2012年09月

2012年09月21日

コメントありがとうございます。

いただいたコメントに返信します。
まず、遅れましたが、

K's Granpaさん>
ありがとうございます。新たな地を楽しみながらコーチングに精進したいと思います。

34917さん>
小中学生の全国大会どころか、インターハイや高校選抜からしてレベル分けされてない一発勝負トーナメントなのに、学生、社会人になった瞬間にレベル分けされたリーグ戦が全国で行われるっていう構造が一番問題ですね。10点差で一回戦で負け「強豪に胸を借りた、、、苦節10年、、、まだまだ及ばない、、、来年こそは」みたいな甲子園的発想を辞めないと、ホッケーに限らず日本のスポーツは進歩しません。

大差を付けて勝つことに意義を見いだすようなモラルの欠如した指導者には何を言っても無駄なので諦めるしかないのですが、そもそも大差を付けて勝てばいいような試合しか提供されていないことが問題なのです。毎試合競り合うしかないような試合の仕組みが提供されていれば、能力とモラルが欠如した指導者たちも徐々に淘汰されていくでしょう。

そもそも競技レベルの違う相手に対して「それでも最後まで手を抜かないことが礼儀」とか「勝ち目のない相手に大敗していても最後まで諦めずにプレーする」とかいう日本的な美徳は、歪みまくった競技構造の副産物でしかありません。「一年間球拾いしかできないけれど頑張る」も然り、、、要するに、それが美徳でない限りやっていられないだけです。

ちなみに「ブルーライナー」は英語的にはブルーラインからのシュートみたいな意味になりますね。NZに浮いてロングパスを待つプレーヤーは「チェリーピッカー(美味しいところ取りの奴)」もしくは「フローター(浮きまくりの奴)」と呼ばれます。

aua_momさん>
その通りです。個人的には入れ替え戦ありの構造はあまり好きではないのですが、日本ではその方が受け入れられやすいかも知れませんね。
日本くらいの競技人口があるならば、U18、U16、U14、U12、女子の各AAAチームを関東以北中心に8-10チーム作って(もちろん毎年トライアウトで編成します)、できれば韓国にも入ってもらってアジアリーグのユース版を作り、AAAチームに入れなかった選手からなる既存の高校、中学、小学校チームはAAの地域リーグとして再編、初心者は基本的に市か県リーグを争う感じにすれば良いかなと妄想します。

結局、意味のある試合を戦おうとするならば、選手やコーチの取り組みにも増して、レベルを合わせた健全な競い合いを生み出すリーグの構築が必要だという結論になります。

もちろん日本や、その他のホッケー発展途上国に今ある構造でそれを望むのは不可能ですから、各チームは工夫して、なるべく意味のある試合を組めるように努力すべきだし、また、できるだけ子供たちが成長できるようなマネージメントをして欲しいものです。

「何点差が付いたら3セット目を出せるから、1-2セット目は頑張れ」

みたいなコーチの指示も過去によく聞きましたが、最初から3セット目もチョコチョコ出しつつ1点差で勝つことを目指せないのでしょうか?もしくは、練習試合とかなら、相手チームと話してホイッスルで交代のルールにして3-4セット同士を当てることはできないのでしょうか?

日本ほどのリンクと競技人口があれば(世界9位です!)工夫次第でどうにでもなることはたくさんあります。できるだけ意味のある試合が数多く行われるように、指導者は知恵を絞らなければなりませんね。

それでは。
hockeylabjapan at 20:12|この記事のURLComments(1)TrackBack(0)

2012年09月18日

実のある試合とは?

お久しぶりです。
イスタンブルより初めてのブログです。

イスタンブルは非常に美しい町で、トルコ料理も世界三大料理に違わぬクオリティです。
ホッケーはまだ本格的に始まっていないのですが、とりあえずリンクはこんな感じです。

Istanbul_rink


イスタンブルのアリーナは2009年に建てられたばかりで、メインリンクの横にミニリンクもあります。控え室やジムも完備されており、各種世界選手権を開催できる設備で、実際今週はフィギュアスケートのジュニアGPが行われます。イスタンブルにはこの他、ショッピングモールや学校内(リンク付きの学校がすでにあるんですよ!)に小さなリンクがあり、この先もいくつかのリンク建設予定があるそうです。地理的にも恵まれているので、アイススポーツは意外なスピードで成長する可能性ありですね、、、

さて、ホッケー界はシーズン開幕を迎えていますが、シーズン序盤戦の調子はいかがでしょうか?ほとんどの競技スポーツでは、地区大会、県大会、全国大会などシーズン終盤の主要大会に合わせて、練習試合、ローカル大会や遠征などでチームを作っていきます。

試合にたくさんシフトしてもらえるかどうかは、子供にとっても保護者にとってもチームの勝利以上に気がかりなところだと思いますが、ユース年代の競技ホッケー(6-18歳)では、アイスタイムはどのように与えられるべきなのでしょうか?もっといえばチームとしてどこまで勝ちを目指した戦いをすべきで、そもそも試合をする意義はなんでしょうか?

話を進める前に、まずは競技ホッケーとレクリエーションホッケーを分けて考えます。レクリエーションホッケーは、完全な初心者と、経験年数があっても、競技スポーツとしてより上のレベル(AA、AAAや高校、大学、プロホッケー)を目指さず、楽しくホッケーを続ける人達のためのカテゴリーとして存在すべきです。レクリエーションホッケーチームにはトライアウトはなく、試合でのアイスタイムも(規律違反を犯したときの罰則以外)常に平等に与えられるべきです。チームとしては全員をできる限り平等に使って勝つことを目標としますが、一番大事なのは全員がホッケーを楽しめることであるべきです。

競技ホッケーはトライアウトを経て選ばれた選手だけで構成されたチーム同士で行われるべきであり、日本で言うなら各都道府県の選抜チームが競技ホッケーのカテゴリーと考えられます。レクリエーションホッケーと競技ホッケーを分けて試合をすること、さらには競技ホッケーの中でもレベル分けをすることは、非常に重要であり、例えば「うちは初心者大歓迎だけど目指すは日本一!」というチームで、「なるべく初心者を出してあげるにはどうすればいいか?」という問題の解決策は、二軍同士のリーグ戦を組む、などの方法しかありません。競技ホッケーチーム同士の対戦でも、環境の差などであまりに競技力に差があり、10点差が付くようでは、もはや勝ち負けや試合の意義を問うことはできません。

さて、それではやっと本題に入り、競技ホッケーチームにとっての試合の意義とはなんでしょうか?ユース年代であれば、それは「勝利」ではなく「次のレベルへの育成」であるべきです。スコアボードを付けた公式戦である以上、各試合の目標は当然「勝利」ですが、そのために「子供たちを次のレベルに引き上げるための育成」が損なわれるべきではありません。例えば、一人のスーパー小学生FWを休むことなく滞氷させることによって、チームで8番目のFWの滞氷時間が大幅に減らされてしまうようでは、子供たちの健全な成長を妨げるマネージメントだと言えます。

もちろん競技ホッケープレーヤーは、トライアウトを勝ち抜いた「選手」ですから、自らのプレーでアイスタイムも勝ち取るべきであり、それも競技ホッケープレーヤー育成の一つの過程です。競っている試合の終盤でのパワープレーなど、勝負所ではパフォーマンスの高い選手を滞氷させるのは間違いではありません。しかし、指導者は同時に、パワープレーに滞氷するほどのスキルがない選手にも、キルプレーでの献身的な守備などを教え込んで、キルプレーで活かすなどのバランスの取り方を考える必要があります。

そして、「育成」と銘打つなら、勝ち負けとは別に、その試合でやろうとしていたことができているのか?個人として、チームとして、練習の成果があり、成長が見られているのか?というのも重要なポイントです。いつもの相手にいつものスーパー小学生がハットトリックをして快勝したところで、先週練習したリグループのパスが一度も見られなかったのであれば、その試合は成果無しです。逆に強豪相手に惜敗した試合でも、前より点差が縮まっていたり、練習の成果が見られたならば、それはチームとしての成長の証であり、意義のある試合です。
極端に言うならば、毎試合快勝するような競技日程ではチームも個人も育成されません。同じレベルの相手に勝ったり負けたりで、勝率5割のシーズンくらいが一番成長できるものです。

こうして「育成」を第一に考えて試合をしていく上で、一発勝負型のトーナメントはまったく使えません。負けたら終わりのトーナメントでは、ベンチも(甲子園宜しく)エースに頼った采配をせざるを得ないからです。初戦に調子が出なくて負けても、チーム全員を使って1勝1敗1分けで決勝トーナメントに進む方が全員の経験値ははるかに上がります。

一番大事なのは、頂点として目指すべきプロや大学ホッケーは、リーグ戦で行われており、程度の差はあっても3-4つのセットを回さずに長いシーズンを戦うことはできないということです。初心者がチームにいたり、一人で45分間プレーするようなプロホッケーはどこにも存在しないのです。目指すべき環境が明確ならば、そこに向けての育成も明確になり、試合の意義もはっきりとしてきます。選手が勝ちたいのは当たり前ですが、保護者や指導者には、是非試合の本当の意義を理解して、目先の勝ち負けに一喜一憂しすぎないで、チームと個人の成長を第一に考えて欲しいなと思います。

最後に、、、少年野球の頂点であるとされているリトルリーグワールドシリーズの参加チームからは、ほんの一握りのメジャーリーガーしか誕生していないことが統計的に知られています。その代わり参加者からは、NHLやNBA、NFL、MLSなど、他のスポーツでプロになった選手の割合の方が多いとのことです。これは実にアメリカらしい統計だとも言えるのですが、そもそもスーパー野球少年がメジャーリーガーになる必要すらなく、まずは優れたアスリートになれば、いろいろなスポーツで活躍できる可能性が広がると言うことです。また、小学生で勝ちまくって世界の頂点に立つことが、必ずしもそのスポーツでプロになるための絶対条件ではないことも示しています。

それでは。