2012年08月

2012年08月16日

飛びます

ホッケーシーズンも開幕間近、みなさんいかがお過ごしですか?
私のホッケーシーズンは、9月2日にアメリカからトルコに引っ越し、イスタンブールで開幕することになります。
そうです、トルコでホッケーコーチ!

「トルコでホッケーなんてやってるの?」

と思ったあなた!私は今まで数百回

「日本でホッケーなんてやってるの?」

と訊かれたことがありますから、世界的に見れば日本もトルコもホッケー界ではほとんど知名度変わりませんよ。

トルコは日本より遙かにランクが低いホッケー新興国ですが、世界選手権も開催しており、セミプロ?のリーグも存在します。私が教えることになるのは6-16歳のユースホッケーチームですが、ユースホッケーレベルでも、ホッケー強国スイスやチェコ、カナダやアメリカにトーナメントや合宿で遠征したり、私のようなプロコーチを雇ってくれたりで、育成には積極的です。私もトルコのホッケーを強化を手伝うだけでなく、念願であったヨーロッパホッケーを探索することをとても楽しみにしています。

トルコでの仕事は、オーストリアリーグでのコーチや、様々なホッケーカンファレンスでの講演、さらに"Hockey Coaching: The ABCs of International Hockey"などの著書でも知られる、国際的に著名なコーチ、Tom Molloy氏に紹介していただきました。Molloy氏とは20年前にカナダで行われた国際ホッケーカンファレンスでお会いし、その後連絡を取り続けてきました。そして、Molloy氏が、トルコのユースホッケーチームから「ゴーリーコーチ兼アシスタントコーチを探している」と連絡を受けたときに「こういう国際的な仕事には絶対にお前が適任だと、真っ先に思った」と、紹介してくれました。

プロコーチの世界では一部のスーパーコーチたちをのぞいて誰もが仕事探しに苦労していますから、「何か職があれば紹介してください!」というのが挨拶の一部のようになっています。そうすると「あー、じゃあ誰かコーチ探してないか訊いておくね!」と(ほとんど社交辞令で)応えてもらえるのが普通なのですが、運良く仕事を紹介してもらえることはほとんどありません。

Molloy氏ほどのコーチであれば、数え切れないほどの優秀なゴーリーコーチ/アシスタントコーチ適任者を知っているはずですから、その中で私を紹介してくれたことはとても光栄なことです。トルコホッケーの実情も、イスタンブールでの生活も分からないことばかりですが、紹介者であるMolloy氏の面子のためにも良い仕事をして来なければなりません。

私のコーチ人生の節目には、こうして私を新たなチャレンジに導いてくれる素晴らしい人々との出会いがあり、ここまで何とかやってくることができました。トルコでもきっと素晴らしい出会いがあることでしょう。トルコに到達したとはいえ、まだまだこの先どうなるかは行ってみないと分からないという、ますますボヘミアンなコーチ人生に付き合ってくれる奥さんにも感謝しつつ、引っ越しの準備を急ぎたいと思います。

それでは。

2012年08月10日

Bakersfieldにて、、、

まずは、久々にいただいたコメントへの返信から、、、

おっさんさん>
FWがボールを失うとチンタラ歩いて帰ってきていたのは今は昔、、、現代サッカーでは前線でフォアチェックするのが常識になってますね。これ、ホッケーの影響もあるようです。英語圏では実際"forecheck"がサッカー用語になっているようです。


そして、女子サッカー決勝戦、、、カリフォルニアまでドライブしなければならなかったため前半しか観られませんでしたが、、、残念でした!

とはいえ、現実的に考えて過去の対戦成績で9割以上負けているチーム相手に、大舞台で2連勝するのは至難の業です。アメリカを追い詰めたカナダでさえ、過去11年間アメリカを破ったことがなく、今回も結局超える事が出来なかったわけですから。アメリカはサッカーでもホッケーと同じく女子プロリーグ以下、NCAA大学リーグがプロ並みの施設・スタッフで運営され、さらに裾野での普及・育成活動も日本の比ではない規模で行われていますので、その女子サッカー大国と渡り合うだけでもとてつもない成果です。

むしろ重要なのは、国際舞台で圧倒的な戦績を誇るアメリカと、大舞台の決勝で2連戦出来るほどの実力が付いたと言う事です。これは10年前に川渕キャプテンがかけた「これからは女子サッカー!」という大号令の輝かしい結果であり、ここ20年間の男子の躍進も含めて、世界のサッカー史に残る成果だと私は思います。

はっきり言ってこれは、ソ連が1954年にアイスホッケー世界選手権に初参加で初優勝(よく考えればミラクルよりもよほどスゴイ事件ですよこれは)したのと同じくらいの評価があっても良いのです。

この女子サッカーへの注目が一過性のブームで終わる事を危惧する人々もいますが、心配するまでもなく間違いなく一過性のブームで終わるでしょう。サッカーが(表現は非常に悪いですが)「女子供のスポーツの頂点」である隠れたサッカー大国アメリカでさえ、女子サッカーのプロリーグは過去何回も現れては消えているくらいですから、日本で女子サッカーに恒常的なビジネス的価値が生まれるとは考えがたいでしょう。それでも日本の女子サッカーリーグはJリーグや日本的な企業スポーツの土壌に支えられながら、世界に通用する選手を生み出し続けています。男子サッカーも一過性のブームはとっくの昔に過ぎ去り、Jリーグの運営も幾多の浮き沈みを経てなおサッカーのレベルを上げ続けています。

女子より数倍層が厚い男子サッカーでは、あのスペインがやっとW杯初優勝を遂げたくらいですから、サッカー男女日本代表が本当の強豪として認知されるに至るにはまだまだ年月が必要でしょうし、どんなに頑張ってもブラジルやドイツのようなサッカー強国にはなれない可能性の方が高いでしょう。しかしそれは、日本が優秀なサッカー選手を一人も生み出せないと言う事ではなく、また、10年に一度でもW杯やオリンピックで素晴らしい成績を残すことができないということでもないことは、こうして証明されています。競技団体が確たるビジョンを持ち、優れた選手と指導者を生み出す競技構造を創れば、アイスホッケーより遅れて日本リーグを立ち上げたようなマイナー競技でも、世界の舞台で闘うことが、実際出来ているのです。

多くのマイナースポーツ団体が口にする「いつかメジャーになれば、、、」は、競技団体、コーチ、プレーヤーすべてが知恵と力を出し合い、まずは競技力を上げ、1チームでも、誰か一人でも世界に観てもらえる舞台に立たせてから言うべきだ、、、と、自分にも言い聞かせつつ、週末はカリフォルニアでゴーリークリニックです。

それでは。