2014年12月10日
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で起こる病気で、突然の発熱や全身の倦怠感などの症状が特徴です。伝染性が非常に強く、症状が激しく重症化しやすいなどから、普通のかぜとは区別すべき病気です。
一般的に、風邪は様々なウイルスによって起こりますが、普通の風邪の多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳等の症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。
一方、インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れます。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を、お年寄りや免疫力の低下している方では肺炎を伴う等、重症になることがあります。
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分類されます。このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型です。 これらの3種類のインフルエンザウイルスは、毎年世界中で流行を繰り返していますが、国や地域で、また、その年ごとにも異なっています。
インフルエンザにかかっているかどうかを知るためには、その症状の原因がインフルエンザウイルスであることを確かめなくてはなりません。近年、「迅速診断法」という方法が開発され、8~15分で結果を知ることができるようになりました。
迅速診断法 「迅速診断キット」と呼ばれる小さな検査器具を使い、鼻からの吸引液や洗浄液、拭い液(ぬぐいえき)、のどからの拭い液など(検体)を取って、インフルエンザウイルスがいるかどうかを調べます。たくさんの種類のキットがありますが、ほとんどA型とB型のどちらも検査することができ、15分以内で結果を得ることができます。診察の現場では広く使われています。ただし、発症直後に検査した場合などでは検体の中にあるインフルエンザウイルスの量が少ないために、感染していても陰性になる場合があります。また、流行状況や検査のやり方などの影響で検査陽性であっても実はインフルエンザではない場合もあります。最終的な診断は患者さんの症状等から総合的に判断します。