2008年03月04日

宮廷のみやび−4 伝世の品々

(東京国立博物館 2/24終了)
第5章以降は”伝世の品”というタイトルであらためてお宝を並べ倒していた。
茶道具、御所人形や加茂人形、銀細工の雛道具、刀剣、このあたりはあまり興味を引かれることがなかったが、その正面に酒井抱一筆「四季花鳥図屏風」があった。
一瞬、旧知の友に会えたようにも思ったが、その抱一もいつもとはなんだか印象が違う。彼の作品の中でも”みやび”で気品ある屏風ということらしいが、そして確かに画面は多くの花や鳥が鮮やかに丁寧に描き込まれていて、明るい華やかな作品になっているが、あまりに装飾的で絵に命が感じられない。全体に薄っぺらい感じは否めないのだが、それでもどうしたことか、一番左にある梅だけは、雪景色を背景にした梅の木に咲く花のみは、そこだけに血が通うような生命感があった。

第6章へいくと、まず伝空海筆「益田池碑銘断簡」、碑文の写しのようでオリジナルというわけではないようだが、それでも壮大な土木事業をやり遂げた空海の大らかな気風が伝わってくる。
紀貫之筆「名家家集切(深養父集断簡)」は対照的に繊細で流れるような筆、このあたりひとつずつコメントしていたらきりがないが、そんな作品群の中でもひときわ異彩を放っていたのは伝賀知章筆の「草書孝経巻」。
賀知章は中国唐時代の詩人で、これが彼の真筆との確証はないようだが、北宋の文人皇帝徽宗の元に収蔵されていたという来歴もあるようだから、そこで大きな付加価値がついているともいえる。
草書とは言ってもひとつひとつの文字がそれぞれに声を発しているようで、しかもそれらがリズミカルに並び集団で響かせている音楽、それをパイプオルガンで奏でられるバッハのフーガに譬えてもいいだろうか。

最終コーナーは、源兼行筆「高野切(古今和歌集断簡)」、藤原俊成筆「日野切(千載和歌集断簡)」、伝藤原顕輔筆「鶉切(古今和歌集断簡)」が次々に登場、近衞家熙編国宝「大手鑑-下」からは紀貫之小野道風藤原佐理藤原行成らも加わっての華麗なる大団円となった。

hokuto77 at 22:35│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!日本絵画 

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