2006年02月26日

出羽 〜象潟の旅


道の駅「象潟ねむの丘」からの眺め

「松島は笑ふがごとく、象潟はうらむがごとし」(芭蕉)

2005年晩夏であり初秋。「東北 小さな町小さな旅」(山と渓谷社)を携え、東北へ。
23時50分、埼玉県大宮にて夜行バスに乗り、翌朝6時40分ごろ、山形県鶴岡市で下車。
出羽三山へ行こうとショッピングセンターでありバスターミナルでもある「鶴岡エスモール」へ行くが、早朝の便は本日ないとのこと。

そこで、予定を繰り上げ、7時12分発酒田行き、さらに7時51分発秋田方面行きを乗り次いで秋田県象潟へ。「象潟や雨に西施がねぶの花」という芭蕉の句は、なんとなく知っていたが、目当ては芭蕉ではない。
江戸時代、松島に匹敵するといわれながら、地震によって一夜にして失われた景勝の地という感傷的に魅かれたからだ。


象潟駅改札口近くに掲げてある駅名由来によれば、「きさかた」という地名は、当初「蚶貝」(牡蠣の古名)がとれるから「蚶方」と言われ、それが「象潟」に転じたとのこと。他方で、潟の形が、象に似ているからという説もある。
駅でマップをもらう。
駅を背に直進し、まず海水浴場へ。9月はじめのこの時期は、だれもいない。
ここは、江戸時代、塩越港として栄え、300メートル沖には北前船を止める「沖の棒坑」(復元)らしきものが波間に突き出ている。
左に折れて進むと、漁港に出る。埠頭に座っている女性が、日除けの「ふくべ」をしていた。

象潟漁港


しばらく歩いて国道7号線、次いで線路を越える。
象潟郷土資料館では、ちょうど北海道との交流をテーマにした展示を催していた。
象潟は、江戸時代から観光で栄えていたが、地震で潟が埋没した後は寂れ、若者たちは一旗あげようと蝦夷へ向かっていったそうである。
そのため、象潟と蝦夷地とは特別の縁があるようだ。

郷土資料館の屏風絵

象潟の全景模型


郷土資料館を過ぎて東に向かうと、かつての潟に出る。
道路に沿って、右手に潟の跡の水田地帯を眺めつつ北へ進む。
秋なので田に水が張っておらず、かつての「八十八潟九十九島」の面影はあまり感じられない。
黄金色になる少し前の田の中に、松の生えた盛り土があるという景色で、少々失望する。
また、曇りがちで鳥海山も見えない。左手は住宅地や工場である。

八十八潟九十九島の跡

八十八潟九十九島の跡

実は、江戸時代にすでに潟は土砂で埋まりつつあったそうだ。船で潟を巡るという風流な観光が実際にはできず、観光客を失望させていたという記録があるという。

江戸時代にすでに観光産業が成立していたことにも興味を魅かれるが、それはさておき、1804年(文化元年)の大地震で地面が2.4メートル隆起し、潟が埋没するのを待つまでもなく、観光地としては廃れつつあったようだ。
八十八潟九十九島の跡

八十八潟九十九島の跡


しばらく進むと、線路が近くなる。能因島に着く。芭蕉が潟巡りの折、船を寄せたというこの島に立っていると、列車が過ぎていった。
この辺り、地名は、「○○島」という。
道に沿って蚶満寺へ。古い家屋が密集している地区の向こうに、小高い山が見える。八島神社だ。
蚶満寺に入る。境内の芭蕉像をみて、山門を真正面に捉える。
周囲から孤立している感のある門だ。

蚶満寺山門

蚶満寺山門

山門をくぐり、本堂へ。猫が数匹昼寝している。
船つなぎの石がある。かつて潟だった名残である。


蚶満寺を過ぎ、潟巡りも後半へ。
あぜ道を歩いていると、バッタの群れが飛び跳ねている。
大小の島の数が増えている。
こぶが三つある島など、趣がある。

ようやく、潟の端に到達。そのあたりから潟を見返す。
最初は失望した風景だったが、島の上の松、黄色がかった稲穂、なかなか情緒がある。
10、20分ほどたたずみ、線路を越えて道の駅ねむの丘へ。
まずエレベーターで展望台へ。潟を眺めた後、入浴。日本海を一望できる。

道の駅「ねむの丘」より

道の駅「ねむの丘」より


湯に入って汗を流した後、日本海沿いに歩いて、物見山、宿跡、欄干橋など、芭蕉ゆかりの場を巡る。
案内板があり、わかりやすい。
象潟の成功者が建てた洋館もある。

駅に到着。
列車の時間が来るまで待っていたが、雲は晴れず、とうとう鳥海山は見えなかった。



hodofin at 00:50コメント(1)トラックバック(1)国内旅行 | 出羽 

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1. 出羽の旅(象潟)  [ 週末ニートのほどほど日記 ]   2006年02月26日 01:02
ひさびさに、国内ちょこちょこ旅行に旅行記を投稿。松尾芭蕉も訪れたかつての名勝。ぜひ、ご覧ください。

コメント一覧

1. Posted by 鈴木   2006年02月26日 00:59
http://jump.sagasu.in/goto/bloog-ranking/で記事が取り上げられていたので、見にきちゃいました。僕もブログをはじめようと思っています。又見に来ますね(^^)ノシ

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