”手塚治虫のブッダ展” という試み花の画家 ルドゥーテ 『美花選』 展

2011年06月26日

世界遺産に登録された ”平泉‐仏国土”

平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」(Hiraizumi-Temples, Gardens and Archaeological Sites Representing the Buddhist Pure Land)の世界文化遺産登録が決定した。
一旦は登録延期となったところからの復活であり、震災復興という東北の希望にも沿うもので、地元も盛り上がっているようだ。私自身はやや悲観的な見通しを持っていたこともあったけれど、懐かしい映像を見ながら今は本当に良かったと思う。

その上で、しかし決定までの流れをみるとやや複雑な思いがしないでもない。
それは、当初の計画から構成資産を減らし減らしして、いわば”引き算”によりようやく登録に漕ぎつけることになったものだからだ。
結局登録されたのは 「中尊寺、「毛越寺」、「観自在王院跡」、「無量光院跡」、「金鶏山の5資産となったが、これは最終段階でユネスコ世界遺産委員会の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が、「柳之御所遺跡」(「平泉館」)を構成資産から外すことを条件に世界遺産への登録を勧告したことを受け、推薦書を作った専門家の委員会で除外したことによるものだ。
その理由として、平泉のテーマである ”仏国土(浄土)”との関連が弱いと判断されたとのことだが、元の内容が弱いから追加するという”足し算”ではなく、テーマとの緊密性の観点から”引き算”をしなければユネスコが納得しなかったということをどう考えたらいいのだろう。
いうまでもなく、”浄土思想”は平泉を語るうえで重要な要素には違いないが、それが ”平泉”の全てではない。

そもそも、3年前の2008年に”登録延期”を喰らったときの当初案では、「白鳥舘遺跡」、「長者ヶ原廃寺跡」、「達谷窟」、「骨寺村荘園遺跡と農村景観」もリストに入っていた。
再挑戦にあたり除外されることとなったこれらの遺跡がどのくらい平泉との関連性があるのか正直なところ分からないのでなんとも言えないし、敗者復活による”登録”を最優先に動いた当事者の苦渋も分かる。
ただ、かくなる上は、”世界遺産”を見に来たやってきた観光客に対し、除外された資産の魅力や関連性を訴えることによって、当初の理念の正当性を是非証明していってもらいたいと思う。

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”手塚治虫のブッダ展” という試み花の画家 ルドゥーテ 『美花選』 展