2010年09月

2010年09月20日

COMMAND GRIP 発売!

2010年バンクーバーオリンピックでアメリカ代表として銀メダルを獲得、さらにシカゴでスタンレーカップを獲得したスーパースター、パトリック・ケイン、、、彼がスティックのグリップエンドに使用しているのがCOMMAND GRIPです。

グリップエンドは、従来はスティックテープを巻くことによって各自が持ちやすい形状に加工されていました。しかしそもそもスティックテープは布製のテープに過ぎず、巻き付けるのに手間がかかる割には手の中で滑りやすかったり、逆に糊が染みだしてきてグローブがベタ付くなどの使いづらさがありました。

グリップエンドの感触はパックハンドリングやシュートの精度、力強さに大きく関わってきますので、グリップに拘るプレーヤーたちは粘性の高いグリップ専用テープや、テニスのグリップテープを使うなどの工夫をしてきました。しかし、どの素材もベタ付きすぎたり、耐水性が弱かったりで、なかなかこれといった物はありませんでした。

そこで登場したのが、古くは1980年代にウェイン・グレツキーのグリップエンドを制作していたTacki-Macの開発した COMMAND GRIPです。軽いゴム製の素材で作られたCOMMAND GRIPは手にしっくりとなじみ、汗をかいてもグリップ力が落ちません。また長期使用してもほとんどヘタらず、ひび割れも起こりません。パスをレシーブしたりスラップシュートを打つときの衝撃を吸収する一方、パックの感触をしっかりと手に伝えてパックコントロールを助けます。

COMMAND GRIPはNHLでも使用者が増加中です。テレビなどで移りにくい部分ですので目立ちませんが、実際にNHL選手のロッカールームをチェックしてみると、実に多くの選手がこのCOMMAND GRIPを使用していて驚かされます。

Hockey Lab JapanはCOMMAND GRIPの限定輸入・販売を開始しました。NHL選手も認める最高のグリップ感を、是非お試しください!

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それでは
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2010年09月13日

この人も初優勝!

シカゴの優勝で幕を閉じた昨季のNHL、、、シーズン終了後、意外なことに優勝ゴーリーであるニエミ、そしてモントリオールを準決勝に導いた立役者であったハラクがトレードされました。チームの総年俸の上限が設定されるサラリーキャップ制が導入されてから、プレーオフで優勝したり躍進したチームが、好成績による年俸高騰で、次の年に主力選手を大量に手放さざるを得なくなり苦戦するという現象がかなり見られます。これは連覇や黄金時代を期待するファンには寂しい出来事かもしれませんが、リーグとして戦力の均衡を図り、魅力のあるゲームを提供するという意味では理にかなっています。

さて、今期からサンノゼ・シャークスの一員となった昨季の優勝ゴーリーのニエミですが、、、なんと、初優勝だったらしいです!

いや、NHLでスタンレーカップ初制覇、、、なのは当たり前ですが、それ以前に、子供時代のユースホッケーから、ジュニア、マイナープロなど、あらゆるレベルで優勝経験ゼロのまま、世界のホッケーの頂点であるスタンレーカップを制覇してしまったのです!

「最終的にスタンレーカップを獲得する人達は、各世代で優勝を経験している強者が多い、、、」

「だから、優勝できるチームを作るには、スタンレーカップ、もしくはそれ以外のマイナープロや国際大会での優勝経験があるベテランが不可欠だ、、、」

という話はとてもよく聞きますし、実際スポーツの世界ではこのように「勝者としての経験」が何事にも勝る財産として疑いなく評価されます。

しかし、実際には甲子園優勝投手の多くがプロとして大成することなく消えて行ってしまうことからも想像できるように、プロの頂点での優勝が、それ以前の優勝経験とどれほど結びついているかが客観的に示されているという話はあまり聞いたことがありません。ちなみに私が知る限りでは、少年野球の世界的頂点であるリトルリーグ世界大会では、60年を超える歴史の大会でプレーしてきた少年たちの、わずか20名ほどしかメジャーリーグに到達していないというデータがあります。

逆に先のニエミや、マイナープロで優勝するまではほとんどメジャーな大会で優勝したこともないのに、NHL史上最強の勝者の一人として語られることが多いパトリック・ロワなどの逸話も、そのような経歴が少数だからこそ際立つのかもしれません。

もちろんプロで活躍するためには、そこにつながる階段を一つずつクリアしていく必要があります。しかし、そのクリアの条件が、必ずしも「優勝」や「勝利」や「全国大会への出場」という経験である必要はなさそうである、ということは指導者として知っておくべきことでしょう。

トライアウトやスカウトにあたって、対象となる選手の本当の資質を見抜けず、過去の成績を頼りに選考してしまっていれば、昨年のスタンレーカップ獲得ゴーリーは、確実に日の目を見なかったでしょう。なにせ彼は今まで人生で一度も優勝してなかったのですから、、、

そして、チームとしての勝利や個人賞に縁がないプレーヤーのみなさんも、きらびやかな経歴を羨まず、心身共にホッケープレーヤーとして成長出来る部分を見つけて打ち込めば、いつか大きなチャンスが巡ってくるのかもしれません。

それでは。

2010年09月11日

優勝!

日本ではアジアリーグのプレシーズンゲームなどが始まり、ホッケーシーズン開幕の足音が聞こえてきている頃だと思いますが、ここアメリカでは先週末のLabor Dayという祝日を皮切りに、各地でマイナーホッケーシーズンが開幕しました。

私の教える地域ではこのLabor Dayに行われるトーナメントは、シーズン開幕戦であると同時に、各チームが今シーズンどのレベルで戦うかを決定するための大会でもあります。

通常シーズン前のトライアウトでは、もちろん

「このチームはピーウィー(11-12歳)のAAA(最高の競技クラス)でプレーする予定です」

と銘打ってチームを結成します。しかし、ホッケーの本場中の本場と言われる地域以外では、毎シーズン、年代毎に競技人口やレベルに差があることがありますので、AAAのつもりでトライアウトをしても、実質的にAAくらいの戦力にしかならなかったり、逆にAのつもりでトライアウトをしたら、AAで戦えるくらいの戦力が揃うこともあります。

ですからそのような地域では、シーズン最初のトーナメントをまず戦ってみて自分たちのチームの実力を見極めてから、改めて今シーズンのチームの競技クラスを宣言できるよう、柔軟に運営されています。

例えば最初のAトーナメントで大敗が続いてしまったチームはBの競技クラスとして再出発することで、惨敗続きでがっかりするようなシーズンを避けることが出来ます。逆にAトーナメントを全試合大勝で優勝してしまった場合には、AAを宣言して一つ上の競技クラスで戦うことを選択することで、連戦連勝ではあるけれどあまり成長することのできないシーズンを避けることが出来ます。
そして最終的にシーズン終盤、州大会を戦う前にも、もう一度どの競技クラスの州大会のに出場するかを宣言できます。

ユースホッケーは、子供の競技レベルに合ったクラスで戦うことで、なるべく接戦を続けて、勝ったり負けたりすることで成長出来る場であるべきだ、という確かな信念に基づいた合理的なシステムであると言えます。

もちろん、このようなシステムを運営するには、ある程度の競技人口とチーム数が必要ですが、たとえ8チームしかない地域であっても、AとBにわけて競技をするだけで、

「胸を借りて20-0で大敗した」
「準決勝と決勝以外はすべて10点差の楽勝で勝ち上がった」

という競技スポーツの発展にはほとんど貢献せず、子供たちもほとんど楽しむことが出来ない試合を大幅に減らすことが出来るはずです。

さて、先週末の大会、、、私の教えるピーウィーAチームはピーウィーAとAAの混成トーナメントで、なんとAAチームを準決勝、決勝で撃破して優勝してしまいました、、、

さて、これはどうしたものでしょうか、、、準決勝も決勝も2-0と2-1というロースコアでの守り勝ちだったので、AAチームに連勝したからといって、このチームに本当にシーズン通してAAを名乗れるほどの力があるのかは分かりません。かといって予選で他のAチームと対戦したときは、10点差が付くような大勝になってしまいましたので、そのような試合をシーズン20試合も続けることが子供達の成長の助けになるとも思えません、、、

そして、共同コーチと話した結果、、、今日、AAチームとしてシーズンを戦うことに決定しました。おそらく勝てる試合はAチームとしてシーズンを過ごした場合の半分以下になるでしょう。優勝できる大会もほとんど無いかもしれません。しかし、

「全勝することではなく、勝ったり負けたりすることこそが子供の成長のためになる」

という信念を捨てるわけにはいきませんので、これは正しい決断です。
あとは、子供達が一つ上の競技クラスでの挑戦を恐れることなく楽しんでくれれば、良いシーズンになることでしょう。

それでは。

2010年09月06日

コメント返信します!

日本は猛暑のようですが、アリゾナもまだ40度超です、、、
コメントいただいていたのに放置しまくりでしたのでまとめて返信いたします。

まず、結婚についてコメントいただいた皆さん、ありがとうございました。ホッケーコーチングは長年やってきましたが、家族を持つことに関してはスケートの履き方も分からないくらいのルーキーですので、ご指導よろしくお願いします。

narunaruさん
オフザパックの動きを理解して教えられるようになるのは、コーチとしても非常に大きな一歩だと思います。リンク上の12人中11人はパックを持たない動きをしているわけですから。まずは2対1などの小さな単位で考えると分かりやすいと思います。

大道芸人さん
そうですね、若干スタンレーカップの図式に似てましたが、オランダはフィリーと違って未だに優勝を経験してないってところが大きな違いですね。まぁそのうち優勝しちゃうと思いますけどね。

石〜っさん
誰もゴーリーをやりたくないけど公式戦はやりたいのであれば、日替わりのゴーリーで試合に臨むしかないですね。それはそれで良い経験になると思いますし、試合に出てみてやりたいと思う子が現れるかもしれません。とにかくゴーリーは「やりたい」という意志こそが最大の才能だと思いますから、無理矢理何とか決める方法を作るべきではないと思います。

RYMS店長さん
先日はごちそうさまでした。
一概にアメリカのような社会構造に近づくことが良いことだとは思えませんが、少なくともスポーツのような余暇のビジネスが発展するには良い社会だと思います。
おお、ついに日本でもマウスガードが小学生から義務化ですか!良いことだと思います。ちなみにこちらではどちらかというと安全意識の高さだけではなく、もしもの時の訴訟対策としてのルール化という側面もあります。だから実際はペラペラのマウスガードをガムみたいに噛んでるだけの子供もいっぱいいます。

おやじさん
そうですねー、日本でも野球のようなメジャースポーツでは遅咲きやドラフト外入団などの成功例が多数ありますよね。
エリート教育も大事ですが、なるべく多くの子供達に競技レベルでプレーし続ける環境があること、そして競技スポーツの経験が社会的にポジティブに評価されることが大事だと思います。

2010年09月03日

積極的無職

ユースホッケーでシーズンが開幕する今日この頃、ジュニアホッケーはトライアウトの最終段階にさしかかっています。

昨年U18AAAで教えたゴーリーはアメリカのジュニアリーグではUSHLに次ぐレベルのNAHLの某チームと契約、今後大学チームにリクルートされるのを目指してプレーし続けます。また一昨年教えたゴーリーは、カナダの(相当ドサ回りの)ジュニアリーグを経て大学ホッケー2部に当るNCAA D3(D1の次がD3という位置づけです)の某大学に進みました。二人とも身体能力に際だった才能があるわけではありませんでしたが、非常に努力するゴーリーであり、是非次のレベルに進んで欲しいと思っていましたので本当にホッとしました。

さて、面白いことに、この二人は共に1991年生まれで同学年に当ります。同い年のゴーリーが、一人は高校卒業後一年間U18AAAでプレーしたあと19歳でジュニアホッケーに進んで大学進学を目指し、もう一人は高校3年でU18AAAでプレー、さらにジュニアホッケーを経て19歳で進学しているのです。

アメリカでは一般的に高校ホッケー(ミネソタ等で盛んです)など学校の部活動に属さない8-18歳のホッケーチームをユースホッケー、16-21歳をジュニアホッケーと呼んでいます。年齢区分を見て分かるように、ジュニアホッケーでは16歳から18歳までがユースホッケー、18歳から21歳までが大学ホッケーとかぶっています。

アメリカのジュニアホッケーはこのように、ユースホッケーを卒業した、幅広い年齢層のプレーヤーを受け入れて、大学ホッケーに送り込むために存在します。高校やプレップスクール(寄宿制の大学進学校)などからストレートで大学の奨学金を得られるほど優秀なプレーヤーは数多くありませんから、多くのプレーヤーはジュニアホッケーで数年間、ホストファミリーの家にお世話になりながら高校に通ったりアルバイトをする日々を送りながら進学を目指すのです。

大学ホッケーも大学入学資格さえ満たしていれば幅広い年齢層のプレーヤーを受け付けますので、ジュニアホッケーでギリギリまでプレーしてリクルートされるのを待ち21歳で進学、もしくは留学生として24歳から進学してプレーする、などは珍しいことではありません。また、大学ホッケーの最近の傾向として、18歳の新入生よりも20歳くらいになって身体もできあがり、人間的に成熟した即戦力のプレーヤーを取る傾向にあります。逆に17歳の若さで大学検定を通り、さらにホッケーの奨学金で進学する文武両道の超エリートプレーヤーも少数ながら存在します。

アメリカの大学は一般的に公立私立にかかわらず、授業料がとても高額なので、スポーツによって1〜4年の奨学金を得られて、しかも一流大学の教育を受けられるということは、プレーヤーにとっても親御さんにとっても非常に価値のある目標になります。さらに、近年NCAAやUSHL、NAHLからもNHLにドラフトされる数が飛躍的に増えていますから、ジュニアホッケーの存在価値はますます高まっています。

ジュニアホッケーの役割として唯一の例外はカナダのメジャージュニアCHL(WHL、OHL、QMJHL)であり、メジャージュニアはまさにNHL予備軍としてドラフトされてプロになるために存在します。ホッケーによるお小遣いをもらいながらプレーするメジャージュニアはNCAAから「プロ」として認識されていますので奨学金の対象から外れてしまいます。彼らも同じように故郷の町を離れてホストファミリーの家に暮らし、プロと変らないような厳しいスケジュールを送りながら、NHLにドラフトされるのを待ちます。

こうしてホッケー大国であるアメリカやカナダの「ホッケーによる進路の選択」を観察していると、「就業や進学の社会的柔軟性」がプレーヤーにもチームにも幅広い選択肢を与え、ホッケー界全体を活性化していると感じます。

北米では日本のように、基本的に18歳でいっせいに大学受験する、ということはありませんし、大学卒業にあたって一斉に就職活動をする、ということもまたありません。高校生ホッケープレーヤーは高校卒業後いわばフリーターのようにして過ごしながらも、進学に備えてジュニアホッケーでプレーするという選択肢があります。大学ホッケープレーヤーは、たとえNHLに行けないようなレベルであっても、卒業後数年間マイナーリーグでプレーした後「堅気の仕事」につくことができます。

16-25歳くらいの、アスリートとしてもっとも能力を発揮できる年代のどこでそのプレーヤーがピークを迎えるのかは、正確に予想できるものではありません。例えば高校3年間という限られた期間でアスリートの将来が決められてしまうと、見落とされてしまう才能が数多くあることでしょう。おかしな言い方ですが、社会的には「○○を卒業したのにホッケーなんかしながらフラフラしている人」の居場所があるのは、スポーツの発展にとって大切なことなのかもしれません。

日本でもプロ野球の独立リーグやJリーグにつながるマイナープロや地域リーグが充実し始めて、「スポーツなんかしながらフラフラしている人」の数が増え始めています。

競技の発展のためにはエリート育成や、底辺の普及も大切ですが、意志も才能もありながら、進路が閉ざされ競技スポーツからドロップアウトしてしまいそうな人達に選択肢を与えるスポーツ組織の構造と、それを受け入れる社会構造がある、というのは、大事なことなのかもしれません。

まぁ、コーチなんかしながらいつまでもフラフラしてるのもどうかと思う時もありますけどね(笑)
それでは。