らず日本のスポーツは進歩しません。
大差を付けて勝つことに意義を見いだすようなモラルの欠如した指導者には何を言っても無駄なので諦めるしかないのですが、そもそも大差を付けて勝てばいいような試合しか提供されていないことが問題なのです。毎試合競り合うしかないような試合の仕組みが提供されていれば、能力とモラルが欠如した指導者たちも徐々に淘汰されていくでしょう。
そもそも競技レベルの違う相手に対して「それでも最後まで手を抜かないことが礼儀」とか「勝ち目のない相手に大敗していても最後まで諦めずにプレーする」とかいう日本的な美徳は、歪みまくった競技構造の副産物でしかありません。「一年間球拾いしかできないけれど頑張る」も然り、、、要するに、それが美徳でない限りやっていられないだけです。
ちなみに「ブルーライナー」は英語的にはブルーラインからのシュートみたいな意味になりますね。NZに浮いてロングパスを待つプレーヤーは「チェリーピッカー(美味しいところ取りの奴)」もしくは「フローター(浮きまくりの奴)」と呼ばれます。
aua_momさん>
その通りです。個人的には入れ替え戦ありの構造はあまり好きではないのですが、日本ではその方が受け入れられやすいかも知れませんね。
日本くらいの競技人口があるならば、U18、U16、U14、U12、女子の各AAAチームを関東以北中心に8-10チーム作って(もちろん毎年トライアウトで編成します)、できれば韓国にも入ってもらってアジアリーグのユース版を作り、AAAチームに入れなかった選手からなる既存の高校、中学、小学校チームはAAの地域リーグとして再編、初心者は基本的に市か県リーグを争う感じにすれば良いかなと妄想します。
結局、意味のある試合を戦おうとするならば、選手やコーチの取り組みにも増して、レベルを合わせた健全な競い合いを生み出すリーグの構築が必要だという結論になります。
もちろん日本や、その他のホッケー発展途上国に今ある構造でそれを望むのは不可能ですから、各チームは工夫して、なるべく意味のある試合を組めるように努力すべきだし、また、できるだけ子供たちが成長できるようなマネージメントをして欲しいものです。
「何点差が付いたら3セット目を出せるから、1-2セット目は頑張れ」
みたいなコーチの指示も過去によく聞きましたが、最初から3セット目もチョコチョコ出しつつ1点差で勝つことを目指せないのでしょうか?もしくは、練習試合とかなら、相手チームと話してホイッスルで交代のルールにして3-4セット同士を当てることはできないのでしょうか?
日本ほどのリンクと競技人口があれば(世界9位です!)工夫次第でどうにでもなることはたくさんあります。できるだけ意味のある試合が数多く行われるように、指導者は知恵を絞らなければなりませんね。
それでは。
2012年09月18日
実のある試合とは?
お久しぶりです。
イスタンブルより初めてのブログです。
イスタンブルは非常に美しい町で、トルコ料理も世界三大料理に違わぬクオリティです。
ホッケーはまだ本格的に始まっていないのですが、とりあえずリンクはこんな感じです。
イスタンブルのアリーナは2009年に建てられたばかりで、メインリンクの横にミニリンクもあります。控え室やジムも完備されており、各種世界選手権を開催できる設備で、実際今週はフィギュアスケートのジュニアGPが行われます。イスタンブルにはこの他、ショッピングモールや学校内(リンク付きの学校がすでにあるんですよ!)に小さなリンクがあり、この先もいくつかのリンク建設予定があるそうです。地理的にも恵まれているので、アイススポーツは意外なスピードで成長する可能性ありですね、、、
さて、ホッケー界はシーズン開幕を迎えていますが、シーズン序盤戦の調子はいかがでしょうか?ほとんどの競技スポーツでは、地区大会、県大会、全国大会などシーズン終盤の主要大会に合わせて、練習試合、ローカル大会や遠征などでチームを作っていきます。
試合にたくさんシフトしてもらえるかどうかは、子供にとっても保護者にとってもチームの勝利以上に気がかりなところだと思いますが、ユース年代の競技ホッケー(6-18歳)では、アイスタイムはどのように与えられるべきなのでしょうか?もっといえばチームとしてどこまで勝ちを目指した戦いをすべきで、そもそも試合をする意義はなんでしょうか?
話を進める前に、まずは競技ホッケーとレクリエーションホッケーを分けて考えます。レクリエーションホッケーは、完全な初心者と、経験年数があっても、競技スポーツとしてより上のレベル(AA、AAAや高校、大学、プロホッケー)を目指さず、楽しくホッケーを続ける人達のためのカテゴリーとして存在すべきです。レクリエーションホッケーチームにはトライアウトはなく、試合でのアイスタイムも(規律違反を犯したときの罰則以外)常に平等に与えられるべきです。チームとしては全員をできる限り平等に使って勝つことを目標としますが、一番大事なのは全員がホッケーを楽しめることであるべきです。
競技ホッケーはトライアウトを経て選ばれた選手だけで構成されたチーム同士で行われるべきであり、日本で言うなら各都道府県の選抜チームが競技ホッケーのカテゴリーと考えられます。レクリエーションホッケーと競技ホッケーを分けて試合をすること、さらには競技ホッケーの中でもレベル分けをすることは、非常に重要であり、例えば「うちは初心者大歓迎だけど目指すは日本一!」というチームで、「なるべく初心者を出してあげるにはどうすればいいか?」という問題の解決策は、二軍同士のリーグ戦を組む、などの方法しかありません。競技ホッケーチーム同士の対戦でも、環境の差などであまりに競技力に差があり、10点差が付くようでは、もはや勝ち負けや試合の意義を問うことはできません。
さて、それではやっと本題に入り、競技ホッケーチームにとっての試合の意義とはなんでしょうか?ユース年代であれば、それは「勝利」ではなく「次のレベルへの育成」であるべきです。スコアボードを付けた公式戦である以上、各試合の目標は当然「勝利」ですが、そのために「子供たちを次のレベルに引き上げるための育成」が損なわれるべきではありません。例えば、一人のスーパー小学生FWを休むことなく滞氷させることによって、チームで8番目のFWの滞氷時間が大幅に減らされてしまうようでは、子供たちの健全な成長を妨げるマネージメントだと言えます。
もちろん競技ホッケープレーヤーは、トライアウトを勝ち抜いた「選手」ですから、自らのプレーでアイスタイムも勝ち取るべきであり、それも競技ホッケープレーヤー育成の一つの過程です。競っている試合の終盤でのパワープレーなど、勝負所ではパフォーマンスの高い選手を滞氷させるのは間違いではありません。しかし、指導者は同時に、パワープレーに滞氷するほどのスキルがない選手にも、キルプレーでの献身的な守備などを教え込んで、キルプレーで活かすなどのバランスの取り方を考える必要があります。
そして、「育成」と銘打つなら、勝ち負けとは別に、その試合でやろうとしていたことができているのか?個人として、チームとして、練習の成果があり、成長が見られているのか?というのも重要なポイントです。いつもの相手にいつものスーパー小学生がハットトリックをして快勝したところで、先週練習したリグループのパスが一度も見られなかったのであれば、その試合は成果無しです。逆に強豪相手に惜敗した試合でも、前より点差が縮まっていたり、練習の成果が見られたならば、それはチームとしての成長の証であり、意義のある試合です。
極端に言うならば、毎試合快勝するような競技日程ではチームも個人も育成されません。同じレベルの相手に勝ったり負けたりで、勝率5割のシーズンくらいが一番成長できるものです。
こうして「育成」を第一に考えて試合をしていく上で、一発勝負型のトーナメントはまったく使えません。負けたら終わりのトーナメントでは、ベンチも(甲子園宜しく)エースに頼った采配をせざるを得ないからです。初戦に調子が出なくて負けても、チーム全員を使って1勝1敗1分けで決勝トーナメントに進む方が全員の経験値ははるかに上がります。
一番大事なのは、頂点として目指すべきプロや大学ホッケーは、リーグ戦で行われており、程度の差はあっても3-4つのセットを回さずに長いシーズンを戦うことはできないということです。初心者がチームにいたり、一人で45分間プレーするようなプロホッケーはどこにも存在しないのです。目指すべき環境が明確ならば、そこに向けての育成も明確になり、試合の意義もはっきりとしてきます。選手が勝ちたいのは当たり前ですが、保護者や指導者には、是非試合の本当の意義を理解して、目先の勝ち負けに一喜一憂しすぎないで、チームと個人の成長を第一に考えて欲しいなと思います。
最後に、、、少年野球の頂点であるとされているリトルリーグワールドシリーズの参加チームからは、ほんの一握りのメジャーリーガーしか誕生していないことが統計的に知られています。その代わり参加者からは、NHLやNBA、NFL、MLSなど、他のスポーツでプロになった選手の割合の方が多いとのことです。これは実にアメリカらしい統計だとも言えるのですが、そもそもスーパー野球少年がメジャーリーガーになる必要すらなく、まずは優れたアスリートになれば、いろいろなスポーツで活躍できる可能性が広がると言うことです。また、小学生で勝ちまくって世界の頂点に立つことが、必ずしもそのスポーツでプロになるための絶対条件ではないことも示しています。
それでは。
イスタンブルより初めてのブログです。
イスタンブルは非常に美しい町で、トルコ料理も世界三大料理に違わぬクオリティです。
ホッケーはまだ本格的に始まっていないのですが、とりあえずリンクはこんな感じです。
イスタンブルのアリーナは2009年に建てられたばかりで、メインリンクの横にミニリンクもあります。控え室やジムも完備されており、各種世界選手権を開催できる設備で、実際今週はフィギュアスケートのジュニアGPが行われます。イスタンブルにはこの他、ショッピングモールや学校内(リンク付きの学校がすでにあるんですよ!)に小さなリンクがあり、この先もいくつかのリンク建設予定があるそうです。地理的にも恵まれているので、アイススポーツは意外なスピードで成長する可能性ありですね、、、
さて、ホッケー界はシーズン開幕を迎えていますが、シーズン序盤戦の調子はいかがでしょうか?ほとんどの競技スポーツでは、地区大会、県大会、全国大会などシーズン終盤の主要大会に合わせて、練習試合、ローカル大会や遠征などでチームを作っていきます。
試合にたくさんシフトしてもらえるかどうかは、子供にとっても保護者にとってもチームの勝利以上に気がかりなところだと思いますが、ユース年代の競技ホッケー(6-18歳)では、アイスタイムはどのように与えられるべきなのでしょうか?もっといえばチームとしてどこまで勝ちを目指した戦いをすべきで、そもそも試合をする意義はなんでしょうか?
話を進める前に、まずは競技ホッケーとレクリエーションホッケーを分けて考えます。レクリエーションホッケーは、完全な初心者と、経験年数があっても、競技スポーツとしてより上のレベル(AA、AAAや高校、大学、プロホッケー)を目指さず、楽しくホッケーを続ける人達のためのカテゴリーとして存在すべきです。レクリエーションホッケーチームにはトライアウトはなく、試合でのアイスタイムも(規律違反を犯したときの罰則以外)常に平等に与えられるべきです。チームとしては全員をできる限り平等に使って勝つことを目標としますが、一番大事なのは全員がホッケーを楽しめることであるべきです。
競技ホッケーはトライアウトを経て選ばれた選手だけで構成されたチーム同士で行われるべきであり、日本で言うなら各都道府県の選抜チームが競技ホッケーのカテゴリーと考えられます。レクリエーションホッケーと競技ホッケーを分けて試合をすること、さらには競技ホッケーの中でもレベル分けをすることは、非常に重要であり、例えば「うちは初心者大歓迎だけど目指すは日本一!」というチームで、「なるべく初心者を出してあげるにはどうすればいいか?」という問題の解決策は、二軍同士のリーグ戦を組む、などの方法しかありません。競技ホッケーチーム同士の対戦でも、環境の差などであまりに競技力に差があり、10点差が付くようでは、もはや勝ち負けや試合の意義を問うことはできません。
さて、それではやっと本題に入り、競技ホッケーチームにとっての試合の意義とはなんでしょうか?ユース年代であれば、それは「勝利」ではなく「次のレベルへの育成」であるべきです。スコアボードを付けた公式戦である以上、各試合の目標は当然「勝利」ですが、そのために「子供たちを次のレベルに引き上げるための育成」が損なわれるべきではありません。例えば、一人のスーパー小学生FWを休むことなく滞氷させることによって、チームで8番目のFWの滞氷時間が大幅に減らされてしまうようでは、子供たちの健全な成長を妨げるマネージメントだと言えます。
もちろん競技ホッケープレーヤーは、トライアウトを勝ち抜いた「選手」ですから、自らのプレーでアイスタイムも勝ち取るべきであり、それも競技ホッケープレーヤー育成の一つの過程です。競っている試合の終盤でのパワープレーなど、勝負所ではパフォーマンスの高い選手を滞氷させるのは間違いではありません。しかし、指導者は同時に、パワープレーに滞氷するほどのスキルがない選手にも、キルプレーでの献身的な守備などを教え込んで、キルプレーで活かすなどのバランスの取り方を考える必要があります。
そして、「育成」と銘打つなら、勝ち負けとは別に、その試合でやろうとしていたことができているのか?個人として、チームとして、練習の成果があり、成長が見られているのか?というのも重要なポイントです。いつもの相手にいつものスーパー小学生がハットトリックをして快勝したところで、先週練習したリグループのパスが一度も見られなかったのであれば、その試合は成果無しです。逆に強豪相手に惜敗した試合でも、前より点差が縮まっていたり、練習の成果が見られたならば、それはチームとしての成長の証であり、意義のある試合です。
極端に言うならば、毎試合快勝するような競技日程ではチームも個人も育成されません。同じレベルの相手に勝ったり負けたりで、勝率5割のシーズンくらいが一番成長できるものです。
こうして「育成」を第一に考えて試合をしていく上で、一発勝負型のトーナメントはまったく使えません。負けたら終わりのトーナメントでは、ベンチも(甲子園宜しく)エースに頼った采配をせざるを得ないからです。初戦に調子が出なくて負けても、チーム全員を使って1勝1敗1分けで決勝トーナメントに進む方が全員の経験値ははるかに上がります。
一番大事なのは、頂点として目指すべきプロや大学ホッケーは、リーグ戦で行われており、程度の差はあっても3-4つのセットを回さずに長いシーズンを戦うことはできないということです。初心者がチームにいたり、一人で45分間プレーするようなプロホッケーはどこにも存在しないのです。目指すべき環境が明確ならば、そこに向けての育成も明確になり、試合の意義もはっきりとしてきます。選手が勝ちたいのは当たり前ですが、保護者や指導者には、是非試合の本当の意義を理解して、目先の勝ち負けに一喜一憂しすぎないで、チームと個人の成長を第一に考えて欲しいなと思います。
最後に、、、少年野球の頂点であるとされているリトルリーグワールドシリーズの参加チームからは、ほんの一握りのメジャーリーガーしか誕生していないことが統計的に知られています。その代わり参加者からは、NHLやNBA、NFL、MLSなど、他のスポーツでプロになった選手の割合の方が多いとのことです。これは実にアメリカらしい統計だとも言えるのですが、そもそもスーパー野球少年がメジャーリーガーになる必要すらなく、まずは優れたアスリートになれば、いろいろなスポーツで活躍できる可能性が広がると言うことです。また、小学生で勝ちまくって世界の頂点に立つことが、必ずしもそのスポーツでプロになるための絶対条件ではないことも示しています。
それでは。