2012年03月

2012年03月29日

Q&A、、、またもやアップです!

アイスタイムの話の続きを書こうと思っていたら、いつのまにか明日から「Smile & Dream Minnesota Hockey Camp 2012」が始まっちゃうじゃあないですか!今年も楽しく充実したキャンプになるように頑張ります。

というわけで、キャンプから帰ってくるまでは、新しいQ&Aでしばしお楽しみ?ください。
今回はゴーリー編「シュートの高低の見極めは?」です。

それでは。

2012年03月22日

アイスタイムの話:その1

もうすぐ4月、、、こちらではNHLなどプロホッケーはプレーオフに向けての終盤、ジュニアホッケーはプレーオフが始まるころ、大学や高校ホッケーはほとんどプレーオフも終わりかけています。18歳以下のユースホッケーでは全国大会を残してほとんどのチームがシーズンを終了し、いったんチームは解散、、、最近ではリンクに行ってもレッスンやクリニックが多く、通常のチーム練習枠は消化練習として使われているか、キャンセルされて少し寂しい風景をよく見かけます。

この後、地区代表キャンプに送り込む州代表選手を決めるキャンプを経て、春〜夏の間は基本的に昨シーズンプレーしたチームに縛られない形でトレーニングやキャンプ、トーナメントが行われます。アメリカでは多くの子供達がオフシーズンにはホッケー以外のスポーツもプレーしているので、ホッケーのトレーニングは二の次で野球やサッカー、ラクロスなど様々なスポーツを続けている子供達もいます。ですから、一年を通して考えてみれば、こちらでは多くの子供達が、意外にも少ないアイスタイムでホッケーをしています。

レクリエーションホッケーであるハウスリーグは週1回の練習と週1回の試合が普通です。AAA〜AAチームでもシーズン中平均週2-3回の練習です。私の知る限り、アメリカの多くの地域の16-18AAAレベルでやっと週4回練習もしくは試合です。そしてその1回あたりの練習時間は、通常60分、長くて70分が普通です。また、ハウスリーグや年少のAAチームですら2チームが練習時間をシュアして半面で練習することがよくあります。日本のほとんどの地域で行われている90-120分練習はジュニア(16-21歳のプロ/大学進学予備軍)か大学レベルまで行われません。プロになるとチーム練習は1日30-45分が普通で、あとは15分くらい個人スキルのトレーニングをしているだけです。

ですからこちらの少年ホッケー選手は練習不足を補うために一般滑走の時間にスケーティング練習をみっちり行なっています!なんてことはまったくなく、その代わりたまにプロコーチのレッスンを受けたりしている子供がいる程度です。(一般滑走で自主的にスケーティングの練習をしているホッケー選手は、正直日本以外見た事ないです、、、)

日本ではホッケーがマイナーで、スケートリンクも少なくて練習時間が十分に取れないから上手くなれない。という考え方自体は基本的に間違いではないと思いますが、実は単純なアイスタイムの数字ではホッケー強豪国と大差ないが、その他の要因で差がついているのではないか?という仮定を提示することができます。続きは近日中に、、

それでは。

2012年03月18日

あらよっと!

HPのQ&Aもういっちょ更新しました!
今回のお題は、、、

なぜ5-4のDZキルプレーではボックスを組むの?

これは素晴らしく「そもそも論」的質問です。だいぶ前に「 なぜブレイクアウトは45度 ?(05年03月15日) 」という質問に回答しましたが、当たり前に行っている基本を見直すことでホッケーへの理解が深まることが良くあります。ちなみに最近のNHLではデトロイトなどが「いわゆる45度」ではない形をメインのブレークアウトに使い出しているので、7年前に「45度ばかりがブレークアウトではない、、、と言っておいて良かったと思ったりして(笑)
あと、「なんで身体を押さえるの?」も実は本質に迫る質問で面白かったです。

特に子供の指導していると、この手の「そもそもなんで?」という質問が多いのですが、「それはそういう常識だからである。俺もそう習って来たからお前もそうするのである。いいから黙ってやりなさい!」と答えずに、問題を掘り下げた回答をすることで自分のホッケー(というか物事)に対する理解が深まるもんだとよく思います。

「世の中に愚かな質問などない。しかし愚かな回答はある。」

と、よくショーン・ポディーンが言っていたのを思い出しました。

それでは。
hockeylabjapan at 04:34|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2012年03月17日

というわけで、、、

Q&Aを久々に更新してみました、、、こちらになります。

あと数個更新を準備しておりますので、近々アップしたいと思います。
たぶん来週くらいに、、、いや、はい、やりますとも、ナルハヤで!

それでは。

2012年03月08日

人生いろいろ、、、殿堂入りへの道もいろいろ、、、

アメリカではユースホッケーのシーズンも終盤を迎え、各地で州大会や地区大会が行われました、、、私がメインで指導するチームのうち一つ、U16AAチームは州大会で優勝し、全国大会へ駒を進めることになったので4月第1週までシーズンが続くことになりましたが、勝ち残ることが出来なかったチームはシーズン終了となり、チームもひとまず解散します。

というわけで私もやっと少し時間が出来たので、今まで書きたかったネタをブログに書いていこうと思います。
まずは昨年NHLからホッケーの殿堂(Hockey Hall of Fame)入りしたプレーヤーについてです。

昨年はプレーヤー部門でエディ・ベルフォア、クリス・チェリオス、マーク・ハウ、ジョー・ニューウェンダイクの4選手が殿堂入りしていますが、どの選手も当然歴史に残る名選手であっただけでなく、ユニークなキャリアを経てトップリーグで活躍し、殿堂入りを果たしています。

まず、エディ・ベルフォア、、、カナダのマニトバ州で生まれたベルフォアは、フォワードとしてホッケーを始め、12歳になるまで本格的にゴーリーをしたことがありませんでした。そして高校チームのトライアウトに落ちて一度ホッケーを辞め、バスケットボールを始めたものの長続きせず、3年生で2軍の控えゴーリーとしてホッケーを再開しました。そこからやっと才能を開花させたものの、プロ入りにはほど遠く、さほどレベルが高くないマニトバのジュニアリーグで数年を過ごして、やっとNCAAノースダコタ大学の奨学金を得て進学した時は既に21歳でした。大学では1年生の時からNCAA全米優勝に導く活躍で一躍注目されてドラフト外でNHL入りを果たしますが、当時はNCAAホッケーの地位は今ほど高くなく、特にゴーリーにとってはエリートコースと言えませんでした。その後NHLで約20年活躍して殿堂入りを果たしたゴーリーとは思えない遍歴です。

クリス・チェリオスはホッケーの盛んなシカゴで生まれましたが、親の仕事の関係で、アスリートとして最も重要な15歳頃にカリフォルニアに移り住み、エリートホッケー選手街道から完全に外れてしまいます。今でこそホッケーの本場と肩を並べるほどのホッケー育成ノウハウを身につけたカリフォルニアも、1970年代後半は完全なホッケーの僻地でしたから、チェリオスもありあまる技術をもてあましてアダルトリーグでプレーする日々でした。当然一流大学からスカウトされるわけもなく、カリフォルニアにあったNCAA D2の大学に進学(ちなみにショーン・ポディーンも同じ大学で同じように一年だけプレーしています)、、、しかし身体の線が細くてまったく通用せず、ビーチで偶然出会ったカナダ人にもらったカナダのジュニアホッケーチームの連絡先をたよりにカナダに渡ります。そこでもジュニアBチームにすら入れない時期を経てやっとジュニアで頭角を現してNHLにドラフトされ、ウィスコンシン大学を経てNHL入りしました。

残りの二人、マーク・ハウとジョー・ニューウェンダイクも、プロ入りしてからトップレベルでDFとFWを行ったり来たりしたり、東大並みの名門大学からNHL入りしたりという多彩なキャリアの持ち主たちです。

ここで取り上げているのは殿堂入りするような名選手の話ですが、このほかにもいわゆるエリートコースや普通のホッケー選手としてのキャリアを経ないでプロとして活躍した選手は多数います。最近では、ミジェット(15-18歳)時代からことごとくAAAチームのトライアウトで落とされて、ジュニアCという完全に場末でギリギリ競技ホッケーのリーグからNCAA D1リーグの最優秀選手まで這い上がり、プロとしてのキャリアを期待されながら、空軍に従軍(空軍大学校出身ですから)してジュニアチームのコーチなんかをしているEric Ehnなんかが好例です。

競技力を高めるためには、旧共産圏のように才能ある選手を完全に選抜してそのほかの子供を早い段階でふるい落としてエリート一貫教育するやり方が当然効率良いことは証明されているのですが、一方で遅咲きの大器や、競技環境、家庭環境、運などに恵まれずエリート街道を歩めなかった才能ある若者の犠牲の上に成り立っています。

さまざまなバックグラウンドを持つアスリートが、さまざまな道を経てトップレベルにたどり着ける可能性があれば、より多くの子供達が、幼少時代の勝ち負けや、身体的成熟の早い遅いに振り回されることなく、個々の可能性を最大に発揮させて競技生活を送ることが出来ます。また、さまざまなキャリアのアスリートがいることで、その国や社会のスポーツ文化はとても豊潤になります(例えば「スポーツマンは筋肉バカ」などというステレオタイプが減ります)。

北米のホッケー界では、ユースホッケー(8-18歳)と大学ホッケーの間に、ジュニアホッケー(16-21歳)というカテゴリーを設けることで、ユースホッケーから最短距離でプロ入りを目指すエリートと、ジュニアホッケーの期間を利用して大学ホッケーへの道を探るプレーヤーたちを共存させ、キャリア選択の猶予期間を提供しています。(実際にはユースホッケーの最終学年の18歳も含めて)ジュニアホッケープレーヤーの多くは、アルバイトやコミュニティカレッジ(短大的な位置付けです)に通いながらホッケー中心の生活を送り、将来を模索しています。もちろんすべてのプレーヤーがプロ入りしたりNCAAの大学に進めるわけではないので、多くのプレーヤーにとってジュニアホッケーが競技ホッケーキャリアの終焉です。

日本でも野球やサッカーのプロスポーツ文化が発展してきたことにより、「高校や大学を出たけれどまともに仕事をしないで独立リーグか何かでプレーして夢を追っている」スポーツフリーターが増加しているようですが、このような、社会的に見れば「ホッケー(やその他のスポーツ)だけしてフラフラしている若者」が許容されることは、実はスポーツ文化の発展にとってとても重要なことかもしれません。ベルフォアも、チェリオスも、「いつまでもホッケーやりながらフラフラしてないでまともな仕事に就きなさい!」と言われて諦めていたら、殿堂入りすることは絶対になかったわけですから、、、

それでは。


hockeylabjapan at 16:38|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)雑感