2012年12月18日

Consistency

最近競技構造とか組織論ばかり語っていましたが、それは別ブログに移行していこうと思いますので、久しぶりにコーチングの話でも、、、

日本では多くのチームが試合や練習の前後にみっちりとミーティングをしていますが、私の知る限りの海外では、特別にセッティングされたチームミーティング以外では、試合の前に10分程度、後に5分程度(さすがに説教される展開だと若干長くなります)、練習の前にミーティングするチームはとても少なく、あったとしても5分、練習後のミーティングに至っては、業務連絡以外でほとんど見たことがありませんし、あってもロッカールームの中で一瞬で終わらせてしまいます。

海外で長く教えていると、このような日本人の生真面目さと献身的な姿勢をとても懐かしく思うときが多いのですが、一方、多くのチームのミーティングが、時間を無駄に費やすだけであまり意味がなかったことも思い出します。

私が良いミーティングを測る最大の基準にしているのは試合や練習の前後で語られる内容、ひいてはシーズン、タームの目標と比較して「ミーティングの内容が一貫しているかどうか」です。例えば試合前に「今日はディフェンディングゾーンを中心にしっかり守ろう!」と話しておいて、試合後に「守りばかり気にしていて積極的に攻めていなかった!」という話になるようでは一貫性がありません。トーナメントの前1ヶ月間は「とにかく今は個人スキルを上げる時期だからチームのシステムは一切やらない」と言っておいて、トーナメントが終わってから「チームとしてまったくかみ合ってなかった。お前らは基本的なシステムさえも知らないのか?」と、コーチに怒られてしまったら、プレーヤー達にとって過去1ヶ月間の練習はまったく無意味だったことになります。

コーチはシーズン全体の計画に沿って、この時期何に重点を置いて練習するのかを明確にし、全ての試合や練習にそれが反映されるようにしなければなりません。また、練習や試合前後のミーティングも、常にその目標に基づいて行われるように、一貫性を保つことが重要です。

私が数年前に指導したチームはとにかく個人技のレベルが低かったので、シーズンが始まって約1ヶ月間、2対0すら行わず、ひたすらスケーティングとパックハンドリングとシュート、そして(チームとしてではなく個人として、とにかく素早く自陣に戻る)バックチェックの練習のみを行いました。迎えたシーズン最初の練習試合で出した指示はこれだけでした。

「とにかくどれだけ個人技が伸びたか、それだけを試せばいい。個人プレーで抜きまくってみろ!パック取られちゃったら?ターンオーバー上等!バックチェックの練習もしたんだから、とにかく走って戻ってこい!」

結果は忘れましたが、、、いやたぶん負けました。だってDZカバリジもブレークアウトも一切やってないからチームとしてはもうグチャグチャですから(笑)しかし試合後にはそんなことは一切話さず、誰がどれだけハンドリングを使って抜いたか、誰がパックを取られた後にしっかりバックチェックしていたかだけを話しました。

一貫性は、試合だけではなく練習の構成や一つのドリルの中でも保たれるべきです。「今日はパワープレーの練習をする!」と宣言したら、アップとスケーティングと1-0、2-0のシュートだけでほとんどの時間を使うべきではありません。アップの後すぐにパワープレーを30分間やって、余った時間でシュートでもなんでもすればいいのです。

あるドリルを「これは2対1のオフェンシブサポートのドリルだ」と説明したのであれば、(練習の意図を乱さない限り)DF役がどんなに無茶苦茶に守っていてもそれには絶対に突っ込まないで、そのドリルの中ではひたすら攻めの指導をすべきです。次回の練習で同じドリルをするのであれば、その時にでもDFを集めて「この場合守りの側からはどのようにすべきか?」を教えれば、FWにとっても漸進的に強度が上がる練習になります。

ゴーリー練習でバタフライの形を矯正するためにひたすらローショットを打っている最中に、いきなりトップコーナーにシュートをブチ込んで「下ばっかり意識してるからだろ!」と得意げに怒鳴るのは、指導ですらありません。

教える側が教わる側よりも知識があったり観察力があるのは当たり前なので、試合や練習を観て「あれもこれも違う!まだまだ足りない!」と思うのは当然ですが、いろいろ言いたいところを我慢して、今までの指導計画と流れに沿った部分だけを的確に指摘する以外に、段階的に上達させていく方法はありません。

一貫性、、、非常に重要です。

最後に一貫性のある練習計画の例として、私が最近やってみたシールディング(パックプロテクションをしながら滑る)を使いスロットに向かってドライブするドリルを掲載しておきます。
(1)から(4)の順に進化していきます。

Shielding_Progression


(1)ではまず、シールディングの基本だけを教えます。パックプロテクションをして、クロスオーバーを使わないで両足を氷に付けたままスクーティング(スカリング)でサークルを周りネットに向かいます。コーチは内側から軽くプレッシャーをかけます。この段階でプレーヤーからパックを奪ってしまう意味はありません。
(2)ではコーチが途中でプレッシャーを強めたところでターンして反転し、ボトムサークルからドライブしてネットに向かいます。
(3)と(4)では2人で競争してパイロンを回り、コーチからのパスを貰いドライブします。(1)と(2)で学んだスキルを生かせるバトルドリルになります。

一つの練習で、この4つを20分くらいかけて教えれば、次からは(3)と(4)を形を変えつつ繰り返して練習に取り入れることが出来ます。当然の事ながら、どんなに素晴らしい得点をしたとしても、シールディングの技術が使えていたかどうかを基準にそのプレーを評価すべきです。

それでは。
hockeylabjapan at 05:18│Comments(0)TrackBack(0)コーチング 

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