愛の書

手記のように、或るときは白昼夢のように

『愛の書』-ゲーテ詩集より


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(以下引用)

「書物の中のいとも奇しき書物は
 愛の書なり。
 われ、心してそを読みしに、
 喜びを語るページはまれにして、
 全巻これ悩みなり。
 一章は別離に占められ、
 再会の章は短く断片なり。
 憂いの巻は長々と記され、
 綿々として尽くるところを知らず。」

「愛の書」-ゲーテ詩集/高橋健二訳、新潮文庫 二二〇頁 より 

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恋の様相について描かれた詩だが、
愛(エロース、古希: Ἔρως,Erōsが欲したものを追い求め続けることであるならば、
死するまで生成され続け満たされることのない欲望によって生き続ける、
私達の生の有り様に通ずるものがある。
人生の大半は煩悶(苦悩)であり、喜びの瞬間はごく僅かである。
だが、愛と同じように生は、その僅かなる喜びのためだけに人間が営む神聖な仕事である。
欲し求める心こそが喜びを導くなら、その苦悩もまた充溢の生みの親として喜ばしいものだろう。
だから私は、これからも愛と生に悩もうではないか。



ゲーテ詩集 (新潮文庫)
ゲーテ
新潮社
1951-04-25

空の殻から虚を揄う

私が今までしてきたことは女の子のおしゃべりに過ぎなかったのだ。
女の子のおしゃべりは何故虚しいかと言えば、
いつまでも共感に留まり、否定が現れない、始まるべき議論、要するに対話が始まらない、つまり先に進むことがない。
あなたが正しいとして、そこで止まってしまう。
追従はだめだ。私は答えを欲しておきながら、思索という運動の停止を何よりも恐れている矛盾した人間なのだ。
世界を語れる言葉が生まれるのは対話がなされている時だけだ。

意味の満ち干き

人生を、存在をすっぽりと包む巨大な空虚は、僕を決して逃さないように思えてなりません。
奴は地獄にも天国にも付いてきます。

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